最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 家光もこれからちょくちょく出せそうだったら出したいですが……さて、どうやって出すべきか……。
 ディーノさんみたいにちょっとしたゲストで出すとか、電話の会話で出すかのどっちかではある。
 ところで、原作の家光って超直感なかったんですかね……こちらではとりあえずゼロではないけど初代や9代目、奈月のように覚醒してないor強くないから当たることもあるが、外れることがほとんどって感じにしてますが……


父と娘の静かなひと時

 穏やかな空気の中、これまでの私と母さんの話を父さんの酒の肴にしながら、ゆっくりと過ごした夕食時。

 いつも以上に嬉しそうな母さんや、母さんの料理を子供のように頬張る父さんの姿を見ながらの食事は、これまで感じていた寂しさを埋めるには十分な時間だった。

 夕飯のあとに、父さんが私が作るお菓子を食べてみたいと言ってきた時はどうしようかと思ったけど、短い時間でも作ることができるミニパイ各種を作ることで解決することができた。

 

 ……現在の時刻は22時。既に寝る準備も終わらせ、なんとなく夜空に浮かぶ月を見上げていると、ナツ、と短く名前を呼ばれる。

 視線を声の方へと向けてみれば、タンクトップにスウェットのパンツと言う寝る気満々の出立ちをした父さんがそこには立っていた。

 

「母さんが風呂に入ってるからな。2人で話をするにはちょうどいいと思ってたんだ。」

 

「……マフィア関係の話?」

 

「ああ。……リボーンから何度も聞いているが、ナツは自らマフィアの道を歩むようになったんだってな。」

 

「うん。」

 

「……嫌じゃなかったか?いきなり、跡取りがいなくなったからって理由で、裏の世界の組織を引き継げなんて言われてよ。」

 

「最初は嫌だったけど、ご先祖様達が、どんな思いでその組織を作ったのか知りたくなったし、ご先祖様が遺したものを失うのはもっと嫌だったから、今はもう嫌じゃないよ。」

 

「そうか……。」

 

 父さんが縁側に座る私の隣に胡座をかいて座り込む。その姿を少しだけ見つめたあと、私は静かに視線を空へと向けた。

 そこには、私と父さんの姿を見つめているジョットさん達の姿がある。

 よく見ると、7人全員揃ってこちらを見つめているようだった。

 

「……なぁ、ナツ。いつになるかはわからねーんだが、ボスを目指すってんなら、一つ、覚えていた方がいいことがある。

 それは、間違いなく将来的にナツが関わるものであり、場合によっては、辛い争いに巻き込まれる可能性のあるものだ。」

 

「?」

 

 父さんが紡いだ言葉に首を傾げると、彼は少しだけ表情を曇らせながら、どこか話辛そうな表情を見せていた。

 どこか飄々としている父さんですら、そのような表情を見せると言うことは、相当厄介なこと……もしくは、精神的にくるものだと言うことになるのだろう。

 

「本来なら、今の段階で話すべきことじゃないんだが、ナツになら話してもいいだろう。

 実はな。ボンゴレを継ぐ人間ってのは、ある証を持つことになる。

 その証ってのは特殊な指輪でな。ボンゴレファミリーのボスと、その幹部が必ず持つことになる指輪なんだ。」

 

「……特殊な指輪。」

 

「ああ。詳しくは話せないんだが、ボンゴレファミリーのボスを継ぐのであれば、必ずそれを手にすることになる。」

 

 そこまで話し、父さんは少しだけ渋い表情をする。ボンゴレを継承する上で必要な証……特殊な指輪……それだけであれば、ここまで渋い表情はしないはずだ。

 

「その指輪……何か問題でもあるの?

 

「……そうだな。あると言えばある。ボンゴレのボスに継承される証の指輪は、これまでの歴史の中、何度か抗争を引き起こす原因になったことがあるんだ。

 その指輪を巡って、流れた血はかなりの量らしくてな。父さんは、全部知ってるわけじゃねーんだが……」

 

 その話を聞いて、父さんが表情を曇らせた理由に納得がいく。

 何度も争いの原因となった、ボンゴレを継ぐ人間が受け取る証である指輪……それを手にする時がきた場合、先程父さんが口にした辛い争いに巻き込まれる可能性が高くなる。

 そして、巻き込まれた場合、まず無傷で物事が終わるはずもなく、最悪の場合、命を落とす可能性も大いにあると言うわけだ。

 だが、それだけでそんな話を今のうちからするだろうか?

 

「……その話したの、ただ危険だからじゃないよね?嫌な予感があるとか、胸騒ぎがするから話したんじゃない?」

 

「!?」

 

 私の指摘を聞き、父さんが目を見開き、驚いたような表情を見せる。

 しかし、すぐに困ったように頬を掻き、苦笑いをこぼした。

 

「たはは……ナツには敵わねーな……。……ああ。その通りだ。こっちの世界で活動する前から、ちょくちょくこう言うことがあってな。

 ナツがボンゴレの10代目として名を挙げられた時から、たまに、証の指輪を見る度に、なんかちょっと胸がざわつくようになっちまったんだ。

 こう言う時は決まって曇行きが怪しくなる。そんで、本当に何か起こっちまう。

 ……ナツ。気をつけろよ。一応、父さんもできる限りのことはするが、万が一ってこともある。

 できれば、そんなことはなければいいが、やっぱ、父さんもボンゴレの血筋なのかねぇ……。

 この予感は当たる時は本当に当たるんだ。ナツや9代目のような完全な直感を持ち合わせてるわけじゃねーのにな……。」

 

 どこか辛そうな表情を浮かべている父さんを見つめながら、私は無言になる。

 当たる時は当たる、不完全な直感……それが出している答えはまだわからない。

 だが、同時にわかっていることもある。父さんが口にしているこの不安は、間違いなく確かなカタチとなって、私の前に立ち塞がる。

 そして、私と私の大切な人達は間違いなくそれに対抗することになり、余程のことがない限り、無傷で終わることはない。

 

「……教えてくれてありがとう、父さん。」

 

「礼なんていいさ。いずれは話さなきゃならねーことを、早めに教えたってだけだからな。」

 

 だけど、私ではそれをどうすることもできない。回避するための答えはなく、真っ向から打ち破る以外の方法が見つからない。

 ……少しでも、みんなに強くなってもらうこと……それが一番の近道なのだろうけど、その方法は?

 ダメだ……すぐに答えは出てこない。一瞬、初代組に力を借りることも考えたけど、それをするのは難しい。

 確かに、初代組は現界する術を持ち合わせているけど、それは、私やDさんの幻術による支援があるからであり、同時に、それによる支援を行ったところで、死ぬ気の炎の訓練も含め、技術力を向上させるために何かすることは不可能だ。

 一応、それぞれ色が違う死ぬ気の炎は、器に入った状態で使えることはわかってるけど、その際、私やDさんの炎を各色の炎に変換することになるため、私とDさんの体に負担となって返ってくる上、器も長時間維持できなくなる。

 ではどうするべきか?……考えてもいくつもの道が曖昧にあるだけで、手繰り寄せることができない。

 

「なっちゃんも父さんも湯冷めしちゃうわよ?だいぶ温度が上がっているとは言え、夜はまだ涼しいんだから。」

 

「「母さん。」」

 

 これを解決するには、まだまだ時間がかかりそうだと思い、今はただ、教えてくれたことへの感謝を口にすることしかできなかった。

 でも、父さんは小さく笑いながら気にするなと言って、私の頭を優しく撫でる。

 そんな中、お風呂から上がった母さんが背後からやってきては、湯冷めしてしまうからと部屋に入るように促す。

 

「何の話をしていたの?」

 

「ナツの将来についてだな。どんな未来像を描いてんのか、気になっちまって。」

 

「まぁ、まだ決めてないからなんとも言えなかったけどね。小学校の作文には、警察官になりたいとか書いていたけど、なんか違うなって思ってさ。」

 

「そうだったのね。」

 

「ナツが警察官になりたいって思ってたことには父さんもビックリだ。」

 

「ふふ……そう言えば父さんはなっちゃんの作文を見たことなかったものね。」

 

「そう言うこった。いやぁ……本当、オレみたいなちゃらんぽらんの子供がこうまでしっかり者になるたぁ思いもよらなかったぜ。」

 

「……だって父さん、ほとんど家にいなかった上、音信不通のまま何年も放ったらかしにするから、しっかりするしかなかったもん………」

 

「そ、それは悪かったって………。」

 

 軽く拗ねたように言葉を紡げば、本気で申し訳なさそうな表情をする父さん。

 その姿を見て軽く吹き出して笑っていると、父さんは目を丸くして固まった。

 しかし、さっきのが私の揶揄いの一つであることに気がついたようで、少しだけ不敵な笑みを浮かべた。

 

「父さんを揶揄って楽しいかこいつぅ!!」

 

「おわ!?ちょ、ま、あはははははははは!!」

 

「あらあら。」

 

 おりゃあ!!と言う言葉と共に、私をすっ転ばした父さんが、くすぐり攻撃をしてきてしまい、声を出して笑ってしまう。

 母さんは、そんな私達の姿を穏やかに笑いながら見守っていた。

 

「楽しそうにしてるわね、ナツ。」

 

「あ、ビアンキ姉さん。」

 

「お?なんだなんだ。リボーン、ビアンキに風呂入れてもらったのか?」

 

「ああ。ナツと入ったらお前がブチギレそうだったからな。」

 

「確かにそれはキレるな。」

 

「リボーン君は小さいんだから、なっちゃんとお風呂入っても問題ないじゃない……」

 

「いいや!父さんは認めん!!」

 

 私と父さんがわちゃわちゃしていると、母さんの後に入ったらしいビアンキ姉さんが、リボーン達を連れてやってきた。

 急に賑やかになったリビングに、少しだけ苦笑いをこぼしながらも、床に転がるのをやめて起き上がると、ランボが走り寄ってきた。

 

「パパン!ナツと遊んでずるいもんね!オレっちもナツと遊ぶ!!」

 

 ぎゅっと私の腰辺りに抱き着きながら言ってくるランボの姿に小さく笑う。

 子供特有の可愛らしさや無邪気さを持ち合わせているこの子には、父さんも笑って見守っている。

 

「遊ぶのはまた明日ね。今日の添い寝当番はランボだし、部屋に戻ろっか。」

 

「あ、そうだったもんね!ナツの部屋行こ!」

 

 そんなランボに、今日はもう休んで、遊ぶのは明日にしようと提案すれば、彼はすぐに小さく頷き、私の膝の上にちょこんと座る。

 すぐに抱っこして立ち上がれば、ランボの小さな手が私の肩に回った。

 

「そう言えば、父さんはいつまで自宅にいるの?」

 

「2泊3日だな。久々に顔出すんだから少しくらい家族サービスしてろって同僚達に怒鳴られちまった。」

 

「そうだったのね!じゃあ、明日も朝食を張り切って作らなくちゃ!」

 

「作り過ぎには気をつけて……って言いたいところだけど、父さん、あの大量の食事の大半を食べてたから問題ないのか……」

 

「母さんの料理は父さんの好物だからな!昔っからそれは変わらない!」

 

「もう、父さんったら……」

 

 少しだけ頬を染めながら、照れ臭そうに笑う母さんの姿に、小さく笑みを浮かべる。

 そして、側にいるリボーン達に視線を向ければ、彼らは私の意図に気付いたのか、小さく頷いた。

 

「せっかく夫婦揃うんだし、こう言う時くらいは2人でゆっくり話しながら休んでよ。」

 

「そうよ、ママン。せっかくなんだし、パパンとゆっくりしなさいな。チビ達は私とナツで面倒を見るから。」

 

「え……!?」

 

「おっと、そうきたか。」

 

 私とビアンキ姉さんの言葉に驚く母さんと、ちょっとだけ照れ臭そうな父さんの姿に、私達は顔を見合わせて笑う。

 

「母さんが寂しそうにしていたのは私が一番よく知ってるからね。父さんがゆっくり休める日くらい、夫婦水入らずで過ごすのもありだと思うよ。」

 

「ナツの案には賛成だな。ナツは今日、十分家光に甘えれたっぽいし、大事な話もできたみてーだからな。

 だったら次はママンの番だぞ。ナツとビアンキならチビ達の面倒を見慣れてるし、今日からの3日間は2人で自由に過ごすのも有りだぞ。」

 

「リボーンまでそう言うのか……」

 

「でも、いいのかしら……」

 

「大丈夫。母さん程じゃないけど、料理とかは私がなんとかするし、家事だって、私とビアンキ姉さんで分担すれば問題なくできるから。」

 

「そうよ、ママン。明日はパパンとデートでもしてきなさいよ。これまでずっと甘えられなかった分、思いっきり甘えてきなさい。」

 

「ビアンキちゃん……」

 

「ビアンキ姉さんの意見に賛成かな、私も。父さんは仕事の都合上、忙しさの方が多いみたいだし、次にゆっくりできる時はいつかわからないもん。

 だったら、ゆっくりできる今のうちに、たくさん甘えてきなよ。」

 

「なっちゃん……。ありがとう。じゃあ、明日、一日任せていいかしら?母さんも父さんと一緒にゆっくりしたくなっちゃった。」

 

「「もちろん。」」

 

 笑顔で母さんの言葉に頷けば、母さんが綺麗な笑顔を見せる。

 その笑顔からは幸せと言う感情が溢れんばかりに込められており、私とビアンキ姉さんは顔を見合わせて笑い合った。

 

「じゃあ、私はリボーンとイーピンと一緒に休もうかしら。」

 

「じゃあ、私はランボとフゥ太だね。行くよ、2人とも。」

 

「「うん!!」」

 

「リボーンとイーピンもそれで構わないわね?」

 

「仕方ねーな。」

 

「!」

 

「よし、決まり。じゃあ、2人ともごゆっくり。」

 

「明日は目一杯楽しんできなさい。」

 

 母さん達に声をかけて、私とビアンキ姉さんは自分達が寝室として使っている部屋へと移動するために踵を返す。

 

「「おやすみなさい。」」

 

「ええ、おやすみなさい、なっちゃん。ビアンキちゃん達もおやすみなさい。」

 

「急に母さんと2人きりにしようとするとか、父さんもちょっと恥ずかしいんだが……まぁ、こんなこと滅多にないしな。

 明日は母さんとゆっくりしてくる。おやすみ、ナツ。ビアンキちゃん達もな。」

 

 そして、互いに挨拶を交わしたのち、自室の方へと向かうのだった。

 

 

 




 沢田 奈月
 父親から話を聞いたことにより、ボンゴレには証となるものが存在することを把握する次期10代目。
 父親の嫌な予感が確かなカタチとして暗雲をもたらす前に、少しでも大切なものを失わないようにするためにはどうするべきかを考えながら夜を明かす。

 沢田 家光
 本当は、まだ話すには早いことだと思ったが、奈月の想いを聞き、詳細は話すことなく指輪の話をする。
 ボンゴレの血縁上、それなりに直感はあるのだが、奈月や9代目のような完全なる超直感ではなく、なり損ないの直感であるがために、嫌な予感はあれど、確かなカタチとして姿を見せない限り、確信を得ることができない模様。
 2泊3日のちょっとした休暇の間、娘や居候組に言われた通り、最愛の妻と過ごすことを決める。

 沢田 奈々
 奈月と家光が縁側に座って話してるのを見かけ、湯冷めするから早めに部屋に入るように注意した奈月の母。
 家光と奈月が仲良く戯れる姿を見て、微笑ましく思う反面、ちょっと羨ましかったので、奈月とビアンキの提案を聞き、休暇中の家光とゆっくりすることを決めた。


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