最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
途中でハルとわかれ、京ちゃんと花の2人と一緒に並盛中学校へと足を運んだ私は、真っ直ぐと教室へと向かう。
今日は特に風紀委員会による定期検査が行われていなかったため、草壁さん達に出会すことはなかったから、放課後かな……なんてことを思いながら、教室へと向かえば、隼人と武……が女子に囲まれていた。
まぁ、2人ってかっこいいもんね。わかるよ。なんてことを思いながら、自分の席に着く。
挨拶くらいはしたかったけど、ちょっと難しいかな?
「山本と獄寺の2人囲まれてんね。」
「本当だね。」
「まぁ、あの2人はわからなくもないかな。スポーツがうまくて、容姿もいい、さらに言うと人当たりもいい武と、不良って感じではあるけど、容姿が良くて、なおかつ転入してきた当初からワイルドさがいいって言う理由からファンクラブが作られている様子の隼人。
そりゃ、女子達から人気が出るってもんだよ。男子生徒達が羨ましげな目を向けてらっしゃる……。」
自分の席につきながら、隼人と武のことを京ちゃんと花の2人と話す。
まさか、漫画や小説なんかで見かけることがあった人気の男子達を囲む女子生徒の図を実際に見ることになるとは。
そんなことを思いながら、スクールバッグから教科書などを出していると、やけにたくさんの視線を感じ取った。
少しだけ嫌な予感を抱きながら、視線を感じる方に目を向けてみれば、私の方をガン見している複数人の女子生徒達。
「えっと……?」
困惑しながら女子生徒を眺めていると、その女子生徒達は小さく頷いたあと、パタパタと私のところへと足を運んできた。
「あ、あの、奈月ちゃん!」
「私達、持田先輩と勝負していた時の奈月ちゃんを見て、ファンになった生徒の集まりなの!」
「体育祭の時、ヒバリさんと勝負していた姿もカッコよかった!」
「わ、私は前不良から助けてもらって……!その時のお礼がしたくて……。」
「うちも、変な生徒に絡まれてた時、助けてもらったからそのお礼にきたんだ。」
「私は持田先輩と勝負していた時から奈月ちゃんのファンだったの!」
「あたしは体育祭の時かな。あのヒバリさんと戦えちゃうんだもん。すっごくかっこよかった!」
「「「「「「だから、これを奈月ちゃんに!!」」」」」」
一斉に差し出されたラッピングされた箱や袋に、キョトンとした表情をしてしまう。
えっと、私って某強強ドラゴンの妖精騎士ポジ……?
「………まさか、私がもらう側になるとは思わなかったな。」
急なことにかなり驚いてしまったが、彼女達の想いは無碍にしたくない……そう思った私は、こちらの方に贈り物を手渡してきた女子生徒達の手元からそれを受け取る。
こんなことになるくらいなら、余分に何か作ってくるべきだったかな。
「ありがとう。とても嬉しいよ。贈り物は、ゆっくりと味わうね。ホワイトデーになるけど、その時に私からも贈り物を返させてもらうよ。」
そんなことを思いながら、小さく笑みを浮かべ、お返しはホワイトデーにと口にする。
すると、私に贈り物をくれた女子生徒達は驚いたような表情を見せた。
「そ、そんな!私達はお返しが欲しいわけじゃなくて、お礼がしたいだけなんだよ!?」
「私達が勝手にしているだけだから、お返しはいらないよ!!」
いったい何をそんなに驚いているのやら……首を傾げながら考えていると、お返しはいらないと告げられた。
自分達が勝手にしているだけで、お返しが欲しいわけではない。ただ、感謝や想いを受け取ってくれるだけでいい……とのことらしい。
「そうもいかないよ。受け取りっぱなしは性に合わないんだ。例えそれが感謝からだとしても……例えそれがファンとしての好意や敬愛だとしても……もっと違う好意でも、受け取ったものにはちゃんとお返しをするのが私だからね。
だから、楽しみにしていて。とびっきりのお返しを君達にしてあげるから。」
小さく笑いながらそう伝えれば、私に贈り物をくれた女子生徒達は顔を真っ赤にして、次々と席に戻ってしまった。
あれ?よく見たら教室から出て行った子もいる?別のクラスからもきていたのかな。
真っ赤にしちゃっていちごみたいだな……なんて思いながら、もらったものをスクールバッグへと収めていると、すぐ近くから視線を感じる。
「……Oh……。」
その視線の正体は、呆れたような目をしてる花と、どこか拗ねたような表情をしている京ちゃんの視線だった。
2人の視線を見た私は、少しだけ引きつった笑みを浮かべながら固まってしまう。
「ナツ……あんたいつか刺されるよ?」
「え、物騒。」
「なっちゃんがみんなに優しいのは知ってるけど、これ以上一緒にいれる時間を減らしたら許さないからね?」
「京ちゃんからそんな言葉が出てくるとは思わなかった……。」
まさかのセリフに苦笑いをこぼすしかできなくなってしまう。
でも、不安にしてしまったなら申し訳ない。
「大丈夫だよ、京ちゃん。隼人と武は、どうしても一緒に過ごすことが多くなってしまうけど、これ以上誰かとの時間を増やすつもりはないから。
私にとって京ちゃんと花は、初めての友達だったからね。これ以上2人との時間が減るのは避けたい。
だから安心して。放課後以外の学校時間は、なるべく2人を優先するつもりだからさ。」
そう思って学校での時間は2人をなるべく優先すると伝えれば、京ちゃんは一瞬キョトンとした表情を見せたのち、笑顔で頷いた。
対して花からはため息が漏れていた。あれ?なんか違った……?
「ナツ。そう言うことじゃないから。」
「ええ………?」
これ、正解じゃないの……?
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時間は経過し、放課後。
廊下を歩くたびに、別のクラスの女子や先輩方からなぜかチョコレートをもらうと言う状況に、少しだけ困惑しながらも、もらった人達の名前やクラスを教えてもらいながら過ごし、1日を過ごした。
とうとう私まで、隼人や武のように男子から妬みの視線をもらってしまうなんてトラブルに見舞われてしまったが、それはそれてして、放課後まで2人にバレンタインの贈り物を送れないと言うのはいかがなものか。
「結局最後まで2人は女子に囲まれていたな……」
「それはあんたもだからね?」
「なっちゃん、知らないところでいっぱい人助けしていたんだね。」
「いや……この学校の一部の治安が悪すぎる結果なんだけどね。なんなんだこの学校……」
「それはそう。」
「大変だね……」
風紀委員としての仕事が忙しい理由を察したらしい京ちゃんと花が同情するような目を向けてくる。
そのことに苦笑いを浮かべてしまった。京ちゃんと花の2人は、いつも私と過ごしているからか、今のところ被害はないみたいだけど。
「ちょっと隼人と武の2人に特攻してくる。」
「行ってら。」
「行ってらっしゃーい!」
そんなことを思いながら、私は自分の席を立つ。このままじゃ渡さず仕事に入らないといけないからね。
仕事に入ったら、もはや2人に渡すための時間がない。渡すとしたら、今の時間帯しかないのである。
「「「「「獄寺く〜〜ん!チョコもらって〜〜っ」」」」」
「てめーらついてくんじゃねえ!!」
「……よし。まずは隼人だな。」
とりあえず私は、現在の状況を分析して、どちらにまずは渡すかを考える。
それにより、女子に追われてはいるが、一定の距離が空いているおかげで周りがすっからかんな隼人に先に渡した方がいいと判断する。
武は人当たりの良さもあり、渡されたものを全部もらっているせいで人が捌ける様子がないからね。
「隼人。」
「!10代目!本日は申し訳ありません!女子からちょっとつきまとわれていて、お側にいることができず……!!」
「いや、それに関しては気にしてないよ。君がモテるのは今に始まったことじゃないからね。」
隼人の名前を呼べば、彼は私の方に気づいては謝罪の言葉を口にする。
すぐに謝罪の言葉は必要ないと伝えるが、やはり申し訳ないと言う気持ちは抜けないようだ。
まぁ、彼にとって私はいわゆる上司のようなもの。私は別に彼を部下と思った記憶はないのだけど、これを言っても彼はそうもいかないと言うだろうから、一旦は黙っておこう。
「まぁ、今はそんなことを言いたいわけじゃない。これを渡そうと思ってね。」
「へ?」
キョトンとする隼人に、私は赤いリボンでラッピングした袋を取り出す。
そして、小さく笑いながら隼人に手渡せば、彼は何度か瞬きをしたあと、それが何か理解したのか、「ええ!?」と大きな声を出した。
「じ、10代目!?こ、これをオレにですか!?」
「そう。君に聞いただろう?甘いものは好きかどうか。そんで、君は甘過ぎるのは得意じゃないと言っていたからね。それに合わせたものを用意させてもらったよ。
入ってるものは、チョコマドレーヌとミルクチョコレートのトリュフ。それとアイシングクッキーでね。」
「アイシングクッキー……花の形になってますね。」
「うん。それにはちゃんと意味がある。」
「意味?」
首を傾げる隼人に私は小さく頷き、その花に込められた言葉を口にする。
「隼人のアイシングクッキー……花の名前はストレプトカーパス。ストレプトカーパスには2つ程花言葉がある。そして、隼人に贈る花言葉は、“信頼に応える”。」
「!」
「私を慕ってくれている君の想いや信頼……それはすごく喜ばしいものだ。
だからこそ私は、そんな君の想いに応えていきたいと思っている。まだまだ未熟な存在だけど、きっとそれに応えられるような人間になるから、これからも私のことを見守ってほしい。」
「もちろんです!!これからもオレは10代目の右腕として、あなたのお側に!!」
私の言葉を聞き、大歓喜と言う言葉が似合いそうな程に喜んでいる様子の隼人の姿に小さく笑みを浮かべる。
予想はできた反応だけど、狙い通りだからか少しだけ嬉しい。
さて、最後は武だけど……
「あ……」
なんて思いながら、視線を動かしてみると、こっちをガン見してる武と目が合った。
何度か瞬きをしてみれば、彼は困ったように視線を逸らすが、チラチラと隼人の手元を見ているようだった。
思わずその姿に軽く吹き出す。どう見てもオレにはないのかな、みたいな反応にしか見えない。
「武。」
彼の名前を呼び、静かに手招きをする。それを見た彼は、一瞬ギクッと言うかのような反応を見せたあと苦笑いをこぼした。
しかし、すぐに私の手招きに従うように近づいてくる。
「君にもあるよ。はい。これが武のね。チョコマドレーヌとミルクチョコのトリュフ。それと、君に宛てた花言葉付きの花のアイシングクッキーだよ。」
「花言葉……さっき、獄寺に伝えたような奴か?」
「うん。」
「そっか。この花ってどんな花なんだ?あんまり見たことねーけど……」
「その花の名前はクロッカス。花言葉は“青春の喜び”。」
「青春の喜び……。」
「これは、他のみんなにも言えることだけど、君らと出会ってから毎日がすごく楽しいんだ。
時折とんでもないことが起こったり、変なことに巻き込まれたりと大変なことによく見舞われることがあるけど、みんなといるからこそ、怒ったり、笑ったり、困ったりといろんな感情を抱ける学校生活になっている。
その中でも武はその代表。君がいつも楽しそうにしているからこそ、釣られて私も楽しくなる。
ありがとう、私と出会ってくれて。私と一緒に過ごしてくれて。
だから私は、青春の1ページそのもののような君に、この花と花言葉を贈るよ。
これからも仲良くしてほしい。まぁ、たまに身内のせいで安全の“あ”の字すら行方不明になりそうなことに巻き込んでしまうかもしれないけどね……。」
少しだけ苦笑いをこぼしながらも、武に花言葉の意味を伝えると、彼だけでなく周りまでしん……と静まる。
ちょっと待って。なんでみんなも黙ってんの……?
「ありがとうな、ナツ!オレもナツと一緒に過ごせて毎日が楽しいぜ!」
「オレも沢田と一緒のクラスになれてめちゃくちゃ楽しいぞ!!」
「オレも!」
「オレもだ!!」
「く─────っ!!沢田がそんな風に思ってたなんてな!!オレ達も沢田がいろいろやってる姿を見たり、一緒に楽しめるイベントに出たりして、すっげー楽しいと思ってるんだ!」
「私も!」
「私もすっごく楽しいよ!体育祭の時とかめちゃくちゃやばかったもん!」
「私も毎日が楽しいよ!奈月ちゃんを中心にいろんなことが起こってさ!」
「いっつも思ってるもん!私達も奈月ちゃん達みたいにたくさん楽しいことしたいねって!」
「これからも一緒にいろんな思い出作ってこ!目指せ中学時代が一番楽しかった記憶!」
沈黙に混乱していると、武の言葉を筆頭に多くの生徒達が声を張り上げる。
そのことに驚いてしまった私は、何度も瞬きを繰り返すが、だんだんそれがおかしくなって、思わず笑い声をこぼした。
前世では考えられなかったこの状況は、確かな思い出として記憶に刻もう。
「うん!!これからもよろしく頼むよ、みんな!!進級したら離れ離れになる生徒もいるだろうけど、そんなの関係なく楽しい生活を送ってこう!!」
「「「「「お─────っ!!」」」」」
私の言葉に笑顔を見せて返事をしてくる生徒達の姿に自然と笑顔がこぼれ落ちる。
あと数ヶ月のこのクラス……例えそうであっても、みんなと過ごす時間は大切にして、残りわずかな日々を楽しみたいな。
沢田 奈月
山本への贈り物が予想外の方向に作用してしまい、めちゃくちゃ驚いたボンゴレ10代目。
前世では考えられない状況ではあるが、前世以上に楽しい出来事だったため、笑顔をこぼした。
学校で優先するのは京子&花>獄寺&山本>クラスメイト達ではあるが、それでも楽しい思い出を作りたいと考える。
獄寺 隼人
他の女子達からの贈り物は鬱陶しいし貰わなかったが、10代目からの贈り物は即受け取り大歓喜した右腕候補。
山本に対する想いに反応したクラスメイト達はかなりやかましいと思ったが、10代目が楽しそうだからまぁいいかと思ってる。
山本 武
奈月からバレンタインの贈り物をもらった獄寺に羨望の眼差しを向けていたら、自分にも用意されていたのでちょっと恥ずかしくなっちゃった野球少年。
奈月の想いを聞き、これからも楽しい思い出を作りたいと思うが、同時に彼女の特別にはまだ慣れないかとちょっとしょんぼりした。
京子&花
また奈月が女子を誑かしてる……と拗ね&呆れを抱いたサンコイチトリオのうちの2人組。
しかし、奈月からちゃんと2人を優先すると告げられ、ちょっと機嫌が治った。