最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 ……なんで雲雀さん動かすと、毎回恋愛ゲーム内で好感度がめちゃくちゃ高くなってる攻略キャラとのスチルムーブが発生するんだろ?
 主人公側が仕返しされる話が書きたかったのかな……。それともただの深夜補正……?
 なんにせよヒバリさん大崩壊で、ヒバナツがかなり濃厚です。ご注意ください。


ハピバレ 雲雀恭弥

 隼人や武にも無事チョコレートを渡し、風紀委員会としての仕事をこなすため、彼らとわかれた。

 向かうのは応接室。最近、恭弥さんから何故か書類仕事の手伝いをするように言われてしまい、最近は見回り<恭弥さんのお手伝いとの割合になっているため、その作業を行うために、恭弥さんと合流する必要がある。

 普通、そう言った仕事って草壁さんがやるのでは?と思ったりもするけど、どうやら草壁さんは見回り組に最近は入っているらしい。

 いったいどうしてそうなったのか……いろいろ疑問が尽きないが、まぁ、恭弥さんに逆らうつもりはあまりないので仕方ない。

 

「あ、草壁さん。」

 

「お疲れ様です、奈月さん。」

 

「そちらこそ。恭弥さんは応接室にいらっしゃいますか?」

 

「ええ。いつも通り奈月さんをお待ちですよ。」

 

「……はぁ………。」

 

 私を待つ……?仕事のためかな?なんて思いながら、応接室へと向かうための廊下を歩く……前に、私は一旦足を止めた。

 

「あ、草壁さん。これ、風紀委員の皆さん宛です。もちろん、草壁さんのもあります。」

 

「これは……チョコレートとマドレーヌとアイシングクッキーですか?」

 

「ええ。今日はバレンタインなので、日頃お世話になってる人に手渡しているんです。」

 

「それは……ありがとうございます。ですが、我々だけがもらうわけには……」

 

「大丈夫です。恭弥さんにも作ってきているので。中身は他の皆さんとは違いますしね。」

 

「そうでしたか……。では、ありがたくいただきますね。」

 

 少しだけ安堵した様子の草壁さんの姿に、ちょっとだけ笑いそうになる。

 でも、その笑いはなんとか抑え込み、私は静かに口を開いた。

 

「アイシングクッキーはガザニアと呼ばれる花をモチーフにしてあります。和名は勲章菊と言って、見ての通り勲章のような菊の花です。花言葉は“あなたを誇りに思う”。

 風紀委員の皆さんがお仕事を頑張っているのは、新参者でありながらも側で見ていた私がよく知っています。

 周りから怖がられていることは度々ありますが、それでも、並盛で大きな騒ぎがないのは、あなた方の尽力もあってのものだと思います。

 そんな先輩方を誇りに思わない後輩はいませんよ。これからも、よろしくお願いしますね。」

 

「!……そのように言っていただけて、我々はとても喜ばしいです。こちらこそ、これからも風紀委員会の仲間として、よろしくお願いします。」

 

 “先程の花言葉と共に、他の風紀委員達にも伝えておきます”と言って立ち去っていく草壁さんの背中を見送り、私は小さく笑みを浮かべる。

 しかし、すぐに恭弥さんの元に向かうため、視線を進行方向へと向け、真っ直ぐと応接室への道のりを歩いた。

 さて、恭弥さんはちゃんと受け取ってくれるだろうか……。

 

 

 *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀

 

 

 たどり着いた応接室。いつものようにノックをすれば、入っておいでと言う恭弥さんの声が聞こえてくる。

 それを聞いた私は、すぐに応接室の扉を開けて入室した。入った先にはもちろん、恭弥さんの姿がある。

 

「始めるから手伝って。」

 

「わかりました。いつものようにまとめたらいいですか?」

 

「うん。ついでに、教えた書類も済ませて。」

 

「了解です。」

 

 私が応接室に入ったことを確認した恭弥さんは、いつものように小さく微笑み、作業内容を説明する。

 すぐにそれを承諾した私は、応接室の中央にある机の上にあった書類を手に取り、一番効率が良い順番に並び替えていく。

 ある程度書類をまとめたら、恭弥さんがやらないといけない書類の数々の最初の一枚に付箋を貼り、そこに番号だけを記入して渡せば、彼が書類を片付けていく。

 ……正直、学校や並盛に関しての書類をなんでなんの変哲もないであろう学生の風紀委員長が捌いているのか疑問でしかないが、きっと恭弥さんだからと割り切るしかないのだろう。

 学校と町内会仕事しろ。

 

 そう言えば、夏祭りも風紀委員会がしょば代を回収するって言ってたな……。町内会や市の議員は何をやってるんだ……。

 並盛中央病院の院長からもなぜか頭を下げられる立場にあったし、いったい恭弥さんって何者……?

 実家がヤのつく自由業なのかとツッコミを入れたくなる。ヤのつく自由業が地域を取り締まるのか知らないけど。

 

 そんなことを思いながら、やるべき作業をこなしていく。いろいろ疑問が残る書類ばかりではあるけど、まぁ、将来的に役に立つことがあるかもしれないしね。

 マフィアのボスだって書類整理はやらないといけないだろうし。

 

「一つ目の山終わりっと。」

 

 単純作業はそれなりに怠くなるから一旦お茶でも飲もうと考えてソファーから立ち上がる。

 

「恭弥さん。私、お茶飲みますけど、恭弥さんは飲みますか?」

 

「ん?じゃあもらうおうかな。」

 

「わかりました。」

 

 よし、恭弥さんもお茶を飲むなら、これをチャンスにしよう。

 正直言って、なんで学校にお菓子を持ってきてるのか聞かれそうな気もしなくもないけど、日頃の感謝を伝えるならこれが一番なんだ。

 咬み殺されそうになった時のことも考えて、警戒はなるべく怠らず、なおかつ自然に動いているように……少しだけ難しくはあるけど、なんとかこなしながら2人分のお茶を淹れる。

 そして、一緒に紫色のリボンでラッピングしていた贈り物を、恭弥さんのお茶の横に添えて、彼のデスクの上に置く。

 

「……これは………。」

 

「今日はバレンタインなので、日頃お世話になっている恭弥さんに贈り物ができたらなと思いまして。

 甘さは控えめが好きだとおっしゃっていましたから、ガトーショコラとビターチョコのナッツトリュフ、それと、アイシングクッキーを手食ってきました。

 他の知り合いにも作ってきましたが、こちらは恭弥さんのみのものとなります。」

 

「ふーん……?僕にだけなんだ。」

 

「ええ。」

 

 ……嘘は言ってない。ガトーショコラとトリュフは他の人のものにも入っているが、この花の形のアイシングクッキーは恭弥さんのだけにしか入っていないのだから。

 まぁ、ガトーショコラとトリュフに関しては黙っておくとして、花の説明をしよう。

 

「恭弥さんへの贈り物の中に入ってるアイシングクッキーは、ムラサキケマンと呼ばれる花を模しています。

 花自体はアルカロイド性の毒が含まれている危ない花ですが、そんな毒花としての恐ろしさとは裏腹に、花言葉はとても素敵なんですよ。」

 

「花言葉?」

 

「はい。ムラサキケマンの花言葉は2種類あります。その中でも私が恭弥さんに贈りたい言葉は“あなたの助けになる”……です。」

 

「!」

 

 私の言葉を聞き、恭弥さんが一瞬驚いたような表情を見せる。

 その姿に小さく笑みをこぼしながら、この花言葉を贈りたい理由を口にする。

 

「半ば強引に参加することになった風紀委員会ですが、最初に比べたら遥かに楽しいと思えるようになりました。

 それも全て、恭弥さんと一緒に仕事をすることが一つの生き甲斐となり、少しでもあなたのお役に立てることができればと思うようになったからです。

 恭弥さんが頑張っていることや、裏でいろいろやってることは、一般生徒達よりも知ってます。

 でも、風邪をひかれたり、体調を崩されたりしたら、とても心配になります。

 だから、これからも私は、あなたの助けになりたい。そう思ったので、私はこの花言葉をあなたに贈りたいんです。」

 

 恭弥さんが贈り物の方へと視線を落とす。

 少しの動揺と言うか、ちょっとした照れのようなものが窺えるような気がするけど、私はそのことを気にせず口を開く。

 ムラサキケマンに隠された意味……もう一つの秘密を教えるために。

 

「ムラサキケマンを選んだのには、もう一つ理由があります。この花は、属名の学名としてコリダリスと言う名を持っているのですが、実はこの言葉、ギリシャ語のコリダロスに由来してるらしいんですよ。

 そして、ギリシャ語のコリダロスの訳はヒバリ……恭弥さんの苗字と同じ名前の鳥のことを示す言葉なんです。

 その上、花言葉として“あなたの助けになる”と言うものを持っている……それを見て思ったんです。

 この花をかたどったものを、いつもお世話になっている恭弥さんに渡したいって。」

 

 “私からの想い、受け取ってくれますか?”と穏やかな声音で問いかければ、手元にある贈り物を見つめていた恭弥さんは、穏やかな笑みをふわりと見せた。

 そして、手元から視線を外し、私の方へとそれを向けた恭弥さんは、私の頬に手を伸ばし、緩やかな手つきで撫でつけてきた。

 

「学校に関係ないものを持ち込むなって言いたいところだけど、今回は許してあげる。ありがとう、奈月。」

 

 少しだけそれをくすぐったく思いながらも、小さく笑い返せば、優しく頭を撫でられる。

 

「ちょうどお茶もあるし、これも食べさせてもらうよ。」

 

「ええ。手作りなので、恭弥さんの口に合うかわかりませんが……。」

 

 私の頭を撫でるのをやめ、袋のラッピングとなってる紫色のリボンを外し、恭弥さんはガトーショコラを口にする。

 京ちゃん達やリボーンも美味しいと言ってくれるから、問題はないと思うんだけど……。

 

「ん。美味しいね、これ。甘さも控えめみたいだから食べやすい。」

 

「そう言っていただけてよかったです。作った甲斐がありました。」

 

 どうやら恭弥さんの口にも合ったらしく、安堵の息を漏らす。

 それなりに自信はあっても、やっぱりあまり美味しくないと言われる可能性はどこかしらにあるわけで、不安がないわけではなかったからね。

 彼にも喜んでもらえてよかった……そう思いながら自分の定位置となっているソファーに戻ろうとしたら、恭弥さんに肩を叩かれる。

 なんだ?と思い振り返ってみれば、アイシングクッキーを口に突っ込まれた。

 

「!?」

 

 まさかの事態に驚いていると、恭弥さんの手が後頭部に回り、頭の位置を固定される。

 混乱に混乱を重ねていたら、長細い形になっていたアイシングクッキーの反対側を恭弥さんが咥え、綺麗に真ん中でパキッと折った。

 

「!?!?!?」

 

「半分あげる。」

 

「んぐ……もうちょっとまともな方法で分けてくれませんかねぇ!?」

 

 アイシングクッキー分しか空いてないかなりの至近距離。そんな位置に端正な顔があったことがあまりにも恥ずかしく、思わず顔に熱がたまる。

 その姿が面白かったのか、目の前にいる恭弥さんはどことなく楽しげな笑みを浮かべていた。

 だが、よく見るとその頬はわずかに赤くなっている。

 

「仕返し。」

 

「ハァ!?」

 

「引き続き、仕事頑張って。」

 

 なんの仕返しだと怒鳴りたくなる。

 でも、これ以上いろいろ言ったら、下手したらトンファーが飛んでくるので、渋々我慢することにした。

 

「(アイシングクッキーはそれなりに大きかったけど、それでもかなり距離は近くなるわけで……仕返しってなんだよ、もう……。)」

 

 いろいろと内心で文句を言いながらも、私はソファーに座る。半分に割られたアイシングクッキーは食べ切ったけど、自分が味見もしながら作ったはずのそれは、いつもの倍は甘かった気がした。

 

 

 




 沢田 奈月
 雲雀のまさかの行動に、珍しくやられた側になったボンゴレ10代目。
 アイシングクッキー分の間があったとは言え、手合わせ以外での至近距離は心臓に悪いと軽く拗ねた。

 雲雀 恭弥
 バレンタインに乗じて特別に思ってる存在からとんでもない爆弾を投下され、内心かなりドキドキしといた風紀委員長。
 勝負と言い、今回のことと言い、毎回やられっぱなしが嫌だったため、今回の仕返しを決行したが、後から少し恥ずかしくなった。

 草壁 哲也
 最近はもっぱら見廻組に混ざっている副委員長。
 応接室に奈月を向かわせ、自分が委員長の側を離れているのは、委員長の奈月に対する想いに気づいているので、少しでも彼女との2人だけの時間を満喫してもらうため。
 バレンタインの贈り物にはかなり驚いたが、ありがたくもらったし、他の役員にも奈月からだと伝えて届けた。
 バレンタインの贈り物をもらった風紀委員達が大歓喜の大合唱をしたのでドン引きしたのは言うまでもない。

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