闇鍋の宴パロ   作:椒 朔月

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書いててどんどん楽しくなって、色々試してやろ!で色々しました。
目立つ粗もあると思いますが、温かい目で見てください。


──────―登場人物紹介──────―

椒朔月(はじかみ・さつき)──────―《修羅》

松林檎(まつばやし・ごん)──────《天邪鬼》

想条無念(そうじょう・むねん)──―《逸刀夢想》



Un Ending

「持ってきたぞ」

 

 インベントリから出したアイテム袋を差し出しながら、椒は豪奢な椅子に座る男を見る。

 

「はいよ、お疲れ様ー。確認しますね」

 

 譲渡のため所有権未定となっているアイテムを受け取り、男が中身を改める。

 

 ────智慧の実(バッドアップル)商工会(しょうこうかい)頭取、松林檎(まつばやし ごん)

 

 もう一つの現実となったこのゲーム内に、新たな財政を敷いた豪商。独自貨幣を流通させ、新たな巨大市場を打ち立てた。

 物資、武具、情報の融通、就業機会の提供まで、あらゆる業種に手を伸ばし、混沌としたデスゲーム内で一先ずの秩序を築いた、間違いなく大きな礎の一つである。

 

「それと、遠征の首尾は?」

「死傷者ゼロ。途中、PKの襲撃が一度があったが、俺含めた護衛で対処。パーティ全体で平均3レベルの上昇。クエストも問題なく完遂」

「完璧じゃん。やるねー」

 

 今回椒が受けた依頼は二つ。レベリングのためのレイド遠征の護衛。それに託けた、素材の収拾。どちらも澱みなく完遂されたことを確認し、松林は頷く。

 

「よし、確認も完了。問題なさそうね」

「そんじゃあ、約束通り」

「はいな。……と、その前に。一個確認」

 

 松林は指を一本立てて見せる。

 

「何に使うんで?」

「必要あるのか、それ」

「用途を把握せずに商品を売るわけにはいきませんから」

 

 納得した。考えるような間があって、椒は口を開く。

 

「────弔いだ。俺がやらなきゃいけねえ、リア友だったんでな」

「そうかい。そりゃあ、さつきらしい」

 

 満足気に頷く松林。椒の揺れぬ視線に答えるように、その眼を見据えた。

 

「それじゃあ改めて。約束通りに、情報を売りましょう」

 

 軽い調子のまま。しかし、真剣さの混じった声色で言って、松林は情報の書かれたテキストデータを椒へと受け渡した。

 

「恩に着るよ、檎さん」

 

 受け取り、椒は部屋を後にした。

 

 

 ******

 

 

 一度、自宅に戻り、秘匿処理*1をしてから、受け取ったテキストデータ────とあるギルドの調査記録を開いた。

 

 

【調査記録】レッドギルド『死士累々』について。

 

 デスゲーム化後に発足した、対人戦専門ギルド。サムライジョブの高レベルプレイヤーで構成され、命を賭け合った"死合"こそを至上の悦びとする戦闘狂集団。

 

 標的になるのは、攻略組の前線プレイヤーや、デスゲーム化以降前線を退いた高レベルプレイヤーなど。

 思想や性格は問わず、ただ”強者”と戦うことを望んでいると見られる。

 

 ギルドハウスや活動拠点は不明。何度か捜索隊を立てたが発見されなかった。また、集団でまとまって活動している素振りもないことから、決まった拠点は持たず、主にチャット上や暗号でやりとりをしていると見られる。

 

 その活動はフィールド上がほとんどであるが、相互合意の上で、圏内で完全決着モード*2のデュエルを行っているところも確認されている。

 

 

 ここまでは前から分かっている情報だ。こんなことを調べるのに、わざわざ商工会の手を煩わせはしない。

 重要なのは、この次に一行開けて追記された情報である。

 そこに、椒は確かに求めていた情報を────VRを始める前からの旧友の名を、見て取った。

 

 

【追記】椒朔月からの依頼による追加調査の結果報告。

 

 先月の末頃、高レベルプレイヤー 宗近一真(むねちか いっしん)が『死士累々』と接触していた記録が発見された。

 

 死士累々の頭領 想条無念(そうじょう むねん)と、賭けデュエルを行なっている。想条側が賭けたものは不明。宗近側は、自身の愛刀〈幽断(ゆうだち)〉を差し出した。

 

 結果、宗近一真はデュエルに敗北し、死亡。

 〈幽断〉の所有権は想条無念に移動したと見られる。

 

 

 淡々とした、しかし確実な情報だった。

 死者の旧友であるからと、椒を気遣うような素振りもなく、確かな仕事をしてくれるあたりが、あの人はやはり信頼に足ると示してくれる。

 

 活動拠点についての追記はない。やはり、ギルドハウスのようなものはないと見るべきだろう。問題はない。元々、単身乗り込んで制圧できるような集団でもなければ、そんな気もなかった。

 

 今回に限り、椒の目的は、旧友 宗近一真の直接の仇である、頭領 想条無念のみである。

 

 デスゲームと化し、仕合は死合へ、文字通りの果し合いへと意味を変えて尚、それを求め続ける、亡霊の如き求道者と戦おうというのなら、最も簡単で確実な方法がある。

 

 想条無念は一人、椒と死合いに来るだろう。確信がある。

 

 現在に至り、歪み切る以前は、椒朔月と想条無念は、間違いなく同類であったのだから。

 

 

 ******

 

 

 中央都市『セントレア』。

 その主要施設の一つ、転移門広場。

 

 中心に各地へのテレポートを行なえる転移門が鎮座し、移動の要となっているこの地を、今は怪訝なざわめきが満たしていた。

 

 転移門の目の前、禍々しき鬼面の男が、地べたに腰を下ろしていながら、威風堂々たる殺気にも似た気配を撒き散らしているせいだ。

 

 見ている者の中には、その男を知る者もいただろう。

 

 しかし。

 

 呪いを帯びた漆黒の鬼面。死に親しむ鬼たちの装束。

 そして、重罪の印たる、赤いプレイヤーカーソル。

 

 見知らぬ者であっても、男の歩んできた死地を推し量るには、十二分に過ぎた。

 

 立てた片膝と、そこに肘を乗せた腕で抱えるようにして携えているのは、

 鈍重さを突き詰め、故に鋭きにも優れた、大太刀〈源斬〉。

 そして、最大強化を経て打ち直された、打刀〈千枚透し改〉。

 

 変わることなく鬼面の進む先を切り開き続けた大小二振が、持ち主と共に転移門を睨みつけ、()()の訪れを待ち構えていた。

 

 三日前、情報を受け取った椒は、セントレアの掲示板に以下の書き込みをした。

 

 

──────果たし状──────

 

レッドギルド『死士累々』頭領 想条無念殿

 

貴殿に一対一の決闘を申し込む

 

20✕✕年10月27日、中央都市『セントレア』の転移門広場にて待つ

 

汝の手に在る最上の業物を手に、馳せ参じられたし

 

尋常なる死合を望む

 

           ────修羅

 

 

 これを見た者には「こんな掲示で来るわけがない」と一笑に付す者もいるだろう。

 しかし、それはないと椒には断言できる。

 

 想条を、以前の椒と同類だとするのなら、こんな美味い誘いに喰い付かないはずはない。淡々とした極短い文ながら、これでもかと餌は撒いた。

 

 レッドギルドの頭領であると知った上で、名指しで決闘を申し込む気概。転移門広場という衆目の前でやり合おうという胆力。

 そして、「尋常なる死合を望む」。この最後の一文が示すところは、『死士累々』について、充分な情報を持つ者であること。

 

 加えて、想条は紛いなりにもレッドギルドのギルドマスターだ。まさか、ここしばらくずっとレッドプレイヤーを狩り続けている《修羅》の名を知らぬはずはない。

 

 これで想条が現れなければ、喜んで笑い物にでもなんでもなってやろう。そんな、覚悟とも言えぬ椒の独白は、幸い、杞憂で終わることとなる。

 

「いやはや、全く。僕は嬉しいぜ。決闘なんてやり方、付き合ってくれる奴が残ってたなんてさ」

 

 転移門から、少年が一人現れる。

 

 鎧は着ていない。

 着物に袴、足元は足袋に草履という、時代劇から出てきたかのような正統派の和装。

 

 長い髪を結い、華奢な体躯と顔立ち相まって、一見には女とも見える。

 しかしてその矮躯には似合わぬ、背丈ほどあろうかという大太刀が、その者の力強さを物語っているようだった。

 

『汝の手に在る最上の業物を手に、馳せ参じられたし』。

 要求は呑んでもらえたらしい。

 

 椒はその大太刀に鋭い視線を向けながら、大小二振を手に立ち上がり、歩み寄る。

 

「だろうな。俺で最後なんじゃねえか」

 

 互いに名乗ってもいない*3

 自分があの掲示を書いたのだとも、自分こそがその相手だとも言っていない。

 

 そんなことは言外に伝わる雰囲気が、両者間にはあった。

 

 雰囲気。空気。闘気、或いは剣気。

 静かながらに、周囲の目が空間の歪みを幻視するほどの、殺気。

 

 暗黙の内にして、互いが了解した。

 

 ────こいつが想条無念である、と。

 ────この剣士が椒朔月である、と。

 

「どうかね。アンタ以外にもう一人、酔狂に付き合ってくれそうな《死神》を知ってるが」

「あの人は、こういう手順は踏まねえだろうよ。決闘するにしたって、居場所暴いて殴り込みさ」

「あっははは、確かに。まあいいんだ、彼女のことは。見物にも来てないようだし」

 

 ────さて。あの人なら、姿を消して眺めることだってできるだろうが。

 そんな、意味のない思考が、椒の脳裏を掠めた。

 

「早速やろう────と、言いたいところだが。ただ戦いたいってだけじゃないんだろ? アンタ」

「話が早えな。あいつがくたばる前にでもなんか言ってたか」

「ああ。清々しい様だったとも」

 

 ……だろうな。

 

「一つ、聞いておきたい」

「なにかね」

「あいつ────宗近一真は、なんだってお前と決闘なんてやらかしたんだ」

「ああ、そういうこと」

 

 それは、商工会の調べでも分からなかった。

 恐らく、賭けの取り決めは口頭のみで為され、記録に残りはしなかったのだろう。

 

 決闘で想条が賭けた物とはなんだったのか。

 それを聞かないことには、この決闘が弔い合戦として成立しない。

 

「特別な物じゃないぜ。ただ、()()()()()()()()()()()()()()ってだけさ。ただこれは、決闘での賭けというよりは、ギルマスの僕が死んだら自ずとそうなる。って話でしかないけどね」

「なんだよそりゃあ。賭けとして成立してねえだろ」

「怒らないでくれよ。僕だってそう言ったさ。けどそうしたら────

 

『構わん。それ以外に求めることもないのでな。貴様はただ、この決闘に敗北した暁には、ギルドを解散し、金輪際殺人には手を染めぬと、ギルドの面々に誓わせればよい』

 

 ────ってさ。全く殊勝なことだよな。それとも義心かな。感動したよ、現代には珍しい武士道だぜ。その上命だけじゃなく、魂である刀まで代償に差し出すってんだから、了承しない訳にはいかないだろ?」

 

 それを聞いて、椒は内心安堵した。

 旧友は自分の義を貫き、戦って死んだのだと。改めて認識できた。

 

 元々、無粋だろうと思っていた。

 

 友を殺された恨み、怒りでもって仇討ちに臨むなど。

 あの男の死を、そんな禍根で飾り付けるなんていうのは、本人も望まないだろうと。

 

 だからこの弔いに、ただのエゴ以外の意味はなかった。

 

 されど、彼が『死士累々』の討滅に、一騎打ちで臨んだというのなら、自分もそうするまで。

 

 友のやり遺したことを。友の無念を、晴らすまで。

 

「さて、《修羅》よ。アンタはこれを聞いて、この決闘に何を望む?」

「分かり切ってるな。一真と同じだ。『死士累々』の解体。今後一切、殺人は厳禁。死合を望むなら、是非前線に加わってボスエネミーとでもやってもらおう」

「おーけー、通達しておこう。代わりに、アンタはその大太刀〈源斬〉を差し出して貰うぜ」

「ああ、構わねえ。一真も自分の刀を賭けたんだろ」

 

 頷いて、想条はウィンドウを開き、ギルドチャットにその旨を通達した。

 それを受けたメンバーの反応はこちらには見えないが、問題はない。

 

 反故にする者がいたなら、また斬るまでのことだ。

 

 そして、ここからは私情。

 

「もう一つ。そいつを返してもらう」

「ん?」

 

 一瞬、想条は何のことか分からない様子で首を傾げたが、椒が指差す先が自分の背負う大太刀だと気付いて、納得したように笑んだ。

 

「なるほど、そりゃそうだ。友達だったんだもんな。こりゃ、こちらの察しが悪かった。すまんすまん」

「そんな、お熱い間柄でもねえけどな」

 

 大太刀〈幽断(ゆうだち)〉。

 

 宗近一真が、最も信頼する鍛冶師に打たせたオーダーメイドのユニークウェポン。宗近一真の愛刀であり、魂であり、忘れ形見。それを放置しての決闘など意味がない。

 

 HP全損によって決着なのだから、元より勝てば回収自体はできるのだが、それでは遺された想条の部下へ禍根を残すことになるだろう。

 せめて、()()()()()()奪われた物を()()()()()()取り返した。という筋を通しておきたかった。

 

「おーけー、いいだろう。苦労して貰ったんで名残惜しいが、この刀も賭けの対象にしよう」

 

 言い様には内心、煮え立つものがあったが、強いてそれを出さず頷く。

 顔が隠れているのは幸いだった。

 

 自分が今どんな形相なのか、椒自身にも分からない。

 

「そんじゃあこっちからも何かもう一つ……」

「いや、別にそれはいい」

 

 食い気味に制止する想条。

 

「アンタも言ってた通りさ。どの道そうなるギルド解散と、メイン装備の刀じゃ賭けが成立してない。宗近ん時はアイツの武士道に敬意を払っただけ。別に蓄えに困ってる訳でもなし、本差以外を正式に貰い受けたって仕様がないし。こっちはギルドの解散並びにPK行為の厳禁と、この〈幽断〉。アンタは〈源斬〉。それで成立ってことにしようぜ」

「随分あっさりしてんだな。もっとふっかけてくると思ってたが」

「ないない。面倒だし、そういうの。これ以上うだうだ話し合いなんか、我慢ならんよ」

「まあ、それには同感だな」

 

 いい加減、意気を抑えた息苦しい御託は止めにしよう。

 先ほど開いたウィンドウを操作して、想条がメッセージを飛ばしてくる。

 

 

 

──────デュエル申請──────

制限時間:無制限

人数:1vs1

ルール:完全決着モード

挑戦者:《逸刀夢想》想条無念

 

申請を受諾しますか?

 

 Y        N 

 

 

 

 

 迷わず、承諾のボタンを押す。

 

 

────デュエル申請を承諾しました。

 

 

 

 

──────デュエル──────

 

制限時間:無制限

ルール:完全決着モード

 

 

《逸刀夢想》想条無念 vs 《修羅》椒朔月

 

 

Ready……

 

60

 

 

 

 間もなくして、開戦まで六十秒のカウントダウンが始まった。

 

 高い音色が一秒一秒を刻むごとに、場の空気は張りつめていく。

 

 椒は、打刀を腰に差し、するりと大太刀を抜くと、正眼より僅か下で腰に寄せて構えた。

 

 残りカウント十秒。頂点に達しつつある緊張の中。本当はさあ。と、想条が場違いに力の抜けた声で言った。

 

「実際、アンタの刀を貰おうとか。賭けとか、武士道を尊重するとかさ。どーでもいいんだよ。僕はただ────」

 

 想条の姿勢が、ゆらりと揺れて崩れるように、低く、低く。

 その両手は確かに、大太刀の柄と鞘を掴み取っていた。

 

「────()()()でやり合いてえだけだぜッ!」

 

 想条が地を蹴ったのと全く同時。開戦を告げるゴングが鳴った。

 

 速攻の踏み込み。左手で鞘を引き、右腕のみで大太刀を横一線に振り抜く。

 流れるような、なんて甘い表現では利かない、神速に閃く抜刀。

 

 構えていた大太刀で受けるが、あまりの重さに、両腕を痺れが走る。*4

 大太刀だからなんて単純なものではなく、体重移動から手先の力の伝え方まで。一連の動きが完璧に噛み合っている。

 

 大太刀を片手で振りかぶる、見た目に似合わない腕力に関しては、椒と同じくSTR値が高いで説明できるが……。

 

 ────この感じ、覚えがある。

 

 椒からも押して鍔迫り合い、両者の顔が間近に寄る。

 

「テメエ、現実世界(あっち)で何かやってたな?」

「察しがいいな。闇鍋(そっち)にも居たっけか?」

「居るとも。何度も稽古つけてもらったよ」

「そいつは、ますます楽しめそうだ────ッ!」

 

 想条が大太刀を弾いて鍔迫りを解く。

 

スキル発動──────〈縮地Ⅷ〉*5

 

 鍔迫り合いを解く動作のまま、想条は切っ先で椒の首元を狙う。が、椒の姿は掻き消え、既に一歩後ろへ下がっていた。

 空振った大太刀を構え直しつつ、想条は僅かに目を見開く。

 

「おろ? ……あー、今の〈縮地〉か。相当鍛え込んでるな」

「近接型の王道だろ」

「間違いない。特に技速ビルドはな。つまりは────」

 

 幽かに、想条が前傾したように見え、掻き消える。

 

スキル発動──────〈縮地Ⅹ〉

 

「────こういうこと」

 

 瞬くよりも速く、想条は既に間合い。刃が椒の眼前に迫っていた。

 椒は間一髪、それを弾いて今度は横へステップ。睨みつつ、口角が吊り上げるのを自覚する。

 

「様子見とか要らないだろ。()()で来いよ」

 

 だらりと両腕を垂らすように脱力し、視線だけで椒を射抜きながら、想条は挑発的に言う。

 

 尤もだ。何を、真っ当に剣術勝負などしようとしているのか。

 これは決して、比武の仕合などではない。

 どちらが生きるかを決する闘い、()()である。

 

 剣に命を捧げた剣士ならばいざ知らず。

 椒朔月とは“修羅”を歩む鬼であるからして、殺し合い死に合いの()()においてあるべき在り方とは、つまり────。

 

「おうとも。今、目ェ覚めたぜ」

 

 怒れる鬼面の眼窩に、禍々しき紫紺が灯る。

 

スキル多重発動──────〈修羅*6哀縁不消(あいえんきえん)*7

 

 鬼の全身から、呪いを孕んだ漆黒の炎が噴き出す。

 

「────────ッハ────」

 

 呪炎が全身を焼き焦がす。

 体表の水分がすぐに蒸発する。肉が溶けて爛れて、血液は沸騰し、熱膨張した内蔵は破裂し、骨は炭化する。

 ────それは錯覚だ。

 

 所詮ポリゴン体のVRアバターに、そこまでの肉体再現度はない。呪いの鬼面*8によって痛みが解放されているといっても、肉体の再現できていない部分まで詳細な痛みを受けることはない。

 

 あくまでも、VRに強く適応した椒自身のイメージから、自ら感じ取っている痛み。

 

 だから、これはこの世界に囚われて以来失った、生ある肉体を偲ぶ幻肢痛。

 

 ────あるいは。

 

 痛みを以て真となった、新たなる肉体に狂気(いのち)を呼び込む────呪縛(しゅくふく)

 

 

「────ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

 

 鬼が笑う。鬼面の口元が大きく開き、張り裂けんばかりに口角を吊り上げ、牙を剥き出したような鬼の笑い口が曝け出される。

 苦痛を笑い飛ばし、祝福を冷たく嗤い、呪蝕を嘲り哂い、自身の無様を大いに呵う。

 

 ────狂え狂え狂え。歓喜して狂え。

 

 我が名は修羅。人命を薪に焼べ、血に酔い狂う、《修羅》。

 

 ────喰らえ喰らえ喰らえ。狂喜さえ喰らえ。

 

 我が名は鬼。人たるを捨て、血肉を喰らう、《人喰い鬼》*9

 

 激痛を狂気で喰らい、在り方を歪めて。

 

 されど、だからこそ。

 

 鬼は笑って、そこに立ち続けていた。

 

「それが、《修羅》か」

 

 想条の笑みは引き攣っていた。汗が滲み、目は見開かれ、全身が震えている。

 早鐘を打つ鼓動が急き立てるのだ。

 

 ────()()()()()()()()、と。

 

「あっははは……あはははははは! いいぜ、いいなあ……最高だぜ椒朔月ィ!」

 

スキル発動──────〈縮地Ⅹ〉

 

 銀閃が奔る。鬼を、炎や呪いごと、ここに斬り伏せんと、刹那の踏み込みにて間合いを絞る。

 

 たとえ、戦いが一瞬で終わろうとも。

 その一瞬こそが何にも代えられない、かけがえのない最上の死合の記憶になるであろうと、想条は確信していた。

 

 腰だめからの横薙ぎ一閃に始まり、回転と捻りを自在に操り、次々に斬撃を繰り出す。

 

オリジナル大太刀スキル──────〈逸刀夢想〉

 

 一刀を逸し、夢を想いて無双へと至る。

 想条無念のステ―タスとスキル構成により完成された十三連撃。

 

 その一連は、瞬きよりも更に速い。

 

 回避する余地は皆無。食らって生き延びる希望は絶無。

 それは間違いなく、鬼の首を取るに足る刃だった。

 

 怨嗟を歩み、呪蝕を纏い、憤怒に焼かれ、狂気に笑う、真に鬼と成った男への、あるいは唯一にして最後の救済だったかもしれない。

 

「……ッハ」

 

 失笑。

 

 笑みが失せ、紫紺を宿した赤い眼光が、迫る十三の刃を確かに捉えた。

 

 たとえそれが本当に、歩みを止める救済だったのだとしても。

 しかしそんな救いを、鬼が自らに許すことは決してない。

 

 鬼に横道はない。

 自らが決めた道から逸れることは、断じてない。

 

 半歩下がる。

 

 初太刀に斬撃を返して弾く。次が肩を掠め、その次をまた斬撃で弾く。

 十三連撃中、六回は椒の皮一枚を掠めたが、残りの七回を返す刀で受ける。

 

 まるで軽く砂粒の混じった風にでも煽られたように、椒は想条の十三連撃を受け流した。

 

 そして、斬撃に斬撃で返すとは即ち、互いの攻撃は武器同士でヒット判定を取っている。それは、椒が発動中のスキル〈修羅〉による攻撃力上昇と、〈哀縁不消〉による呪属性ダメージ加算をもたらす。

 

「ふぅー……」

 

 振り上げた大太刀の柄を、しかと握り込む。

 

「死ぬなよ」

 

 最後の一撃を弾かれ、姿勢を仰け反らせた想条へ、鬼の冷たい声が、しかし確かな熱を帯びて落ちた。

 

鬼種限定最高位刀スキル──────〈羅刹式秘奥『大嶽・九鬼の辻』〉

 

 上から下へ振り下ろされた一刀から放たれる、()()()()()()()

 

 それは確かに、想条の胴に同数の赤い筋を刻みつけ、後方へと押し出した。

 

 しかし、倒れない。

 修羅なる炎がもたらす鋭さと、消えぬ悲しき縁による呪いを受けて尚、膝を着きはしない。

 

 こんなところで倒れてはいられないと、血が騒いで仕方がないのだ。

 

 踵で後退を止めつつ、再び椒を見た。

 笑っている。しかし、その眼には刃よりも鋭い光を持って。

 

「あはっ、あははは……そうだ。そうこなくちゃつまらない。なあ? 《修羅》」

 

パッシブスキル──────〈血濡れの恍惚X〉

 

 斬撃の直接ヒット後、連続ヒット数に応じた倍率で、五秒間だけ防御力を上昇させるパッシブスキル。十三連撃の過半数を椒に命中させていた想条は、これにより防御力を底上げし、椒の奥義を無防備な姿勢ながらに受け切ったのだ。

 

 それは奇しくも、以前まで椒が使用していたパッシブスキル〈血濡れの愉悦〉と同じ由来を持つスキルだった。

 

「お前も受けたろ? 『契り、月下にて』。こいつはそのクリア報酬さ。」

「ああ、懐かしいな。ありゃ良いイベントだった」

「全くだ。特に、NPCを殺すことで、ボスが強化されるって辺りがな」

「そんなルート分岐は知らねえ」

 

 椒は少しだけ引いた。

 ただ、それを全く違うプレイスタイルだと断じるほどの穏やかさはなかった。

 条件があのNPCを殺害することでなかったなら、椒とてボスエネミーの強化には乗り気だっただろうから。

 

 ────やはり、こいつは似ているんだ。

 

 以前の自分と。戦いを好み、ただ楽しんで仮想の刀を振るっていた自分と。

 ほとんど同じだと言ってもいい。

 

 ここまでそれを貫き通せば、自分もこうなっていたのかと考え、そんな感慨のようなものはすぐに消えた。

 

 今とて、同類なのだから。

 

 目的は違えど、エゴで人を殺している。

 

 その点で、自分とこいつが違うのだと断じれるような甘えた価値観を、椒は持っていなかった。

 

「さあ、やろう。もっと、もっともっと。アンタのその炎が消えちまう前に」

 

 未だ燃ゆる鬼へ、想条は恍惚とした声色で言った。

 

 互いに一度、大技を打ち合っただけの、たった一瞬。されど確信通りに最上となった死合の愉悦に浸りながら、再び大太刀を構える。

 

「ああ────」

 

 以前と同じ。依然と同じ。

 

 ならば。

 

 否、だからこそ。

 

「────全力で叩っ斬ってやるよ」

 

 言って、鬼の刃もまた、再び相手を向いた。

 

「ああ……惚れちまいそうだぜ。とことんやろう。どっちかが燃え尽きて、果てるまで」

 

 そして、二つの笑みは向かい合う。

 

 片や、怨嗟の炎に身を焼かれる痛みと狂喜に。

 片や、至上の死合に身を投じる恍惚と歓喜に。

 

 互いの感慨で以て、それは暗黙の内に結実する。

 

 即ち、ここから先に演じられる、乱舞の如き闘争に、言葉は不要であると。

 

スキル発動──────〈縮地Ⅷ〉

スキル発動──────〈縮地Ⅹ〉

 

 両者の姿が掻き消え、銀閃が交錯する。

 狂喜と歓喜の哄笑だけを響かせながら。

 

「ッハハハハハハハハ────!!」

「あはははははははは────!!」

 

スキル発動──────〈縮地Ⅷ〉

スキル発動──────〈縮地Ⅹ〉

 

 縦横無尽。空中すらも巻き込んで、両の刃は高速の彼方を飛び回る。

 

スキル発動──────〈縮地Ⅷ〉────〈縮地Ⅹ〉────〈縮地Ⅷ〉〈縮地Ⅹ〉〈縮地Ⅷ〉〈縮地Ⅹ〉〈縮地Ⅷ〉〈縮地Ⅷ〉〈縮地Ⅹ〉〈縮地Ⅷ〉〈縮地Ⅷ〉〈縮地Ⅹ〉〈縮地Ⅷ〉〈縮地Ⅹ〉〈縮地Ⅷ〉〈縮地Ⅷ〉〈縮地Ⅹ〉────────

 

 弾き合い、斬り結び、迫ってはまた斬り合う。

 

 〈縮地〉のスキルレベルにより、速度ではやや想条が勝るが、連続発動と総MP量の有利によってそれを補い、椒も肉薄。

 HPを削り合いながらも、耐久と治癒によって拮抗し、全くの同速で互いのHPバーは減少していく。

 

 そして。

 

「ハッ────!」

「あっは────!」

 

スキル同時発動──────

──────〈逸刀夢想〉

──────〈羅刹式秘奥『大嶽・九鬼の辻』〉

 

 ゼロコンマ一秒のずれもなく、互いの大技が発動し、死合は決する。

 

 勝敗を分けたのは、性質の違いだった。

 

 洗練された業とキャラビルドによって、高速で十三の斬撃を繰り出す、想条の〈逸刀夢想〉。

 対し、極限まで強化したことによって獲得した、最高位のスキル効果によって、()()()()()で九の刃を放つ、椒の〈大嶽・九鬼の辻〉。

 

 両者同士でなければ、問題にはならない、一瞬にも満たない刹那の時間差。

 

 想条の初撃が椒を斬り付け、隙間なく二撃目を振り抜こうとする頃。既に椒が放つ九閃は、想条の命まで届いていた。

 

「あ、はははは……」

 

 九つの刃が全て命中し、ダメージ処理が行われHPが減少していく、ほんの僅かな猶予。想条は満足気に笑い、言う。

 

「楽しい……本当に、楽しい死合だった」

 

 丁度その時、椒の発動していた〈修羅〉と〈哀縁不消〉の効果が切れる。

 

 身を焼く炎と呪蝕の壮絶な痛みから解放され、椒はその言葉を聞いた。

 

「持っていけ。アンタや僕じゃ絶対に歩めない、武士道を貫いた男の魂。あの男は多分、アンタのその在り方でさえ、一貫するのなら認めるんだろうぜ」

 

 丁寧に鞘に納め、想条無念は大太刀〈幽断〉を差し出した。

 

「……そうだな」

 

 ────あいつは、止めはしない。止めちゃくれない。

 

 どれだけ歪で、どうしようもなく救いのない道のりであったとしても。

 

 宗近一真は、男が胸に誓った一つの真にケチをつけるなど、無粋だと断じるだろう。

 

「アンタはそのまま行けよ。お先に地獄で、それを眺めててやる。この〈幽断〉が、幽囚を断ち切らないことを願うぜ」

 

 そう遺し、想条無念は最後まで満足気に笑って、その体を解けさせた。

 

 宙に落ちかけた〈幽断〉を、掴み取って握りしめる。

 

「確かに貰い受けるぜ。この炎を絶やしはしねえ」

 

 さながら桜の花弁が如く、青白いポリゴンとなって散っていく想条無念の魂へ。

 

 かつての自分の影にまた一つ、十字架を突き立てて。

 

 ────だが、元より同じ事だ。

 

 椒朔月がその志を変えることは、決してない。

 しかし、その志が果たされることもまた、あり得ない。

 

 この世界が終わるか、この身が果てるか。

 

 二つに一つ。必ず、志半ばにして、この道は途絶えるのだ。

 

 希望もなければ大義もない。

 

 この修羅の道は畢竟、終わりのない自罰の道なのだから。

 

 

 ******

 

 

「その後、レッドギルド『死士累々』は解体。数人の消息は未だ分からず、だけどPK行為は確認されてない。何人かはこちらで拾って、『死士累々』の件は一旦は解決。っと、まあざっくりそんなとこ」

 

 頭取こと松林檎は、情報をまとめたテキストウィンドウに視線を落としながら、そんな予後報告。

 

「いや~お手柄じゃない。ああいうペーパーカンパニーみたいな形態をとられちゃうと、こっちでも手が出しづらかったからね。一戦で話を纏めてくれちゃって、こちらとしては大助かり」

 

「皮肉が効いてんな、それ」

 

 かつての同輩が人を一人斬ったことを、『お手柄』などとは。豪胆に言ってくれる。

 

「褒めるところは褒めるさ。むしろ、最も限られたリソースであるプレイヤー数を、()()()()()()()()()()()んだ。誇りな」

 

 正論。機械的なまでに客観的で合理的な事実だった。

 まあむしろ、腫れ物のように気を遣われるよりは、ずっといい。変に感傷的になられても、挨拶に困るってものだ。

 あの死合に、外野からのそれは必要ないのだから。

 

「さてと。必要な報告は以上かな」

 

 テキストウィンドウを横へ流し、ぱんっ、と柏手を打って、松林は椒へ向き直る。

 

「ここからは仕事のお話」

 

 言われ、椒も頭のチャンネルを切り替える。

 ただ報告のために呼び出されたわけではないだろうと、来る前から分かっていたことだ。

 

「今度はなんだ」

 

 また護衛か、お遣いか。あるいはレッドプレイヤーの暗殺か。

 どれでも構わないが、なるべく楽な話であることを願うが。

 

「『連合』────正式名称、『ギルド間複合都市防衛連合』はご存じで?」

「そりゃあな。塩宮が立案 兼 主催だろ。非戦闘プレイヤーとかの防衛機構とかなんとか」

「その通り。商工会(うち)のお得意様でもある────んですがね」

「────?」

 

 少し、松林の語尾に陰りのようなものが見えた。

 なんだか、きな臭い。

 松林に精神的な負担を感じ取った訳ではない。

 

 これは、『楽な話であってほしい』というような甘えは、通じなさそうだ。

 

「端的に言いますと。うん、戦争になりそう。割と大規模で」

「……は?」

 

 何か予想を立てていた訳ではないけれど。それでも、随分と予想外の内容に、椒はしばしフリーズした。

 

「なんだ、それ……。とうとうぼったくりが捲れたか?」

「失礼しちゃうな。うちは誠心誠意、正直で素直な商売をしていますとも。いやそもそも、連合と商工会が、じゃなくて、連合内で。有り体に言えば内紛。もしくは謀反かな」

「そりゃあ、なんとも政治じみてんな……」

 

 苦手分野だ。頭脳労働って話なら、自分が出張って何か影響を及ぼすこともなさそうだし断るか。とは考えつつも、一旦は話を聞く姿勢を崩さない。

 

「元々、問題は起きつつあった。仮初とはいえ権力を与えてしまった以上、どうしても腐敗は出てくるもんだ」

「まあな」

 

 だからこそ、椒は深く首を突っ込まないようにしているわけで。

 

「それも大きくなってきて、内々の動きじゃ手が付けられない。そんなところで、いよいよ戦争寸前。有用な戦力は欲しいわけです」

「なるほど。俺は塩宮側につく、でいいんだな?」

「勿論。旧友同士で戦ってくれ、なんて。仕事では頼めませんよ」

「分かった、そういうことなら請けるよ」

 

 塩宮には、随分と迷惑もかけていることだし。そのくらいの返礼はしなくっちゃな。

 

「重畳。それは良かった。報奨についてはこのあとも応相談。戦果によっても上下するけれど、商工会(うち)からはそれなりのものを約束しますよ」

「いいよ別に。戦ってりゃ戦利品もあるだろ」

「いやいや、そういう訳には。これも商売ですんでね」

 

 そういうことなら、まあありがたく受け取る方向で。

 

 と、そこまで話がまとまってから、疑問が口をついた。

 

「そういや。謀反っつーなら、首謀者は誰なんだ? 塩宮や攻略組でまとめられねえってんなら、相当の相手か」

 

 連合に参加・協力しているプレイヤーの中には、以前からの知り合いも多い。それに主催の塩宮については十二分に旧知と呼べる間柄。何せ元は同じギルドのメンバーだ。

 気になってしまうのは仕方がないことだったけれど……。なんだか、松林が都合のいいように、話に乗せられている感じは否めない。

 

「塩宮」

「へ?」

「塩宮るれあ。『ギルド間複合都市防衛連合』の立案者にして主催。我々に馴染み深い言い方をするなら、ギルド『闇鍋の宴』の現ギルドマスター。《不落城》、《生物要塞》、《不死の兵》。()っ壊れシールド。キチガイタンクビルド。くの字。スライムしか殺せない蟹。ソフトシェルの対義語。キチゲリジェネ(蟹)。ストレスでも死ねなそう。INT3改め、INT5男。ヒーローじゃないのに遅れてやってくる男。死にぞこない。最もグリーンカーソルの似合うキチガイ。塩試合宮。ツボツボ。セメント。マゾ────はぁーっ」

 息継ぎ。

「所詮は同じ穴の狢。胃痛枠。胃だけ痛覚遮断自動解除されてる男。攻撃面の話してる時ちょっと暇そうな盾。新規プレイヤーの間違った憧れ。致命的な語弊。運営の売り上げに一役買っている蟹。実際お前だけ闇鍋で割とまともだよねでお馴染み。鉄壁にして難壁にして絶壁のシールダー。我らが親愛なる友、塩宮るれあその人です」

「えぇぇぇ……」

 

 全部知ってる呼び名だ。本人らしい。

 

 …………………どゆこと?

*1
聞き耳スキル対策やらなんやら

*2
HPが0になった方が敗北する。要は、死ぬまでやるモード。

*3
プレイヤーの頭の上にあるのはカーソルだけ。

PLネームはパーティ組んだりしないと見れないっていう、SAOと同仕様想定

*4
痛覚遮断無効のせいです

*5
一方向に高速ステップで移動するアクティブスキル。

スキルレベルに応じて最大距離と速度が伸び、AGIとTEC依存で更に伸びる。

椒のステ―タスとスキルレベルだと、短距離の瞬間移動みたいになる。

*6
効果時間:60秒。

攻撃ヒット時に攻撃力を割合で上昇。

効果中は肉体が燃え、常時スリップダメージ。

*7
効果時間:60秒。

効果中の被ダメージの割合分、攻撃力に呪属性ダメージを加算

*8
椒の頭装備〈修羅鬼の呪面〉。防御性能自体が結構強い。

加えて、〈哀縁不消〉などを含めた独白スキルツリー解放などの効果がある。

代わりに装備したプレイヤーの『痛覚遮断機能(ペインアブソーバー)』を完全解除する。

脱衣不能のおまけ付き。

*9
種別:称号

解放条件:〈修羅鬼の呪面〉装備中に、与被ともに累計五十万ダメージ




【解説】

 宗近一真は椒のリア友です。
 中途になってる『掃き溜めた闇鍋』のボスでもあります。
 LUC編重ビルドとリアルラックと装備編成で、毎攻撃クリティカルで殴ってくるクリ殴りゴリラです。そのリアルラックでボスエネミーのテイムなどもしています。

 椒のリア友が二人ほどログインしてたけど、デスゲルートだとどっちも死んでるよ~ん。

追記(2026/05/21)

 想条無念が現実世界でやってた「何か」っていうのは、大太刀術です。
 大太刀の、だいたい1メートル以上ある刀で立って戦う剣術を修めていました。ただ、片手で鞘を引いての抜刀とか、《逸刀夢想》っていう技は本人がゲーム世界に合わせて編み出したものだけど、土台には現実世界での修練があります。
 元々、人殺しや命を賭けた死合に傾倒していた訳ではありませんが、現実では防具ありきで木刀を使った稽古くらいしか機会がないけど、VRのゲームなら気軽に実戦できて楽しいし良い修行になるな。くらいで想条はこの世界に来ました。
 デスゲームになっても、すぐにレッドプレイヤーになった訳ではないです。ただ素質はあったので、PvEで命を賭けた戦いの楽しさを知り、PvPで殺し合いの快楽に没入していった。みたいなイメージです。現実では望めない殺し合いをゲームに求めていた人が割と多くて、そういうやつらが次第に集まって『死士累々』ができました。

 宗近がデュエルした目的については、宗近の知り合いが『死士累々』のメンバーにいて、ギルドを解体して真っ当な道に連れ戻してやろう。みたいな想いがありました。
 それと、想条側の「宗近一真がかなり強いからやり合いたい。ついでに〈幽断〉も手に入ったらラッキー」という目的がかち合った感じです。
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