最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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遭難者を迎えに行こう

『ナツキ。少しいいか?』

 

 それはある日のこと。

 今日は用事があると言う理由から、リボーンが家におらず、なおかつビアンキも数日間帰ってこず、遊びに行ったランボ達もまだ帰ってこない頃のこと。

 宿題は終わっていたし、手伝える家事もなかったので、1人自室の中で趣味の天然石やビーズを使った小物の作成をするかとデザインを考えていた時だった。

 ひょっこりと自室に姿を見せたジョットさんが、何やら真剣な表情をして私に話しかけてきた。

 

「どうかしたの?」

 

『ああ……とりあえず、動きやすいかっこうをして外にきてもらえるか?詳細はそこで話す。』

 

「?」

 

 何やら嫌な予感を感じ取りながら、ジョットさんが自室の外に出たのを確認した私は、すぐに部屋着から動きやすい服を着替える。

 いったい何があったんだ……と少しだけ思いながらも、外に向かうのだった。

 

 

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「ハァ!?リボーンがディーノさん達と遭難した!?」

 

『声が大きいですよナツキ。』

 

「ごめん……でも、まさかそんなことになってるとは思わなくて……」

 

『まぁ、気持ちはわからなくもないけどね。』

 

『本当、何やってんだろうな、お前の家庭教師。』

 

『と言うか、あれって家庭教師って言っていいの?』

 

『それは究極に指摘したらダメなものだと思うぞ。』

 

『まぁ、あまり言わない方がいいかもしれませぬな。ランポウが言いたいこともよくわかりますが。』

 

『そこは、うん。オレ達がその立場を取ってしまったせいでもあるな……』

 

 動きやすい服でくるように言われ、向かった先にいたのは初代組全員だった。

 そこで聞かされた、リボーン達の遭難の話。どうやら、男だけでも特訓を、とリボーンが組んだところ、何らかの手違いが発生してしまったようだ。

 

「リボーン達は大丈夫なの?」

 

『ああ。無事は確認できてる。ただ、オレ達は見つけることができても、案内することはできねーからな……。』

 

『そこで、奈月にも救援要請をと思い、声をかけたのでござる。』

 

「なるほど……。私が案内役か。」

 

『ええ。安全の方は我々が確保できますからね。』

 

『道も見つけることができるし。』

 

『まさか、こんな風に全員で動くことになるとは思わなかったものね……。』

 

『なんだか究極に懐かしいな!かつて全員で自警団として行動していた時を思い出すぞ!』

 

『そうだな。』

 

『ちょっと、私はあなた方と馴れ合うつもりはないのですが?』

 

『それは僕もなんだけど?』

 

『とか言いつつ一緒にいるの意味わからないんだけど。』

 

『『うるさい。』』

 

『いっだぁ!?なんで2人してオレ様のこと殴るの!?ひどくない!?』

 

『………賑やかだなこいつら。』

 

 呆れながら言葉を紡ぐGさんに対して、苦笑いをこぼしてしまう。

 でも、“わたし”がベースになることで、ここにいる7人が上手い具合に仲を取り持つことができ、なおかつ過ごせているのなら、別に悪いことではないのかな。

 まぁ、そんなこと口にしたら、Dさんとアラウディさんからすごい目を向けられそうだけど。

 

『あ、ナツ!前、前!』

 

「前?……あ………。」

 

 そんなことを思っていると、ランポウ君から前を見るように言われた。

 それに従って前を見てみれば、そこには壊れた吊り橋があった。吊り橋の底は薄暗くて見え難い。

 ただ、壊れた吊り橋のロープはかろうじて見ることができた。どうやら人為的に切断されているようだ。

 ついでに言うと、対岸には滝が流れ落ちる水辺がある。ディーノさんもいたと言う流れから、もし、なんらかの拍子にエンツィオがその水辺に落下して、巨大化していたとしたら……そして、ディーノさんが部下がいない状態だったとしたら……。

 

「うん、どう言う流れで橋が落ちたのか簡単に想像できるな。」

 

『『『『また、あの兄弟子か。』』』』

 

「『こう言う時に限って声が揃うの何?』」

 

『ははは!ここまで声を揃えるとはな!』

 

『昔だと考えられぬ現状でござるな。』

 

 今回の原因となってそうな状況を想像して、少しだけため息を吐く。

 せめて1人くらいディーノさんの部下を連れて行けよ、全く。

 

「ここの下に行けそうな道はある?」

 

『それなら、向こうに下へと続く道があったぞ。』

 

「わかった。そっちに向かう。ジョットさん。案内してもらえる?」

 

『もちろんだ。ああ、足元には気をつけるんだぞ?道はあるが、あまり整備がされてない場所だったからな。怪我をしてしまっては大変だ。』

 

 仕方ない……迎えに行くかと考えて、ジョットさんに下へと向かうための道へと案内してもらう。

 足元には注意と。よし、頭に入れた。さて、じゃあ、さっさと行きますかね。

 

 

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「……確かに道にはなってるね。かろうじてだけど。」

 

『一応、これでもオレなりに邪魔になっている木の枝や、葉っぱを退かしたんだが、やはり完全には綺麗にできなくてな。』

 

「道理で、割と道が開けていると……。」

 

『ナツキに怪我をさせるわけにもいかないからな。』

 

 なんか、ジョットさんがちょっと過保護……と少しだけ思いながらも、私は目の前にある道に目を向ける。

 すると、ジョットさんが私の前に立ち、先行するように歩き始めた。

 

「えっと……他のみんなは……」

 

『じゃあ、オレは落下したナツキのファミリーを探してくるか。』

 

『僕は周りに何かないか見てくるよ。あとは、煙とかが山に発生してないか確かめるよ。

 時間帯的に野宿を始める可能性もあるからね。煙があればわかるかもしれないし。』

 

『では、私は他にナツキの知り合いを探しておきましょうか。いないとは思うのですが……。』

 

『どうだろうな。オレの直感ではいない可能性の方が低いのだが。』

 

『じゃあ、オレ様もナツの身内が他にいるか探してみるものね。』

 

『では、私もランポウとDのように人探しをするとしよう。』

 

『オレも人探し組に入った方が良さそうだな。人手はあればある程作業効率も上がるだろう!』

 

 それを確認した初代組は、ジョットさんを1人残して死ぬ気の炎の中へと一瞬にして消える。

 赤、青、緑、黄、紫、藍……なんともカラフルである。

 

『では、オレ達は道に入るとしようか。行くぞ、ナツキ。』

 

「うん。」

 

 差し出された手に自身の手を重ねれば、ジョットさんはすぐに私の手を握り返す。

 そして、目の前にあるかろうじて道になっているそこへと足を運び、私の足がもつれたりしないように、ペースを合わせて歩き始めた。

 

 しばらくしてたどり着いたのはかなり拓けた場所。野宿とかしようと思えばできそうな場所だけど、人がいた形跡は一つもない。

 森の入口付近だからだろうか?

 

『まぁ、すぐに見つかることはないか。あの吊り橋の位置からすると、かなり深い山のようだったしな。』

 

「リボーン達、大丈夫かな……。怪我をしてなければいいけど……」

 

『そうだな……。確かに心配だ。』

 

 私の手を握り、離れないように気をつけながら歩くジョットさんと言葉を交わしながら山の奥へと続くであろう道のりを歩く。

 なんともまぁ静かな場所だ。小鳥達や動物の声はちらほら聞こえるけど、それ以外の音が何も聞こえない。

 間違いなく夜だったら足を運ぶこともできなかったな……なんて少しだけ遠い目をしながら、歩みを進めると、分かれ道のようなものが目の前に現れた。

 

『ふむ……ナツキ。せーので同時に向かうべき道を指差すぞ。意識を集中させるんだ。』

 

「わかった。」

 

「『せーの……こっち!』」

 

 ジョットさんと一緒に、合図となる言葉を口にして、向かうべき道を指差す。

 指差した方角は、全く同じ方角だった。

 

『よし。では向かうとしようか。』

 

「うん。」

 

 超直感ってこんなことに使っていいのかな……と少しだけ思いながらも、ジョットさんと一緒に指差した方角へと足を進める。

 すると、明らかに人がいたと思わしき形跡がある場所にたどり着くことができた。

 

『これは……』

 

「キノコの採取跡っぽい……?えっと……確か山に入るために持ってきたアイテムの中に……あった。」

 

『キノコ図鑑か。』

 

「うん。えーっと……あった、このキノコはこれだと思うよ。」

 

『毒キノコだな。』

 

「うん。で、私の知り合いに毒キノコを採りそうな人間は……」

 

『……なるほど。そう言うことか。確かに彼女なら、毒キノコを採ってもおかしくはないな。』

 

 脳裏に浮かべたのは、毒サソリの異名を持つビアンキ姉さんの姿。

 ジョットさんも同じ人物を思い浮かべたのか、納得したような様子を見せる。

 だが、すぐに真剣な顔をして、山全体を見渡した。

 

『ビアンキがいる可能性が出てきたな。』

 

「うん。いったい何しに……いや、ビアンキ姉さんなら、毒キノコを採取しにきた……って言ってもおかしくないな。」

 

 やれやれと思わずため息を吐く。

 すぐ側で、ジョットさんは苦笑いをこぼした。

 

『道はこっちに続いている。行こう。』

 

「うん。」

 

 道に迷わないようにと、木の枝に蛍光色の紐を括り付けながら、再び山の中へ。

 さてさて、遭難者達はいったいどこにいるのやら……。

 

 

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 あのあとも、何度か分かれ道のようになっている場所にたどり着いたので、その度にジョットさんと一緒に超直感を使って道を選びながら歩いていると、すぐ側に紫色の炎が燃え上がる。

 そこから出てきたのはもちろんアラウディさんで、彼は私とジョットさんを呼びながら、歩み寄ってきた。

 

「アラウディさんどうしたの?」

 

『向こうに煙が見えた。Gもそれを確認したみたいでね。すぐに……ああ、きたね。』

 

 アラウディさんが報告を止め、視線を私達から離す。それに倣うようにして、アラウディさんが目を向ける方角へと視線を動かせば、赤い炎がその場に燃え上がった。

 そこからGさんは姿を現し、私とジョットさんに目を向ける。

 

『見つけたぜ。なぜか、ナツキの家に居候してるガキどもと女、そんで、ナツキに対してひたすら好き好き言いまくってる奴もいた。』

 

「……なんでハル達もここにいるんだ。」

 

『さぁな。とりあえず案内する。ついてきてくれ。』

 

 Gさんの言葉に頷いた私達は、先行する彼のあとを追うために駆け足で山の中を走り抜ける。

 それによりたどり着いたのは、完全に山火事状態になっている場所だった。

 

「熱っ!?なんでここだけ山火事になってんの!!?」

 

「「ナツ!?」」

 

「はひ!?ナツさんがなんでここに!?」

 

 混乱している様子の遭難組の前に姿を現せば、そこに誰がいるのか把握できた。

 いたのはリボーン、隼人、武、ビアンキ姉さん、ハル、ランボ、イーピン、ディーノさんの8人。

 隼人はビアンキ姉さんの影響か気絶しているが、今はそんなことどうでもいい!!

 

《Dさん!!》

 

《こんなことに私を使うのはあなたくらいですよ。まぁ、弟子の頼みですから聞いてあげますがね。》

 

 Dさんが前に私の体へと憑依したことにより発生した霧の繋がりを利用して、離れた位置にいるであろうDさんに声をかければ、燃え広がる炎めがけて、的確なまでに水が降り注ぎ、あわや大惨事だったその火事を鎮火させた。

 

「ハァ……全く……何やってんのみんな!!」

 

「「す、すまん……」」

 

「はひ〜〜っナツさ〜〜〜ん!!怖かったです〜〜〜っ!!」

 

「う゛え゛……ナ゛ツ゛〜〜〜〜〜〜っ!!」

 

 なんとかなったと深く息を吐きながら言葉を紡げば、ディーノさんと武からは謝罪の言葉をかけられ、ハルとランボとイーピンの3人に泣きつかれる。

 

「ナツ、よくここがわかったな。」

 

「ここがわかったなじゃない!!心配したんだからね!?」

 

「……すまん。こんなことになるとは思ってなくてな。」

 

「姉さんも何やってんの!?遭難したって聞いてかなり慌てたんだけど!?」

 

「ご、ごめんなさい、ナツ。毒キノコを採取していたら迷ってしまって……心配かけたわね。」

 

 リボーンとビアンキ姉さんに怒鳴りながら、心配したことを伝えれば、2人とも反省したように肩を縮こまらせる。

 本気で謝罪をしてきていることを理解した私は、もう一度深くため息を吐き、抱きついてくるハル達の頭を優しく撫でた。

 

「君らまでなんでこんなところにいたのさ……。」

 

「─────………。」

 

「“ランボと遊びに行ってたらハルさんと会って、山の上にできたケーキ屋さんに一緒に行くことになったのですが、ランボが嘘の道を教えたり、蜂の巣をつついたり、単独で崖から落ちてしまったりとトラブル続きで、最終的に迷ってしまったんです”……って……ランボ?」

 

「うゔ……ごべんなざい〜〜〜〜っ……!!」

 

「………たく……。」

 

 こうまでトラブルメーカーが集まるなんて思いもよらなかったとため息を吐く。

 不幸中の幸いと言えば、Dさんが上手い具合にかなり広がっていた炎だけに水をかけてくれたおかげで、エンツィオが濡れなかったことだろうか……。

 

「ほら、さっさと帰るよ。みんな、土汚れや汗なんかで体が気持ち悪いでしょ?特にビアンキ姉さんは、三日間も山の中にいたんだ。仮に水浴びをしていたとしても、しっかり風呂に入った方がいいんじゃない?」

 

「そうね……。確かに冬場とは言え、ちょっと汗のニオイが気になるわ。」

 

「なら、さっさと戻ろう。私についてきて。」

 

 そんなことを思いながら、私はみんなを早く山の中から出すために、移動を始めようと足を動かす。

 その瞬間、すぐ側に青、緑、黄、藍の4色の死ぬ気の炎が燃え上がった。

 すぐに足を止めれば、そこには離れていた初代組の姿があった。

 

『おお、どうやら見つけることができたようでござるな。』

 

『全員怪我はないようだな。うむ。究極に安心したぞ。』

 

『全く、消火活動に私の有幻覚を利用するなど、これまで長く生きてきましたが、ナツキが初めてですよ。』

 

『でもちゃっかし手伝ってるじゃん……』

 

 笑う者に呆れる者……さまざまな反応を見せる初代組に対して小さく笑みを漏らす。

 でも、すぐに意識を彼らから背後にいる遭難者達へと戻した私は、

 

「帰ろう。“わたし達(・・・・)”についてきたら、ちゃんと山から出られるよ。」

 

 自分についてくるように言葉を紡ぎ、前を向いて歩き出した。

 

 

 




 沢田 奈月
 珍しくのんびりしていたが、遭難したリボーン達を連れて帰るために初代組と馳せ参じたボンゴレ10代目。
 ジョット達に案内されるまま、広い道路までの道を歩き続けた。

 初代組
 奈月のファミリーが遭難したことに気づき、すぐに彼女の元へ救援要請を出しにきた初代ファミリー。
 帰る途中、かなり暗くなったので、奈月が歩く道を照らすように死ぬ気の炎を灯していた。

 遭難者組
 え?奈月の前に火の玉(Dの幻覚て青白く見える)が………?(大混乱)


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