最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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プロローグ
転生少女の日常


 なんの変哲もない日常生活を送っていたOLとしての人生の記憶を持って、別の世界へと生まれ落ちた転生者。

 それが私、沢田(さわだ) 奈月(なつき)と言う存在だ。

 

 今世の両親は、心配になるほどにど天然な最カワイイ母親と、明らかに只者じゃないのに、普段はダメな親父を演じているっぽい家族大好きおじさんな父親で、普段は世界中を飛び回っているせいで、自宅にはなかなか帰れない父に代わって、私が母を支える生活を送っている。

 まぁ、支えると言っても、ただ単に家事ばっかやってる母さんの手伝いを片っ端からしているだけなんだけど、それだけでも親はかなり助かることを前世の知識から知っているので、特に気にしていない。

 小さい時からやってるから、怪しまれないかと何度か不安にはなったけど、案の定ど天然な母さんは気づいていない。

 おかげで自由にやりたいことができるから助かってるけど、いつか変な人に騙されそうだな、なんて不安を抱く生活だ。

 

 そんな生活も、早くも10年以上が経った。

 転生した私も、今じゃ中学生。まぁ、精神年齢的には三十路を超えたおばさんではあるけど、そんな精神年齢とは裏腹に、私の体には有り余る体力があり、ひたすら今を全力で楽しむことができている。

 まぁ、一つだけ転生したことに不満を言うとしたら、明らかに現代日本と言った感じの世界へと生まれたため、学校に行っても授業が簡単過ぎて、眠くなってしまうところだろうか。

 

「なっちゃーん!!」

 

「うわ!?って京ちゃん!!いきなり抱きつかないでって何度も言ってるでしょーが!!」

 

「えへへ、ごめんなさい。なっちゃんの側ってすごく落ち着くから、ついくっつきたくなっちゃうの!」

 

「わかる。ナツの側って、他の男子共に比べたらすごく安心できるのよね。腕っ節強いし、かっこ良くて可愛いし、同性だし。」

 

「ちょ、花まで寄りかからないでよ……。今、夏なんだけど?」

 

 そんなことを考えていると、2人の女子生徒が私の元へとやってきては、抱きついたり、寄りかかったりしてくっついてきた。

 抱きついている子は笹川 京子。寄りかかって来ているのは黒川 花。中学に入ったばかりの頃、たまたま休日に街へと遊びに行っていたら、2人してナンパに遭っていたところを見かけ、かつて、前世で習っていた護身術を利用し、ナンパ男を蹴散らしたところから付き合いが始まった。

 あれ以降、2人……特に、京ちゃんこと笹川 京子からはやけに懐かれてしまい、今に至る。

 

「あれ、なっちゃん、シャンプー変えた?」

 

「あ、本当だ。いつもの匂いと違う。私、この匂い好きかも。」

 

「あたしも!」

 

「こら、2人して人の匂いを嗅ぐんじゃない。まぁ、確かにシャンプーとコンディショナーは変えたけどね。前のも悪くはなかったんだけど、匂いがちょっと苦手だったんだ。」

 

「そうだったんだ。」

 

 スンスンと、人の髪に鼻を近づけて香りを嗅いでいる2人にツッコミを入れながらも、シャンプーとコンディショナーを変えたことを打ち上げれば、納得したような様子を見せたのち、ぎゅーっと抱きしめられる。

 うん、このハグは明らかに京ちゃんのだな。夏だから暑い!!

 

「暑い!!せめて夏場くらいは抱きつき癖を抑えて!?」

 

「え〜……」

 

「しょんぼりしてもダメです!!」

 

 離れるように声をかければ、京ちゃんは軽く拗ねながらも私から離れる。

 そのことに小さく溜息を吐いたのち、未だに寄りかかって来ている花に湿気のある視線を向ければ、やれやれと言った様子で彼女も離れた。

 ようやく暑さから解放され……いや、完全には解放されてないな、うん。だって、2人に挟まれてるわけだし。

 

「ねぇ、なっちゃん。実はついこの間ね。とってもいいカフェをあたしたち見つけたんだよ!」

 

「そのカフェ、品揃えがすごく良くて、甘さ控えめのケーキもあったんだよね。確か、ナツって、甘ったるいのは得意じゃなかったでしょ?そんなナツでも食べることができるスイーツもかなりあったし、ナツがよく飲んでるコーヒーの品揃えもすごかったから、今度一緒に行きたいねって、京子と話してたのよ。」

 

「へぇ……それは確かに興味深いカフェだね。」

 

「でしょ?」

 

「ね、なっちゃん。今度、お休みの時に一緒に行かない?」

 

「そうだね……じゃあ、行こうか。楽しそうだし。」

 

「やったー!じゃあ、今度の休日空けててね!」

 

「ついでにウィンドショッピングもしようよ。」

 

「OK。ちゃんと空けとくよ。」

 

 まぁ、抱きつかれたり、寄りかかられたりするよりはマシかと考えながら、京ちゃんからのお誘いを快く引き受ける。

 いやぁ、青春って感じで可愛らしいねぇ。こんな若々しい2人とお出かけさせてもらえるなんて、おばちゃん嬉しいよ。

 前世ではまともに友達とお出かけしたことなかったしね。折角の機会だ。精神年齢はあれだけど、前世ではできなかった分、今この時を全力で満喫するとしようか。

 それに、肉体年齢が同年代の子達と一緒に出かければ、この年代の女の子のセンスも学べそうだしね。

 前世はどうだったかって?センスの「セ」の字すら存在していない生活しかしておりませんが何か?

 

「おまたせ、京子!!」

 

「あ、持田センパイ。」

 

 どうせ、前世はクッソつまらないナンセンス社畜女でしたよ……なんて勝手に内心で腐っていると、元気一杯の男子生徒の声が聞こえてきた。

 京ちゃんが向ける視線の先に、自身の視線も向けてみると、そこには一つ上のセンパイである持田がいた。

 彼は剣道部の主将であり、同時に京ちゃんと同じ委員会に参加しているため、よく彼女と関わっている。

 ついでに言うと、持田センパイは部活がない時など京ちゃんを迎えに来ることがあり、そのまま一緒に帰っていることもある。

 いわゆる恋人のようなもの……と、言いたいところだけど、どう見てもセンパイの一方通行と言うか、明らかに京ちゃんは迷惑そうにしていると言うか……

 

「それじゃ、私達行くね。2人のジャマしちゃ悪いし。行くわよ、ナツ。」

 

「え、ちょっと花……!?」

 

「じゃあまた明日、京ちゃん。カフェへのお出かけ、楽しみにしてるよ。」

 

「も──なっちゃんまで……!!

 

 でも、花はそれに気づいていないのか、それとも面白がってるのか……どちらかはわからないけど、私の背中を押して、京ちゃんの元から離脱する。

 無駄に力強いよと苦笑いをこぼしながら、そそくさとその場を退散する。

 チラッと視線を背後に向けてみれば、どことなくドギマギしている持田センパイの姿と、どことなく困ったような表情をしている京ちゃんの姿が見えたけど、戻ろうにも戻れないよな、これ。

 

「休日の服、どうしようかねぇ……。」

 

「ナツってさ、スカートとか持ってないの?」

 

「スカート?一応、あるにはあるけど。」

 

「ワンピースとかは?」

 

「それも一応は。」

 

「じゃあ、次の休日のお出かけ、スカートスタイルかワンピースにしてよ。パンツスタイルはめちゃくちゃ似合うし、パンツスタイルが似合う女子って言ったら、絶対ナツが一番に浮かんでくるけどさ。たまには、そんな格好も見てみたいな。」

 

「花は大袈裟だなぁ……。」

 

「大袈裟じゃないって。だってナツはスタイル抜群だし、身体の輪郭がハッキリ見えるパンツスタイルはしっくりくるもの。でも、それだけスタイルが良いなら、絶対スカートやワンピースも似合うに決まってるから、その日はスカートかワンピースで来てよ。」

 

「まぁ、構わないけどね。似合わなくても笑わないでよ。」

 

「むしろ似合わない方がおかしいと思うんだけど?」

 

 京ちゃん大丈夫かね……なんてことを考えながら、花と一緒に、次の休日の予定を組み立てながら、教室へ戻るための道のりを歩く。

 しかし、不意に、なにやら不思議な気配を感じ取り、私はその方向へと目を向けた。

 辺りに広がるのは、私が通っている並盛中学校の校舎。気配がする方角は、校舎の屋上しか見えないけど、やっぱり何かいるような気がする。

 

「ナツ?どうかしたの?」

 

「…………いや、なんでもないよ。ただ、今日もよく晴れてるなって思っただけ。」

 

「ふーん……?まぁ、でも、確かに今日はよく晴れてるよね。」

 

「本当にね。休日も晴れると良いな。」

 

「ちょっと、それ雨が降るフラグじゃないよね?」

 

「私を雨女みたいに言うんじゃない。」

 

 でも、花にはわからないみたいだし、私も確証があるわけじゃないから、視線を屋上の方へと向けたことに対しての疑問を口にした彼女には、はぐらかすように別の話題をぶつける。

 本能的なものが気のせいじゃないと言っているけど、それはなるべく口にしない方が良いとも訴えているため、多分正解だろう。

 さて、いったい何が待っているのか……。調べたいところではあるけど、まぁ、なんとなく自宅に帰ったらわかりそうな気もするし、一旦は放課後まで待ちますかね。

 

 

 

「……あれが、家光の娘か。いつもうざってーくらいに可愛い可愛いって言ってるから、どんなもんかと思っていたが、確かに愛らしい見た目をしてんな。

 いや、それよりも……あいつ、オレがいる場所を正確に見据えて来たな。まさか、もう超直感が開花してんのか?

 だとしたら……これまでのファミリー史上、初代に次ぐレベルのボスになるかもしれないな。」

 

 




 沢田 奈月
 綱吉ポジションに生まれた元OLな転生者。漫画はあまり買わないタイプだったため、原作の知識はない。
 すでに超直感を開花させており、自身の父親が一般人じゃないことや、遠くから自身を見ている何者かの気配を見抜いてしまう。
 前世では護身術を習っていたため、体術はかなり得意。
 渾名はナツorなっちゃんで、容姿はプリーモをまんま女性にしたかのような姿をしている。
 父親譲りの金髪持ちで、琥珀色の瞳をしている。

 笹川 京子
 強引なナンパに遭っていたところを、奈月に助けられた原作ヒロイン。
 助けに入ってくれた奈月が大好きで、彼女を見かけるたびに背後から抱きついてはくっつく癖がある。
 夏場は暑いとうざがられてしまうが、抱きつくのがやめられないらしい。
 同じ委員会の持田は正直苦手で、奈月といたいのにと絡まれるたびに思っている。

 黒川 花
 強引なナンパに遭っていたところを奈月に助けられた京子の親友。
 男なんかよりも頼もしくて男らしい奈月の側が気に入っており、女子特有のパーソナルスペースの近さを利用してよくくっついては、奈月から呆れられている。
 京子と持田は仲がいいと思っており、よく2人きりにするために奈月と共に離れるが、実はちょっとだけ奈月を独占したいと考えて行動をとっている節がある。
 付き合うなら奈月レベルの男が良いので、基本的に周りの男子はスルーしている。

 屋上から見ていた者
 ある目的のために、奈月が通う並中に足を運んでいたのだが、目的の人物が、まさか自身がいる場所を正確に見据えてくるとは思わなかったためかなりびっくりした。

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