最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
でも勝手に動いちゃったんだ!!このもう1人の初代が!!泣
あとに続いた勝負は、少しだけダイジェスト風に教えるとしよう。
まず、3回戦目の百人一首は、最初ハルが出ようとしていたが、彼女に正座ができる時間を聞いてみるとかなり不安要素があった。
そこで私は百人一首には京ちゃんを選出。結果、京ちゃんがディーノさんの部下より少しだけ多めに札を得たため、こちら側の勝利となった。
4回戦目の福笑いにはランボを選出。やったことがないと言う彼に、少しだけ説明する時間をもらい、その通りにやってもらったが、こちらはディーノさんの部下の方が綺麗にできていたため敗戦となった。
5回戦目のたこあげはイーピンが出ようとしていたが、彼女の体重の軽さや、体の大きさから、強い風が吹いたらアウトだと思ったため、百人一首に出さなかったハルを選出。
凧が上がった高度と、その高度の維持の長さから、ボンゴレ側が勝利することができた。
6回戦目のすごろくには武を選出した。常日頃から彼が周りをよく見ていたおかげで、自分のファミリーの仲間を褒めると言うお題で隼人を褒めちぎったりして、難なくお題をクリアしていたが、ディーノさんの部下の方が先に上がってしまった結果、敗戦を余儀なくされてしまった。
「うーん……6戦中2回しか勝ててねーな、オレら。」
「姫さんもなかなかに容赦ねーな……。」
「適材適所の選び方がなかなかに鬼だな……」
「褒め言葉として受け取らせていただきまーす♪」
ディーノさんや、キャバッローネファミリーの皆々様から口々に言われる言葉に対して笑顔で言葉を返す。
ノリとしては、某型月のピンク色の狐さんのような感じだ。笑い方も彼女……のガワを使っている愛玩ビーストがしていたような悪戯っぽい笑みを作れたらよかったのだけど、流石に再現は難しいかな。
『……キャバッローネ側、顔赤くしてません?』
『してるな。』
『笑顔が可愛らしいからな。』
『ナツって本当にいろんな人引っかけるものね……』
『流石人たらし。』
……なんか初代組が賑やかにしてるけど無視しよう。
そんなことを思いながらリボーンに目を向けると、彼は何やら妙な表情をしていた。
「リボーン?どうかしたの?」
「ああ、ちと腹が減ってきてな。よし、そろそろ昼飯時だし、ここいらで大逆転のチャンスにするか。」
「「大逆転のチャンス?」」
私達の反応に、リボーンが小さく頷く。
そして口を開いた。
「今からやるのは、ファミリー全員参加のもちつきだ。オレにうまいアンコロもちを食わせた方に100点だぞ。」
「んな!?」
「ちょっと待って。それはあまりにもフェアじゃないんじゃない?ディーノさん達はイタリアからきてるんだから、もちつきもアンコロもちも馴染みがないんだよ?」
「ああ。だから特別ルールとして、ナツ。お前からディーノ達にもちのつきかたとあんこの作り方を教えてやれ。」
「……なるほど。それならフェアになるね。」
リボーンが提示した話は、あまりにもフェアじゃないものだった。
すかさずストップをかけ、そのことを訴えると、リボーンから特別ルールとして、もちの作り方とあんこの作り方を教えていいと言われた。
それなら確かにフェアになる……そう思った私は、ディーノさん達に向き直り、もちのつき方とあんこの作り方を教えた。
「なるほどな。サンキュー、ナツ。おかげで作れそうだぜ。」
「どういたしまして。ああ、でも、あんこの味の調節は自分で行ってくださいね。そこまでは教えるつもりないので。」
「ははは!そりゃそうだ!競い合いだからそこまで教えることはできねーさ。オレも同じ立場なら教えねーな。」
「でしょうね。じゃあ、どちらがリボーンを満足させることができるか勝負といきましょうか。」
「おう!」
「ちゃんと作り方を覚えたな。んじゃ、本番行くぞ。」
アンコロもちの作り方なども大雑把に終わらせ、もちつき本番。
リボーンが笛を吹いたので、それを合図にもちつきを開始する。
「隼人、武、了平さんの3人はローテを組んで餅を作ることに専念。今回はちびっ子も結構いるから、喉に詰まらせないように噛むことを促すから、米粒を多少残すようにね。」
「「おう!」」
「了解っス、10代目!」
「私と、京ちゃん、ハルの3人はあんこ作りに専念しようか。お菓子を作る時、私は和菓子とかもたまに作ってるから、あんこの味の調節は、ちょっとこっち寄りになるけど……。」
「大丈夫だよ、なっちゃん!」
「ナツさんって和菓子も作るんですね!ハルも大丈夫です!」
「ナツ!オレっちとイーピンは?」
「そうだね……できたおもちを丸めてもらおうかな。ちっちゃいのと大きいのと、いろんな種類を作っちゃおう。」
「はーい!」
「─────!」
私の指示を聞いて、それぞれが行動を取り始める。
まず、男性陣はひたすらもちをつく。こればかりは女性陣や子供じゃどうにもならないからね。
せっかく体を鍛えてる3人がいるんだから、そこの強みを生かさなくては。
ローテはあらかじめ私が決めておいた。そうしておかないと、また3人が変なところで競い合ってしまうだろうから。
次に、私を含む女性陣とちびっ子はアンコロもちを作ることに専念する。
女の手のサイズや、ちびっ子の手のサイズなら、そこまで大き過ぎず、食べやすいサイズのものを量産できるから。
ただし、一つだけ私はわがままを残した。それは、あんこの味の調節は私に一任してほしいと言うものだ。
別に甘いものが嫌いなわけじゃない。むしろ甘いものは好きな分類に入る食べ物だ。
でも、やっぱり甘過ぎるものは流石に甘いものが好きでもあまり食べることができないので、こればかりは自分で調節がしたかった。
幸いなことに、京ちゃん達は私が甘ったる過ぎるものが得意じゃないことを知っているため、このわがままはすぐに通してもらえた。
正直言ってかなり助かる。きっと、2人が作るあんこも美味しいのだろうけど、私は自然な甘さの方が好きだから、あまり砂糖を突っ込みたくなかったのである。
「せっかくだし、あんこは二種類作るか。こしあんとつぶあんは、割と味に違いが出てくるし、ちょっと気分を変えるのにちょうどいいんだよね。」
「それ、賛成です!」
「私も!じゃあ、早速作っちゃおっか!」
「はい!」
「うん。」
「ナツ!オレっちも手伝う!」
「─────!」
「じゃあ、こしあんを作るのを手伝ってもらおうかな。あんこの元になる小豆の粒を完全になくさないといけないから、1人ですり潰すのはちょっと疲れちゃうんだ。」
「わかったもんね!」
「!」
頼もしい味方をつけながら、あんこの作成をこなしていく。砂糖と塩の配分は、普段よりは多目にしないといけないから、なかなか難しいけど、味見をしながら作れば、問題なくできそうだ。
気持ち、つぶあんの甘さは強めに、こしあんの甘さは控えめにしたらいいかな。
「んー……私はこれで大丈夫だけど……よし。」
時間をかけてこしあんとつぶあんの両方を作り上げた私は、スプーンに一口分のあんこを乗せる。
「京ちゃん。ハル。ちょっとあんこの味見してほしいんだけど。」
「はひ!?な、なな、ナツさん!?まさかのあーんですか!?」
「うん?だってちょうど手元にあるし、2人はまだ作業中でしょ?ほら、口を開けて。」
「「あ……あーん……」」
「……どう?」
「!美味しい!」
「はい!とっても美味しいです!まるで高級和菓子屋さんのあんこみたいに上品な味わいになってます!」
「お?よかったぁ。新しい配分を見つけたし、今度これで大福とかあん団子作ってみよ。」
「その時は是非!ハルにも食べさせてください!」
「私も食べたい!」
「オーケー。その時は2人も呼ぶよ。」
作り上げたあんこが好評だったため、少しだけ嬉しくなる。
砂糖と塩の配分は両方とも記憶済みだから、あとはその割合をお菓子を作る量に合わせて変化させればいくらでも量産できるね。
「ナツ!オレっちも味見したいもんね!」
「─────!」
「イーピンも?仕方ないなぁ……少しだけだよ?」
そんなことを思っていると、ランボとイーピンも私が作ったあんこを食べたいと言ってきた。
まぁ、量はかなりあるし、一口くらいはいいかと思い、あんこを2人の口元に持っていけば、2人は上機嫌にそれを頬張った。
「わはー!美味しいもんね!」
「─────♪」
「2人の口にも合ったようでよかったよ。じゃあ、おもちもできたみたいだし、アンコロもち作成に入りますか。」
「「「はーい!!」」」
「─────!」
元気いっぱいの返事に、静かに笑みをこぼしながらもアンコロもちを作っていく。
とりあえず、人数分と、おかわりができるくらいは作っておきたいから、結構作ることになりそうだな……。
「ナツ!もちつき班は終了したぜ。」
「手が空いたので、もち作り手伝いますよ!」
「極限にオレも手伝うぞ!」
「ありゃ、終わっちゃったか……。じゃあ、なるべく小さめにおもちを丸めてください。あまり大き過ぎるとすぐにおもちがなくなっちゃうから、人数分プラスおかわり分が作れなくなるので。」
「小さくだな。わかったぜ!」
「お任せください!10代目!」
「任された!」
なんてことを考えていたら、隼人達が途中で合流してきた。男性が作ると大きくなりそうな懸念があったので、少し不安だが、とりあえず小さめに作ってほしいとお願いする。
すると、すでに私達が作っていたサイズのものが存在していたからか、3人ともそれを基準にしてなるべく小さめのもちを作ってくれた。
なんて優秀な……と少しだけ苦笑い。でも、これなら問題なさそうだと思いながら、アンコロもちを量産すれば、終了の笛が鳴る。
「そこまでだぞ。」
「よし!なんとかできたぜ!」
「こっちも完成。もち生地が全部無くなったからよかったよ。」
終了の合図と共に手を止めれば、ディーノさんもできたと口にする。
どうやら、私が教えたから向こうもちゃんと作ることができたようだ。
それは何よりと思いながら、量産したアンコロもちを見つめていると、リボーンから名前を呼ばれる。
「ナツ。ディーノ。両方ともできたみたいだな。食ってもいいか?腹が減ってんだ。」
「ん。問題ないよ。」
「んじゃ、まずはオレ達キャバッローネの方からだ。」
そう言ってディーノさんはリボーンに重箱に入ったアンコロもちを差し出す。
「形は綺麗だな。流石はナツってところか。作ったことねー奴でもうまくできるように説明してる。」
「ああ。おかげでなんとか作ることができたぜ。」
「問題は味だが……まぁ、可もなく不可もなくだな。ちと甘過ぎる気もするが。」
「ゔ……だって、あんこの味は自分で調節しろってナツから言われたんだから仕方ねーだろ……。」
「ま、初めてにしては及第点だ。それなりに美味かったぞ。」
「ちぇ〜……それなりかぁ……」
ディーノさんが肩を落としながら言葉を紡ぐ。
褒めてもらえたのは嬉しいが、及第点という評価に少しだけ悔しいと思ったのだろう。
でも、初めてでリボーンにそれなりとは言え美味しいって言わせたのはかなりの高評価な気もするけどな。
「んじゃ、次はナツの方だな。ちなみに言うと、オレはお前の方が本命だったりするぞ。」
「いや、ただ私が作るアンコロもちが食べたかっただけかい。」
「当たり前じゃねーか。まぁ、ディーノもそこそこやってるけどな。」
「全く……まぁ、別にいいけどさ……。」
サラッと明かされた勝負の理由に苦笑いをこぼしながらも、私は重箱の蓋を開ける。
そこに入っているのは、つぶあんのアンコロもちとこしあんのアンコロもち。
深い甘味が特徴的なつぶあんと、さっぱりした口当たりのこしあんだけど、リボーンの口に合うだろうか……。
「ナツの方は2種類あるんだな。」
「せっかく小豆が大量にあるから、こしあんとつぶあんの両方を作ってみたんだよ。
おすすめはこしあんから食べること。つぶあんに比べてこしあんは甘さ控えめにしてあるから、甘さが強めのつぶあんを食べたあとだと、ちょっと味の違いがわからないからさ。」
「なるほどな。見た目は文句なしの100点満点だ。ナツが味を調節したなら、味も問題なさそうだな。」
そう言ってリボーンはこしあんのアンコロもちを口にする。しばらくの間、もちゃもちゃと彼は咀嚼を繰り返し、程なくしてそれを飲み込んだ。
「……相変わらずうめーな。つぶあんももらうぞ。」
「どうぞ。」
続いてリボーンはつぶあんのアンコロもちを口にする。こちらもしばらくの間、咀嚼をし、程なくして胃の方へと流し込まれる。
「文句なしの100点満点だな。て言うか、ナツ。ずっと見ていたからこのあんこをお前が作ってるのを理解しているが、明らかに味が高級な和菓子屋みたいな上品な味になってるぞ。」
「フフン、なかなかの自信作だったから、そう言ってもらえてよかったよ。ちゃんとリボーンの口にも合ったみたいだね。」
「ああ。ただ、唯一気に入らねーことがある。」
「ん?」
「なんでアホ牛達に先に食わせたんだ。オレが一番に食いたかったぞ。」
「いや、子供かよ。」
「オレは今一才だから子供だぞ。」
「本来の年齢を言ってみ?」
「なんのことかわかんなーい。」
「おい。」
目の前で堂々と猫被りをされ、思わず素でツッコんでしまう。まぁ、今回の遊びは十分に楽しむことができたし、あまりぐちぐち言うつもりはないけどね。
「文句なしのボンゴレの勝利だ。」
「あ、でも1億の罰金は正直ないって思うから、そこら辺はちょっとルール変えていい?」
「ん?まぁ、ナツはいずれボンゴレのボスだし、別に構わねーが……」
「よし。じゃあ、ディーノさん。およびキャバッローネの皆さんには罰金として、私達子供勢にお年玉を寄越しやがれください!」
そんなことを思いながら、罰金ルールに軽い変更を加える。
それは、子供対大人だからこそできるルール。中学生とちびっ子による連合に、大人からお年玉を寄越しなさい!と言う可愛らしいものである。
「あっはははは!!罰金は罰金でもお年玉で罰金か!!」
「流石はボンゴレの姫さんだ!確かにこれなら金額以外ルールに変更はねーや!!」
笑顔でお年玉を要求すると、キャバッローネファミリーは声を出して笑い転げた。
「値段は最低で3千、最高で1万で構いませんよ。」
「値段が良心的過ぎるっ!!」
「よっしゃ、じゃあ1万渡すか。」
「オレも。」
「オレもだ。」
「チビには3千だな。小さいうちから万札は控えた方が良さそうだ。」
「中学生なら、万札でも大丈夫だろ。」
笑顔でお年玉の値段を口にすれば、今回ここに足を運んでいたキャバッローネファミリーか次々と財布からお金を取り出してこっちに渡してくる。
武に京ちゃん、ハルに了平さん、それとイーピンはかなり戸惑っていたし、断ろうとしているようだったが、私と隼人とランボがサラッと受け取るため、抵抗が薄れたのか、次々とお年玉を受け取り始めた。
「はーい、臨時収入ありがとうございまーす♪」
「はひ〜……こんなにお年玉をもらったのは初めてです……」
「私も。お母さん達には内緒にしないとね。」
「これならば新しいボクシング用の道具を買うことができそうだな!」
「はは。まさかこんなにもらっちまうとは思わなかったな。」
「この程度の金だけで許されたんだ!キャバッローネは10代目の寛大さに感謝するんだな!」
「おっとしっだまー♪おっとしっだまー♪」
「─────!」
「ランボ。イーピン。無駄遣いはしたらダメだよ?」
「わかってるもんね!これでアメ玉どれくらい買えるかなぁ……!」
「……ランボはお菓子で全部消えそうだな。」
さまざまな反応を私達子供側が見せる中、キャバッローネファミリーの方々は、どこか微笑ましげな表情を見せている。
少しだけその目をくすぐったく思いながらも、私はこっち側にあるアンコロもちを大皿に乗せ、ディーノさんの方へと持って行った。
「はい、ディーノさん。」
「ん?これって、ナツ達が作ったアンコロもちだよな?」
「ええ。せっかくたくさんあんこもありましたし、どうせならと思いまして、この場にいる全員が食べられるように量産しておきました。
どうぞ、皆さんも食べてください。リボーンも絶賛した奈月ちゃん特製オリジナルあんこで包んだアンコロもちです。」
「オレ達の分まで作ってくれたのか!?サンキュー、ナツ!ありがたくもらうぜ。」
私からアンコロもちを受け取ったディーノさんが、キャバッローネファミリーの皆さんの元に、それを持って行く。
私からのお裾分けだと聞いたキャバッローネファミリーの面々は、一つずつアンコロもちを口にし始める。
「「「「「う、美味過ぎる!!!」」」」
「やべー……めちゃくちゃうめー……。こりゃ確かにリボーンも絶賛するし、オレ達も負けるわな……っておい!!オレもたくさん食いたいんだからお前らばっか食うんじゃねー!!」
「仕方ねーよ、ボス。小さいし美味いしで何個でも食えるんだから。」
「早くしねーとボスのおかわりもなくなるぜ。」
「普通そこは残しとくべきだろ!!片っ端から食うな!!」
ギャーギャー賑やかに騒ぎながら、私がお裾分けしたアンコロもちを取り合い始めるキャバッローネファミリーに思わず笑い声を少し漏らす。
そのあとキャバッローネファミリーを羨ましげに見つめている隼人達に向き直った私は、
「みんなも食べていいよ。人数分は必ずあるから、どんどん食べて。」
「「「「「!いただきます!!」」」」」
「やっふー!!オレっち達も食べられるもんね!」
「─────!!」
みんなも食べてと声をかける。その瞬間、隼人達は机の上に置いてあったアンコロもちにそれぞれ手を伸ばして口に運んでいく。
「うめー!ナツって菓子作りが得意なんだな!」
「うおお─────!!極限に美味いぞ─────!!」
「うっせぇよ芝生頭!!10代目!!めちゃくちゃ美味いです!!」
「美味しい─────!!」
「はい!!あんこだけでもすごく美味しかったですが、おもちと一緒になった瞬間、さらなる美味しさがブワッと広がります!!」
「ナツが作ったアンコロもち美味しいもんね!」
「─────!!」
「おい、待てお前ら。オレのも残しとけ。」
「あはは。大丈夫だよ、リボーン。君のもちゃんとあるから。」
「流石はナツだな。よくわかってるじゃねーか。」
途中でいつものスーツ姿のリボーンも合流し、同じ皿の上にあるアンコロもちを食べ始める。
それを見つめた私は、自分も食べるかとふと避けていた皿の方に目を向けると、明らかに数が減っている。
『『『『『『『あ………。』』』』』』』
よく見ると初代組が勢揃いで、片手にアンコロもちを持って浮いてる姿があった。
無言で彼らを眺めていると、ジョットさんが一口でアンコロもちを食べきったあと
『解散!!!』
その一言口にした瞬間、7つの色の死ぬ気の炎が立ち上がり、初代組が全員姿を消す。
思わずその姿にため息を吐きながら、自分用に取っていた皿に視線を落とした。
「全く……一言声をかけてから食べろっての……。」
別に怒るつもりはなかった。こっちに避けていたのは、自分のものと初代組全員のものだったために。
ただ、せめて一言言ってから食べてほしかった。いきなり減っていてかなりビビったからね。
『あはは。ジョット達、いつのまに仲良くなったんだ?いや、君がいるから、あのメンバーが集まって行動を取ってるのかな。
あのD・スペードも、なぜか混ざってるし、明らかに前に比べたら険悪な様子が見当たらない、
でも、気をつけた方がいいよ。彼はかなり危険な存在だ。考えがあったとは言え、次々と周りに溝を作って、それを嬉々として広げていくような人間だからね。
実際、オレの子孫にもその影響を及ぼしている。まぁ、
呆れながらアンコロもちを口にしていると、すぐ横から声をかけられる。
声の方へと目を向けてみれば、ここにくる前に手を振ってきた、赤い髪の青年がいた。
「あなたは……」
『ジョットの親友だよ。彼とは長い付き合いがあってね。まぁ、最終的には濃い霧のせいで離れることになってしまったけど。』
“美味しそうなそれ、オレももらっていい?”と聞いてくる赤毛の青年に小さく頷き返しながら、アンコロもちを手渡せば、赤毛の青年がこちらに手を伸ばす。
青年が触れたアンコロもちは、私の手から彼の手に渡ると同時に半透明になり、彼も食べることができるようになった。
『へぇ、こうなるんだ。ジョット達は、コンマ一秒くらいの速さで一瞬だけ現界し、その隙に取って食べていたような気がするけど、君から手渡されたら、そのまま受け取ることができるんだね。
まぁ、目撃した人がいたら、大パニックな気もするけど。』
そう言ってアンコロもちを口に運ぶ青年。
彼は、しばらくの間咀嚼をしたのち、噛み砕いたそれを飲み込んだ。
『あ、すごく美味しい。あまり和菓子って食べたことなかったけど、上品な味で食べ易いね。
あんこに使われている豆……かな?その味も程よくしているから、さっぱりしていくらでも入りそうだ。』
目の前でむぐむぐとアンコロもちを頬張る赤毛の青年……ジョットさんの親友だと言った彼は、複数のアンコロもちを手に取り、それを見つめる。
『これ、もらって帰ってもいいかな?オレのファミリーにも食べさせてあげたいんだ。』
「それは構いませんけど……あの……あなたの名前は?」
『うん?あー……まぁ、教えてあげてもいいか。でもジョット達には内緒だよ。特にDには、オレが君に接触したことがバレたらまずい。
また、めんどくさい手出しをされかねないからね。』
「わかりました。」
私の返事を聞いた赤毛の青年は、辺りをキョロキョロと見渡す。Dさんには特に内緒で……と言う言葉の通り、彼に見られたらまずいからだろう。
『よし、みんないないな。……じゃあ改めて自己紹介だね。
オレの名前はシモン・コザァート。ジョットの親友であり、表舞台から姿を消したシモンファミリーと呼ばれるマフィアの創設者だったものだ。
どう言うわけか、気がついたら現世を彷徨っていてね。どうしたものかと考えていたら、ジョット達を見つけて遠くから様子を見ていたんだ。
過去に、ちょっとDと因縁があってね。彼とはあまり顔を合わせたくない。
ジョットとはいつか話したいんだけど、まぁ、しばらくは難しいかな……。』
少しだけ困った様子で言葉を紡ぐ赤毛の青年、コザァートさんの言葉に目を丸くする。
わかっていたことだけど、やっぱりかれはマフィアの人間で、Dさんと因縁を持ち合わせている人だったようだ。
『表舞台から姿を消したのは、Dに原因があってね……。おかげで随分とめんどくさい因縁を今世に残してしまったんだ。
ジョットの子孫と、オレの子孫には本当に申し訳ないことをした。いつか、このことに関して話せるといいんだけど、オレの子孫と君はまだ会ってない君だけに話すわけにもいかないからね。ここら辺の話は先延ばしにしても構わないかな?』
コザァートさんの言葉に小さく頷けば、彼は満足そうな笑みを浮かべた。
そして、私に赤い瞳を向け、再び口を開く。
『ジョットの子孫……じゃちょっと呼び難いから、君の名前も教えてくれるかな?』
「……沢田 奈月。ボンゴレⅠ世の来孫に当たる、ボンゴレの10代目。」
『……ナツキちゃんだね。教えてくれてありがとう。こっちの身のうちは、まだ詳しく教えてあげることができないけど、これからはジョット達がいない隙を縫って話にきてもいいかな?
このアンコロもちを食べたオレの仲間達の言葉も伝えにきたいし、何より、オレのことを視ることができるのは今のところ君だけのようだから、退屈凌ぎに雑談をしたいんだ。』
「それは構いませんけど、気をつけてくださいね。基本、わたしの周りには、ジョットさんやDさんを始め、初代組の誰かがいる可能性が高いので。」
『あはは。確かにそれは気をつけないとな。まぁ、ジョットやGならまだ大丈夫だけど、Dがいる時だけは絶対に姿を見せないことにするよ。
あ、ナツキちゃんはナツキちゃんで、オレのこと秘密にしてくれよ?』
「ええ。もちろんです。」
私の返事を聞き、コザァートさんはよかったと小さく呟き、一瞬だけ空を見る。
『そろそろジョット達が戻ってきそうだから、ここいらでお暇させてもらうよ。またね、ナツキちゃん。アンコロもち、分けてくれてありがとう。』
そして、私には離れることを伝えたのち、赤い炎となりこの場から立ち去る。
それと入れ替わるかのように、ジョットさん達が戻ってきた。
『?誰かいたのか?』
「……内緒。まぁ、強いて言うなら、ちょっとだけ新しい出会いを経験しただけ。」
先程までコザァートさんがいた場所に目を向けながら問いかけてくるジョットさんに、内緒だと伝えた私は、お皿に残ったアンコロもちを頬張る。
もちろん、その間に先程の記憶を頭の端へと追いやって、仮にDさんに憑依されても、バレないように封じておいた。
彼との出会いは本当に秘密。だってバレてしまったら、Dさんの暴走を止めることができなくなるかもしれないからね……。
沢田 奈月
見事な采配でキャバッローネファミリーに勝利して、お年玉をしっかり掻っ払ったボンゴレ10代目。
新しい出会いにかなり驚いたのだが、これから先彼も重要な存在になるだろうと判断し、ジョット達には内緒で交流を重ねることを決意した。
シモン・コザァート
気がついたら現世を彷徨っていたシモンファミリーの初代ボス。
ジョットのことを見つけたから観察をしていたのだが、まさかDも一緒にいるとは思わずかなり驚いた。
しかし、持ち前の観察眼により、ジョットの子孫である奈月が中心にいるからこそ、ジョットとDがいても均衡が保たれていることにすぐに気がついたため、初代ボンゴレメンバーがいない隙を見て、Dの行動を監視することを決める。
月が昇ったことにより、自分の子孫は助かったと意味深な言葉を口にしている。