最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
城の外へと出た攻撃部隊は、次々とカルカッサファミリーの部隊を削っていく。
急に現れた連合部隊。それによりカルカッサファミリーは大パニックに陥っているのが、攻撃部隊にいる人の目を通し、情報としてわたしの元に届く。
自分達の視界は霧の牢獄に覆われて、右も左もわからない状況であるにも関わらず、敵陣は濃霧などもろともせず、真っ直ぐと自分達の部隊へと襲いかかってくると言う悪夢的状況に陥ってるのだから、当然の反応だろう。
しかし、流石はマフィアと言うべきか、少しずつ相手もこちらに対応することが可能になりつつあるようだ。
徐々にこちら側の方にも攻撃を仕掛けている人間が増えている。とは言え、波長を合わせることができる人を次々と変えて状況を見るに、相手の戦力の摩耗は狙い通り進んでいるようだ。
『カルカッサファミリーの戦力は、ざっと見積もってさっきの半数近くが削れているみたいだな。これなら、ナツキが考えた防衛作戦も完遂できるだろう。』
『……改めて見るとこう言う場面の初見での幻術ってヤベーな。』
『まぁ、死ぬ気の炎のことを詳しく知らない限り、幻術を使える人間って割と少ないし、初見殺しにはうってつけな能力ではあるよね。
やろうと思えば、この場面で同士討ちすらさせることができるわけだし。』
『それをしていないだけ、ナツキはDよりはまだ温情があるな……。まぁ、ナツキの場合、身内に何かしらの危害が加えられない限り、精神的にやられるようなことはしないだろうが……。』
『身内に危害を加えたり、関係ねー奴を巻き込んだりしたら、D直伝の幻術による地獄絵図ができるんだろうな。あの犯罪3兄弟並みの精神攻撃をやらかしそうだぜ。』
『結局アイツら、ヤクを疑われたんだっけ?』
『ああ。それくらい精神が摩耗していたと言うか、発狂させられたと言うか……。』
ジョットさんの言葉を聞き、思ってたよりも多く相手の戦力を削ぐことができたんだな……と考えながら、わたしは防衛側へと視線を向ける。
……なんか、勝手にわたしのイメージと言うか、やらかしそうなことを雑談されてるけど無視だ無視。
「防衛部隊!!攻撃準備!!取りこぼしたカルカッサファミリーとそろそろ接敵します!!」
「待ってました!!」
「女王からの命令だ!!全員武器を取れ─────!!」
「ドカンと派手にやっちまいましょう、10代目!!」
「だから女王と呼ばれる程の高貴さはないと言っているでしょう!?」
相変わらずわたしのことを女王と称して盛り上がる防衛部隊連合を怒鳴りつけながら、わたしは幻術を解く。
その瞬間、周りの人には見えていなかった濃霧の檻がふわりと晴れ、現状がハッキリと視認できるようになった。
見えた景色は、マフィア城の外で倒れている人々。一部、連合側の負傷者も見えているが、大半がカルカッサファミリーの人間と思わしき
黒尽くめのヘルメット達だ。
霧が晴れたことにより、カルカッサファミリーの人間達が2度目のパニックを引き起こす。
敵陣の本拠地が見えたはいいが、そこに向かう途中で大半の仲間達が倒れているからだろう。
だが、中にはそれを物ともせず、真っ直ぐとこちらへと攻め入ってくる者もかなりいるようだった。
「隼人!!派手に吹っ飛ばして!!それだけでも足止めになる!!」
「っしゃあ!!お任せください、10代目!!果てろ!!」
それを確認したわたしは、すぐに隼人に指示を飛ばす。すると隼人はすかさずダイナマイトを手に取り、それを思い切りカルカッサファミリーへと投げ飛ばした。
マフィア城手前でダイナマイトの雨を食らったカルカッサファミリー達は、それによりなかなかの数が吹っ飛ばされた。
「見てくれましたか10代目!?」
「ちゃんと見てたよ。狙いバッチリ。ただ、攻撃だけが全てじゃないから、今度は爆発と同時に痺れさせる薬品とか、相手を眠らせることができる薬品とかが散布されるダイナマイトも視野に入れてみようか。
味方が一緒の戦場にいる場合は使いづらいかもだけど、火薬や仕組みの組み合わせによっては、相手にだけ被弾させることができるかもしれない。
そう言うのがあれば、相手の命はギリ奪わずに捕まえることもできるだろうし、戦略の幅も上がると思う。作り上げるのに時間はかかるだろうけどね。
ロケット花火みたいな感じの、相手に狙いを定めて放つような特殊なダイナマイトを作れそうな技術者がいないかリボーンにも聞いてみようか。」
「確かにそう言うのあった方が便利かもしれないっスね!!流石は10代目です!!」
「そいつはどうも。防衛部隊!!防衛開始!!ちゃんと自身の命を守りながらも敵陣を入れないでください!!」
「よっしゃあ!!やるぞテメェらぁ!!」
「我らが女王に勝利を捧げるぞ!!」
「派手にぶっ放せ!!無理はしない程度にな!!」
「いや、女王呼びやめてくれません!?」
「10代目に相応しい呼び名だと思いますよオレ!」
「隼人もノるな!!」
「あで!?」
隼人に軽くチョップを食らわせながらも、わたしは手にしていた大鎌を一度納め、精神の主導権を“わたし”から“私”の方へと戻す。
これで幻術は使えない。その代わり、肉体強化の方は使えるようになるわけだけど……
「まぁ、今はまだ自ら殴りに行くわけじゃないんだけどね。」
辺りにたくさんの銃声や爆発音、戦闘している人達の声などをBGMにしながら、私は武器ベルトの右側にセットしていたホルスターに触れ、そこからあるものを取り出す。
それは、リボーンが使える時があるかもしれないからと言って渡してきた彼が愛用しているモデルと同じ拳銃だ。
初心者に持たせるには若干難しい型ではあるが、扱い慣れさえすれば、命中率がかなり高い銃になると教えられた。
同時に彼はこの銃の扱い方や手入れの仕方を教えてくれたけど、殴られることはなくても厳しかった記憶しかない。
「……ナツ?気のせいじゃなかったら、今、お前が持ってる銃……リボーンが持ってる奴と同じじゃねーか?」
「そうですよ。彼が勝手に取り寄せて、私に持たせ始めたんです。まぁ、普段は銃刀法違反とかが怖いから所持してないのですが、今回はマフィアランドに行くから持ってろって言われて……」
「なるほどな……。大丈夫か?」
「一応、リボーンから使い方は覚えるまでレクチャーされてます。まぁ、私の場合、使用する際は殺生目的……と言うよりは相手の武装解除を目的ですけどね。」
ディーノさんからの問いかけに答えながら、私は城の外にいるカルカッサファミリーの人間の3人程に狙いを定めて引き金を引く。
3発の発砲音が響くのと同時に放たれた弾丸は、しっかりと狙った3人の肩を撃ち抜いた。
撃ち抜かれた相手の肩から鮮血が飛ぶのが見える。あーあ……本当にこれ使うことになるとは思わなかったなぁ……。
「……命中精度高くねーか?」
「ディーノさん。私に銃を教えたの、あのリボーンですよ?早撃ちまでは身につける必要はないが、狙ったところに全弾命中させる技術くらいは身につけろってかなり指導受けましたからね?」
「……それは……まぁ、上がるわな。命中率。」」
『一応、オレも銃の扱い方を教えたんだがな。』
『使用した拳銃が教えた者が使ってる物と同じかどうかの違いはありそうだな。』
『今の銃と昔の銃は違うしね。』
『うっせ。』
少しだけGさんが拗ねている気配を感じ取りながら、現在の戦況に目を向ける。
最初のうちに攻撃部隊に奇襲を仕掛けさせたことにより、防衛側へと流れてきているカルカッサファミリーはかなり減っている。
これならば、私とディーノさんが前に出ても十分防衛は可能だろう。ただ、割と相手がわんさかいるから、少しくらいは動きを止めておくべきか……。
「……確かに私はボンゴレを引き受けるって言ったけど、今のうちにいろんな武器渡してくるなっての。」
ため息を吐きながら、腰にあるポシェットの中身を取り出す。何が起こるかわかんねーからな、とか言って荷物の中に詰められたそれには、リボーンが用意した弾倉と特殊な手榴弾が収納されていた。
「10代目?それ、手榴弾ですけどどうしたんスか?」
「……リボーンが勝手に入れたんだよ。」
キンッと安全装置を外し、私はそれを城の外に投げ飛ばす。
日常的に武器をチラつかせまくるリボーンやランボ達の影響で、こう言うことに少しずつ抵抗がなくなってくるのも悲しいものだ。
「!?カルカッサファミリーの奴ら、動きがおかしくなってるぞ!?」
「動けなくなってる……!?今の手榴弾か!?いったい誰が投げて……」
「私ですが。」
「ドンナが!?ドンナ、あの手榴弾はいったい……!?」
「私のお目付役になってるリボーンが用意した、相手を麻痺させる薬物を爆発と同時に散布するものです。
殺生能力ではなく、動きを封じることを目的にしたボンゴレの技術開発者が作ったのだとか。
薬物を浴びた場合、毒薬や薬物にある程度耐性を持ち合わせていたとしても、数十分は動けなくなるそうですよ。
耐性がなかったら2時間くらいは動くことも話すこともできないとも言ってましたね。」
「流石はボンゴレ!!」
「相変わらずの超技術!!」
……リボーンでもこの技術力に関しては謎だって言ってたな。
マジでボンゴレ is 何?いや、イタリアンマフィアなのはわかってるけどさ。
「そもそも、こっちの世界、謎の生物とか技術が多過ぎだっての。」
「……まぁ、なんかオレ達マフィアの周りには色々あるよな。言いたいことはわかるぜ。」
……私が言いたいのはマフィアの世界じゃなくてこの世界そのものに対する疑問なんだけど、まぁいいか。
さっき投げたものと同じものをとりあえず追い討ちで複数投げれば、城の外で爆発音が連続で発生する。
城の外壁に身を隠しながら、下の様子を眺めてみれば、あちこちで地面とよろしくやっている行動不能のカルカッサファミリー達がいた。
うん。だいぶ動きやすくなったかな……。
「ディーノさん。今から私は前に出ます。戦況の優勢はこっちに傾いてますし、攻撃部隊の方々も気掛かりですから。」
「ナツ1人で出るのは危ないぜ?」
「ええ。だから、ディーノさんに同行してもらいたいんです。私だけじゃ戦況分析にも限界があると思いますし、1人で行って、大怪我どころじゃない重傷を負いたくもないですから。
一緒に前線に出てほしいと……言うのは少し心苦しいですが……。」
「構わねーよ。むしろ、オレを同行者に選んでくれてありがとな、ナツ。」
ディーノさんが頼もしい笑みを浮かべ、私の同行要請を引き受ける。
そのことに感謝しながら、私は隼人とロマーリオさんへと視線を向けた。
「隼人。ロマーリオさん。2人はこのまま防衛部隊を率いて取りこぼしたカルカッサファミリーからの防衛をお願いします。
私とディーノさんは前に出て、前線の様子を見てくるので。」
「10代目と跳ね馬だけで……ですか?いえ、決してダメってわけじゃないんですけど……跳ね馬を連れて行って大丈夫なんスか?だってほら、部下がいねーとこいつ使えないじゃないっスか。」
「ハヤト……お前な……。」
「だが、スモーキン・ボムが言ってることもわからなくねーですぜボス。いくつか不安要素はあるしな。」
「大丈夫だって。ナツといる時、なんかオレ、普段より調子いいんだぜ?大丈夫。ナツは絶対ェに守り抜くって。」
私とディーノさんの言葉を聞き、隼人とロマーリオさんは一回顔を見合わせる。
「守り抜かなかったらてめーを果たすからな!!」
「ボス。姫さんが無茶しないようにちゃんと見張ってやれよ。」
「ああ。」
ディーノさん達が言葉を交わす中、私は城の外に少しだけ視線を向ける。
なるべく早めに行くには、ここから飛び降りることだとは思うけど、これ、行けんのかな?
「ディーノさん。最短距離でこっから下まで行けますか?」
「ん?……ああ。これならなんとかいけるな。」
「じゃあそれ使いましょうか。」
「おう。ナツ。こっちこい。」
「わかりました。」
ディーノさんに呼ばれて側に寄ってみれば、彼は私の体を軽々と片手で持ち上げた。
「私とディーノさんは前衛に出ます!!ここの2人……隼人とロマーリオさんの指示に従って防衛を続けてください!!
重ねて言いますが、くれぐれも……くれぐれも!!命だけは守り抜きなさい!!
ここに攻め入るカルカッサファミリーの沈黙を図り次第、合流を!!前衛の方にまだ相手がいますから!!」
「「「「「おお─────っ!!!!」」」」
連合軍に必要な指示を飛ばした私は、すぐに私を抱えているディーノさんに腕を回して落ちないように抱きつく。
ディーノさんはそれを確認した瞬間、私を抱えたまま城壁の出っ張りを利用し、高さを軽減しながら素早く地面の方へと飛び降り、こちらに銃を向けていたカルカッサファミリーの人間の頭を踏みつけて飛び越す。
「あ、お土産です。」
「は…………?ってギャアアアア!!!?」
「「「「「落とすなぁ──────────!!?」」」」」
思い切りディーノさんがカルカッサファミリーを踏みつけて移動する中、私は笑顔を見せて複数の麻痺させることができる薬品入りの手榴弾をピンを引き抜いた状態で、中心の人に手渡す。
いきなり上空から男性に抱えられた状態の子供が降りてきたかと思えば、無邪気な笑顔でお土産ですなんて言ってきたからか、呆気に取られたカルカッサファミリーの中心にいた男性。
しかし、手渡されたのはピンが抜かれた手榴弾と言うとんでもないものだったので、別の意味でも硬直し、最終的にパニックを起こして手榴弾を地面に落としてしまい、大爆発を引き起こす。
ディーノさんが離れた瞬間、背後で特撮の怪人のやられ様のような爆発音と火煙が巻き起こる中、私はベッと舌を出す。
「……誰だよこんな技ナツに教えたの。」
「秘密のお友達です。」
『絶対Dだろ。』
『絶対Dだな。』
『絶対にあの果実頭だね。』
ジョットさん、Gさん、アラウディさんの3人が、Dさんのことを一斉に名指ししたため少しだけ笑いそうになってしまった。
事実、この技術を教えてきたのはDさんである。女だからとナメられたり、バカにされたりするのは、ボンゴレにとっても良くないことではあるが、時にはそれを逆手に取るのも一つの戦術になるからと言われた。
サポートできる人間が一緒にいるならば、無邪気な少女を演じ、現状に似つかわしくない発言や行動を取ることで、相手の油断を誘い、攻撃をほぼ確実に中心に投下することも可能だと。
まぁ、状況に応じて自身の特性を使い分けろって話だけどね。
今回は、現状で一番似つかわしくない言葉と素振りを利用することにより、相手の油断を誘ってみたと言うわけだ。
まぁ、通用しない人間もかなりいると思うんだけど、今回は通用する人間が多かったみたいだ。
黒いヘルメットを被ってるせいで、城壁から銃を撃ってきたり、手榴弾を投げてきた人間が誰が見えにくくなっていたのも成功に繋がる鍵だったのだろう。
「黒いヘルメットじゃなく、ちゃんと肉眼で見えるような状態であれば、引っかかることはなかったと思うんですけどね、相手方。」
「いや、あれは多分、余程の堅物か、冷静さを欠かない人間じゃねーと誰でも引っかかるぞ。」
「?引っ掛かりますかね?」
「そりゃあな。ナツが自身の容姿すら武器にするタイプに成長したら、大抵の男が油断して足元掬われると思うぜ。」
「ハニトラです?」
「おい待て。誰だよナツにそんな言葉教えた奴。」
「ビアンキ姉さんです。」
「ビアンキかぁ………」
ナツになんて言葉教えてんだよあいつ……と呟きながら、ディーノさんは森の中へと勢いよく入り込み、私のことを抱えたまま、森の中を走り抜ける。
森の先からは、争いの音が聞こえていた。
沢田 奈月
実はリボーンから彼が持ってる同モデルの拳銃と、特殊な手榴弾を持たされていたボンゴレ10代目。
リボーン直伝の拳銃の扱い方を学んだため、命中率が非常に高く、肩くらいは普通に撃ち抜いてしまう。
Dからは精神的に相手を油断させたり、隙を作って攻撃する手段を教えられていたため、悪戯と言うには度が過ぎる攻撃をサラッとやらかした。
ディーノ
自分が知らないところで、次々と厄介な技術を身につけている奈月に、苦笑いをこぼしてしまった兄弟子。
前線に出ると言って、自身を同行者に選んでくれたことは素直に嬉しかったので、全力で彼女をサポートし、守ることを決める。
リボーン
実はちゃんと銃を教えていたボンゴレのお目付役なヒットマン。
自身と同じモデルの拳銃を渡したのは、同じモデルを愛用してほしかったためである。
ジョット、G、アラウディ
絶対にあれ教えたのお前だろD。
D・スペード
使えるものは使ってこそ戦略は増え、相手を制圧できるのですから当然でしょう?