最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 リボーンも奈月が関わると、家光と話し合い(物理)をおっ始める件……笑


予期せぬ再会

「で?何か申し聞きはある?」

 

「……申し聞きってのはねーが、うん。再会した娘にまさかぶん殴られるとは思わなかった……。」

 

「それだけやらかしてるってことだぞ。いつまでもウジウジくだんねーこと考えて放置したツケが返ってきたな。」

 

 父さんが連れてきたスーツ姿の誰かさん達に暗殺者を引き渡し、自宅へと戻った私達。

 京ちゃんと一緒にやっていた課題はすでに終わらせ、隼人の困った状態も治ったので、今日のところは解散したあと、私は正座させた父さんのことを仁王立ちで見下ろしていた。

 

『父親が娘に正座させられるとか、かなりの絵面。』

 

『ナツキとナナの心境を考えたら、当然の対応のような気がするな。』

 

『まぁ、いくら立場が門外顧問だとしても、定期連絡くらいはしたほうがよかっただろうな。

 そうすれば、ナツキもナツキの母親も、余計な心労もなければ寂しさもなかったと思うぜ。』

 

『それは言えてるものね。送ろうと思えば、いくらでも周りにバレないように自宅へと手紙を送ることもできただろうし。』

 

 廊下からこちらの部屋を覗き込みながら会話している初代組がいるが、今は彼らよりも父さんである。

 申し訳なさそうに、尚且つ気まずそうな様子でチラチラとこちらを見てくる父さんの姿は、ちょっとだけ情けないような気もするが、私が最後に見た時とあまり変わっていないようで、深く安堵の息を吐く。

 

「……ナツ?」

 

「……………。」

 

 こちらの様子を伺うように声をかけてくる父さんの姿に、私は無言を返す。

 しかし、次第に視界はぼやけ始め、最後は頬を伝う温もりを感じ取った。

 

「え゛!?ナ、ナツ!?なっちゃん!?泣い……泣いて……!!?」

 

 私が涙をボロボロとこぼし始めたからか、父さんが慌てたように声を上げ、ワタワタと焦りの表情を見せる。

 その間も私の目からは涙がとめどなく溢れ続けており、ポタポタと床に雫の跡を残していた。

 

「っ………!!仕事上仕方ないとは思ってた……っ……甘えたらいけないのもわかってた……っ!!

 ボンゴレⅠ世と呼ばれていたご先祖様の血を引いてるとわかる前から、どこか父さんの事情を直感していて……っ……話せない事情があるんだろうなとか、顔を出せない理由があるんだなって悟ってたから……っ……だからワガママなんて言ってられないし、甘えるのも我慢してずっと黙ってたっ!!

 でも……っ……それでも……っ!!母さんも私も寂しかったんだよ!?

 いくら生活費や学費の入金でちゃんと頑張ってることも……っ……生きてることもわかったとしても寂しかったし不安だったんだよ!?

 ちゃんと元気にしてるかなとか!!大怪我してないかなとか!!そんなことを考えながら私達は過ごしていたんだよ!?

 例え顔を出すことができないとしても!!たまには連絡を寄越すことくらいできただろ!?

 バカ!!バカオヤジ!!こっちの気持ちを少しくらいは悟れよ!!家族なら安心させることくらいはしろよバカ─────ッ!!」

 

 変わらない父親の姿に、顔を合わせて会話することができていると言う現実……目の前に、ちゃんと父親がいて、その父親の目に私がしっかり映っていると言う事実に、これまで我慢してきた感情が一気に溢れ出す。

 幼い子供のように、バカと言う言葉を連呼して、私は声を出して泣きじゃくった。

 

 前世の“わたし”では叶えることができなかった……主張することができなかった……自分を見てほしい……自分の声を聞いてほしい……自分の思いに気づいてほしいと言う……はるか昔に口にできなかったワガママを、ちゃんと自身の姿を映し出してくれている今の“私”の父親に、ただひたすらぶつけていく。

 すると、どこか強い力で、しかし、決して痛みを感じることがない、優しさがある力で、私の体は引き寄せられた。

 視界に映るのは服の生地。同時に視覚以外の五感が感じ取ったのは、幼い時に度々感じ取ることがあった父親の温もりだった。

 

「……すまん、ナツ。リボーンから話は聞いている。リボーンに会う前から、超直感を覚醒させていたんだってな。

 しかも、話を聞く限りじゃあ、父さんがイタリアの方に行く前から、直後辺りにはすでに目覚めていたっぽいな。

 なのに父さんは、それに気づかないままナツ達の側を離れていたらしい。

 ……今までよく頑張ってきたな。父さんの代わりに母さんの側にも寄り添ってくれてありがとう。」

 

 穏やかな声音で告げられた言葉と、緩やかに撫でてくる大きな手の温もり。

 前世では得ることができなかったそれは、一瞬にしてこれまで堰き止めてきた一つの受け皿を壊していき、私は無意識のうちに父さんに抱きつくのだった。

 

 

 ──────── No side. ─────────

 

 

 しばらくの間、幼さの残る少女の泣き声が響き渡っていた、ボンゴレ10代目候補、沢田奈月の自宅。

 先程までのそれは、現在は完全に静まり返っており、穏やかな時間がその場に流れていた。

 

 現ボンゴレのボス、9代目から背中を押され、マフィアのボス、およびボス候補が変死体で見つかる連続変死体事件……それを引き起こしていた犯人の引き取りついでに、一時的な日本への帰国を許されたボンゴレファミリーの門外顧問組織、CEDEFのボスである沢田家光は、久々に帰宅した自宅の自室にて、少しだけ困ったような笑みを浮かべていた。

 

 彼が向けている視線の先には、大人びてはいるものの、やはりどこかあどけなさが残っている1人の少女の姿がある。

 ……少女こそが、沢田家光の一人娘であり、ボンゴレ10代目へと推奨された未来のボンゴレの女王蜂、沢田奈月だ。

 先程まで、幼い子供のように涙を流し、自分の思いを訴えていた彼女は、今は、父である家光の膝を枕にしながら、穏やかな寝息を立てている。

 

「……おっさんの膝枕なんて硬くて寝にくいだろうに。」

 

「今はそっとしておいてやれ。これまでナツは、甘えることなんて全くと言っていいレベルでしてこなかったからな。

 今のそれは、ある意味でお前に甘えたいと言う感情の証だぞ。これまで放任し過ぎていたんだから、それくらいでどうこう言うな。」

 

 リボーンからそう告げられ、家光は自身の頬をポリポリと掻く。彼には、長らく最愛の妻と愛娘を放任してしまった自覚はあった。

 いくら仕事上仕方ないとは言え、多忙を理由に連絡すらしていなかったのだから、どこか幼い頃からしっかり者だった愛娘には、すっかり嫌われているものだと思っていたのだ。

 だが、いざ顔を合わせて蓋を開けてみれば、当の本人は嫌うどころか、寂しかったのだと、不安だったのだと、甘えたかったのだと吐き出していた。

 お前なんて父親じゃないと言われる覚悟すらあったのに、そんなことは全くなくて、愛娘は自身のことを心配してくれていた。

 

「……ナツは、お前を嫌ってなんかいなかったぞ。オレがお前と知り合いであることを把握するなり、度々気にかけていたくらいだ。

 ママンが悲しむからとか、寂しい思いをしているからとか、まるで自分が気にしているわけじゃねーような雰囲気で聞いていてきたが、その表情は誰よりも不安と寂しさを堪えるようなものだった。

 ナツもお前と似て変なところで素直じゃねーからな。本当は、自分が一番心配しているってのに、誰かのためを建前にするしか聞くことができなかったみてーだぞ。」

 

「……そうか。相当心配かけちまったんだな。こんな風に泣きじゃくって寝落ちするくらい我慢させて……悪いことをしたもんだ。」

 

 リボーンから話を聞き、家光は穏やかな笑みを浮かべながら、眠っている愛娘の頭を優しく撫でる。

 “ナツと奈々さんのことを放っておいたことに負い目を感じてる暇があるなら、とっとと連絡しやがれクソオヤジ”……キャバッローネファミリーとボンゴレファミリーの手合わせ大会の時に、キャバッローネの10代目であるディーノから言われた言葉……それを思い浮かべながら。

 

「……リボーン。ナツはこれまでどんな生活をしていたんだ?」

 

「ん?そうだな。面白い話と、お前がキレそうな話……色々あるぞ。」

 

「おい待てリボーン。オレがキレそうってなんだよ。」

 

「順を追って話してやるから待て。そうだな……まずは、オレがナツに会った時のことから話すか。」

 

 これからはもう少し気にしないと、本気で見限られそうだと少しだけ苦笑いをしそうになりながらも、家光は自分がいなかった間、リボーンが見てきた愛娘の話を聞こうと言葉を紡ぐ。

 その際リボーンからキレそうな話と言う明らかにおかしな単語を聞かされてしまい、過剰に反応をしてしまったが、順を追って話すと告げられ、渋々彼は引き下がった。

 

 それからと言うもの、家光はたくさんの話を聞かされた。超直感の影響か、遠くから眺めているリボーンの気配に気づいていたことや、1人の女の子のために剣道部の男子と戦ったこと、全くの非の打ち所がないレベルで勉学も運動も完璧にこなしていたことや、襲いくる障害を次々とその実力で乗り越えてきたこと……たくさんの才能に恵まれているため、これからもボスになる道を走り抜けるであろうことなど、たくさんの話を。

 

「オレが知らないうちに、随分とまぁ成長しちまって……。下手したら顔を合わせることなく巣立ちを迎えて独立しちまってたかもな。

 もうちょいゆっくり成長してほしいところなんだが……」

 

「ナツはオレにも家族にも話さねー何かを持ってるみたいだからな。それが手助けしてるのか、オレでも驚くレベルの成長速度を持ち合わせているぞ。

 おかげで教えることがほとんどなくてな。こっちに送り込まれた当初は、暇以外の何ものでもなかったぞ。

 まぁ、最近は教えることが少しずつ増えてきたから、暇も少なくなってきたがな。」

 

「教えることが少しずつ増えてきた?」

 

「ああ。ナツはいろんな才能に恵まれている分、必要な知識は何でもかんでも吸収しちまう癖があるみてーだからな。

 知識欲がつえーから、大量の力を得るためにはぶっ倒れる寸前になるまで頑張っちまうことがあるんだ。

 しかも、チビ達の子守りにママンの家事の手伝い、学校から出された宿題に、風紀委員の仕事なんかもやってるからな。

 誰にも甘えず、休むこともあまりせず、あまり周りを頼らないもんだから、時には誰かに甘えることも大事だし、休むことも必要だと教えているところだ。」

 

 リボーンから告げられた、今、彼が彼女に教えていること……それを聞き家光はバツが悪いと言わんばかりに表情を歪める。

 しっかり者の愛娘が、誰かに甘えることも、頼ることもしなかったのは、間違いなく自分が最愛の妻と、この家を任せっきりにしてしまったことに原因があると考えたからだ。

 ……その真実は、自分が愛娘に任せっきりだったから……などと言う単純なことではなく、もっと複雑な事情も合わさった結果ではあるのだが、愛娘の秘密を……教え子の秘密を……全く把握していない彼らにはわからない。

 

「ナツは昔からしっかりしていたからな……。多忙にカマけて任せっきりにしちまったこと……が1番の原因だよな……」

 

「まぁ、もう少し気にかけやっていれば、こんなことにはならなかっただろうな。

 父親が家を離れている以上、娘である自分がしっかりしなくちゃ、ママンを守れないし、ママンに負担ばかりかけちまうと学んじまったらしい。」

 

「……………そうか。」

 

 自分が口にした、愛娘が甘えることも頼ることもしない原因に対し、すぐに肯定の言葉を返してきたリボーンに、家光はさらに渋い表情を浮かべる。

 もう少し早く顔を出していれば……声を聞かせることくらいはしていれば……定期的に短時間なりとも帰国するタイミングを作っていれば、無茶をしないように教えることができたかもしれないのにと、後悔を抱きながら。

 

「……これからはちょくちょくオレからも気にかける。ただでさえ奈々の手伝いやたくさんのやるべきこともこなしてるってのに、そこに上乗せされるカタチで次代のボンゴレとして名前まで挙げられて……これじゃあ、間違い無くナツはいずれ重圧や負担で押し潰されちまう。」

 

「そうしてやれ。お前と話せただけでもかなり気持ちが変化していたからな。

 度々声をかけて、休ませることもして、自分も無事であることも伝えてやるだけでも、ナツのストレスは軽くなるだろうからな。」

 

「ああ。だが、やっぱり忙しい時もあるからな……。その時は頼んだぞ、リボーン。」

 

「任せとけ。少しでもナツの負担やストレスが減るように、オレとディーノがナツを支えてる。

 まだまだ芽吹く段階にしか到達できてねーナツのファミリーも、ナツのためならいくらでも花を咲かすことができそうだしな。」

 

 友の頼もしい笑みを見て、家光は安堵の息を吐く。頼りきりにするつもりはないが、動けない時はどうしても友の力が必要だったため、最強のヒットマンと呼ばれているリボーンの言葉は、家光にとって一つの救いだった。

 

「ところで……オレがキレそうな話ってのはなんだったんだ?無茶をよくするって話だったのなら、それはキレそうってよりは、後悔の方が強い話になるが……。」

 

「…………その話か……」

 

 先程の態度とは一転して、まるで考え込むような仕草を見せるリボーン。

 それだけで家光は、無理をしやすい愛娘の話がキレそうな話じゃなかったことを理解する。

 

「おい。オレがキレそうな話ってのはそんなに考え込むレベルの奴なのか?」

 

「………そうだな。この話をすると、オレも関係あるんでな。」

 

「リボーンまで関係あるってなんだよ!?」

 

「あんまりでけー声出すな。ナツが起きちまうぞ。」

 

「うぐ……っ」

 

 リボーンから言われた言葉に口をつぐみ、家光は未だに自身の膝を枕にして寝てる愛娘へと視線を落とす。

 彼女は相変わらずスヤスヤと眠りに落ちており、規則正しい寝息を立てていた。

 

「……ナツ。ちょっとごめんな。父さん、リボーンと話してくるからよ。」

 

 いろいろとリボーンから聞きたい話はある。だが、愛娘を起こすわけにもいかない……そう思った家光は、こっちに戻る時に持ち込んでいた荷物の中から、紙とペンを取り出して、ある文字を書き記した。

 

「あー……リボーン。父親が娘の部屋に無断で入るのはリボーン的にはアウトか?」

 

「嫌われる原因になると思うぞ。」

 

「だよなー……」

 

 流石にここまで甘えてくれていると言うのに、嫌われる原因を作って嫌われたら泣きそう……ってか泣く……と思いながら、家光は愛娘を起こさないように抱き上げ、現在いる自室のベッドへと静かに移動させる。

 長らく使ってないにも関わらず、丁寧な掃除を施されているそこに優しく横たわらせて、上から布団を静かにかけて、先程書いたメモをそっと握らせたあとは、リビングに降りるぞとジェスチャーで伝える。

 すぐにジェスチャーの意味を理解したリボーンは、静かに頷いたあと、てくてくと家光の自室から出て行く。

 

 リビングで話すもう一つの話……家光が確実にキレそうなレベルの、10代目候補たる少女の愛され事情を話すために。

 そして、その事情の中に含まれている、自分自身の想いを伝えるために。

 

 

 *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀

 

 

 不意に意識が浮上し、それに従うようにして目を覚ます。

 

「……泣き疲れて眠っちゃったのか。まるで小さな子供だな。」

 

 辺りを見渡し、すぐに自身の状況を把握した私は、横たわっていたベッドから体を起こした。

 片手に違和感を覚える。何かを握らされていたらしい。

 

「これ……置き手紙……?“父さんはリボーンと一緒にリビングにいるから、起きたらリビングにきなさい”……。」

 

 持っていた手紙を読み上げて、ベッドから降りた私は、今いる部屋を見渡す。

 どうやら私は、父さんの部屋で寝ていたようだ。

 

「あ……制服のままだ……。明日、朝イチにアイロンがけだな。」

 

 ため息を吐きながら父さんの部屋を出た私は、すぐ近くにある自分の部屋へと向かうために廊下に出る。

 その瞬間、感じ取れたのは夕食ができる匂いと、未だに料理を作ってると思われるリズミカルな音。

 鼻歌もなんか混じってるみたいで、ああ、母さんが上機嫌に料理を作っているんだな……と苦笑いをこぼした。

 

 とりあえず自室に行き、制服から私服へと着替えた私は、手紙に記された通り、リビングの方へと足を運んだ。

 

「うわぁ……大量の料理パート2………。いや、パート3……?なんか、これまで2回程見た記憶があるぞぅ……。」

 

「お、ナツ!起きたか!」

 

「うん。……なんで父さん、左の頬に綺麗な赤紅葉できてんの?」

 

「母さんに全力ビンタされちまってなぁ……。ずっと放ったらかしにしててすまん。

 ナツにも母さんにも心配かけたな。父さんは2人の優しさに甘え過ぎてたな。」

 

 頭を下げて謝罪の言葉を紡ぐ父さんに、何度か瞬きを繰り返す。

 まさか、あの母さんが父さんに思い切りビンタをかますようなことがあるとは思わなかったな。

 

「父さんから聞いたわよ。戻ってきた父さんに、なっちゃん、泣きながら怒ってたんでしょ?

 ずっと堪えてきたものを吐き出すように殴られたって言ってたわ。」

 

「……まぁ、確かにやったけど。」

 

「それを聞いて、母さんも我慢できなくてね。つい、母さんも父さんのこと思い切り殴っちゃったの。

 なっちゃんが母さんのことをたくさん気にかけてくれたことも、父さんの心配をしていたことも知っていたから。」

 

「なかなか厳しい一撃を娘と妻からもらっちまったからな、流石に父さんも猛省中だ。

 仕事が忙しいのは変わらねーが、これからはもう少し頻繁に連絡とかすることにした。

 つっても、何を話せばいいかわからねーんだが……」

 

 困ったような笑みを浮かべながら、私達に連絡をする際の不安を口にする父さん。

 それを聞いた私と母さんは、静かに顔を見合わせて、数回の瞬きを行う。

 しかし、すぐに小さく笑い声をこぼし、笑みを浮かべたのち、同時に小さく頷いた。

 

「難しいことなんて考えなくてもいいわよ、父さん。」

 

「なんでもいいよ。仕事のことや、その日のうちにあったこと、くだらない内容でもなんでもいい。

 遠くで仕事をしている父さんが、ただ無事であることを確認できれば、元気にやってることがわかれば、私達は安心できるから。」

 

「まぁ、なっちゃんに話題を振る時は気をつけないといけないと思うわよ?女の子って今の年頃が一番デリケートなんだもの。」

 

「……特に気にしてないけど……まぁ、好きな人とかそんな話をされたら困るかな。

 日常生活に関してならば、いくらでも話すことができるけど。」

 

「ハハハ!そうきたか!まぁ、仮にナツに好きな人ができたら、父さん、根掘り葉掘り聞いちまいそうだからな!その話題は出さねーようにするか!」

 

「なんで詳しく聞こうとすんの……」

 

「娘を任せることができるような相手が知るためだぞ?可愛い娘を任せるなら、それ相応の男じゃないと父さんは許さないからな!」

 

「……なんだろう、仮に好きな人できて説明しても、全部却下されそうな気がしてならない。」

 

「そんなことはないぞ?」

 

「うーん……ちょっと否定できないわね……」

 

「そこは否定してほしかったんだが、母さん………?」

 

 母さんからすっぱりと否定できないと言われ、苦笑いをこぼす父さんの姿に、私も思わず苦笑いをしてしまう。

 母さんすらそう言うってことは高確率で誰の名前を出されようとも却下されてしまいそうだ。

 でも、前世ではそんな経験が一度もなかったから、いつかそんな人ができた時、父さんに明かしてみるのも一興かもしれない。

 

「あ……そう言えば、肝心の言葉を言ってなかった。」

 

「うん?」

 

 そんなことを考える中、不意に、父さんに言ってない言葉があることを思い出す。

 顔を合わせた時、真っ先に殴りかかっちゃったし、家に入ってからも文句を言って、そのまま泣き疲れて眠ってしまったから、すっかり言うのを忘れていた。

 不思議そうな表情を見せる父さんに、私は小さく微笑みかけながら、静かに口を開く。

 

「おかえりなさい、父さん。元気そうでよかったよ。」

 

「!………おう!ただいま、ナツ。」

 

 私の言葉を聞いた父さんは、一瞬驚いたような表情を見せたあと、笑顔で頷き返してきた。

 “おかえり”と“ただいま”を交わせることが、これ程幸せなことだとは思わなかった。

 でも……こっちの世界ならば、この両親の元ならば、私は……かつての“わたし”が得ることができなかった暖かさを、たくさん感じ取ることができるかもしれない。

 

「……ところで、なんでリボーン、ちょっとボロっちくなってんの?」

 

「………少しだけ家光と男同士の語り合いをしただけだぞ。」

 

「???」

 

 

 




 沢田 奈月
 父親が戻ってきたことにより、マフィアランド以上の大爆発を起こしたボンゴレ10代目。
 前世の父親がひたすらトラウマになっているため、これまで我慢してきたものが一気に溢れ出て子供のように泣きじゃくり、そのまま疲れて一時的な眠りに入っていた。
 目を覚ましてリビングに下りてみたら父親が頬に綺麗な赤紅葉を作っていたので一瞬固まった。
 リボーンと家光の男同士の話に関してはよくわかってない。

 沢田 家光
 数日間でディーノ、奈月、奈々の3人からぶん殴られた門外顧問。
 小さい頃からしっかり者だった奈月と、ほとんど1人で子育てをしていたような状態の奈々に甘え過ぎた結果、愛娘の寂しさや本音、最愛の妻の心配や本音に気づけなかったことを猛省した。
 これからはちょくちょく2人の様子を見ることや、定期的な連絡を行おうと決意する。
 リボーンと男同士の語り合いの中でかなりドタバタした模様。
 オレの娘は誰にもやらん!!

 沢田 奈々
 奈月が家光にこれまでの思いや本音を泣きながら怒鳴り、訴えたことに誘発され、自分自身も抑えていたものを爆発させてしまった頑張り屋。
 猛省している様子の家光の様子を見て、許すことにした後、大量のご馳走を作りまくった。

 リボーン
 初めて奈月が大声で泣いた姿を見て、最初は驚いたが、ようやく本当にぶつけるべき相手に本音をぶつけたかと安堵したお目付役のヒットマン。
 これまでの奈月のことを話し、今の奈月がどう言う状態かを報告したあと、当人曰く男同士の語り合いで一時的に家光とぶつかってしまった模様。
 最終的にはオレがナツをもらうから安心しろ。


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