最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
道場破りと出会し、嫌な記憶を思い出してしまい、恭弥さんに寄り添ってもらった日から数日が経った。
あれから恭弥さんは、これまで以上に私に構うようになり、側に置くようになった。
なんでも、私はあまりにも抱え過ぎるし、誰かに頼ると言う考えを完全に停止させているようだから、少しでも私の変化に気づけるようにしたいんだとか。
そんなことしなくても……と一度抗議をしてみたが、どうやら彼はこの意見だけは聞き入れてくれないようで、おかげで最近は、基本的に放課後は恭弥さんと過ごすことが多くなったものだ。
でも、恭弥さんの側がそれなりに落ち着いてしまう自身のことを否定することはできなくて、抗議するのはやめた。
まぁ、放課後ずっと一緒にいる……ってことはないけどね。ただ、周りからはちょっと誤解されているようで……。
「あ、ナツじゃん。」
「あれ……花?珍しいね。まだ教室にいるなんて。」
「ちょっと調べ物を図書室でしてたのよ。だから今から帰るところ。ナツはまたヒバリさんとゆっくり過ごしてたの?」
「まぁ、お仕事を手伝いながら、お茶を飲んだりしてたけど。」
「へぇ……相変わらず仲良いね?最近は前以上によくいるし……何?ナツってばヒバリさんみたいな男の人が好みだったわけ?やっぱり強い人は強い人に惹かれるってことかな。」
「ちょっと、花。変なこと言わないでよ。別に、恭弥さんとは役員と委員長ってだけたよ。」
「いやいや、それ言ってもちょっと無理あるって。だって気がついたらナツってヒバリさんと一緒にいるじゃん。
しかも、ヒバリさん、めちゃくちゃナツのこと気にかけてるしさ。」
こんな風に、よく花から恭弥さんといることをつつかれるようになり、周りの生徒からは、1年の沢田と風紀委員長のヒバリは付き合ってるなんて噂が立つ始末になっていた。
それに関して、京ちゃんや武、隼人から詰め寄られた時はどうしたものかと思ったものだ。
まぁ、そんなんじゃないからと即時否定したら、3人とも信じてくれたけどね。
でも、やっぱり私と恭弥さんって距離が近いのか……。少しくらいは距離を空けるべき……って言いたいけど、恭弥さんがそれを許してくれなさそうかな……。
「はぁ〜、羨ましいわ〜。私もナツみたいに彼氏がほしいよ、本当。」
「だから恭弥さんは彼氏じゃないって。」
「照れなくてもいいじゃん。周りにはヒバリとか風紀委員長とかって呼ばれてるあの人を、恭弥さん、なんて下の名前で呼んでんの、今んとこナツしか見たことないわよ?
それに、あの群れを嫌うヒバリさんが、ナツのためだけに人が多い中様子を見にくるって時点で言い逃れできないっしょ。」
「いや、あれは……最近、ちょっと嫌な過去を思い出して、その時に恐怖心に駆られたのを恭弥さんに見られたから、それで気にされているって言うか……。
ほら、私ってこれまで誰かの前で怖がったり、弱音を吐いたりしなかったから、かなり恭弥さんが慌てたみたいで……」
「……は?どう言うこと?ナツが怖がるって相当じゃん。いつも自分に対抗して、拮抗かましてくる女子がそうなるなんて……確かに目の前でみたら慌てるわ。何かあったわけ?」
「……暴力的で狂気的なヤバめの男性に付き纏われたことがあって、その男性に似た暴力的な連中から、体を舐め回すような視線を向けられた挙句、襲われそうになった。」
「……ごめん、ナツ。嫌な話させた。それは誰だって慌てるし、気にするわ。」
謝罪をしてくる花に気にしないでと伝える。
むしろ謝るのは私の方だ。こんな、聞かされた側も精神的にくるような話をしてしまって申し訳ない。
「その話、京子達は知ってるの?」
「うん。精神的にくる話だとしても、調子がおかしい私を放っておけないから教えてほしいって言われたから。
結果、京ちゃんは泣きながら抱きついてきたし、隼人と武は私にそんな思いをさせた人間を物理的に消せる方法を探し出すしでかなり大変だった……。」
「あー……それって私が日直作業をしてる時に3人が急におかしくなったあれ……?」
「うん。」
「なるほどね。まぁ、あの3人ってナツのことをめちゃくちゃ大切にしてるし、気持ちはわからなくもないかな。
実際私も、そんな経験をナツにさせた奴、再起不能になれって思っちゃったし。」
「……うん。とりあえず落ち着こうね?」
なんと言うか、本当に私は周りから大切にされているな。前世ではこんなことなかったから、少しだけ戸惑う。
でも、不思議とどこか満たされているものはあって、これは誰にも奪われたくなくて……この空間は、今いる居場所は、誰にも壊されたくないな。
「でも、そっか。ヒバリさんとナツは付き合ってないんだね。」
「うん。まぁ、周りからは訂正できないくらい誤解されてる感があるけどね。」
「だろうね。だって、あのヒバリさんが誰かに執着するなんて珍しいもの。」
そんなことを思いながら、花との雑談を続ける。とりあえず、花からは完全に私と恭弥さんが恋人同士って言う勘違いは完全に抜けたみたいだから、一旦はよし。
「あ、じゃあ、私も誤解を解くの手伝うよ。どこまでそれがなくなるかはわからないけどね。
その代わり、ちょっとナツにお願いしたいことがあるんだけど。」
「?私にお願いしたいこと?できることならいいけど。」
そんな中、不意に告げられた言葉に首を傾げる。別に条件とか出さなくても、花のお願いなら出来ることなら全部聞くくらいの力はあるんだけどな。
花も私にとって大切な友人で、大切な仲間で、私の居場所の一つでもあるから。
「あのね、私にあんたの知り合いのイケメンを紹介してほしいんだ。」
「え?」
花のイケメンと言う言葉に、すかさずポコポコと脳裏にディーノさん、隼人、武、恭弥さん、了平さん、大きなランボの6人が思い浮かぶ。
骸……も一応脳裏を過ぎったけど、彼は現在牢獄暮らしだし、花が認識しているわけがないからね。
ついでに言うと、初代組やDさん、コザァートさんも一瞬思い浮かんだが、すぐに消した。
彼らも私にしか認識できない存在だから、まず花は知らないから。
でも、最初の6人は度々私の前に現れるか、毎日顔を合わせてるメンバーだから、含まれていてもおかしくはない。
まぁ、恭弥さん……に対して花はなんとも思ってないと言うか、まず紹介してくれとは言わなさそうだから除外してもいいか。
「えーっと、ちなみに花は誰のことを示してるわけ?脳裏にイケメンって言われる分類の男性、一気に10人以上出てきたんだけど……。」
「あんた……いったいどんだけイケメン見てきたのよこれまで。」
「うーん………13〜15くらい?」
「なんでそんなにイケメンに出会してるのか知らないけど、私が言ってるのは同級生の男子とか、バイオレンス気味なヒバリさんとかじゃないわよ。
ヒバリさんは確かに見た目はいいけど怖いが先走るし、同級生の男子なんておサルにしか見えないもの。」
「同級生の男子がまさかのおサルさん扱いされてちょっとびっくりなんだけど……?」
恋愛ごとを知らなかった私でもイケメンだなぁ、顔がいいなぁ……と思うレベルの男子であるメンツが悉く否定され、少しだけ苦笑いをこぼす。
しかし、花はそんな私のことなど気にしていないのか、話をそのまま進め始める。
「私が会いたいのは超美形で物静かで、声とかしびれちゃう大人の哀愁漂ってた人……ほら、あんたの家の前で話してたじゃない。牛柄シャツの人♡」
「……あー……うん……なるほどねー。」
頬を染めてうっとりしながら誰を紹介してほしいのか教えてくれた花に、私は思わず遠い目をする。
ランボ……君の未来の姿、どうやら私の同級生のお気に召したらしいよ。
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あれから今日やることを済ませたあと、花のお願いを聞き届けるために自宅へと彼女を招待する。
とは言え、帰る道のりはずっとどうしたものかと思考を巡らせていたけどね。
なんせ大きなランボは、今のランボの未来の姿。それを呼び出すには10年バズーカを使わせなくてはならない。
でも、10年バズーカは、ランボが泣きたくなるようなことがなければ使わないし、わざと泣かせることなんて私にはできないわけで。
「おじゃまします。」
「よくきたね、我が……沢田家に。」
「……何やってんの。」
どうやって10年バズーカを使わせる?と思いながら、自宅へと戻ると、なぜか漫画とかアニメに出てきそうなこってこて父親コーデをしているリボーンが、私の部屋で新聞を読んでいた。
何やってんだ……と呆れる中、花はこれまで何度か会ってるはずのリボーンであることに気づかずに、その場で頭を下げていた。
なんで花、これが私の父親だと思ったの……?京ちゃんとはまた違った方向からのボケに、引きつった笑みを浮かべていると、賑やかな笑い声が聞こえてきた。
すぐに部屋に入るための出入口へと目を向けてみると、そこにはランボとイーピンの姿が……。
「おかえりナツ!おやつある!?」
「ランボ……。残念ながら、今日はお菓子買ってないんだよね。ごめんよ。」
「ちぇ〜……。」
すかさず部屋に入ってきた2人に声をかければ、ランボとイーピンの2人が私の足元に寄ってくる。
すぐにしゃがみ込んで2人の頭を撫でていると、花の気配が急に私の部屋から外に出ていくのを感じ取れた。
「……花?」
「……ごめん、ナツ。私、子供がすっごいダメなの。ナツがいるからちゃんと躾けてあるんだろうけど、それでもやっぱダメでさ。」
“ホントごめん……”とめちゃくちゃ申し訳なさそうな様子の花に、私は苦笑いをこぼす。
まさかの子供アレルギー……それ、将来的に子供ができた時かなり大変な気がするんだけど。
それとも、自分の子供が生まれたら、それも治るのだろうか。いや、治さないと子育てはできそうにないな、うん。
「まさか、そんな体質だったとは思わなかったよ。それなら、ちょっとリビングの方に行こうか。
私の部屋だとかなり狭いから、子供との距離が近くなり過ぎるけど、リビングの方ならかなり広さはあるし、距離はそれなりに取れると思うからさ。」
「それならまぁ………。」
花の了承を得て、私はランボとイーピンの2人を同時に抱っこする。
この2人と過ごすようになってから、随分と力もついたものだ。なんせこの子達は、なにかと私に甘えがちだからね。
片方を抱っこしていたら、もう片方が抱っこをせがんできて、それに応えるのを繰り返していたからだろう。
「ところでナツ。あんたの知り合いのイケメンは?」
「くる時とこない時があるからなんとも……仮にくるとしても、ちょっと遠いところにいるから、合流するまでは時間がかかるかな。」
「そっか。それなら仕方ないわね。」
「うん。まぁ、とりあえずお茶でも飲んで帰りなよ。せっかく訪ねてきてくれたのに、何も出せませんでしたってのは私の性に合わないからさ。」
「んー……じゃあ、お茶飲んで帰るわ。もし時間が合わないとかだったら、迷惑かけちゃうしね。」
いつ大きなランボと今のランボが入れ替わるかわからないから、とりあえずお茶を飲む間は花を自宅に留めておくことにした。
まぁ、最近はいつのまにか入れ替わってることがほとんどで、一日中バズーカを使わない時もあるからね、あの子。
それだけ強くなったのか、それとも私の子守りがうまくいってるのか……何が原因かまではわからないけど、ある程度うまくいってるのはいいことだ。
「ナツ〜!オレっちお手伝いする〜!」
「ありがとう、ランボ。じゃあ、洗濯物入れるから手伝ってもらっていいかな?」
「うん!任せてほしいもんね!」
「─────!」
「イーピンも手伝ってくれるの?ありがとう。じゃあ、お願いしようかな。」
「!」
花のお茶を淹れていると、ランボとイーピンが手伝いをしたいと言ってきた。
すぐにそれならと洗濯物を入れる手伝いをしてほしいとお願いすると、2人は元気よく頷き、せっせと洗濯物を入れるために必要な籠を用意し始める。
「へぇ……あの子ら、もうお手伝いしてるんだ?」
「うん。何かをこなすたびに褒めていたら、いつのまにか率先して手伝ってくれるようになったんだ。」
「そうなんだ?でも、子供って失敗することもあるし、大変じゃない?」
「そうでもないよ。失敗しても怒ることはしないで、できたところを褒めて、そのあとできなかったことをこなすためのアドバイスをわかりやすく伝えれば、すぐにできるようになるからね。
もちろん、やったらダメなことや、将来的にしでかしたら周りに迷惑がかかるようなことをやるようならちゃんと叱ってるし、甘やかしばかりはしてないよ。
ただ、暴力だけは出さないようにしてるね。だって暴力を落とす体罰のようなものは、時に小さい子達のトラウマになり、それが原因で精神をやられるし、恐怖による躾方しか知らない状態になってしまう。
そんなことしたら、将来的にその子が同じ躾方をして、さらに暴力が増えることになる。
そんなことをやらせるわけにもいかないからね。叱ったあとは、どうして叱られてしまったのかを理解してもらうために例え話を使ったりもして、何がダメだったのかを教えることもしてるよ。
おかげでランボ達はすくすく健やかに育ってくれてね、これなら、将来も深く心配する必要がない。」
「……………。」
「………花?」
ランボ達のことを褒めていると、花から無言が返される。
不思議に思いながら首を傾げていると、彼女は何度か瞬きをしたあと、苦笑いをこぼした。
「ナツ……あんた人生何周目?」
「何周も周ってるわけないだろ。」
「でも、たまにあんたって同年代とは思えないレベルでしっかりしてるけど。」
「たまたまだよ、たまたま。」
正確には2週目だけど……なんて言葉は飲み込みながら、花との雑談を続ける。
しかし、不意に大きな爆発音が辺りに響き渡り、少しだけ火薬のにおいを感じ取った。
「え゛!?」
「─────!!」
「は!?ランボがすっ転んでバズーカ暴発!?」
まさかの事態に、慌ててバズーカの爆発音が聞こえた方へと足を運ぶ。
「やれやれ……せっかくナツさんからデートの誘いをOKしてもらってでかけていたと言うのに、なんてタイミングでバズーカを使ってくれたんだ小さいオレは……。」
「Oh……」
庭の方へと足を運んでみれば、そこには困ったような表情をして大きなランボが座り込んでいた。
なんと言うか、大きなランボもよく10年後の私と一緒に行動取ってるなぁ……。
お茶をしていたり、一緒にお菓子作りをしていたり、買い物に付き合っていたり、仕事を手伝っていたり……。
「毎回毎回タイミングがいいことで……。ランボにとっては悪いことこの上なさそうだけど……。」
「!お久しぶりです、若き麗しのナツさん!お元気でしたか?」
「ん。いつもと変わらないよ。そっちの私は体調崩すまで無茶したりしてない?」
「問題はありませんよ。あまりにも休まなかったりしてると皆さんの手で強制的に執務室から退室させられていますから。」
「……それをよくやるメンバーって?」
「オレも含めてナツさんの頑張りに気づいた幹部全員や、たまに足を運ばれているディーノさんがストップをかけていますね。
ちなみに、今回はオレが気づいたのでストップをかけるついでにナツさんをデートに誘いましたよ。」
「………何やってんの10年後の私……。」
大きなランボからの告白に頭を抱える。いや、まぁ、確かに私は一度作業を始めたら、キリがいいところまでやろうとして何時間も集中し過ぎてしまう傾向にあるけど、10年後もそれは治ってなかったのか。
その度に幹部やディーノさんに回収されてるって、どんだけやらかしてるんだ。
「回収方法は様々ですが、基本的に皆さんはナツさんを抱えて退室させてますね。
たまに首根っこを引っ掴んで連れて行く人もいたりして、なかなか賑やかなことになってます。
ですが、やはり心配にはなるので、可能であればうら若き今の世で治してくださいね。」
「……そうするよ。」
苦笑いをこぼしながら、大きなランボに言葉を返せば、彼は笑顔を見せる。
しかし、すぐに私の背後の方へと視線を向けては、キョトンとした表情を見せた。
「おや……。そこにいらっしゃるのは、若き花さんではありませんか?」
「へ!?な、なんで私の名前を……」
大きなランボに名前を呼ばれた花が、驚いたような声を漏らす。
すると、大きなランボは一瞬首を傾げたあと、何かを思い出したようにポンっと左手の手のひらに右手の拳を軽く乗せた。
「失礼。オレとしたことが、ナツさんとの約束を忘れていました。」
「へ?ナツとの約束……?」
「ええ。あなたはこちらのことを何も知らないですから、あまり話してはならないと……。」
「?どう言う……」
「こればかりは流石にお話するわけにはいきません。それを話すことは、ナツさんの想いや望みに反することなので、彼女が悲しんでしまいますから。
ですが……そうですね。いずれ、オレが誰かわかる時がきますよ。忘れていなければですが。」
「え?」
「おっと、そろそろ時間が……。ナツさん。オレはそろそろ失礼しますね。多分、子供のオレが戻ってきますので。」
「ん。またね。」
「ええ。またどこかで。」
そう言って大きなランボは踵を返す。
離れた位置まで歩いて、本来のランボと入れ替わろうと思っているのだろう。
冷静に分析しながら、軽く手を振っていると、彼は一度、穏やかな笑みを見せて、私の家の敷地内から外へと出て行った。
「……………。」
「花?」
大きなランボがいなくなったあと、その場に静寂だけが落ちる。
大きなランボに会いたがっていた花が静かなままであることが少しだけ気になった私は、すぐに彼女の名前を呼んだ。
すると花が深くため息を吐き、困ったような笑みを浮かべていた。
「……まぁ、なんとなく理解はしていたからショックは少ないけどさ、やっぱりあの人、ナツのことがめちゃくちゃ好きなんだね。
ナツって好意に対して鈍感なところがあるし、顔を合わせて、言葉を交わすことができたら私にも少しくらいはチャンスがあるかも……って、ちょっと期待していたんだけど完敗だわ。」
「え?」
「私さ。さっきの人を見た時、すごくかっこよくて、好みのドストライクだったから、一目惚れしてたんだ。
でも、すぐに失恋したなって思ったんだよね。だって、明らかにナツにハマってる顔してんだもん。
本当に一途に好きだと思ってるってわかるくらいにさ。だから、惚れた瞬間失恋していたんだ。
だけど、やっぱりちょっと諦めきれなくて、今回会わせてほしいって言ったんだけど、あんなにナツが大切で大好きですって顔されたら、入る隙なんて全くないじゃん……。」
どこか悲しげな表情を見せる花の姿に何度か瞬きをする。
しかし、すぐに彼女の言葉の意味を理解して、少しだけ申し訳なさを抱く。
前から大きなランボの好意は、親愛や家族愛、友愛などの想いとは違う別の熱量があることに気づいていた。
骸程……ではないけれど、彼と同じような特別な好意であることは理解できていた。
だからこそ、花に何か言おうにも言えなかった。向けられている好意に応えることはできていないけど、その好意が向けられる先は、必ず私の方に向けられているから。
「……よし!頭切り替えた!さっきの人に負けないくらい素敵な人に出会って、絶対に幸せを掴んでやるわよ!」
どうすればいいかわからず無言になっていると、すぐ側にいた花が自身の両頬をバチンッと一回強く叩き、暗い表情を払拭する。
そのことに驚いていると、花は私に笑顔を見せたあと、こちらの両頬を摘んで左右に伸ばしてくる。
「ふにゃ!?
「私の初恋を見事に玉砕してくれたんだからこれくらい当然でしょ!少しイジったら完全に吹っ切るから大人しくしなさい!!」
「にゃあああああっ!?」
「あはは!なんか猫が鳴いてるわね。って言うかナツ、あんたの頬よく伸びるしもちふわね。」
「にゃ!?
「なんて言ってるかなんとなくわかった。でも、別に太ってるって程じゃないと思うわよ?むしろようやく肉つきよくなった……みたいな?あんた、強い割には意外と痩せてたもの。」
彼女がスッキリするならもにられくらいは我慢しようと考えながらも、話し難いなりに彼女と言葉を交わす。
解放されたのは、10分後辺りだったのは仕方ないかもしれない……。
沢田 奈月
恋愛に鈍感ではあるが、ストレートに想いを告げられたら流石に認識することはできるボンゴレ10代目。
花の初恋を即終わらせてしまったことを反省しながら、彼女に頬をしばらくもにられた。
黒川 花
大きなランボに一目惚れをしたが、奈月に対する目を見て叶わない恋だと即理解して失恋してしまっていた奈月の親友。
奈月が魅力的なのは自分もよく知ってるので、割と諦めはそれなりにつけていたが、やっぱり悔しいのでしばらく奈月の頬をもにった。
大きなランボ
10年経っても奈月を一途に想い続けていた未来のボンゴレ幹部。
奈月の願いや望みを知っていたため、花に彼女のことを詳しく話すことはしなかった。
このあと10年後に戻って奈月とデートを再開したのだが、青色と赤色に最終的に邪魔されてしまったらしい。
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