最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 マフィアランド編、なんか兄弟子のターンが連続しそうな予感がする……。

 ディノナツ傾向モリモリの話となっております。


移動中のかくれんぼ Ⅱ

 ディーノさんと腕を組んだまま、船内を時折見渡して歩くかくれんぼ。

 先程はランボが個室ゾーンでダウンしていたが、あそこで動きを止めていたのは彼だけだったようで、他のメンバーは中央ホールに足を運ぶ道のりで見つけることができなかった。

 

「……ランボは特例だったっぽいですね………。」

 

「だな。となると、この乗客の中から探し出さねーといけねーわけだが……何かわかりそうか、ナツ?」

 

「ん〜……把握できる範囲内にはいないことしか……」

 

「そっか。参ったな。」

 

 ディーノさんと一緒に首を傾げながら、他のメンバーはどこに行ったんだ?と考える。

 中央ホールからは離れた位置に行ってしまったのだろうか?気配を念入りに探しながらそう思っていると、やけに人の気配が集まっている場所に気づく。

 同時に、覚えのある気配が引っかかった。

 

「ん?ナツ。あっちの方、なんか賑やかじゃないか?」

 

「ええ。かなりの人集りができています。ついでに言うと、イーピンの気配もありますね。もしかしたら人集りの中央にいるのかも。」

 

「……イーピンの気配って決めることできるんだな?」

 

「ええ。ついでに言うと、10年後のイーピンがいると思われます。普段のイーピンに比べて、気配がかなり丸くなってますから。」

 

 感じ取ることができた情報を口にしながら、ディーノさんと一緒に人集りの気配がある方へと歩いてみれば、その人集りは不自然な程に中央を空け、困惑しながら会話をしている。

 すぐにディーノさんと一緒に、人集りの輪っかに近づいてみると……

 

「あの!ここはどこですか!?急なことに混乱してて……」

 

「ね?」

 

「マジか。すげーな、ナツ。」

 

 そこにはやはりと言うか、大混乱中の大きなイーピンの姿があった。

 彼女は周りにいる乗客に話しかけ、自分の状況を把握しようと頑張っているようだ。

 私の予測が大当たりを叩き出したことに、ディーノさんはかなり驚いている。

 しかし、すぐに頬をポリポリと掻いて苦笑いをこぼした。

 

「オレも頑張らねーとなぁ……。ナツの前ではカッコいい兄貴分でいたいし、いつかナツと一緒に行動を取らねーとってなった時に足引っ張っちまいそうだ。」

 

「一緒に行動を取ることってあるんですか?」

 

「割とあるぞ。同盟組んでるファミリーが一緒に行動して、特定のエリアを取り締まることとかな。」

 

「なるほど。」

 

 ディーノさんの言葉に、マフィア同士で手を組むことがあると言う話を頭に入れる。

 将来的に、その可能性があると言うのが早めにわかったことは収穫だ。

 場合によっては、手を組んだファミリーとの連携も考えないといけないかもしれないな。

 

「あ、沢田さん!ディーノさん!」

 

 将来敵に備えるべきことを頭の中にインプットしながら、ディーノさん達と組むとしたら……と思考を巡らせていると、大きなイーピンが私達の名前を呼ぶ。

 ディーノさんと顔を見合わせるが、すぐに小さく頷き、大きなイーピンの方へと足を運ぶ。

 

「知ってる方に会えて安心しました!相変わらずお2人は腕を組んでいらっしゃるんですね!

 そう言えば、服装がどことなくクラシカルと言うか、大人っぽいと言うか……もしや、船上パーティーか何かをしている感じですか?」

 

「……え?私とディーノさんって、10年後も腕を組んで歩いてんの?」

 

「はい!度々お見かけすることやお話しすることもありましたが、よく腕を組んでますよ!」

 

「へぇ……10年後も仲良くしてるのか、オレとナツ。」

 

 どことなく嬉しそうな声音で、10年後の私達に思いを馳せるディーノさん。

 大きなイーピンは笑顔で頷き、それを肯定する。

 

「それどころじゃなかった……!!あの、どうして私は船の上にいるのでしょうか?格好もかなり場違いで、周りから注目されてしまって……」

 

 しかし、すぐに彼女は自分の状況に焦りを見せながら、申し訳なさそうな表情を見せる。

 私やディーノさんの連れだと思われていることや、自分の格好に関して恥ずかしいと思っているようだ。

 

「そうだね。確かにその格好はかなり目立つ。ついてきて。私が使ってる部屋があるから、そこに一旦向かおう。」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

 私の言葉に笑顔を見せた大きなイーピンに小さく笑い返し、ディーノさんへと視線を向ける。

 彼は私の視線の意図を汲んでくれたのか、すぐに小さく頷き、大きなイーピンを連れてこの場から離脱する。

 それを見送った私は、周りにいる混乱している乗船客の集まりに目を向け、着ているワンピースの裾を持ち、その場で小さくお辞儀をする。

 

「お騒がせしてしまい、申し訳ありませんでした。どうやら彼女は仕事中だったようで……。

 一度仕事を始めたら集中してしまう子なので、知り合いの私がいたことにかなり驚いていたようです。

 結果、軽度のパニック状態に陥ってしまったみたいで……皆様にはご迷惑をお掛けしました。

 彼女は私の部屋で落ち着かせてきますので、どうか皆様には引き続きこの船旅をお楽しみいただけたらと思います。」

 

 この場にいる人に、この嘘が通用するかはわからないけど、何がしないと気まずい空気を霧散させることができないと思い、その場で謝罪の言葉を口にする。

 すると、私の謝罪を聞いた乗船客達は、何度か瞬きをしたのち、穏やかな笑みを浮かべた。

 

「いや、こちらも不躾に見てしまい申し訳ない。」

 

「お仕事中だったってことは、清掃か何かをしていたのかもしれないわね。」

 

「だとしたら、あの格好も納得だ。」

 

「最初はビックリしてしまったけど、話を聞けて安心したわ。ありがとう。」

 

「ご理解頂けたようで何よりです。では、私はこれにて失礼します。」

 

 え……マフィアチョロい……と少しだけ引いてしまったが、それを顔に出すことはせず、私は穏やかな笑みを見せながら、その場で踵を返して中央ホールを後にする。

 しばらくの間、中央ホールにいた乗船客達が、どこのファミリーの娘さんかしらとか、お淑やかなお嬢さんだったとか、一緒にいたのはキャバッローネの10代目か?とか、キャバッローネの10代目の許嫁だったのだろうかとか、相手がいないようであれば息子の婚約者にしたかった……だとか、そんな話で持ちきりだったことは知らずに。

 

 

 *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀

 

 

 ……しばらく船内を歩き、個室がある廊下まで戻った私は、真っ直ぐと母さんと一緒に使うことになった部屋への道のりを歩く。

 そんな中、前方の方から既に覚えてしまっている気配が近づいてくるのがわかり、足を止めた。

 

「ディーノさん。」

 

「よ、ナツ。イーピンは部屋に案内しておいたぜ。一応、自分が10年前に飛ばされたことは理解していたみたいだな。」

 

「母さんは何か言ってましたか?」

 

「いや、奈々さんはランボと一緒に眠ってたから、10年後のイーピンには気づいてないぞ。」

 

「よかった……。流石に母さんも目の前で大きなイーピンが小さなイーピンに姿を変えたりしたら驚くだろうから、眠っていてくれて安心しました。」

 

 そこには、私を迎えにこようとしていたのか、中央ホールに向かって歩いているディーノさんの姿があった。

 どうやら、大きなイーピンを無事部屋の方へと送ってくれたようだ。

 

「ところで、ちょっと衣服が乱れてますが、何があったんです?」

 

「いやぁ……実は何回かドジっちまってな……。」

 

「またですか。」

 

「呆れた目を向けてこないでくれ。今日こそはドジはしないって思ってたんだけどな……。」

 

 ため息を吐きながら、衣服を整えてるディーノさんの姿に少しだけ笑ってしまう。

 私といる時はドジを踏まなかったのに、離れた瞬間ドジってたのか。

 

 部下の前でなら一人前。部下がいなければ半人前。そう言われていた彼が、私の前でドジを踏んでなかったから克服できたのかと思っていたけど、どうやらそうではないらしい。

 

「不思議なことも起こるんですね。私と歩いてる時はドジを踏まなかったのに。」

 

 笑いながら、少しだけ捻れてしまっているディーノさんのネクタイを直していると、ふわりとその手を優しく掴まれる。

 キョトンとして視線をディーノさんに向けてみれば、彼は少しだけ顔を赤らめたまま、ジト目で私を見下ろしていた。

 

「あのなぁ、ナツ。男は好きな女の前ではカッコつけたいもんなんだぜ?

 オレだっていつまでもナツの前でまでドジ踏むような男でいられないっての。」

 

「…………!?」

 

 突然のカミングアウトに一瞬だけ固まるが、ボッと火が出そうな勢いで熱が顔に集まってくる。

 真っ直ぐと見据えたまま言ってくるもんだから、その感情の片鱗をわずかに察してしまい、急に恥ずかしくなってしまった。

 

 顔を赤らめたまま、ディーノさんの顔を見上げる。

 すると、ディーノさんはキョトンとした表情を一瞬だけしたが、すぐに自分が何を言ったのか理解したようで耳まで真っ赤になって固まった。

 

「ちが!?いや、違くねーけど!!今のは勢いで……!!とりあえず今のは忘れてくれ!!ちゃんとした場所で絶対に伝えるから!!」

 

 どうやってこれを忘れろと!?と怒鳴りたくなる中、ディーノさんから視線を逸らす。

 本当は、ディーノさんの胸元からも手を離したいけど、掴まれていて離れることができず、互いに顔を赤くして動きを止めることしかできない。

 

「……えっと……ちょっと暑くなってきたな。少しだけバーラウンジの方にでも行って、何か飲み物でも飲むか。」

 

「そ、そうですね。私もちょっと喉が渇きました……。」

 

 少しの静寂を破ることなく沈黙する。

 しかし、ディーノさんは私に一度視線を向けたあと、静かに口を開いた。

 

「また、人にぶつかりそうになったらアレだし……こっちにこいよ、ナツ。」

 

「……はい。」

 

 すっと空けられた腕の隙間に、自身の腕をそっと絡めてディーノさんと腕を組み直す。

 変に意識し過ぎるのもどうかとは思うけど、落ち着くまで少し時間がかかりそうだ。

 

 

 ─────── バーラウンジ ───────

 

 

 少しだけ恥ずかしく思いながらも、なんとかディーノさんと腕を組んだまま到着したそこは、前世の“わたし”が通っていたことがある落ち着いた雰囲気のあるバーカウンターがあるルームだった。

 日中であるにもかかわらず、大人達はカクテルやワイン、ビールなどを口にして、賑やかに、時に和やかに過ごしている。

 中には親に連れてこられたらしい未成者と思わしき子供達もおり、ジュースだけで作ったカクテルと思わしきものを飲んでいるようだ。

 

 前世にも、大人同伴なら未成者も入れるバーがあったなぁ……なんて、少しだけ懐かしさを感じながら、バーカウンターの方にディーノさんと歩けば、バーテンダーをしている様子の初老の男性がこちらに視線を向け、静かに頭を下げた。

 ゆっくりとした足取りで近づいてみれば、バーテンダーは穏やかな笑みを浮かべ、私達を見る。

 

「いらっしゃいませ。ご注文は何ですか?」

 

 穏やかな声音で話しかけてきたバーテンダー。その手元にはここで作られているカクテルなどのメニューがある。

 ノンアルコールの類いは、よくあるお酒風味になっているものや、子供でも飲めるジュースカクテルメニューもある。

 

「あまり酒に強くない人間でも飲めるものをもらえるか?できれば、アルコールの風味も少ないものが欲しいんだが……」

 

「かしこまりました。お席に座ってお待ちください。」

 

 ディーノさんが慣れた様子で飲み物を注文すると、バーテンダーはすぐに作成に取り掛かる。

 それを見ていると、ディーノさんに手を引かれ、カウンター席に連れて行かれた。

 

「船内マップを見ることができる明るさがあってよかったな。」

 

「そうですね。」

 

 ゆっくりとカウンターに腰を下ろし、ディーノさんが広げた船内マップに視線を落とす。

 先程の廊下での一幕が嘘だったかのように、自然と言葉を紡ぐディーノさんはすごいな……。

 私はまだ、ちょっと恥ずかしさと照れがあるんだけど……。

 

「見た感じ、ここにはリボーンもビアンキもいない。人に紛れているのだとしたら、カジノかプール辺りだが……」

 

「うーん……でも、リボーンはなんか、どこかで変装してる可能性も否めないような……」

 

「あー……確かに、アイツ、コスプレとかよくしていたからな、昔っから。

 となると、船内の備品に紛れてる可能性があるか?いや、紛れるって何だよ……」

 

「ディーノさんがノリツッコミするとは思いもよりませんでした。」

 

「ん?はは。割とオレもリボーンには色々言ってたタイプなんだぜ?こう見えて。

 まぁ、最終的には手酷い報復を受けるか、軽くあしらわれてすっ転ばされるかのどっちかだったけどな。」

 

「リボーンならやりそう……。私の前では、あまりそんなことしないんですけど。」

 

「多分、ナツは毎回一手先を見据えて行動を取ってくるからだろうな。

 あとは、リボーンは基本的に女にはそれなりに手を抜いたり、大切にしたりする奴だから、女のナツにはあまり強く出るつもりがないのかもしれないぜ。」

 

 そんなことを考えていることなど知らないディーノさんは、いつもの調子で私に話しかけてくる。

 こっちが変に意識し過ぎるだけなのか、それともディーノさんも平常心を保ってはいるが、内心では騒がしくしているのか……後者だったら嬉しいけど、前者だったらディーノさんは狡い人である。

 

「お待たせいたしました。」

 

「お、ありがとな。」

 

「ありがとうございます。」

 

 ちょっとだけムッとしながらも、なんとかディーノさんに合わせて言葉を紡いでいると、先程のバーテンダーさんが私達の元にカクテルが入ったグラスを持ってきた。

 グラスの中でも縦長のそれの中には、何やらフルーツが入っており、長くて細いスプーンが、マドラーのように添えられている。

 

「フローズンフルーツカクテルと言って、フローズンフルーツもお楽しみいただけるカクテルです。

 酒の風味が苦手、あまり得意ではないと言うお2人のため、お子様や女性にも人気であるベリー系統のシロップと、ソーダを合わせ、サングリア風味に仕上げた一杯です。

 もちろん、アルコールの風味を避けたノンアルコールのものですので、ご安心ください。」

 

 私達に出したそれが、どのようなものかを丁寧に教えてくれたバーテンダー。

 お召し上がりくださいと言われ、スプーンを使って中のフローズンフルーツを口にする。

 

「!美味しい……!」

 

「本当だな。使ってあるのがジュースとシロップだからか、ノンアルコールでも感じがちのアルコールの風味もない。女と子供に人気が出るわけだ。」

 

「ちょうど、気温も高くなり始める時期だから、冷たいフルーツも合わさっていて、すごく美味しいですね。」

 

「ああ。」

 

 フローズンフルーツとサングリア風味に仕上げてあるベリーソーダに舌鼓み打ちながら、ディーノさんと話していると、小さな笑い声が聞こえる。

 声の方に視線を向けてみると、バースデーさんが少しだけ笑っていた。

 

「あ……すみません……賑やかにし過ぎてしまいましたね……」

 

「ああ、いえ。こちらこそ申し訳ありません。とても穏やかにお話されているので、こちらも楽しませていただいておりました。

 賑やか過ぎるだなんてとんでもない。あなた方の会話は、しっかりと店内にいる他のお客様にも配慮されているものでしたよ。

 しっかりとしたマナーが行き届いているお若いカップルは、いつでも大歓迎です。

 長らく働いていると、なかなかに困ったさんな方がご来店されることが度々あるので、あなた方のような穏やかで明るいお若いカップルを見ているのは、働いている者として癒されるものがあります。」

 

「「…………!?」」

 

「おや……」

 

 バーテンダーさんからサラッと告げられたお若いカップル発言に、私とディーノさんは一瞬固まる。

 しかし、すぐに先程の廊下であったことを思い出してしまい顔を赤くしてしまった。

 2人してわたわたしていると、バーテンダーさんは一瞬だけキョトンとしたあと、穏やかな笑みを浮かべた。

 

「フフフ……ここまで照れやな方々にも久方振りに会いしましたね。ごゆっくりお楽しみください。

 また何かあればすぐにでもお申し付けを。おすすめのノンアルコールのカクテルをご用意いたします。」

 

 そう言って私達の席から離れていったバーテンダーさんを見送りながら、私とディーノさんは視線を合わせる。

 しかし、すぐにカップルと言われたことが恥ずかしくなってしまい、サッと視線を逸らしてしまった。

 

「……あまりにも普通にしていたので、変に意識してるのは私だけかと思いました………。」

 

「んなわけねーって……。さっき自分で言ったこと、かなり恥ずかしいんだぜ?赤い顔も見せたくなかったし……。」

 

 “なんとか治るまで耐えようとしたのに……”と呟きながら、目の前にあるフルーツカクテルを口にするディーノさん。

 バーの雰囲気を維持するため、落ち着いた照明だったおかげで、互いに赤い顔が見えづらくなっていてよかった……。

 まぁ、割と近いカウンター席のせいで、完全に見えないってわけじゃないんだけど……。

 

 とんでもない爆弾を落としていったなあのバーテンダー……と軽く拗ねながらフローズンフルーツカクテルを口にする。

 しかし、不意に慌ただしくこちらへと向かってきている団体の気配を感じ取ってしまい、その気持ちはすぐに霧散した。

 

「……何か外が慌ただしくねーか?」

 

「……ですね。複数人の方が、こちらへと走ってきているようですが。」

 

 ディーノさんも、この喧騒に気づいたようで、少しだけ目つきを鋭くさせながら、賑やかな方へと視線を向ける。

 無言で同じ方向を見つめていると、6人の屈強な男性の団体さんが入ってきた。

 

「何の騒ぎですか?」

 

 すかさずその人達にバーテンダーが声をかける。すると、やってきた人……おそらく、この船に雇われているガードマンと思わしき男性達が、バーテンダーの方へと歩み寄った。

 

「賑やかにしてしまい申し訳ありません。こちらの方に、不審な子供はやってきませんでしたか?」

 

「不審な子供?」

 

「はい。乗船手続きをしていない子供が無断で乗船したようでして……」

 

「いいえ。こちらではそのような子供は見ておりません。見ての通り、子連れの方々や、カップル、または夫婦でご来店されている方々のみです。」

 

「そうですか。教えてくださりありがとうございます。では、我々はこれで……」

 

「ええ。何かわかりましたら連絡いたしますね。」

 

「助かります。向こうに行くぞ!」

 

「「「「イエッサー!!」」」」

 

 バタバタと立ち去っていくガードマン達を見送り、何度か瞬きをする。

 ……マフィアが集まる船に手続きすることなく無断乗船するとか、その子、かなり勇気とガッツがあるな。

 

「……何か、嫌な予感するんですけど。」

 

「奇遇だな、ナツ。オレも感じていた。」

 

 ……何か、一つ嵐がやってきそうな気がしながら、私とディーノさんは顔を合わせる。

 先程までの恥ずかしさがすっかりとリセットされて一瞬で落ち着いてしまった。

 

「……とりあえず、これ飲み切ってからリボーン達を探すか。」

 

「ですね。」

 

 いつも通りの調子に戻れたことに安堵しながら、同じくいつも通りの調子に戻ったディーノさんと言葉を交わし、目の前にあるフローズンフルーツカクテルに手を伸ばす。

 さて、頭を切り替えて、不審な子供って奴を探りながら、リボーン達を見つけるとしよう。

 

 

 




 沢田 奈月
 ディーノが口にした発言にワタワタと慌て、かなり照れる思いをしてしまったが、やってきたガードマン達が口にした無断乗船を果たした存在に嫌な予感を抱いたことにより落ち着いたボンゴレ10代目。
 このあとノンアルコールのフローズンフルーツカクテルを飲み干し、リボーンとビアンキを探すために船内を彷徨く。

 ディーノ
 奈月から自分と歩いてる時はドジを踏まなかったのに、離れた瞬間ドジを踏むなんて……と少しだけ笑われてしまい、軽く言い返す程度に口を開いたら、勢いのまま告ってしまったキャバッローネ10代目。
 なんとか奈月に照れたことや恥ずかしかったことを隠そうととしたのだが、バーテンダーの発言によりそれができなかった。
 しかし、そのあとやってきたガードマン達のおかげで落ち着きを取り戻すことができたので、とりあえずカクテル飲んで移動することを奈月と決める。

 大きなイーピン
 気がついたら知らない船内にいてパニックを起こしていた10年後のイーピン。
 奈月とディーノが合流してくれたおかげでことなきを得た。


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