最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
自室からさっさと出て庭の方へと足を運べば、ボロボロの状態で地面にしゃがみ込んでいるランボの姿があった。
母さんはこの場にいない。まだ買い物から帰ってきてないから、間に合った感じだろう。
念のため、リボーンの友達がリボーンとケンカして泣いていたから落ち着かずついでに散歩をしてくると言う趣旨の書き置きをしといて正解だった。
まぁ、正直言って、あれはケンカのレベルじゃないし、そもそもがケンカとは全く違うわけだけど、母さんはど天然さが天元突破してるから、結局はケンカで終わらせてしまいそうだ。
見てないところで行われていたんだから仕方ない……とも言えなくもないけど、見ていたところで、本当に殺し合いをしているとは思わない気がする。
そんなことを思いながら、私はその場でしゃがみ込む。なるべくランボと同じ高さの視線になるように。
「やっほー、ランボ。」
「う……ぐす……?」
「……その状態じゃ、家に入れなさそうだね。ってなわけで、ちょっと私と散歩でもしない?気晴らしにさ。」
「うん……ランボさん……お前と散歩するもんね。」
「お前じゃなくて奈月ね。」
「ナツキ……?」
「そ。ナツでも、なっちゃんでも好きなように呼んでよ。」
「……ナツ。」
「ん。よろしい。初対面にお前なんて呼び方は失礼だから、今後は気をつけようね。すぐに治せなくても、ゆっくり治していこうか。」
「………うん。」
「よし。じゃあ、ほら。おいで。」
手を差し伸べながら一言告げれば、ランボはてくてくと私の手を掴んだ。
ちょっと涙やらなんやらでべしょべしょだけど、こう言うのを嫌がったら子育てもできないことは知ってるし、そもそも小さいうちは泣いたりするのが当たり前なんだから、嫌がること自体がおかしなことだ。
まぁ、流石に小学生くらいになったら、少しずつ泣き虫を治していかないといけない気もするけど。
「よいしょっと。」
「!」
「んじゃ、このまま散歩に行きますかね。」
手を掴んできたランボの体をヒョイっと軽く抱き上げる。まさか抱っこされるとは思わなかったのか、ランボは驚いたような顔を見せるが、気にせずどこに行くか考えながら歩き回る。
あ、でもその前に……と。
「ちょっと失礼。」
「むゆ……」
「折角可愛らしい顔してるんだから、いつまでも涙や鼻水でべしょべしょなのはもったいないよ。涙は拭いて、あとは……と……よし。鼻を擤んでごらん。」
「うん。」
私が鼻にティッシュを押し当てれば、ランボはすぐに鼻を擤んだ。それを確認して優しく鼻を拭いた私は、新しいティッシュでそれを包んだのち、自身のポケットに突っ込む。
ポイ捨てをするわけにはいかないからね。
「よくできました。偉いね、ランボ。」
「えへへ……ランボさん、偉いもんね。」
「うん。本当に良い子だね。」
笑いかけながら頭を撫でる。結構な癖毛なのか髪の毛がかなりもふもふしていた。
ていうか、随分と変わった伸び方してるな……。首元までくるんくるんだよ。
大人になったらどんな髪型になってんのかな……。あと、なんで角が付いてんのこの子。
見た感じ、作り物の角っぽいけど……ファッションか……?
それとも、これも何かに利用するのかな。どうやって使うのかはわからないけど。
「さてと……まぁ、ここら辺でいいかな。」
「うん?」
「ちょっとここら辺でゆっくりしようか。」
「うん。ゆっくりするもんね。」
川の斜面に腰をかけ、すぐ隣にランボをおろせば、彼は私の真似をするように座り込んだ。
中身は絶対大人なリボーンとは違って、ちゃんとした可愛らしい子供なランボはちょっとだけ癒される。
まぁ、さっきの殺伐とした中では癒されるも何もないんだけどさ。
「確か、ポケットの中に……と。あったあった。はい。」
「なーに?」
「ブドウの味のアメ玉。両方好きなんでしょ?」
「うん!ランボさん、ブドウもアメ玉も大好き!」
「じゃあ、これはランボにあげるよ。」
「ありがと!ナツはどうするの?」
「私もアメ玉を食べるよ。実はイチゴ味が大好きでね。」
「イチゴ!ランボさん、ブドウが一番好きだけど、イチゴも大好きだもんね!」
「へぇ。同じものが好きなんだ。奇遇だね。」
「うん!きぐーだもんね!」
言葉の意味は多分理解していないけど、私が口にした言葉を真似して使うランボの頭をもう一度撫でて、手にしたアメ玉の袋を破り、中に入っていた赤色のアメ玉を構内に放り込む。
ランボも私と同じようにアメ玉の袋を破いて、中に入っていた紫色のアメ玉を口の中に放り込んだ。
「美味しい?」
「うん!」
「それはよかった。」
ころころと口内で互いにアメ玉を転がしながら、のんびりとした時間を過ごす。
そして、少しの間、アメ玉を転がし続けた私は、ランボの目的を聞くために口を開いた。
「ところでランボ。なんでリボーンを狙っていたのかな?」
「ん?あのね……ランボさんね、夢があるの。」
「夢?」
「うん。ランボさんの夢はね、ボヴィーノファミリーのボスになって、全人類を跪かせたいの。」
「おっふ……随分とまぁ壮大な夢を持ってたな……。」
返ってきた壮大な男の夢を聞き、思わず苦笑いをこぼしそうになる。でも、そこはなんとか堪えて、アメ玉を転がしながら、その話の続きを語られるのを待った。
「でも、そーなるには超一流のヒットマン、リボーンを倒せってボスに言われた。」
「へぇ……。まぁ、確かに、リボーンからは隙なんてもの全く感じ取ることができないし、(私はわかるけど)気配とかもわかりにくくて、どこに潜んでるかわからないからね。全人類……となると、彼を負かすことができるぐらい力を持っとかないと、その夢は叶え難いかも。」
ポツリポツリと話し始めたランボの話を聞きながら、ボヴィーノファミリーのボスもなかなかに無茶なことを言うと考える。
武器の扱いとかは習っているみたいだから、やっぱり普通の子供とはちょっと違うみたいだけど、そうであってもランボはリボーンとは違って純粋な子供であることに変わりはないのだから。
まぁ、ボヴィーノファミリーのボスさん本人も、まさか小さなうちからリボーンを倒しに行くとは思ってなかったのかもしれないけどね。
「そう言えば、ランボは本当にリボーンに会ったことがあるの?」
内心で、ボヴィーノファミリーのボスさんもなかなか苦労していそうだと思いながらも、一番知りたいことをランボに問う。
大方予想はできているけど、念のためにね。
「ある!はじめてボスにバーに連れて行ってもらった時、あいつがカウンターに座ってたんだ。オレっち達は初対面なのにいろんな話をしたんだ。ランボは大好物のブドウを食べながら……リボーンは鼻でガムを膨らませてた。」
「あー………うん。なるほどねー………。」
どうやら、予想通り、一方的な認識だったらしい。リボーンとは確かに会っていたみたいだけど、リボーン本人はお眠だった……。
結果、ランボは初対面じゃないと思っていたけど、リボーンは全く知らないと言う意見になったわけだ。
「元気になったかな?」
「うん!オレっち元気だもんね!」
「それは良かった。じゃあ、ウチに戻りますか。」
「ナツの家に戻るの?」
「うん。だって、ランボ。泊まる場所とかないんじゃない?」
「……うん、ない。」
「じゃあ、ウチにおいで。母さんには私から説明しとくからさ。」
「わかったもんね!」
真相を知り、苦笑いをしそうになるのをなんとか我慢しながら、ランボに泊まる場所や帰る場所はあるのかと問えば、やっぱりと言うか、宿無しであることがわかった。
それならと、ランボにウチに来るように伝えれば、彼は笑顔でそれを承諾する。
話が決まれば早いとこ帰宅しよう。そろそろ母さんが心配し始める時間だし。
「ねーねー、ナツ。」
「うん?どうかしたのかな、ランボ。」
「あのね、ランボさん、ボヴィーノファミリーのボスになったらね。ナツのこと、お嫁さんにしてあげてもいいよ。」
「お?私のこともらってくれるの?」
「うん!」
「それは嬉しいね。じゃあ、ランボが大人になった時、私が誰とも結婚してなかったら、もらってもらおうかな。」
「いいよ!約束だもんね!」
「あはは。うん。約束だね。」
再びランボを抱っこして帰路についていると、ランボからボスになったら、私をお嫁さんにするなんて言われてしまった。
まぁ、所詮は小さい子特有の大きくなったらお姉ちゃんと結婚する!みたいなノリだと思うしと、受け流すようにそれを承諾すれば、ランボは笑顔を見せた。
そんな彼の頭を優しく撫でてあげれば、再びくふくふと小さく笑い声を漏らす。
……前世では子供なんて持ったことなかったけど、いたらこんな感じだったのだろうか……なんてちょっとだけ考えながらその様子を眺めた私は、真っ直ぐと自宅へと帰るための道を歩く。
帰宅したら帰宅したで、また厄介なことが起こるとは思わずに。
沢田 奈月
リボーンにボコされたランボを迎えに行き、元気づけた転生者な10代目。
アメ玉が好きなランボのために、ブドウ味のアメ玉を家に常備してるアメ入れから取り出して、彼を散歩に誘った。
ランボ
奈月に元気づけられたボヴィーノファミリーの雷少年。
この時点ですっかり奈月に懐いており、これから先、別の意味でリボーンと張り合い始めるようになる……かも……?