最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
家庭教師を名乗るマフィアの来日。忠犬ばりに懐いてくるマフィアな転校生。クラスの人気者の相談など、めちゃくちゃ濃い日々を過ごした週末。
普段なら短く感じるそれが、長く感じてしまうレベルの日々は、なんともまぁ忙しいものだった。
これからこんな濃い一日が続くのかと思うと、少しだけ意識を遠くへ飛ばしてしまいそうになる。
でも、同時にワクワクも止まらなくて、次はどんなことがあるんだろうなんて、今の状況を楽しみ始めている自分もいたりする。
おそらくだけど、前者の感想は、未だに残っている前世の感覚ゆえのもので、後者の感想は、適応し始めている自身の気の持ち方ゆえのものだろう。
まぁ、とはいえ、やっぱり何事もなく一日を過ごすのが一番良いけどね。やっぱりマフィアってちょっと怖いし、いつ命を落とすかもわからない立場だし。
特に、マフィアのボスなんて、一番命が危ぶまれる立場じゃんね?本当、なんでそんな秘密がある家系に生まれちゃったのやら……。
「なっちゃーん!」
「おわ!?って京ちゃんまたか!?」
「えへへ……ごめんね。なっちゃん見たら、なんだか体が勝手に。」
「何でよ……」
「わかんないけど、抱きつきたくなっちゃうの。落ち着くんだ〜。」
「だからって夏場まで抱きつかれるのはなぁ……。夏以外なら大歓迎なんだけど。」
「相変わらずだね、ナツと京子は。」
「花。たまには京ちゃんを止めてくれないかな?」
「ごめん、無理。だって京子ってば、ナツを見つける天才だから、人混みに紛れていてもすぐにナツを見つけ出して抱きつきに行っちゃうし。」
「どんな才能だそれ。」
「……どこでもナツを見つけ出せる才能?」
「すぐにでもその花は摘んでもらえないかな。」
「お花を摘んだらかわいそーだよ?」
「そう言う意味じゃない!」
そんなことを考えていたら、真正面から京ちゃんに抱きつかれた。いつもの展開にツッコミを入れるけど、京ちゃんはそのツッコミをもろともしないで抱き締めてくる。
対する花は、京ちゃんのこの抱き着き癖や、私を見つけては走り寄って行ってしまうのをどうにもできないとお手上げ状態で、思わず溜息を吐いてしまった。
「……くっついてていいから、せめて抱きつくのはやめてくれないかな?暑いから。」
「はーい。」
「……いや、腕に腕を回すんかい。」
「側から見たらカップルだな。」
「女同士のカップルって何……。」
「だってナツと京子は身長差あるし、ナツってイケ女だし。」
「イケ女ってなんだイケ女って。」
「ま、それくらいは許してやんなよ。最近、ナツが他の男子どもと仲良過ぎるせいで、京子ってば拗ねてたからさ。」
「ちょ、花!?なんでそんなこと言うの!?」
「ほーん?クラスのアイドルに嫉妬させていたなんて、男子から羨ましがられそうだね。」
「ちょっとなっちゃんまで!!」
私と花のからかいのせいで、顔を真っ赤にしてしまった京ちゃんに、花と二人して笑い声を漏らす。
京ちゃんは、たまにからかいたくなるくらい純粋だからね。花と一緒になって、ちょっとつつくのが楽しい時がある。
とは言え、からかい過ぎるのは度が過ぎるから、あまり定期的にはやらないけどね。
「ごめんって。京ちゃんがまさかそんな風になってるとは思わなかったからさ。ていうか、顔真っ赤だけど、嫉妬ってもしかして図星だった?寂しかったの?」
「……うん。」
「なんて、そんなことあるわけ……うん?」
そんなことないよって返ってくるかと思ったのに、まさかの肯定が返ってきてしまい、思わず固まる。
瞬きを何度か繰り返して、京ちゃんに目を向けてみると、彼女は少しだけ拗ねたような表情をしたまま、ギュッと腕に力を入れてきた。
「ちょっと寂しかった。なっちゃんが誰とでも仲良くなれることは知ってるし、大人数でお話しするのが楽しいことも知ってるけど、ちょっとだけどうして、あたしと話してくれないのかなって思ってた。
いつも一緒に話してたからかな?ちょっと寂しかったの。なんだか、なっちゃんが離れていっちゃいそうで……。」
「おっふ……」
「それは私も同感。男子どもと仲良くすんのもいいけどさ。私らともちゃんと仲良くしてほしいね。
だって、私ら親友じゃん?だから、たまには私らのとこにも来てくれない?寂しいからさ。」
「花まで……」
ちょっとだけ寂しげな様子を見せている2人を見て、私は少しだけ困惑する。同時に、そこまで好かれていたのかと認識する。
まぁ、言われてみれば、ナンパ野郎を撃退した時から連むようになった2人だからね。学校で一番長く一緒に過ごしていたことは否定しない。
そんな2人と離れて、隼人や武、リボーンと話していたわけだ。
言われてみて、もし自分が2人の立場だったらを考える。うん。深く思案しなくても、十分寂しいと思ってしまうな。
2人が楽しければいいけど、やっぱり、その楽しいって気持ちを自分からも共有したい。
「あー……まぁ、確かに最近はゆっくり話してなかったね。申し訳ない。」
「謝らなくてもいいけど、たまには相手してよね。」
「そうだよ。あたしも花も、なっちゃんと話すのが大好きなんだから。」
「大は余計……って言いたいけど、否定はできないね。」
「あはは。マジかー。」
そんなことを思いながら、たまには自分達の相手もしてほしいと言ってくる2人の頭を優しく撫でる。
片腕は京ちゃんが抱きついているから、片手だけでしか撫でれないけど、まぁ、2人が嬉しげだしいっか。
「じゃあ、今日解散するまでは、2人に独占されときますかね。学校では……うん……どーしても隼人あたりが周りで尻尾振ってそうだから難しいけど。」
「尻尾?」
「尻尾ってあんたね。ていうか、獄寺のこと下の名前で呼んでるんだ。」
「正確には、獄寺 隼人と山本 武の2人は下の名前で呼んでる……だけどね。」
「え!?なっちゃんいつのまに山本君とも仲良くなってたの!?」
「つい先日だよ。スランプ中だったから、相談に乗ってたんだ。ああいうのはちょっと放っとけないたちでね。」
「「…………。」」
「………うん?」
ぽかーんとしてしまった2人の様子に首を傾げていると、2人は一度互いに顔を見合わせたのち、ムッと拗ねたような表情を見せた。
あれ?もしかしなくとも地雷?
「なっちゃん!!山本君とまで仲良くなっちゃったの!?」
「山本って言えば、めちゃくちゃ友達と仲良くしてる男子じゃん。つまり、仲良くなったナツとも仲良くする可能性高いってわけだよね?」
「あたし達だってなっちゃんといっぱいお話ししたいのに!」
「ちょっとナツ〜?京子がさらに拗ねたじゃん。山本のフレンドリーさを舐めてると、私達がもっと話しにくくなるんだけど?」
「ええ……?いきなりそんなこと言われても……」
「よーし、京子。休み明けから私達もナツに絡みまくるよ。思いっきりくっついてやりな。」
「任せて!なっちゃんから絶対離れないからね!」
「ちょっなんでそうなんの!!?」
「「問答無用!!」」
「子供か!!?いや、子供だったわ私達!!」
まさかの宣告をされてしまい、思わず怒鳴るようにツッコミを入れてしまう。
武と仲良くなった瞬間、彼のフレンドリーさを舐めるなとか、話しかけづらくなるとか言われてしまうとは思わなかった。
トホホ……と肩を落としたくなりながら、ひっつき虫の悪化をどう回避したらいいんだと遠い目をする。
うん……この2人がこんな子達だとはオモワナカッタナー……。
沢田 奈月
山本と仲良くなったことを教えた瞬間、くっつきにくくなると京子&花に言われてしまった転生者なボンゴレ10代目。
これから先、次々と仲良くなる人を増やしてしまうのだが、その度に京子のひっつき虫が悪化してしまうことに気づいていない。
笹川 京子
奈月が大好きな原作ヒロイン。奈月が誰かと仲良くして楽しげにしているのは嬉しいけど、自分のことも相手にしてほしいと嫉妬で拗ねてしまっていた。
まだ友情の範疇だが、いつ変わるかはわからない。
黒川 花
奈月が学校の中でめちゃくちゃフレンドリーな生徒で、一度友達と認識した相手には結構な頻度で話しかけたり、スキンシップをしたりするのを知っているので、山本と仲良くなってしまった奈月に、さらに近寄りにくくなったじゃないかと軽く拗ねた2人の親友。
友情の範疇だが、奈月関係だと結構嫉妬してしまうたち。
作者の一言
京子の想いが友情から変化するの、ハルあたりが出てきたくらいになりそうな予感がする。