最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
花見の話のはずなのに、高濃度ヒバナツ警報と、争奪戦注意報発令待ったなしの話になってしまった……。
こうなるはずじゃなかったんだけど……(下書き書かねーからだよアホ作者な私)
寒さに痺れる冬も過ぎ、桜も咲き誇る鳥語花香。
ぬくぬくとした小春日和に、どこか穏やかな気持ちになりながら、若干の眠気を感じる中、私は隼人と武の2人と一緒に、並盛の町並みを歩いていた。
今日は待ちに待ったお花見の日。最初、私は母さん達の弁当作りを手伝っていたのだが、リボーンが隼人と武に花見ができそうないい場所を取ってきてほしいとお願いしているのを聞き、少しだけ嫌な予感を感じてしまったため、急遽私も、2人の場所取りに同行することにしたのが始まりだった。
場所取り班に移動すると私が口にした際、リボーンもフゥ太もランボもイーピンもビアンキ姉さんを見るなり全力で止めてきたが、胸がざわつく感覚があるから、申し訳ないけど場所取りに行くと返したため、かなりの絶望顔をさせてしまったことは、非常に胸が痛むものではあったが、行かなくてはならないと直感したため、なんとか説得してきたことにより、今の状況になっている。
「まさか、10代目も場所取り側にくるとは思いませんでした。」
「オレも場所取りは男がするもんだと思っていたからビックリしたぜ。急にどうしたんだ?」
「それが……2人について行った方がいいってピンときちゃってね……。リボーン達には申し訳ないと思ったけど、こっちの方に入れてもらったんだよ。」
「?小僧達に申し訳ない……?」
「ヒント:ビアンキ姉さん。」
「じ、10代目……それはヒントじゃなくって答えっス……。」
「そう言や、こう言っちゃあれだけど、獄寺の姉さんって料理が下手くそなんだっけ……?」
「アレは下手どころで片付けることができる程可愛いもんじゃねーよ野球バカ……!!
アネキの飯はもはや兵器だ兵器!!一度食ったら無事じゃ済まねーんだぞ……!!」
顔を青くしながら訴えてくる隼人の剣幕に、武は“お、おう……”としか返せなくなっていた。
私はと言うと、ビアンキ姉さんが作るポイズンクッキングの効能を数羽のカラスを犠牲にして理解していたため、苦笑いをこぼしてしまう。
隼人が言いたい気持ちはわからなくもない。アレは……うん……絶対に人が口にしたらダメな物体だ。
「え……えっと……そ、そうだ!!昨日の天気予報観たか?今日辺り、こっちの方も満開になるらしいな!!」
「そう言えばそんなこと言ってたね。素敵な花見日和になりそうだよ。」
「そっスね。まだ早朝の時間ですし、最高の場所をゲットできますよきっと!」
かなり気まずい空気になってしまい、どうしたものかと考えていると、武がその気まずさを取り除くために、桜の話題を振ってきた。
よかった……気まずい空気の中場所取りに行くことにならなくて……と安堵しながらも、ビアンキ姉さんの料理の話を振り切るように武の話に乗ってみれば、隼人もすぐに話題を変えてくれた。
これならなんとかなりそうだ……そう思いながら歩き、たどり着いた大きな公園。
そこにはたくさんの桜の木が集まっており、薄紅色の美しい花々をこれでもかと言う程に咲かせていた。
しかし、その公園には人っ子一人いない状況で、おっと……?と思わず引き攣った表情を作ってしまう。
「おー!!ラッキー!!」
「一番乗りっスよ、10代目!!最高のロケーションじゃないっスか!?」
このおかしな状況に対して、疑問と警戒を抱く中、なんの疑問も抱くことなく喜びまくる武と隼人に頭を抱えたくなる。
─────……なんでそう喜んでんだよこの子らは!?少しは疑問を抱けよ!!
内心で怒鳴りつけるようにツッコミを入れていると、地面を踏み締める音が聞こえてきた。
「おい!!ここは立入禁止……って奈月さん!?」
「………やっぱりか……!!」
足音がすぐ側にくると同時に鼓膜を揺らした声は、風紀委員役員の生徒の声だった。
そのことにガッデム!!と言いたくなりながらも、何度か深呼吸をする。
「………隼人。武。役員君。君ら全員この場に待機。役員君。私は入らせてもらうよ。」
「え、ちょ、10代目?」
「ナツ……?なんで待機なんて……」
「奈月さんの命令だぞ!!大人しく従っておけ!!」
「あ゛!?」
「お、落ち着けって獄寺!!」
「奈月さん!!こいつらはこの場に引き留めておきますので、どうぞお入りください!!」
「わかった。重ねて言うけど、隼人と武は待機。絶対についてこないように。
2人がきたらただただややこしくなるだけだから。まぁ、こっちの直感が正しければ、所詮これは遅延行為程度にしかならなくて、厄介なことになるのは間違いないけど。
でも、即行で面倒ごとに移行させる前に、少しは状況をまとめることができるなら、遅延にも意味はあるか。」
隼人達に強めの口調で待機しておくように告げた私は、こちらについてこようとする隼人達の意思が(渋々に見えるが)薄れたことを確認したのち、静かに桜が咲き誇る公園の中へと足を踏み入れる。
360度満開の桜まみれ……なんとも贅沢なことをしていらっしゃることで……。
まぁ、彼のことだ。草食動物が群れている上、賑やかに騒いでいる場所で花見なんてしたくない……ってことなんだろうな。
「……やっぱりいましたね、恭弥さん。まぁ、風紀委員会の生徒がいる時点で、大方察しはついていましたが。」
「え……?奈月………?」
そんなことを思いながら、公園の中に存在している感じ慣れた気配の元へと足を運んでみれば、一気にたくさんの桜を見ることができる位置でリラックスしながら桜を眺めている恭弥さんの姿があった。
すぐに近寄り話しかけてみると、彼は一瞬鋭い視線を向けてきたが、現れたのが私であることに気づいた瞬間、普段の彼からは考えられない程驚いたような表情が浮かび上がる。
どうやら、私がこの場にやってくるとは思っていなかったようだ。
「珍しいですね。恭弥さんが驚くなんて。普段、私が恭弥さんの元にやってきた時は、そこまで驚かないくせに。」
「……しょうがないだろ。まさか君に会えるとは思わなかったからね。ちょうど、桜を眺めながら考えてたんだ。君と一緒に眺める桜なら、また違った景色になるのかなって。
……噂をすれば影がさす……とはよく言うけど、まさか、噂をするどころか、丁度奈月のことを考えていたタイミングで、本当に奈月がくるとは思わなかったよ。」
私から視線を外し、満開の桜を眺めながら目を細める恭弥さんの姿は、すごく絵になっていた。
その姿に少しだけ目を奪われながらも、私は小さく微笑む。きっと、前までの恭弥さんだったら、誰かが入ってきた時点で、縄張り意識をむき出しにした猛獣のように、誰であろうと排除していたんだろうけど、私が彼に出会ったせいで、かなり思考が変わってしまったみたいだ。
これは謝るべきなのか、それとも喜ぶべきなのか……そんなことを思いながら、恭弥さんを見つめていると、彼は私に視線を戻してくる。
「奈月は1人……と言うわけではなさそうだね。向こうがかなり騒がしいし。」
「それに関してはすみません。母とリボーンが花見をしたいと言っていたので、場所を取るために、隼人と武の2人と一緒にこっちまで足を運んだんですよ。」
「そう……。まぁ、そんなことだろうとは思っていたけどね。」
私の説明を聞き、呆れながらも納得したような様子を見せる恭弥さん。
あなたならそんな反応になると思いましたよ……なんて、私に対して言ってきた言葉と全く同じものを内心で吐き出しながら、桜を見つめていると、そうだ……と小さな声が聞こえてくる。
この後に紡がれる言葉を即時予測して、視線を恭弥さんからずらしていると、静かに名前を呼ばれる。
「見ての通り、ここは全体的に桜が見えるからね。花見をする場所で一番気に入ってる場所なんだ。
だから、明け渡すつもりはないんだけど、今回は赤ん坊と奈月の母親が行きたいって言ったのが発端なんだろ?
だったら話は別だ。離れた位置で過ごすのなら、奈月の家族と知り合いを呼んでもいいよ。
そうだね……あっちの方とか、こことは負けず劣らずだと思うよ。」
ついてきてと言う言葉と共に差し伸べられた手に自身の手を重ねれば、恭弥さんは私の手をしっかりと握りしめて歩き始める。
……あの……繋ぎ方が漫画とか、現実のカップルがしているような恋人繋ぎになってる気がするのですが気のせいですか?
なんでわざわざ手を繋ぐんだとか、それに従ってる私はなんなんだ、とか、いろいろと疑問に思いながらも、恭弥さんに手を引かれるままに歩みを進める。
「んな!?ヒバリの野郎!!何10代目の手を握ってやがんだ!!」
「て言うか、ヒバリいたんだな………。」
「……お前ら、奈月さんとよく行動を取ってるなら、オレを含めた風紀委員の姿くらい何度も見てるだろ。
奈月さんがクラス内にいる時も風紀委員が伝達や報告をするために声をかけることだって度々あるんだぞ。」
「悪いな。基本ナツと獄寺とダチしか見てねーんだ、オレ。」
「10代目と野球バカと10代目のご友人以外とは話す意味もないからてめーらなんざ見ねーわアホ。」
「嘘だろお前ら……。と言うか、クラスメイトとか教師はどうしてるんだ……。」
「クラスの中にいる時や、ダチと一緒にいる時はちゃんと見てるぜ?」
「放課後は基本どうでもいいからな。10代目と過ごすこと以外で優先することなんざねーよ。」
「マジかよ……」
……なんか隼人達が呑気に談笑してる声が聞こえる。同時に少しだけ恭弥さんがイラッとしてる。
役員君、気づいて。恭弥さんがイラッとしてるから……群れてる判定されてるから……。
「あとで土にしずめる………。」
「……ほどほどにしてあげてください。」
物騒なことを言ってる恭弥さんに対してツッコミを入れながらも足を進めていると、恭弥さんの足が不意に止まる。
一緒に足を止めてみれば、恭弥さんが再び名前を呼んできた。
「ここならあまり視界に入らないから使っていいよ。別に悪くない景色だろ?」
視線を固定したまま、ここなら使っても構わないと言ってくる恭弥さんの視線を追うように、同じ方向へと目を向けてみれば、満開の桜が広範囲に広がっている景色が視界に広がる。
ここから見る景色はなかなかにすごく、恭弥さんの言った通り、悪くない場所だった。
「すごい………。」
「ここなら全体の3分の2くらいは見えるし、奈月の親も十分楽しめるはずだよ。本当は、こんなところで過ごされること事態嫌だけど、今回は本当に特別。
ただし、僕が出す条件を承諾してくれるなら……だけどね。」
「恭弥さんが出す条件……ですか?」
「うん。別に難しい条件ではないよ。」
恭弥さんが難しくないと自負する条件とやらに首を傾げる。
普段から周りに結構な難題をふっかけているから、少し想像がいかないんだけど……。
いや、まぁ、私はその無理難題をふっかけられたこと、ほとんどないんだけどさ……。
風紀委員の役員達や、他の生徒達には何かと厄介な問題や理不尽な問題をふっかけていると言うか……。
「僕が出す条件は一つだけ。“奈月は僕のところにくること”……ただそれだけだよ。」
「……つまり、私は恭弥さんとお花見をすれば良い……ってことですか?」
「うん。簡単な条件だろ?これを承諾してくれるならここを使わせてあげる。
賑やかにするなとかは言わないし、花見だってできるんだから、条件としては簡単だと思うけど。」
告げられた条件に、私は少しだけ考え込む。いや、考え込むまでもないような気がしてきた。
言われてみれば、恭弥さんは私が側にいると群れに対する嫌悪感が多少薄れていたし、離れた位置にいるなら特に気にしていなかった。
雪合戦の時だって、私がいるってだけで参加していたし、終わったあとの保健室内でのちょっとしたティータイムにも同席していた。
群れていると蕁麻疹が出てしまうレベルで拒絶反応を見せる群れアレルギーのくせに、私が側にいると蕁麻疹は出てこないと言われた記憶もある。
曰く、私が側にいると、恭弥さんは私だけに意識を向けることができるため、自分と私だけのペアか、有象無象の群れかとわけて考えることができるのだと言う。
まぁ、私と自分のペアと人の群れの間に一定の距離があればそう考えることができると言うだけであって、恭弥さんが単騎の時に3人以上の人間が視界に入ったり、側にいたりしたら拒絶反応が出るし、私と2人でいる時でも距離が足らなかったりすると、拒絶反応が出るって言ってたから、克服したわけではないらしいけど……。
なんにせよ、これはかなり破格な条件なのでは?
だって、私が恭弥さんの側にいるだけで、(二番目とは言え)かなりいいロケーションで母さん達はお花見することができるわけだし、ビアンキ姉さん含め、お花見を楽しみにしているみんなも満足できる気がするもん。
「ちょっと待て。勝手に話を進めるなヒバリ。」
それくらいなら構いませんよ……と恭弥さんの条件を承諾しようとしていたら、近くにある桜の木から声が聞こえてくる。
すぐに視線を声の方へと向けてみれば、花咲か爺さんの格好をしたリボーンがそこにはいた。
思わず「ゲッ……」と声を漏らす。せっかく穏便に終わらせることができそうだったのに、これじゃ意味がないんですけど!?
「……邪魔をしないでもらえるかな、赤ん坊?」
「そうもいかねーぞ。ママンはただ花見がしてーわけじゃねー。家族と家族の友人達を揃えた上で花見がしてーんだ。
それを邪魔してるのはそっちだぞ。ナツはオレ達と花見をするんだ。ナツのことは諦めてくれ。」
「せっかく奈月のお願いを聞いて場所をわけてあげようとしたのに、邪魔するの?
だったらこの話はなしだよ。奈月だけ置いてさっさと出て行ってくれない?」
一触即発の状況になってしまい冷や汗を流す。
その間も空気は悪くなる一方で、このままだったら間違いなく喧嘩どころじゃなくなって、お花見が最悪の血祭り会場になる!!
「ストップストップスト─────ップ!!」
こうなったら!!と私はリボーンと恭弥さんの間に割って入り、今にもおっ始めそうな雰囲気をぶっ壊す。
こっちがストップに入ったことにより、2人の意識はお互いではなく、私の方へと移動した。
「恭弥さん。一旦、私は恭弥さんの側に控えるので、隼人と武の2人を、離れた位置に連れてきても構いませんか?」
「……まぁ、それくらいなら構わないけど、急に何?」
「この場を収めるため、私から一つ提案したいことがあるんです。」
「奈月の提案……そう。わかったよ。それじゃあ2人を連れてきて。ついでに、2人と話をしていた役員は咬み殺したあと帰るように言ってもらえる?」
「え……私が咬み殺すんですか……?恭弥さんではなく……?」
「僕がやったらどうなるかわからないけど。」
「あ、はい。私がやってきますね……。」
……恭弥さんなりの慈悲が出た……と表情を引き攣らせて私は移動する。
背後でリボーンと恭弥さんが未だに火花を散らしているけど、なんとか血祭り開始は免れているようだ。
「うん。役員君、ちょっとごめん。恭弥さんからの指示なんだ……2人と話し過ぎたみたいだよ……。」
「え゛……あ………。」
「そう言うことだから……」
そのことにホッとしながらも、私は自身の腰に提げていたトンファーで役員君を一発殴り飛ばす。
へぶ!?と言う声をあげながら、吹っ飛んだ役員君は、そのままズザーっと地面を滑り、仰向けにひっくり返る。
しかし、こちらがある程度力を加減していたことにより、気絶や骨折はしていないはずだ。
「恭弥さんからの指示。君はもういいから帰宅するように。これを聞かなかった場合、多分、恭弥さんからもう一発強烈過ぎる一撃をもらうと思うよ。」
「わ、わかりました……!!失礼します……!!」
私の言葉を聞き、頭を下げた役員君。かなり痛そうな表情をしているけど、話せるだけマシだろう。
恭弥さんに咬み殺された場合、話すどころか、立ち上がることすらできなかっただろうしね。
「さっさと帰りな。ああ、そうそう……一応、加減はしておいたけど、念のために病院で診てもらって。
時間経過で腫れる可能性は十分あるから、そうなる前に処置を済ませておくこと。わかった?」
「はい……!!では……!!」
ありがとうございましたと言って、この場から走り去っていく役員君を見送る。
感謝を述べられ際、めちゃくちゃ助かったと言うような表情をしていたけど……まぁ、罰としてはかなり軽いからね……。
仕方ないと言うかなんと言うか……。まぁ、今は役員君のことはいいか。
「隼人。武。ついてきて。恭弥さんのところに行くよ。」
「へ?ヒバリんとこっスか?」
「なんでまた……」
「いいからきて。」
疑問を口にする隼人と武にとにかくついてくるように告げて歩き始めれば、2人もあとをついてくる。
それを確認したのち、真っ直ぐと恭弥さんの元へと向かえば、未だにリボーンと火花を散らしていた。
「隼人と武、それとリボーンはここら辺にいて。」
リボーンと恭弥さんの様子にため息を吐きたくなりながらも、隼人と武に指示を出せば、2人は不思議そうな表情をして指定した場所に立つ。
次にリボーンに視線を向ければ、彼は私の方に目を向けたあと桜の木から飛び降りて武の肩に乗っかった。
最後に私が恭弥さんの側に立てば、恭弥さんが纏っていた刺々しい雰囲気が霧散した。
「ナツ。提案したいことってなんだ?」
「ちょっと。奈月は僕に提案をするって言ったんだよ。君が口出しをしないでもらえるかな?」
「どっちみち両者への提案にもなるので、恭弥さんもリボーンも噛みつき合わないでください。ちゃんと説明しますから。」
こっちの静止の言葉に、リボーンも恭弥さんも口を紡ぐ。
恭弥さんを制御できるせいか、武がすげぇ……と小さく呟き、隼人は流石だと褒めてきた。
しかし、そちらに対しては今は反応を返すことなく、私は静かに口を開く。
「まずは確認をさせていただきます。確認しなくてもいいだろと思われると思いますが、話を聞いていたのはリボーンと私だけだったので、そこはご了承ください。
……さて、確認のための質問ですが、恭弥さんは、私が側にいると言う条件を承諾するならば、ここでみんなが花見をしてもいいんですよね?」
「そうだよ。奈月が僕のところにくるなら、赤ん坊や君の母親、君の周りに集まるオマケ達にも花見をさせてあげる。
だから、奈月は僕のところにきて。それだけでここで花見ができるんだから、十分優しい条件だろ?」
「んだと!?」
「ちょっと待てよヒバリ。花見はナツの母さんの提案なんだぜ?ナツがヒバリのとこに行っちまったら、ナツの母さんが寂しいだろ。」
「山本の言う通りだぞ。ナツのママンが楽しみにしてるのは、娘と過ごせる花見の時間だ。」
「10代目のお母様が悲しむだろうが!!無茶苦茶なこと言ってんじゃねー!!」
確認のための質問に対し、恭弥さんが肯定の言葉を口にすれば、リボーンだけじゃなく、隼人と武の2人も恭弥さんにつっかかる。
そのことに小さくため息を吐き、片手を挙げて静止する合図を送れば、3人は黙り込んだ。
「……で、まぁ、言わずもがな、リボーン達はそれを許さないと。私としては、母さん達が楽しめるのであれば、いくらでも恭弥さんと一緒にお花見をするつもりでしたが、リボーン達の意見も、一方的には蹴りたくはないんですよね。
なので、ここは一つ、ちょっとしたゲームでもしてみませんか?」
「ゲーム?」
「何か考えはあるのか?」
「まぁ……正直、桜が綺麗な場所でこんな提案はしたくないんだけど、恭弥さんの性格を考えると、短時間で終わらせることができる方がいいだろうから、あえて提示させてもらうよ。
……こんなことを言うのは、かなり恥ずかしいけど、いたしかなたない。」
全員の視線が私に向けられる中、私は一つ深呼吸をする。そして、今から口にしようとしているセリフに対する羞恥心に、少しだけ顔に熱がたまるの感じ取りながら、3人を真っ直ぐ見据えた。
「この場で私を賭けて勝負をしてください。ルールは簡単。サシによる一本勝負です。
敗北するルールは、互いに膝をついた方が負け。ちょっとした力試しですね。
私は勝負に参加しません。ついでに、リボーンにも参加は許可しません。
力試し如きで、命のやり取りをされてしまっては困りますし、大怪我を負って花見ができなくなったりしたら、元も子もありませんからね。
だからリボーンは出禁です。リボーンと恭弥さんが争ったら、間違いなく大怪我どころじゃないので。」
「……仕方ねーな。」
「赤ん坊とやり合えないのは残念だけど、奈月の意見は一理あるね。わかったよ。じゃあ、僕は獄寺隼人と山本武を咬み殺せばいいんだね?」
「……まぁ、単刀直入に言うとそうなりますが、相手が膝をついた場合、追い打ちをかけて地面に沈めるのは無しですよ。
そんなことしたら、いくら恭弥さんであってもルール違反として反則負けにします。
隼人達だってお花見をしようとしてるので、ご了承ください。」
「……仕方ないね。」
隼人と武のオーバーキルはなんとか免れたため、安堵の息を漏らす。
……これ、釘を刺してなかったら間違いなく恭弥さんは手を止めてなかったな。
そうなる前に、先にストップを伝えることができてよかった……。
「勝った方の意見を私は通します。負けた方の抗議は受け付けるつもりはありませんのでそのつもりで。
勝った場合、負けた方に突きつけたい条件があれば今のうちに聞きます。」
そんなことを思いながら、勝った方から負けた方に突きつけたい条件を問いかければ、全員が一度顔を見合わせる。
しかし、すぐに条件は思いついたのか、程なくして視線は私の方へと向けられた。
「それなら、負けた側は僕と奈月の花見を邪魔をしないこと。話しかけるのも禁止だよ。
奈月といる時間は、1秒たりとも減らしたくないからね。邪魔をされたらムカつくんだ。
まぁ、奈月の母親……だけは、少しくらいいいけど、君達や、君達の周りにいるオマケは絶対に話しかけないで。」
「なら、オレ達からはここよりもいい花見スポットも条件として追加させてもらうぞ。
確かにここも景色としてはかなりのものだがな、ナツのママンのためにも最高の場所を譲ってもらう。」
「……そう。まぁ、負けた側が文句を言っても、所詮は負け犬の遠吠えだし、それくらいは構わないよ。
万が一、僕が負けた場合は、さっきまで僕が過ごしていたあそこも譲ってあげるよ。
1人だけの花見であれば、十分満喫したからね。大人しくここから離れてあげる。」
互いに負けた側に突きつけたい追加条件を聞き、私はそれを携帯電話のメモ帳へと記入する。
ここにいるメンバーが、悪あがきをするとは思わないけど、まぁ、念のために残しておいてもいいだろう。
「両者共に、話はまとまりましたね。では、ゲームを始めましょう。隼人と武は、どっちが先に恭弥さんに挑めか早めに決めてね。
……両者共に、無茶だけはしないように。繰り返し伝えますが、膝をついた相手に対する追い打ちは一切禁止とさせてもらいます。」
準備を始めてくださいと口にすれば、隼人と武がどちらが先に恭弥さんに挑むかを話始める。
それを見つめながら、自分が口にした言葉を思い返して恥ずかしさを感じているとふわりと視界が暗くなった。
「そんな顔、僕以外の連中に見せないでもらえる?」
「え?」
「さくらんぼみたいだよ。今の奈月。顔が赤くなってる。」
「っ!?」
不意打ちで告げられた指摘に、私を賭けて争えと言った以上の周知に見舞われてしまい、カっと顔が熱くなる。
すると、背後の方からクスッと小さな笑い声が聞こえてきた。
「恥ずかしかったんだ。さっきの言葉。」
「……い、言わないでください。」
「やだよ。奈月がここまで狼狽えるのは珍しいから。」
「揶揄わないでください。流石に私も死にます。」
「揶揄ってるつもりはないよ。可愛いって言ってるだけ。」
「かわ!?ちょっと恭弥さん!?いきなり何言ってきてるんですか!?春の陽気に頭のねじでもゆるみました!?」
「……君くらいだよ、僕にそんな風に言うの。ねじが緩んだと言うよりは、君がなかなか意識してくれないからちょっとだけ意地悪しただけ。
思ってることを言っただけって事実もあるけど、いい加減、少しくらいは風紀委員長の僕と役員の君って認識は改めてもらえない?
こっちがこんな風に君にちょっかいを出してる理由くらい、早く気づいて欲しいんだけど、鈍感奈月。」
小さく笑いながらそんなことを言ってくる恭弥さんのせいで、顔がさらに熱くなる感覚を覚える。
それが面白かったのか、恭弥さんはどこか楽しげな様子で私のことを見据えてくる。
しかし、その黒い瞳の中には、どこか、大きなランボや、バレンタインの時に、精神世界で出会った骸が見せてきたような、甘い熱を孕んだかのような光が宿っていた。
「………ぶっ飛ばす……!!」
「ちょ〜〜っと見過ごせねーな、こればかりは。」
「獄寺。山本。お前ら、ナツに隠れてこっそり特訓してただろ。ナツとの時間は絶対にヒバリ取られんなよ。」
「はいっス!!」
「おう!!」
………なんだろう、ものすっごく選択を間違えたような気がしてきた……。
沢田 奈月
自ら私を奪い合えなんて恥ずかしい言葉を言った上、それによる羞恥を雲雀に指摘されて真っ赤になったボンゴレ10代目。
どうしてこうなった……!!と頭を抱えながら、雲雀の言葉に照れまくっていた。
雲雀 恭弥
奈月に対する好きが溢れまくってる風紀委員長。
頭のねじがゆるんでいるわけではないが、春の陽気の影響か、それとも好きな人のことを考えたら本人が登場するなんてことになったせいか、照れる奈月を可愛いと思いながら意地悪をしている。
なお、草食動物達に見られたくないので、相手が決まるまでしまっちゃういいんちょうと化していた。
リボーン、獄寺、山本
は?奈月はオレ達と花見をするんだが?ないつものトリオ。
奈月と雲雀の甘い空気に嫉妬して、雲雀を本気で負かすことを決意した。
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