最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 マフィアランド編、ディノナツストーリーになることが確定してしまった……。
 フリだけど、フリだからこそ近いものがある……。

 友情もいいけど、たまにはこんな話を書きたいんだ欲が爆発してますのでご注意ください……汗


予想外の乗船客

 バーから離れ、ディーノさんと再開した船内探索。リボーンは何かに化けて隠れている可能性があると言う理由から、後回しにして、ビアンキ姉さんを探すことにした私達は、船内にある娯楽施設を確認する方針にした。

 しかし、カジノにも、一番いる可能性が高かったプールにもおらず、どこ行ったんだ?と2人で首を傾げる。

 

「他に探してない施設は……」

 

「いくつかあるな。だが、そっちに行くにはちと時間がかかる。」

 

「ですよね……。」

 

 うーん……と思いながら、船内にいくつかある個室が並ぶ廊下を歩く。

 しかし、不意に私はリボーンの気配を感じ取り、ん?と小さく声を漏らした。

 

「ナツ?」

 

「リボーンがいますよ、この廊下。」

 

「え?マジか。」

 

 小さく声を漏らした私に気づき、ディーノさんがどうしたのか聞いてくる。

 すぐにリボーンがいると答えた私は、リボーンの気配が一番強くなっている場所へと足を運んだ。

 それは、一つの絵画だった。庭と女性が描かれている。彼の気配が一番感じ取れるのは、立派な木の絵の付近だ。

 

「リボーン。そこにいるんでしょ。」

 

 絵画を叩くわけにもいかないため、木の付近にある壁を軽く叩いてリボーンの名前を呼ぶ。

 すると、木の葉っぱの部分に目が現れ、私の方へと視線が向けられた。

 

「リボーン……どうなってんだそれ?」

 

「ん?これか?」

 

 横から見ても壁に掛かってるようにしか見えない絵画。どんな仕組みでこうなっているのかわからないディーノさんが、苦笑いをしながら問いかける。

 ディーノさんに問いかけられたリボーンは、絵画をいそいそと外し、その全容を見せてくれた。

 

「船の壁に穴あけたらダメじゃん。」

 

「大丈夫だぞ。ちゃんと修繕費はオレが出すからって許可もらったからな。」

 

「どんだけお金あんの……」

 

「まぁ、普通の人間じゃ持ち合わせることがないレベルの金額貯金はあるな。

 ヒットマンなんて割とそんなもんだぞ。標的の難易度によって金額が変動するから、依頼一つで50万にも100万にもなるもんだ。」

 

「想像できない世界だな……相変わらず。」

 

「それが裏の世界だぞ。正確にはヒットマンの世界か。」

 

 体の部分を埋めていたらしい穴から抜け出し、私の肩に乗ってくるリボーンを見て、少しだけディーノさんがムッとした表情を見せる。

 それに気づいたのか、リボーンはディーノさんに一度視線を向けたあと、フッとバカにしたような笑みを浮かべた。

 

「オレ以外に見つけた逃げ役はいるのか?」

 

「船酔いをしたランボと、多分、船酔いした際に誤射したであろう10年バズーカに撃たれたイーピンを見つけたよ。」

 

「……あとはビアンキだけなんだが、どこに行ったかわからなくてな。一応、カジノやプールを回ったんだが、てんで見つからなかったぜ。」

 

「これくらいで拗ねるとかまだまだガキだな、ディーノ。少しは進展したのか?」

 

「うっせ!!」

 

「何かあったな。顔赤ぇぞ。まぁ、いい。……それにしてもビアンキか。途中まではオレも一緒に行動を取ってたが、そういや別れたな。」

 

 リボーンに揶揄われながらも、ディーノさんがビアンキ姉さんのことを探していることを告げると、リボーンは少しだけ考え込む様子を見せる。

 途中までは一緒にいたが、最終的には別行動に移行したため、彼女がどこに向かったのか見当がつかないようだ。

 

「リボーンにもわからない?」

 

「オレもビアンキならプールとかに行きそうだと思ったからな。そこにいないとなると、どこにいるのか断定ができなくなるぞ。

 ビアンキはチビ達とは違って隠れる場所がかなり限られてくるが、その分、隠れる方法にかなりの工夫を施してくるはずだ。他に探してない場所はあるか?」

 

「甲板とかシアタールーム、コンサートホールかな。」

 

「でも、コンサートホールは今の時間帯は空いてねーから除外してる感じだな。」

 

「確かに、プログラムじゃ今は何もなかったな。となると、シアタールームか甲板になるかもな。

 とりあえず海が見える側の船内廊下に行ってみるか。もしかしたら歩き回ってるかも知れねーしな。」

 

 リボーンも加わり、少しだけ賑やかになった探す側のメンツ。

 私とディーノさんは、リボーンの言葉に頷きながら、彼が指定した方角へと移動する。

 

 程なくしてたどり着いたのは、海を見ることができる廊下。基本的に、乗客達は船内の娯楽施設にてゆっくり過ごしているからか、あまり人が見当たらない。

 しかし、あまりいないと言うだけであり、人集りが苦手であろう乗客達がちらほらと過ごしている。

 

「……ん?あのおっさんは……。ナツ。オレと腕組んどけ、ちと厄介なファミリーのボスがいる。」

 

「え?」

 

「……確かにいるな。ナツ。ディーノに従っとけ。シャマル程じゃねーが、女好きで有名な奴がいる。

 そいつは、若い女を異常に好む傾向にある男の上、相手がいようとも強奪するような奴でな。ナツも確実に守備範囲になる。

 だが、ファミリーの規模含め、能力は中の下って言う格下ファミリーだから、規模がでかいファミリーのボスの女にまでは手を出さねー奴なんだ。

 ボンゴレの同盟ファミリーであり、同盟ファミリーの中でも位が高いキャバッローネファミリーのボスであるディーノの女に手を出すようなことはしない。

 正直言ってかなり嫌だが、一旦ディーノの婚約者……もしくは恋人のフリをしとけ。」

 

「……わかった。」

 

 リボーンとディーノさんの忠告を聞き、すぐに私はディーノさんと腕を組み、体を静かに寄せてくっつくと、リボーンが私達の側から離脱する。

 それを見たディーノさんは、少しだけリボーンを見送ったあと、廊下を歩き始めた。

 

 革靴とヒールが廊下を叩く音を鳴らせば、廊下で過ごしている人達が私達の方へと視線を向けてくる。同時に、明らかに熱量が違う視線が突き刺さった。

 その視線は、道場破りと相対した時にも感じ取ることができた悪寒を感じるものであり、おそらく、この視線か2人が言っていた男のものなんだろう。

 

「今回は、私のわがままを聞いてくださりありがとうございました。近場にリゾート地になってる場所があるって聞いて、一度ディーノさんと行ってみたかったんです。」

 

「気にしなくていいぜ。むしろ、もっと言ってくれてもいいって。なかなか甘えてくれないもんだから、少し心配してたところだしな。」

 

「ディーノさんが忙しい人であることは知っていますから、あまり甘えたりワガママを言ったりしたら、迷惑になるかと思って……」

 

「好きな女からのお願いやワガママが迷惑になるわけないだろ?やっと言ってくれて嬉しかったぜ。

 これからもちゃんと甘えてくれよ。そこまでできる程の男じゃないって思われてるのか不安になるからさ。」

 

「そんなことないです。ディーノさんのことはすごく頼りになる人だと思ってますし、甘えたい……って思うことも沢山あります。

 でも、私ばかりに時間を取らせるわけにもいかないし……」

 

「お前に甘えられる時間が一番好きだって言ってもか?」

 

「私に甘えられる時間が一番……」

 

「そ。だからお前は甘えてくれていいんだよ。むしろ甘えてくれた方が嬉しいぜ。その時間が何より好きだし、ゆっくりできる時間だからな。」

 

「……そんなこと言われたら、我慢できなくなるからやめてください。」

 

「我慢なんてする必要ないぜ?甘えたいって思ってるなら、ちゃんと甘えてくれよ。それに応えることができない程、オレは落ちぶれてないし、不器用でもないからさ。」

 

 ディーノさんと会話しながらその視線に耐えていると、感じていた悪寒がスッと消える。

 気づかれないように先程まで存在していた視線の方角へと目を向けてみれば、ディーノさんとリボーンが示していた中太りの男性が舌打ちをしそうな勢いで表情を歪めていた。

 

「………なんとかクリアできたな。」

 

「あれが、先程言っていた……?」

 

「ああ。若い女ばかり集めてるアヴィドファミリーのボス、ディエゴ・ヴィンチェンツォだ。

 一応、ヤクや人身売買に手を出したりしないファミリーではあるが、話の通り、若い女ばかりを集め、時には相手がいようと強奪して自分のもんにしてるのが今のボスでな。

 噂じゃ、10代前半から20代半ばあたりの女ばかりを集めたハーレムを作ってるって話だ。

 だが、強奪するっつっても、自身の立場や能力はしっかりと理解してるため、自身の立場や能力より格上のファミリーを率いるボスの婚約者や恋人には絶対に手を出さないって言う理性はある。」

 

「……なるほど。」

 

「これでナツは狙われない……けど、この船に乗船してるってことはそう言うことだからな。

 いいか、ナツ。嫌かもしれねーけど、マフィアランドにいる間もなるべくさっきの振る舞いをしてくれ。

 目をつけられたら面倒だからな。ハリボテ関係ってバレたらどうなることか……」

 

「わかりました。あ、でも、一つだけ訂正を。」

 

「ん?」

 

「……別に、ディーノさんの恋人役は嫌じゃありませんよ、私。」

 

「へ?それってどう言う……」

 

 リボーンとディーノさんからの忠告通りにしたおかげで乗り越えた難所。

 ひそひそ声でマフィアランドにいる間もした方がいいと言う話を承諾しながら、廊下を歩いていると、前を歩く一組の男女が視界に入る。

 その2人組のうち、女性の方はビアンキ姉さんに激似の後ろ姿をしているが、気配が全く違うものだった。

 しかし、男性の方の気配はかなり覚えのある気配で、思わず目を丸くしてしまう。

 

「………内藤?」

 

「え!?」

 

 ポツリと呟くように口にした名前に、目の前の男性……改め、少年が驚いたような声を上げた。

 こっち側に振り向いた彼は、目をまん丸にしながら何度か瞬きをする。しかし、すぐにその目をキラキラとさせては、元気よく手を振ってきた。

 

「やほやほ─────!!沢田ちゃん!!こんなところで会うなんてすっげー偶然じゃ─────ん!!」

 

「……ナツの知り合いか?」

 

「クラスメイト。トマゾファミリーの8代目だよ。」

 

「そうなのか?なんつーか……ナツの学校すげーな……。マフィアのボスが2人いて、殺し屋も1人いるってことだろ?」

 

「……言われてみればかなりの不法地帯ですね。」

 

 呼んでしまった以上近寄らなくてはならない……と思いながらも、ディーノさんと一緒にロンシャンの方へと歩み寄れば、彼はびっくりしたような表情を見せて、私とディーノさんを見比べた。

 

「わっわっ!!もしかしてそのお兄さん、沢田ちゃんの彼氏!?」

 

 しかし、すぐに目をキラキラとさせながら、私とディーノさんの関係を問いかけてきた。

 ……随分とめんどくさいタイミングとめんどくさい場所で質問されたものである。

 いや、そもそも私が話しかけずにやり過ごせばよかった話しか。あまりにも予想外過ぎる珍客がいたから話しかけずにやり過ごせなかった。

 

「ナツから話は聞いたぜ。お前、トマゾファミリーの8代目なんだって?顔を合わせんのは初めてだな。

 オレはディーノ。キャバッローネファミリーの10代目をやってるもんだ。

 そっちの言う通り、ナツとは恋人関係にある。こんなところでトマゾファミリーと会うとは予想外だったな。」

 

 どうしたもんかと考えていると、サラッとディーノさんは私との恋人関係を肯定した。

 仮初の相手同士とは言え、先程見つけたアヴィドファミリーのボスにウソであると公言するわけにもいかないからだろう。

 仕方ない……とりあえずはこの設定を使って過ごすしかないかな。

 

「お─────っやっぱり!!沢田ちゃん、めちゃくちゃかっこいい彼氏いんじゃん!!いいねいいね!!

 んじゃ、沢田ちゃんが教えてくれていたみたいだし?ご紹介に与りました、トマゾファミリーの8代目ボス、内藤ロンシャンでっす!沢田ちゃんとはマブダチです!隣にいるのはオレの恋人のレンコって言いまーす!」

 

「随分と賑やかな奴だな……。まぁ、学生なんてそんなもんか。ナツと仲良くしてくれてるみたいだな。サンキュー。だが、あんまり賑やかにし過ぎてやるなよ?ナツは割と控えめな性格してるから、そう言うの得意じゃねーからさ。」

 

「あ、ヤバ……。沢田ちゃんメンゴ……。同じ船乗ってると思わなかったからつい……。」

 

「大丈夫だよ。だってそっちも楽しみにしていたんでしょ?大切な人と一緒に旅行するのって、誰だって気分は上がると思うし、こんなところまでうるさい、賑やかにするなとは言わないよ。

 見ての通り、私もディーノさんとの旅行かすごく楽しみだったから、こんな風におめかししちゃってるし。」

 

 とりあえず、それらしく振る舞いながら、ディーノさんに寄り添えば、ロンシャンは笑顔を見せる。

 

「わかる!わかるよ─────!オレもレンコとマフィアランドでデートするの超─────楽しみにしててさ!もうテンション上げ上げだよね!」

 

 前、さなっぴとか言う彼女いなかった……?と一瞬言いたくなったが、なんとかそれを飲み込む。

 レンコさんとか言う人がどんな人かは知らないけど、前の恋人の話を出されるってのもあまり気分は良くないだろう。

 

「にしても沢田ちゃんなんで彼氏いること教えてくれなかったのさぁ!互いに恋人を持ってるボス同士ってことでWデートとかできそうだったのに!

 あ、なんならマフィアランドに着いたらやっちゃう!?やっちゃいますかWデート!?」

 

「うーん……嬉しいお誘いではあるけど遠慮しとくよ。普段、仕事で忙しいディーノさんが、せっかく時間を作って誘ってくれた旅行だし、彼とのんびり過ごしたいから。」

 

「オレも同感だな。せっかくナツとの時間を作ることができたし、できればのんびりと水入らずで過ごしたいんだ。」

 

「ありゃ、それは残念。一度Wデートってやってみたかったんだけど。

 でも、まぁ、そう言うのもありだよね!じゃあ、オレもレンコと2人でのんびりしよっと!

 沢田ちゃんとディーノさんもマフィアランド目一杯楽しみなよ!」

 

 レンコさんの肩を抱き、笑顔を見せるロンシャンと、ロンシャンに肩を抱かれ、少しだけ頬を染めているレンコさん。

 あっさりとこっちの話を信じてしまった彼には少しだけ申し訳ないけど、とりあえずなんとか乗り切ることはできそうだ。

 

「なんだとおぅおお!?ボンゴレもマフィアランドにぃぃぃッ!!?」

 

「「うるさっ!!?」」

 

 そんなことを思っていると、その場に大きな声が響き渡る。あまりのボリュームの大きさに、ディーノさんと一緒に表情を歪め、視線を声の方に向けてみれば、そこにはいつもの3人組がいた。

 

「相変わらず声でかいな、内藤んところの教育係……。」

 

「いや、うん、これに関してはマジでごめん……。流石に沢田ちゃんでも、マングスタの声量は旅行中でもしんどいよね。本当ごめん……。」

 

 片耳を押さえながら文句を言っていると、ロンシャンから全力の謝罪を受ける。

 ロンシャンのハイテンションはまだ楽しみにしてるからと納得できるけど、怒鳴りつけるようなこの声はどこにいても頭が痛くなる。

 

「ちょっとマングスタ!!沢田ちゃんがめっちゃ嫌がってんじゃん!!沢田ちゃんも恋人と一緒に旅行にきてんのに何やってんの!?」

 

「は?ボンゴレにこいび……と……?……っっ!!?」

 

 ロンシャンの言葉を聞き、私の隣へとマングスタは視線を向ける。

 同時に顔を青くして、愕然とした表情を浮かべながら、ディーノさんのタトゥーに視線を落とす。

 そう言えば、ディーノさん、一応スーツを着てるけどネクタイは緩めてるし、首元のボタンは外しているし、袖も少し上げてるからタトゥーが見えてるんだった。

 

「キャ、キャバッローネファミリーの跳ね馬ディーノ!?ま、まさか、ボンゴレの恋人は……!?」

 

「そのまさかだぜ。ナツはオレの恋人なんだ。」

 

「そうだったのか……それは、知らなかったな。」

 

「……マングスタ?なんかいつもより勢いなくなっちゃってる?」

 

「当たり前ですよロンシャン君!!ボンゴレとキャバッローネの結びつきが強いとなると、トマゾファミリーは強く出られません!!

 ボンゴレだけならまだしも、キャバッローネまで合わさっていると、流石にトマゾファミリーに太刀打ちできる術はないのですから!!」

 

 わー……マングスタがめちゃくちゃ狼狽えてる。まぁ、ディーノさんが率いるキャバッローネファミリーはボンゴレファミリーの同盟ファミリーの中でも勢力が大きくて、今じゃ第3勢力として成り立ってるって話だもんな。

 いくらボンゴレファミリーを邪険にしていても、同盟ファミリーの大規模勢力のボスとボンゴレの10代目が恋人関係にあるって話は、衝撃も大きいし、2つの大規模勢力の結びつきの強さもかなりのものになっている証拠にもなる。

 ある意味、ディーノさんと恋人のフリをして正解だったかもしれない。めんどくさい奴を相手にしないといけない事象が少なくなるみたいだから。

 まぁ、変な噂は立つだろうけど……。

 

「ナツ!よかったわ……。廊下にアヴィドファミリーのボスがいたから、私を探して歩いてるうちに接触してしまったかと思って心配していたのよ。」

 

 そんなことを思っていると、ロンシャンがいた方角からビアンキ姉さんがやってきた。

 あれ?隠れていたんじゃないの?と言わんばかり視線を向けてみると、彼女はディーノさんと腕を組み、寄り添うように立っている私を見て何度か瞬きをする。

 しかし、すぐに納得したような表情を見せては、私の方に近寄ってきた。

 

「リボーンからの助言かしら?」

 

「ついでにディーノさんからも言われました。」

 

「なるほどね。ディーノの割にはやるじゃない。」

 

「仕方ねーだろ。これくらいしか対処法がなかったんだから。」

 

「それもそうね……。と言うことは、こっちにいる間はそれを続ける形かしら?」

 

「そうしないと目をつけられるって聞いたし……流石に私も、父親レベルで年齢が離れてるおじさんのハーレムになんか入りたくないよ。」

 

「誰だってそう思うわよ。全く、あの変態オヤジに囲われた女も大変よね。噂には20代半ばを越えた女は、ハーレムから強制的に追い出してるって話もあるし、マフィアのファミリーのボスに嫁いだ女って、世間からいい目では見られないのよ。

 だから、当人は何もしていないとは言え、女の人生を滅茶苦茶にしてるようなもんだし、ナツが気に入られなくて本当によかった。」

 

 安堵したような表情をしながら、私の頭を撫でるビアンキ姉さん。その手に軽くすり寄っていると、小さな笑い声が鼓膜を揺らし、両頬を優しくもにもにとこねるように撫でられる。

 

「ビアンキ姉さん、くすぐったいよ。」

 

「あら、ごめんなさいね?ナツの頬があまりにもすべすべて柔らかいものだから。」

 

 そう言いながらも、頬をもちもち触るのをやめないビアンキ姉さんに、私も小さく笑い声が漏れる。

 しかし、ふと、先程ビアンキ姉さんもアヴィドファミリーのボスの話題を出していたことを思い出しては、何度か瞬きをする。

 

「そう言えば、ビアンキ姉さんは大丈夫だったの?あの人、10代前半から20代半ば辺りまでが守備範囲だって聞いたけど……」

 

「ええ、私は大丈夫よ。だって私はリボーンの愛人だもの。マフィアランドに着いたらわかると思うけど、リボーンはこっちの界隈ではすごく有名なヒットマンなのよ。

 だから、その愛人は割と裏で知られてるから、あの変態オヤジも手を出さないのよ。

 リボーンの機嫌を損ねたりしたら、どんな目に合うかわからないから。」

 

「なるほど。」

 

 アヴィドファミリーのボスでも、リボーンはやっぱり怖いのか。

 いや、基本的にリボーンには畏怖を抱いてるマフィアがいる感じ?それで有名とか?

 まぁ、なんにせよ、リボーンに気に入られているのなら、彼も女性に取ってかなりの後ろ盾、およびナンパ・求愛防止になるってことか。

 

「わっわっきた─────!!」

 

 ビアンキ姉さんがアヴィドファミリーのボスに目をつけられなかった理由に納得しながらもちもちされていると、ロンシャンが明るい声を出して外を見る。

 その視線を辿るようにして視線を動かしてみると、そこには大きな遊園地や白い砂浜が魅力的なビーチが迫力満点で存在していた。

 

「あれがマフィアランド……大きな遊園地と綺麗なビーチだね。」

 

「でっしょ─────!?デートや旅行には最高だよ!」

 

 ロンシャンがテンションを上げるのも無理はないと思う程の巨大な島に、私は小さく笑みを浮かべる。

 2泊3日をあの島で過ごすのかどうかまではわからないけど、十分楽しめそうな連休になりそうだ。

 

 

 

 …………そう言えば、頭からすっぽ抜けていたけど、この船に無断で乗船した子供って誰だったんだろう?

 

 

 




 沢田 奈月
 好みがちょっとアレなボスがいたため、急遽ディーノと恋人関係にある女と言う役割を使ってハーレム入り回避を行ったボンゴレ10代目。
 ディーノの恋人役は嫌ではなかったので、割とノリノリでその役割を演じていた。
 ディーノのことは好き。ただし、それが恋慕によるものか、それとも親愛によるものかは本人も周りもわかっていない。

 ディーノ
 自分の恋人役を演じるのは嫌じゃないと言ってきた奈月にかなりパニックを起こしていた跳ね馬お兄さん。
 かなり自然に恋人役を演じてきたため、誰かと付き合ったことがあるのか?と軽くもやっていたが、それ以上に限定品とは言え、堂々と奈月のことを恋人と口にすることができることが嬉しかったので、こちらもかなりノリノリで演じていた。

 リボーン
 アヴィドファミリーのボスの目を回避させるため、急遽奈月にディーノと恋人のような特別な関係を演じろと助言したヒットマンなお目付け役。
 本来の姿だったらディーノに任せなくても済むのにと思っていたのは内緒。

 ビアンキ
 アヴィドファミリーのボスがいたことに気づき、奈月を心配してかくれんぼどころじゃなくなった毒サソリのお姉さん。
 合流してみたら、奈月がディーノと恋人関係を演じていたので、目をつけられなくて安堵した。
 リボーンの愛人と言う立場があるため、彼女もアヴィドファミリーのボスに目をつけられなかった。

 内藤 ロンシャン
 マフィアランドで恋人とデートしようとしていたら、奈月も恋人を連れて向かっていたのでかなりびっくりしたトマゾファミリーの8代目。
 いつもはマングスタの賑やかさも気にならなかったのだが、自分と同じように恋人とマフィアランドを楽しもうとしてる奈月を見て、珍しくマングスタを注意した。

 マングスタ
 憎きボンゴレもマフィアランドに向かっていることを知り、いつものように突っかかったのだが、すかさずロンシャンに注意された上、ボンゴレも恋人を連れていると言う言葉を聞き、一時的にクールダウンをして、ボンゴレの恋人など、どうせロンシャン君が連れているような恋人程魅力などあるはずがないと思い、その隣を見たら、跳ね馬がいたので心臓が飛び出そうになる程驚き、なおかつ顔を青くした。
 ボンゴレと跳ね馬が恋人……?それはつまり、ボンゴレとキャバッローネの繋がりがとんでもない強さを持っていると言うことでは……!?トマゾファミリーは敵う余地なし!!と判断して大人しくなった。


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