最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 去年はここまで長くお付き合いいただき、ありがとうございした!
 皆様の励ましのおかげで物語はいつのまにか150話を超え、今年もまた物語を執筆することができます!
 今年は去年のように体調を崩さないように体調に気をつけながら、この話をたくさん執筆していきたいと思います!

 改めまして、あけましておめでとうございます!今年もお時間がありましたら、のんびりとお付き合いいただけたらと思います!


10代目の仕返し

 朝食を食べ終え、学校へ向かうために着替えた私は、庭の方へと足を運ぶ。

 この時間帯はいつもイーピンが修行をしているため、まずは彼女から話を聞いてみよう。

 

「【イーピン。ちょっといいかな?】」

 

「?」

 

 庭に出てイーピンの故郷の言語で話しかけると、彼女は私の方を振り返り、首を傾げる。

 ……なんか、サンドバッグ代わりに使ってるものが、かなりランボに似ているような気がするけど、うん。

 見なかったことにしよう………。

 

「……なぁ、あのサンドバッグ………」

 

「待て、G。指摘してやるな。」

 

「言いたいことはわからなくもないですが、ナツキが全力で見なかったフリをしようとしているのでスルーしてあげなさい。」

 

「ナツキが関わると結託するお前ら何なんだよ……。」

 

「ナツキの師ですが?」

 

「ナツキのおじいちゃんだが?」

 

「2人揃ってドヤ顔すんじゃねー……」

 

 ジト目でロシアンブルー似の青い毛並みの仔猫と茶白の毛並みをした仔猫を睨みつけるキジトラの仔猫と言う側から見たら可愛らしい構図が繰り広げられる中、サンドバッグを見なかったことにした私は、再びイーピンへと視線を向けた。

 

「【ランボが昨日から帰ってこないから、周りの人が見ていないか調べていてね。

 イーピンは、昨日の夕方辺りから夜までの間に、ランボを見かけてなかったかな?

 よかったら、昨日の夕方からの行動も合わせて教えて欲しいんだけど。】」

 

「【昨日の夕方からの行動も合わせてですか?】」

 

「【うん。その過程でランボを見かけていたら、彼の行動の時系列もわかると思ってね。ダメかな?】」

 

「【そう言うことでしたか。えっと……ちょっと待ってくださいね。】」

 

 イーピンの故郷の言葉を口にしながら、昨日、夕方から夜にかけてランボを見かけていないか問いかければ、彼女は少しだけ考え込むような様子を見せて、昨日の出来事を思い出し始める。

 

「【えっとですね……昨日の夕方辺りでしたら、私は4時に学校帰りのハルちゃんと待ち合わせて、駅前で買い物をしていました。

 それで4時20分辺りでしょうかね……。ママンとビアンキさんに会ったので、みんなでケーキ屋さんでホールケーキを食べていたんです。

 そのあと、5時頃に塾へ行くハルちゃんと駅で別れて、ママン達と6時ぐらいには家に帰りましたね。

 あ、ケーキ屋さんで思い出しましたが、そのお店の窓から学校帰りの獄寺さんと山本さんを見かけましたよ。

 ケーキ屋さんに行く前に、一応ランボにも会いましたが、特に変わりはない様子でしたね。】」

 

 こちらの質問に丁寧に答えるイーピン。ランボは特に変わり無い様子で過ごしていたと言う言葉を聞きながら、手元にあるメモに一応聞いたことを書き記しておく。

 ……この段階では、隼人が何かをやらかした様子はない……けど、まぁ、まだ1人目だし、今は深く探ることはしないでおこう。

 形式上は、ランボを探すための情報収集だしね。

 

「【ありがとう、イーピン。修行中に邪魔をしてしまってごめんね。】」

 

「【お気になさらず!……ナツさん、随分と私の故郷の言葉に慣れましたね。前まではカタコト気味でしたが、今では違和感を全く覚えることがない程に上達していますよ。】」

 

 そんなことを思っていると、イーピンの故郷である国の言葉の上達を彼女は褒めてくれた。

 一瞬だけ固まってしまった私は、何度か瞬き繰り返すが、すぐに口元に笑みを浮かべる。

 

「【教えてくれる先生がいいからね。私でも驚くくらいに身につけることができたよ。

 外国の言葉を覚えるなら、その言語を使う人と付き合ったり、友達になることが近道だと聞いたことがあったけど本当にそうだった。

 イーピンとリボーンが教えてくれたおかげだよ。ありがとう。】」

 

 感謝の言葉をイーピンに伝えれば、彼女はニコッと笑顔を見せる。

 側にいるリボーンはどことなくドヤ顔気味だ。自分が教えたことをちゃんと身につけている私の姿が、それだけ喜ばしいものだったと言うことだろう。

 

「【じゃあ、私は学校に行くね。もし、ランボを見たらみんなが心配していたって伝えてもらえるかな?】」

 

「【はい!わかりました!行ってらっしゃいませ、ナツさん!】」

 

 ぺこりと頭を下げるイーピンに手を振りながら、出る時に持ってきたスクールバッグを肩に下げ、通学路へと出る。

 すると、ジョットさん達も私の後を追ってきた。

 

「ナツキ、だいぶ外国の言葉も身につけることができたな。」

 

「プリーモ達が丁寧に教えてくれているからね。おかげで複数の言語を扱えるようになったもんだよ。」

 

「そのようですね。マフィアのボスたるもの、複数の言語を扱えるのは当然のことではありますが、簡単な英語しか扱えなかった去年に比べたら遥かに成長しています。

 イタリア語も違和感を全く覚えないぐらい巧みになりましたし、この調子なら、ボンゴレの本部があるイタリアに永住することになっても問題はないかもしれませんね。」

 

「まぁ、無理にイタリアに住む必要はないが、どうしてもイタリアにいなくてはならない時はいつか出てくる。しっかりと話せるようになっておいて損はないだろう。」

 

 民家の塀の上をトコトコ歩きながら、他国の言語を話せるようになっている私のことを評価するジョット達。

 少しだけ照れ臭くなりながらも、私は学校に向かうための通学路を歩くのだった。

 

 

 *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀

 

 

「お!沢田ちゃんじゃーん!おっはー!」

 

「やぁ、内藤。おはよう。」

 

 私が学校で勉強している間は炎の継ぎ足しはDさんが(渋々だが)行うことになり、とりあえずジョットさん達の炎問題を解決したので、学校に安心して登校すると、珍しく私より先に登校していたロンシャンが話しかけてきた。

 すぐにロンシャンに挨拶を返せば、彼はにこにこといつもの屈託のない笑顔を見せながら、自身の席に戻っていく。

 

「あ、内藤。ちょっといい?」

 

「ん?どったの沢田ちゃん?」

 

 そんな彼に対して、一応声をかけてみると、彼はキョトンとした表情を見せる。

 こいつ、こんな表情もするんだな……なんて少しだけ思いながらも、私は静かに口を開いた。

 

「前、内藤ん家に行った時、黒い髪で牛柄の服を着たちびっこ男児がいたの覚えてる?」

 

「ああ、あの男の子!沢田ちゃんがしっかり面倒見てるからか、かなりおとなしかったモジャ毛のチビちゃん?」

 

「うん。」

 

「覚えてる覚えてる!あの子がどうかしたの?」

 

「実は、昨日の夕方から遊びに行って帰ってきてなくてね。どっかで見てないか知り合いに聞いて回ってんの。」

 

「ええ!?大変じゃん大変じゃん!!マングスタから聞いたけど、あの子ってボヴィーノファミリーって言うとこの子なんでしょ!?もし攫われたりしてたらヤバいよ!?」

 

「だから足取りを追ってるんだよ。その過程で不審者を見つけ出せないかなってね。」

 

「あ、なるほど……。」

 

 慌てるロンシャンを落ち着かせながら現状を伝えれば、彼は少しだけ考え込むような様子を見せた。

 

「昨日の夕方……ああ、4時半からコンパボウリングに参加していたよ!!

 いやぁ、なかなか可愛い子いっぱいいたんだけどさ!全然オレ振り向いてもらえないの!

 牛柄のおチビちゃんは行きしなでもボウリング場でも見かけてないよ。」

 

「……コンパ?」

 

「合コンだよ合コン!沢田ちゃんも今度きてみる!?」

 

「中学生が合コンするなよマセてるな……。ていうか、私は行かないよ。ディーノさんいるし。」

 

「あちゃー……!それは残念!一緒に遊べるかと思ったんだけどなぁ〜……。」

 

「合コンとか関係なしに、ファミリー交流会みたいな感じでなら考えてあげるよ。」

 

「マジで!?いいじゃんいいじゃん交流会!!オレ大賛成!!」

 

「はいはい。ところで、内藤の他に参加していた人は?うちの生徒を見かけたりした?」

 

「相変わらず沢田ちゃん、塩対応……。まぁいっか。他に参加したのはマングスタ達と相手方!

 他にも、並盛中学校の制服を着てる生徒ならちらほらと見かけたよ!確か、ネクタイの色が違ったから、同学年ではないね。

 あ、でも同じ2年のネクタイをしてる生徒も数人見かけたから話を聞いてみてよ!」

 

「なるほどね。教えてくれてありがとう。」

 

「どういたしまして!ところで沢田ちゃん!いつやる!?交流会ボウリング!!」

 

「みんなにも予定を聞いて回るからいつになるかはわからないかな。」

 

「そっかぁ……。オレはいつでも大歓迎だから、待ってるよーん!」

 

「はいはい。」

 

 ロンシャンのハイテンションを軽く受け流しながらも、手元にあるメモ帳へと視線を落とす。

 ロンシャンにも形式上話を聞いてみたけど、やっぱり何もなしか。Dさんが言っていた情報もゼロ。

 ふむ……やっぱり武とハルが一番情報を知ってる感じかな。

 

「なっちゃん、おはよー!」

 

 そんなことを考えていると、背後から京ちゃんに抱きつかれる。すぐに視線を京ちゃんの方へと向けてみれば、彼女はにこにこと笑顔を見せていた。

 

「おはよう、京ちゃん。今日も元気いっぱいだね。」

 

「えへへ、うん!なっちゃんを見たら元気になるから、いつも元気いっぱいだよ!

 だから休日とかはちょっと寂しいかな。なっちゃんに一日中会えない時もあるもん!」

 

「基本的に休日は家にいるから、遊びにきてもいいよ。私と京ちゃんの仲だし、口実なんていらないからさ。」

 

「!うん!じゃあ、今度お邪魔するね。」

 

「ん。」

 

 抱きついてくる京ちゃんに笑いかけながら、片手で彼女の頭を撫でてあげると、京ちゃんは嬉しそうに笑い、私を抱きしめる力を加えてくる。

 しかし、すぐに私の手元にあるメモ帳を見ては、キョトンとした表情を見せた。

 

「あれ?なっちゃん、どうしたの?そのメモ帳。みんなの名前と、何かの時間が書かれてるみたいだけど……。」

 

「ん?ああ……これ?実はね……」

 

 京ちゃんの質問を聞き、すぐに私はメモ帳に書いてあることに関しての表向きの説明……ランボが昨日の夕方から帰ってこないと言う事情を説明した。

 私の話を聞いた京ちゃんは、かなり驚いたような表情を見せたあと、表情を曇らせる。

 

「それは……すごく心配だね。どうしたんだろう、ランボ君……」

 

「それがわからなくてね。とりあえず、昨日の夕方にランボを見かけてたり、ランボを狙っているような不審者を見たりしてないか知り合いに聞いて回ってるんだ。

 京ちゃんは何か見たりしてないかな?どんな話でもいいんだけど……」

 

 不安そうな京ちゃんに現状を説明してみれば、彼女は少しだけ考え込むような様子を見せたあと、首を左右に振った。

 

「ごめんね、なっちゃん。私、昨日は4時過ぎからはずっと家にいたんだ。花が家に遊びにきてたの。

 帰宅する間は家の外にいたけど、その道のりでも見かけなかったよ。」

 

「……そっか。教えてくれてありがとう、京ちゃん。」

 

「役に立てなくてごめんね……」

 

「大丈夫だよ。」

 

 どことなくシュンとしてしまった京ちゃんの優しく頭を撫でる。

 実際は、ランボの安全走ってるから、かなり良心が痛むな……。本当のこと話したほうがよかったかもしれない……。

 

「ナツ。京子。おはよー。」

 

「ん?ああ、おはよう、花。」

 

「おはよー、花。」

 

 選択まずったな……と反省していると、京ちゃんのあとに登校してきた花が声をかけてきた。

 少しの気まずさを紛らわすようにして、花の挨拶に反応を返せば、彼女は小さく笑みを浮かべた。

 そんな彼女の手元には、何やら紙袋が抱えられている。

 

「……花?何その紙袋。」

 

「え?ああ、これ?実はさ。北海道からイトコが1人で出てきたんだよね……。

 ほら、私って子供が苦手でしょ?私のイトコ、まだチビで……。でも、チビでも親戚だからくるなとかは言えないし、親は乗り気だしで、お姉さんなんだから、何かお菓子を用意したらって母さんから言われたりもしたから、昨日京子の家に遊びに行く前に急いで用意したんだよね……。

 でも、チビって何食べるかわかんないし、アメ玉ばっか買っちゃってさ……。」

 

「なーるほどね………。」

 

 どうりでちょっと顔が青いわけだ……と納得する。まぁ、視界に入れただけでも顔を青くするレベルだったからね。

 24時間一緒にいないといけないとなると、ぶっ倒れてしまわないか心配になるな。

 

「え?花って小さい子が苦手だったの?」

 

「……そう言えば、京子には教えたことなかったわね。実はそうなのよ。

 特に騒がしい子供とかは本当に無理で……。蕁麻疹が出ることがあるのよね……。

 ナツん家に一回遊びに行ったことあるけど、そこのチビは、ナツがしっかり躾けていたし、距離も空いてたから問題なかったをだけど、こっちのイトコはちょっとやりたい放題なところがあってさ……。本気で一回ナツに躾けてほしいレベル……。」

 

「流石に自宅に住んでる子供でもない他人のお子さんには躾できないかな……。」

 

「安心して、頼まないから……。流石に私も、自分のイトコを躾けさせたりしないから。」

 

「……個人差はあるけど、一応、私がランボ達にやってる子守り方法を書き出そうか?」

 

「頼める?母さんにも協力してもらうから……」

 

「わかった。ずっと一緒に暮らすわけじゃない親戚の子供に使える子守り方法をすぐに書き出すよ。」

 

 お疲れ気味の花と言葉を交わしながら、手にしていたメモ帳の白紙部分に、かつて、前世の“わたし”がやっていた子守り方法を書き出していく。

 ランボやイーピンのように、一緒に暮らすわけじゃないから、お手伝いさせる方法は書かないけど、良い子にしてもらえるようにする方法は全部書こう……。

 あ……でも、いくらか端折った方がいいかな……。叔父や叔母がイトコとそのイトコの子供を連れてきた時、実践した方法で子供が劇的に良い子になっていくもんだから、近隣に住んでる親戚からお金は払うから家庭教師にきてくれって頼み込まれたことあるし……。

 なかなかの金額を支払われていたから、バイトとして引き受けていたけど、花はそんなことになったら発狂しそう……。

 

「こんなもんかな……。はい。個人差があるし、通用するかわからないけど、私がやってるランボ達の子守り方法だよ。」

 

「……めちゃくちゃわかりやすいわね。」

 

「書いたところで実践できなかったら意味ないからね。わかりやすく書いてみた。」

 

「助かるわ。ありがとうね、ナツ。」

 

「どういたしまして。」

 

 手渡したメモ紙を制服のポケットに入れる花に、頑張れと内心でエールを送りながら微笑みかける。

 しかし、すぐに意識は花から京ちゃんへと移動することとなった。京ちゃんに肩を優しく叩かれたがために。

 視線を京ちゃんに向けてみると、じっと私を彼女は見つめてきていた。

 花からも話を聞いてみたらどうかと言うかのように。

 

「……そうだ。ねぇ、花。ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」

 

「聞きたいこと?私に答えられるといいけど……どうしたの?」

 

「うん……実はね……。」

 

 私は、京ちゃんにも話した内容と同じものを花に伝える。最初は驚いた様子を見せた花だが、すぐにその表情は真剣なものとなり、最後まで話を聞いてくれた。

 

「……そうだったんだ。ナツがあのチビのこと大切にしてるのはよく知ってるし、確かに心配ね。

 でも、ごめん。アメ玉を買いに行った時も、京子の家に行く時も、ナツんところの牛柄のチビは見てないのよ。」

 

「……そっか。」

 

 花もランボのことは見ていないと口にしたため、私はメモ帳に時間と文字を記していく。

 ……これまたちょっと良心が痛むな。ランボがどこにいるかは把握しているのに、わざと話を聞いて回ってんだから。

 まぁ、それっぽく見せることで、武と隼人からも話を聞き出しやすくなると思ってるから問題はないんだけどさ。

 

「ありがとう、協力してくれて。」

 

「いいわよ、これくらい。早く見つかるといいわね。あの牛柄の服のチビ。」

 

「うん。」

 

 違和感がないように言葉を交わしたのち、聞いたことを全てメモしていく。

 さて、これでほとんどは話し終えた。あとは、隼人と武の2人だけだ。

 

 

 *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀

 

 

 ……時は過ぎ放課後。

 

「隼人。武。ちょっといい?」

 

 風紀委員会の仕事をこなす前に、私は部活に行く前の武と、下校する前の隼人に声をかけた私は、2人を連れて渡り廊下付近に呼び出す。

 

「どうかしたんスか?10代目。」

 

「話ってなんだ、ナツ?」

 

 呼び止めたことによりついてきた隼人と武は、不思議そうな表情をしながら私の方を見る。

 そんな2人を見つめながら、私は手にしていたメモ帳を静かに開き、話を聞くために口を開く。

 

「実は、昨日の夕方からランボが帰ってきてなくてね。誰か見かけていないか聞いて回ってるんだ。」

 

「へ?アホ牛が帰ってこない?」

 

「マジかよ……大丈夫なのか?」

 

「心配だから聞いて回ってるんだよ。昨日のみんなの夕方からの行動の中で、ランボか子供を狙うような不審者を見かけていないかをね。」

 

 私の言葉を聞き、隼人と武が顔を見合わせる。しかし、すぐに私の方に視線を戻しては口を開いた。

 

「昨日の夕方なら4時くらいにオレと獄寺は下校していたぜ?」

 

「オレはついてくんなって言ったんスけどね。こいつがどうしてもって言うもんだから、仕方なく一緒に帰ったんスよ。」

 

「そんで、夕飯はどうしてんのかって聞いたら、コンビニで弁当買って帰るって言ってたもんだから、弁当買うくらいなら家に寿司食いにこいよって誘ったんだよ。」

 

「別にオレはどうでもよかったんスけど、仕方なく邪魔して、どうでもいい野球観ながら寿司食って、7時頃にこいつの家から出て帰宅しました。」

 

「そういや、5時くらいにナツの母さん達がケーキ屋でホールケーキ食ってたぜ。

 あんなところにいるとは思わなくって、最初は驚いたんだけど、目が合ったから手を振って帰ったんだよな。」

 

「道中でアホ牛は見かけませんでしたね。」

 

「…………なるほどね。」

 

 テンポ良く昨日の出来事を話してくれた隼人と武に相槌を打ちながらも、手にしていたメモ帳に文字を記す。

 そして、すぐに口元に笑みを浮かべた私は、隼人の方にペンを向けて口を開いた。

 

「……ダウト。」

 

「「へ?」」

 

 急に私がダウトと言ったため、隼人達が驚いた様子を見せる。

 私は、そんな2人のことなど気にすることなく、再び口を開く。

 

「悪いけど、2人の話は嘘だとハッキリ言わせてもらうよ。2人に話を聞く前に、私はイーピンからも話を聞いていたんでね。」

 

「「!?」」

 

 私の指摘を聞いて、隼人と武が目を丸くする。そんな2人を見つめながら、私は嘘であることの根拠を話す。

 

「2人はケーキ屋さんにいた母さん達を見かけたと言っているけど、下校時間と帰宅時間、ケーキ屋さんにいた母さん達を見たと言う話以外は真っ赤な嘘だろ?

 だってケーキ屋さんには母さんやイーピン、ハル以外にももう1人、ビアンキ姉さんがいたんだから。

 顔の一部が隠れていないとまともにビアンキ姉さんのことを見ることができず、視界に少し映っただけでも泡吹いて失神する隼人が、店内のホールケーキを見たり、母さん達に手を振ることなんてできるはずがない。

 本当のところどうなわけ?嘘?それとも真実?本当の話を聞かせてほしいな。」

 

 いつもの調子で、話の大半が嘘である根拠を伝えれば、隼人と武は目を見開いてその場で固まる。

 しかし、すぐに顔を真合わせて、武は苦笑いを漏らし、隼人は観念したように肩を落とした。

 

「……やっぱナツは騙せねーか。」

 

「うぐ……お見事です、10代目………。」

 

 その後、2人は丁寧に昨日あったことを説明してくれた。

 放課後、隼人と武は2人で帰宅していたところ、駅前でランボと遭遇してしまい、隼人とランボが些細なことで喧嘩を始めていたところ、イーピンと一緒に通りがかったハルが、ランボと喧嘩している隼人を咎めるように怒鳴ったようだ。

 隼人はそんなハルが気に入らなかったのか、今度はランボをそっちのけにして、ハルと大喧嘩を始め、両者一歩も引かなかった。

 しかし、その時たまたま通りがかった母さんとビアンキ姉さんの姿を見て、ハルにぶつかりながらもんどりうち、そのまま失神。

 放っておくわけにもいかないため、とりあえずハルと一緒に荷物を拾い集め、その場は解散。

 隼人を自宅の方へと一旦引き取り、7時に目を覚ますまで看病し、2人も解散したとのことらしい。

 

「なるほどね。往来であるにも関わらず、中学生男子が幼稚園児レベルの子供と喧嘩し、それを止めにきた同年代の女子とさらに大喧嘩。

 だけど、収拾がつかないところにやってきた苦手な人を見て今度はそのままもんどりうって失神ときたか。

 隼人がビアンキ姉さんを見て失神するのは今に始まったことじゃないけど、大人気なく小さな子供や女の子と往来で喧嘩した上でそれって言うのは、なかなかに恥ずかしいことになってるね。

 おまけに、それを隠そうとして口裏を合わせてもらったにも関わらず、あまりにもバレバレな嘘過ぎた上、それを指摘されてしまうと。」

 

 なかなかに滑稽じゃないか、隼人と言う言葉が一瞬出そうになってしまったが、それはなんとか飲み込む。

 流石にどこぞの変態堕天司みたいに傷口を抉りに抉ってさらに馬鹿にして辱める……なんて尊厳破壊にも等しいことはしないであげないとね。

 だけど、Dさんが言っていた通り、確かにちょっと情けなくて笑えることをやらかしていたことはよくわかったよ。

 ただ、これだけは言えるな。

 

「隠そうとしてモロバレの嘘をついて、それがバレる方がさらに情けないと思うけど?恥ずかしくない?こっちの方がさ。」

 

「ごもっともな意見です!!!!」

 

「あはは……確かに言えてんな……」

 

 とどめを指すように思ったことを口にした瞬間、隼人はかなりのショックを受けたような表情をする。

 真顔で言ったからか、その後は力なくその場でorz状態になってしまった。

 わー……漫画でゴーン……ってショックを受けた時の棒線モヤモヤエフェクト見えそー………。

 

「今日のナツ。いろいろとキレッキレじゃねーか。」

 

 そんなことを思っていると、リボーンが私の肩に乗りながらそんなことを言ってきた。

 まぁ、普段に比べたら塩マシマシの塩分過多対応してる自覚はある。いつもなら、相変わらずなぁ……と苦笑いをこぼす程度に受け流しているからね。

 

「……七夕の時の苛立ちがそれなりにあったんでね。少しだけ仕返しをしたかっただけさ。

 あの時、それなりにストレスゲージは一気に上がってたし?」

 

「い゛!?せ、先日のあれは本当に申し訳ありませんでした!!10代目のお手を煩わせた挙句、近隣の人間を危険に晒してしまったことを深く反省いたします!!!!」

 

 この通りです!!!!とその場で地面に頭をぶつける勢いで土下座をかましてきた隼人の姿を見おろす。

 そして、しばらく無言で彼を見つめたあと、ため息を吐いた。

 隼人がビクッと体を軽く震わせる。

 

「……次はない。もし、また考えなしにくだらないことをやるようだったら、容赦なく切り捨てる。」

 

「き、肝に銘じます……!!」

 

 静かな声音で隼人に忠告すれば、彼はハッキリとした声音でそう告げる。

 その様子に、再びため息を吐いた私は、困惑したような表情を見せている武にも視線を向けた。

 

「武もちゃんと状況を考えた行動を取りなよ。何かあってからじゃ遅いんだ。

 少年院に放り込まれたりしたら夢にも響くだろうしね。」

 

「……ああ。もう二度と考えなしに行動は取らないようにする。オヤジにも迷惑かけたくないしな。」

 

「それが利口だろうね。じゃあ、私は風紀委員会の仕事があるから、これで失礼するよ。」

 

 しっかりと反省した様子の2人を確認した私は、風紀委員会の仕事を始めるために、その場で踵を返して歩みを進める。

 向かう先はもちろん、恭弥さんが待っている応接室だ。

 

「……なるほどな。あの時の謝罪だけで反省してはいただろうが、改めてちゃんとしてるか確認するために、みんなから話を聞いていたのか。

 他の連中に聞いて回ったのは、他の奴らは話をしてくれたから、お前らも話せって流れを作るため。

 ランボを探していると言う建前を利用して、話を聞いたあと、少しだけストレスを解消するついでに、二度とあんなことをしないように釘を差しにいってたんだな。」

 

 始業時間にはまだ間に合うな、と携帯電話の時計を見ていると、リボーンが納得したように言葉を紡ぐ。

 そんな彼に一度視線を向けた私は、何度か瞬きを繰り返したのち、小さく頷いた。

 

「ライバル同士、張り合うのはいいけど、他人を巻き込み始めたら話は別だ。特に、あの時は隼人も武も常識に欠け過ぎていた。

 それに、もし、あの時明確な人的被害を出したりしたら、隼人や武の親だけじゃない。

 先祖が残したボンゴレファミリーと言う組織自体にも泥を塗ることになる。

 ちゃんとした補償を出すとしても、命を奪うようなことがあれば?それが一般の人間だったら?

 町内と組織の交流会にきただけだった一般人が、組織の人間に分類する人間に命を奪われるなんて、あったらダメだろ。

 遺族からも怒りを買うし、周りからの信頼もガタ落ちになる。大きな組織のブランドも、ご先祖様のこともヘドロで汚すかのようなことだ。

 そんなこと……していいはずがないだろう。」

 

 今回の行動に至った理由をリボーンに伝えると、彼は一瞬驚いたような様子を見せたあと、頭に被っているボルサリーノのつばを掴み、深く被りながら笑みを浮かべた。

 

「それ以外にも理由はあるんじゃねーか?」

 

「……まぁ、強いてもう一つ理由をあげるとしたら、ちょっとした好奇心が働いた感じかな。」

 

「そうか。……さっきの話、ナツの思いが本物であることがよく伝わる内容だったぞ。9代目が聞いたら、泣いて喜びそうな話だ。」

 

「話さないでよ。ちょっとだけ恥ずかしいからさ。」

 

「考えといてやる。」

 

 短くそう答えたリボーンに少しだけ呆れてしまう。

 この様子からすると、リボーンは私がこんなことを言っていたと伝えるつもりのようだ。

 勘弁してほしいな……。

 

 

 




 沢田 奈月
 実は七夕の交流会での出来事を未だに怒っていたボンゴレ10代目。
 ジョットと交流していることや、Dのボンゴレへの想いを知っているがゆえに、ボンゴレの名を使って何かをやる際は誰よりも責任感にあふれているため、その催し物で取り返しのつかないことを起こすことを、ボンゴレと言う組織にヘドロを塗って汚す行為だと考えており、それたまけはやってらならないと強く思っている。

 獄寺&山本
 実は奈月がめちゃくちゃ怒っていたことを改めて知り、深く反省した若き両腕候補達。
 隠そうとして見え透いた嘘をつき、それを指摘されて情け無い真実を明かす方が恥ずかしくない?と言う言葉はかなりグサッと突き刺さった。

 京子&花
 ランボを心配する奈月を見て、かなり心が痛んでいた女の子達。
 このあとちゃんと奈月からランボが帰宅してきたと連絡をもらい、安堵する。

 リボーン
 奈月がかなり怒っていたことや、ボンゴレを気遣うような言葉を口にする姿を見て、穏やかに笑っていたお目付役なヒットマン。
 もちろん、奈月がボンゴレを大切にしようとしていることは、しっかりと9代目に伝えておいた。

 内藤 ロンシャン
 奈月をボウリングに誘うことはできたが、この約束が果たされることは当分ないことをまだ知らない。


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