最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
「あら、なっちゃん。お帰りなさい。」
「ただいま、母さん。あ、さっきの置き手紙の子なんだけど……」
「なっちゃんが書いていた、リボーン君のお友達の話ね。もしかしてその子が?」
「うん。ランボって言うらしいんだ。それでさ。ちょっと相談事があるんだけど……」
「相談?」
「うん。」
ランボを連れて自宅へと帰宅すると、母さんが夕飯の準備をしているところに出会した。
すぐに声をかけられため、私はそれに応え、ここに戻るまでに考えていた内容を、相談と言う体で口にする。
内容は簡単。ランボをしばらく自宅に置きたいと言うものだ。理由として、ランボの身内がしばらくの間遠くに仕事しにいかなくてはならないから預かってほしいと頼まれたことを口にする。
母さんのことだから、これだけでも十分了承してくれるだろうとおもったけど、念のために、さっきランボの身内と会ったことや、その身内がランボに帰ろうと言ったけど、なぜかランボが私から離れてくれなくて、そのままお願いされた……と言う出鱈目な理由も付け加えておいた。
それを聞いた母さんは、予想通りというか、そう言う理由ならとあっさり承諾してくれた。
うん……このど天然さんは相変わらずである。今回はそれを利用させてもらったけど、もう少し彼女は、人を疑うということを覚えてほしい。
私が大人になるまでに、なんとか治してもらおう。もし、このままマフィアのボスになる道を一直線に歩いた時とか、母さんがかなり心配になる。
「そうだ、なっちゃん。リボーン君を呼んできてくれる?夕飯の支度できたから、みんなで食べましょう。」
「わかった。すぐに呼んでくるよ。」
「ランボ君はこっちにいらっしゃい。」
「うん!わかったもんね!」
ランボが母さんに呼ばれて離れたのを確認した私は、すぐに自室にいるリボーンの元へと移動する。
……が、階段を上がろうとしていたら、上からちょうどリボーンが下りてきている姿が見えた。
「あ、気づいてたのか。」
「当たり前だぞ。ママンは大体この時間帯に夕飯を作るってことは、この数日で認識できたからな。つーか、さっきの奴もいるのか。」
「ランボね。いるよ。泊まる場所はないみたいだったから、家に住まわせるつもり。母さんなら、いくらか誤魔化すことができるからね。」
「……ずっと思ってだけどよ。ナツのママン、ちと素直すぎじゃねーか?」
「それは私も思ってる。私がいなかったら何しでかすかわからないくらいにはど天然が天元突破してるからね……」
「実の娘にそこまで言われちまうレベルなのか……」
「そうだね……。だから、そろそろ人を疑わず受け入れてしまう素直さを注意した方がいいのかな……て。」
「……まぁ、それは今後の課題だな。今は何も知らない方がいいと思うぞ。」
「……だね。」
リボーンと母さんの今後を話しながらダイニングキッチンの方へと移動すれば、人数分のパスタとサラダを皿に盛って、テーブルに乗せている母さんの姿があった。
ランボはすでに椅子に座っている。ちゃんと大人しくしていたようだ。
「大勢での夕飯なんて久しぶりね。」
「そう言えば、父さんがいた時は3人でよく一緒に食べてたっけ。今、あの人どこにいるのかわかんないけど。」
「そうね。でも、きっとどこかで元気にしてるわよ。だから大丈夫。」
「まぁ、元気だけが取り柄なんじゃないかってレベルの人だったからなー……」
母さんがにこにこと笑顔を見せながら、こんな大人数も久しぶりだと告げてくる。
それに同意しながらも、自分の席に座れば、母さんは近くに置いていたらしい回覧板を手に取った。
「お母さん、お隣に回覧板持っていくわね。リボーン君とランボ君がケンカしそうになったら、お姉ちゃんのなっちゃんが止めるのよ?」
「まぁ、頑張ってみるよ。正直、子供のお守りなんてあまりしたことないからしっかり制御できるかわからないけど。」
「なっちゃんなら大丈夫だと思うわよ?じゃあ、行ってくるわね。」
「ん。」
ケンカが始まりそうになったら止めるように言った母さんが、ダイニングキッチンから退室する。
とりあえず目の前にあるパスタ食べるか……なんて考えながら、くるくるとフォークに巻きつけて口に運べば、ミートソースの味が広がった。
しばらくの間、静まり返るダイニングキッチン。しかし、その静寂は唐突に破られる。
「っしゃあ!!」
破ったのはもちろんランボ。彼は、隠し持っていたらしいナイフを手に取り、思い切りリボーンの方へと投げつける。
……が、やはりと言うか、ナイフを投げつけられたリボーンは、それをフォークでランボへと弾き返してしまった。
リボーンに弾かれたナイフはと言うと、ランボ自身にグッサリと刺さってしまい、額から血をダラダラ流し始めた彼は、とうとう限界が来たのか泣き出してしまった。
泣き出したランボはその状態のまま、どこからともなく取り出した10年バズーカを……んん!?
「ってランボ!?それで何する気!?」
いや、それ以前にナイフが突き刺さったことをツッコめよと内心で自身に怒鳴りつける。
手榴弾食らっても所々焦げる程度で平然としていたランボを見たせいか、一瞬感覚が狂っていた。じゃなくて……!!
10年バズーカを自身に向けたランボに、何をする気だと声をかける。しかし、泣いているランボに私の問いかけは聞こえていないのか、こちらに反応を返すことなく、器用に結びつけられていた紐を使って、10年バズーカの引き金を引いてしまった。
辺りに爆発音が響き渡り、発砲したことを示すように、もくもくとランボがいたところで煙が上がる。
てか、リボーン。すぐ隣でこんな惨状が起こってるのになんで平然とパスタを黙々と食べてんの。
いくら君にとっての格下相手によるものだからって、普通ご飯中にこんなこと起こったら手を止めないかな?
「ふ〜〜〜……」
「ん?あれ?」
未だに食事を続けるリボーンに内心でツッコミながら、ランボの怪我を確認しようと席を立ったところ、聞き覚えのない声がダイニングキッチンにこだました。
意味がわからず、疑問の声を上げると、先程まで上がっていた煙がゆっくりと霧散する。
「やれやれ、どうやら10年バズーカで10年前に呼び出されちまったみてーだな。」
晴れた煙から姿を現したのは、随分と長身で、癖毛のある1人の青年の姿。
かなり服がはだけているため、見る人によっては、その姿に対して性的な印象を抱いてしまいそうだ。
そんなことを考えて固まっていると、その青年がふと私の方に視線を向ける。
そして、閉じていた片目も丸く開き、一瞬の驚き顔を見せたのち、どこか頬を紅潮させながら、私の元へと駆け寄って、両手を握りしめてきた。
「お久しぶりです、麗しき若きボンゴレ10代目!」
「……は?」
「わかりませんか?10年前にお世話になっていた泣き虫だったランボです!」
「……え!?10年後のランボ!?あ、いや、確か10年バズーカってそんな効果あったんだっけ!?」
「はい!覚えていてくださって嬉しいです!」
眩いばかりの笑顔の中に、確かな色気を持ち合わせている大きなランボに、マジか……と少しだけ唖然とする。
いったい何がどうなってこんな色気マシマシの男の子になるんだあの子。ていうか、今が5歳だから、10年後のこの子は15歳ってことになるよね?
15歳でここまで大人っぽくなるって……成人したらいったいこの子どうなるんだよ……。おばちゃん、ちょっと心配なんだけど。
「なんともまぁ、見違えちゃって……」
「貴女にそう言っていただけるなんて、これ程喜ばしいことはありません。」
穏やかな笑みを浮かべる大きなランボに、少しだけドキッとしてしまう。私は精神的にかなり年が上だから、ほんの一瞬だけのものだったけど、この体と同年代で、精神的にもその年齢であろう子たちが見たら、何人か一気にオチてしまいそうだ。
「麗しき若きボンゴレ10代目……貴女とはまだ、ゆっくりとお話ししたいのですが、残念ながら、この状態は限られており、そうも叶いません。」
「限られる?」
「はい。10年バズーカと呼ばれるこれは、被弾した者を10年後の自分と入れ替えることができる代物ではありますが、5分間のみと言う時間制限があるのです。
だから、ろくにお話しすることも叶わず、少し心苦しいです。今のオレなら、貴女の隣にいても恥はないと思ってはいるのですが……」
「ランボ……」
「ですので、逢瀬はまた次の機会にでも。今は……」
10年バズーカの説明をしてきた大きなランボは、包むこむように掴んでいた私の両手をそっと離し、視線をこちらから外す。
その緑色の瞳に映るのは、我関せずでパスタを食べすすめているリボーンの姿。
「よお、リボーン。見違えちゃっただろ?オレが、お前にシカトされ続けたランボだよ。」
「……………。」
余裕を持った言葉遣いで、リボーンに話しかける大きなランボ。しかし、リボーンはそんな彼に視線すら向けることなく、黙々と食事を続けている。
格下は相手にしない……その言葉通り、例えランボが大きくなろうとも、眼中に入れるまでもないと言うことらしい。
「やれやれ……こうなりゃ実力行使しかねーな。10年間でオレがどれだけ変わったか見せてやる。サンダーセット。」
それを見たランボは、どこからともなく小さなランボもつけていた角のようなものを頭に装着し、キーワードのようなものを呟いた。
同時に晴れているはずの空の彼方から、大きなランボの角目掛けて雷が落ちる。
それにより大きなランボの角は帯電状態となった。
「オレのツノは100万ボルトだ。」
紡がれた言葉に目を見開く。100万ボルトなんて雷撃を帯電させて、体に異常はないのかと考える。
しかし、大きなランボは気にしていないのか、それとも慣れてしまっているのか、関係ないとばかりに床を強く蹴り上げて、リボーンとの距離を一気に詰め始めた。
「死ね、リボーン!!
帯電した角がリボーンに突きつけられる。だが、その攻撃はあまりにもリーチが短過ぎた。
リボーンは手にしていたフォークの切っ先を、真っ直ぐと大きなランボの脳天へと向けて、角よりも長いリーチを利用して、その頭を突き刺してしまった。
「……が・ま・ん」
「………あーうん。こっちおいで、ランボ。」
「うわぁああ!!ナツさぁあぁああん!!」
「おっふ、10代目呼びじゃなくて名前呼びになっちゃったよ……」
これは……リボーンの圧勝だな……と苦笑いをこぼしながら、泣きそうになっているランボを優しく呼べば、彼は自身の身体が10年後になっていることなど忘れたかのようにこっちに突っ込んできた。
その勢いは凄まじく、泣きながら抱きつかれた時は吹っ飛ばされそうになったが、なんとか自身の体幹に鞭を打ち、その大きな体を抱き止めた。
あとは流れるままにその頭と背中をぽすぽすとあやすように撫でていく。
「……おい、ナツ。そいつを甘やかすんじゃねー。」
「そう言われてもねー……。確かに体は大きくなってるし、随分と健やかに育っているみたいだけど、15歳となるとまだ子供だし?まぁ、私も子供ではあるけどさ。
流石にここまでボコられてるのを見ていたら黙ってられないわ。だってリボーンはいわば年上っしょ?ランボや私なんかよりもずっとさ。
確かに、挑んでくるのを迎え撃っているだけではあるんだろうけど、流石にちょっと可哀想だわ。」
何かもの言いたげな様子をリボーンは見せるが、今はスルーしておく。
この考えがそっちの世界じゃ甘いってことは十分わかってるけど、今は心を鬼にするべきじゃない。
日常の中にあるんだから、今くらいは甘やかしてもいいだろって話だ。
例え、いつかその考えを切り捨てなくてはならないとしても、今だけはこれでいいはずだ。
なんてことを考えていると、ボフンッと言う音と共にこちらにかかっていた重さが消え失せる。
そして、入れ替わるようにして、私の膝の上に小さな子供くらいの重さがのしかかってきた。
「あららのら?ランボさん、いつナツの上に乗っていたのかしら?」
「おかえり、ランボ。なんか面白いものは見つけたかい?」
「面白いもの……?あ!そう言えば大きなナツに会ったよ!なんか、ヘンテコな髪の奴と一緒にいたもんね!」
そこでアメ玉ももらったの!と笑顔を見せるランボの頭を優しく撫でてあげれば、彼はくふくふとくすぐったそうに笑い声を漏らす。
その愛らしい姿に、思わず小さく笑みを浮かべてしまう。しかし、ランボが言っていた人物はいったい誰なのか気になってしまい、その疑問を口にした。
「ところで、ヘンテコな髪の奴って?」
「尻尾生えたパイナップルお化け!」
「……………なんじゃそりゃ……。」
意味わからんことを口にするランボに対して、苦笑いをこぼしながら、膝の上で笑っているランボの頬をうりうりと優しく揉んでやれば、キャッキャッと彼は無邪気にはしゃいだ。
「……オレは先に部屋に戻る。」
「はいはい。」
そんな私達を見ていたリボーンは、どことなく不機嫌そうな様子を見せながらも、ダイニングキッチンを後にする。
まぁ、そんな甘っちょろい心構えじゃマフィアのボスなんてやっていけねーぞって言いたいんだろうけど、今の私には、目の前にいる男の子を元気づけることが最優先だ。
「よし、ランボも元気になったみたいだし、リボーンもさっさと部屋に戻っちゃったから、ゆっくりとご飯を食べようか。リボーンをどうやって倒すかは、また次の機会にね。」
「うん!オレっち、お腹ぺこぺこだもんね!」
じゃあ、ゆっくり食べなよ、と彼が座っていた椅子に移動させれば、ランボはフォークを持ってパスタを食べ始める。
私はと言うと、ほとんど食べ終わってしまったので、とりあえずランボが食べ終わるのを待つことにした。
1人ぼっちの食卓は、寂しい以外の何物でもないからね。
「(そう言えば、ランボが言ってた、尻尾生えたパイナップルお化けって誰だ……?)」
……これから先、なんらかのきっかけで出くわすことになる人物の特徴だろうか…………?
沢田 奈月
10年バズーカを使っても、10年後の君は相変わらず泣き虫なんだな……と少しだけ苦笑いをこぼした、転生者なボンゴレ10代目。
10年後の世界で小さなランボが見た、尻尾生えたパイナップルお化けとはいったい……?と疑問に思いながら、ランボを甘やかす。
大きなランボ
10年バズーカで5分間だけ入れ替わった15歳のランボ。奈月には明確な恋心を抱いているようだが、本人には気づかれていない。
15歳でも、少しだけ甘え癖は治っていないようで、こんなのじゃナツさんの隣には……と自己嫌悪しつつも、彼女に甘えたい気持ちに忠実な部分がある。
小さなランボ
10年バズーカで5分だけ未来に行っていた5歳のランボ。たどり着いた先で、尻尾が生えたパイナップルのお化けと、大きな奈月が一緒にいるのを見たらしい。
リボーン
ランボを甘やかす奈月を面白くないと思いながら自室へと戻っていった家庭教師。
裏の世界では、甘やかすなんて行動はダメなことだと思われたのだろうと奈月には推測されていたが、どこか違うものもある様子……?