最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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賑やかな朝

 ランボがうちに来た翌日。私は小さくあくびをしながら、学校へ向かうための通学路を歩いていた。

 いやはや、参ったね……。まさか、ランボとリボーンが寝床の奪い合いでまた一悶着起こすとは……。

 落ち着く寝床を邪魔されたくないリボーンVS私と一緒に寝るもんね!とひたすら言ってくるランボのやり取りは壮絶だった。

 どうしたらいいかわからなくて、ど天然な母さんに相談することになっちゃったし……。

 まぁ、でも、母さんがそれなら日毎にチェンジしたらいいじゃない、と言ってくれたおかげで、リボーンとランボが日毎に入れ替わって寝ることに落ち着いたけどね。

 だけど、それが決まるまで時間がかかっちゃったから、少々寝不足だ。

 これまでは、しっかりと決めた時間に眠っていたから、ちょっとだけ堪える。

 

「よお、ナツ!珍しいな、ナツがあくびしてんの。」

 

「ん?ああ、武か。実は知り合いの子供をしばらく預かることになったんだけど、その子が夜まで元気でね……。」

 

「なるほどな。だからあくびしてたんだな。」

 

「うん。ちゃんと眠らせる方法とか調べないとなー……」

 

 再びあくびを漏らしながらそんなことを考えていると、後ろからきた武に話しかけられる。

 すぐにあくびをしていた理由を彼に伝えれば、大変だな、と言う言葉と共に、頭を優しく撫でられた。

 自身が頭を撫でることはよくあるけど、撫でられたのはちょっと久しぶり……なんだか照れ臭いような気持ちいいようなと複数の感情を抱きながら、甘んじてそれを受け入れていると、そっと頭から手が離れた。

 少しだけそれを名残惜しく思いながらも、ふと、ある疑問が脳裏を過ぎる。

 野球部って確か、朝練とかやることがある部活のはずだけど、今日の武はみんなと同じ時間帯の登校時間を歩いている。

 それが少しだけ不思議に思い、私は静かに口を開いた。

 

「そう言えば、武。今日は朝練なかったの?」

 

「実は、ちと部員が怪我しちまったみたいで、朝練はなしになったんだ。まぁ、練習するなとは言われてねーから、練習したい奴は自主練してる感じだな。

 オレは、一昨日ナツにたまには休むのもありだって言われたからさ。今日は休むことにしたんだよ。」

 

 どうやら、武以外の部員が怪我をしたため、念のためにと朝練は取り消されていたらしい。

 ただ、自主練はありだから、やろうと思えばやってもいいらしいけど、彼は私のアドバイスを元に、休む選択を選んだようだ。

 その返答に、なるほどと納得する。私の言葉はちゃんと、武に休むタイミングを見極める手立てになってくれたらしい。

 となると……今日の武は、朝にやることがないわけだ。……よし。

 

「じゃあ、折角の機会だし、私が勉強教えようか?わからないところがあったら聞いてよ。宿題の相談とかも大歓迎。」

 

「お、それは助かるな!実は、いくつかわかんねーとこあってさ……。」

 

「んじゃま、さっさと教室に向かいますか。ってことで、よーいどん!」

 

「は!?ちょ、ナツ!!前振りなしでそれはないだろ!?」

 

「とか言いつつ追いついてるじゃん!!」

 

「あはは!!野球部だから負けてらんねーからな!」

 

「こら!!抜かすなー!!」

 

 なんとなく口にした、勉強を教えると言う言葉に反応した武。それを見た私は、少し走るくらいなら問題はないだろうと判断し、前振りなしで競争を開始する言葉を口にして走り出す。

 最初は虚をつかれた様子の武だったけど、すぐに私の隣に追い付いては、そのまま私の前を走り出した。

 お巫山戯混じりでその背中を叱るように声をかければ、笑い声が前から聞こえてくる。

 その声に自然と笑顔を浮かべた私は、足に力を入れて武の後を追うように地面を蹴り飛ばした。

 

「うお!?ナツは速いな!?」

 

「本気じゃない武に追いつけるくらいは走れるからね!でもこれ以上は厳しいです!!!!」

 

「ははは!そっか。じゃあ、こうすっか!」

 

「はい?なんで私の手を掴んで……ってうわわわわ!!?」

 

「ほら、行くぞナツ!」

 

「いきなり引っ張って走るなー!!」

 

 私の手を掴んでそのまま学校側に走っていく武に注意をしながらも、引っ張られるままに学校への道のりを走り抜ける。

 背後から、沢田と山本は仲良いなーとか、楽しそうだなーとか、沢田さんずるいとか、山本ずるいとかいろいろ聞こえてきているけど、目の前を走る彼は気にしていないようだ。

 

「こら、山本─────!!何うちのナツの手を掴んで走ってんのよ─────!!」

 

「山本君ずるい─────!!あたし達もなっちゃんと走りたいのに!!」

 

「なんか聞き覚えある声が聞こえてきたんだけど!?」

 

「あはは!明らかに笹川と黒川の声だったな!」

 

 そんな中、紛れ込むように京ちゃんと花の声が聞こえてきて、思わずツッコミを入れてしまう。

 まさかあの子らまで野次の中に混ざっているとは思いもよらなかった。

 でも、彼女らの声を聞いても、目の前の野球少年はそのまま学校へと走り抜けて行く。

 やれやれ、と苦笑いをこぼした私は、未だに握られている自身の手と、視界の先に映る学校への入口を交互に見たのち、小さく笑う。

 今の武はスピードを落としている。これなら……

 

「はい、お先にゴール!!」

 

「あ!?ずるいぜナツ!!」

 

「正々堂々とした勝負じゃないんだから、ズルだってするって。」

 

「くっそー……次は負けねーぜ。」

 

「いや、次あるんかい。」

 

 隙を見て武の手から、私の手を引き抜き、そのまま追い抜いてゴールすれば、武から抗議する言葉が告げられる。

 すぐに正々堂々とした勝負じゃなければズルもすると返せば、次は負けないと返された。

 流石に2回目はないと思っていたからまさかの返答だ。まぁ、楽しかったからいいんだけどさ。

 

「そんじゃま、教室に向かいますか。ちなみに、どこら辺がわからなかったの?」

 

「あー……それが……だな……」

 

「……もしかして、何がわからないかすらわからないとか言わないよね?」

 

「…………」

 

「無言にならないで!?」

 

「あはは……わりーわりー……授業中、眠くなることがあってな……」

 

「授業中の居眠り、ダメ絶対……。」

 

 そんなことを思いながらの質問。それにより明かされた武の授業態度に呆れながらも、どこから教えていくべきかと溜息を吐いてしまった。

 小学生の時に習うところは理解できていると思うけど、中学に上がってから習うところは、少しだけ怪しいかな、これ。

 

「しょうがない。とりあえず、まずは宿題を終わらせますか。で、時間が残ったら、私の勉強ノートを見せてあげるから、それを見て復習しよ。

 もちろん、わからないところは徹底的に解説するから、居眠りはしないでよ?」

 

「ああ、わかった。頼むぜ、ナツ先生!」

 

「私は先生じゃありません。」

 

 少しだけ軽口を叩きながらも、武と一緒に教室へと向かおうとする。

 ……が、背後から感じ取れた軽い衝撃と、腹部に回された温もりにより、その足は止めることになった。

 

「ん?」

 

「おっふ……」

 

「……………。」

 

 背後を振り向いてみれば、頬をぷくりと軽く膨らませて、私のことを上目遣いで見つめてくる京ちゃんの姿があった。

 それが何を意味しているのか理解した私は、思わず引きつった笑みを浮かべてしまう。

 

「京ちゃん……離れてもらえると助かるんだけど?」

 

「いや。離れたらなっちゃん、また山本君と一緒に移動するでしょ?」

 

「うん、まぁ、必然的にそうなるな……」

 

「ナツ。流石にさっきのは私も見過ごせないんだけど?」

 

「花まで来ちゃった……」

 

「あはは!やっぱナツ達は仲がいいのな。」

 

 湿気を帯びた眼差しで睨みつけてくる花と、拗ねたように私から離れない京ちゃんと、それを見ても笑ってる武。

 三者三様の反応に、少しだけ意識を遠くしながらも、せめて歩けるようにくっついてくれと京ちゃんに伝える。

 すると、京ちゃんは当たり前のように私の腕に自身の腕を絡ませるように抱きついては、武と私の間に入り込むようなポジションを陣取った。

 

「あー……武。このまま教室に行くけど、大丈夫?」

 

「ん?オレは問題ないぜ。」

 

「んじゃま、このまま教室に向かいますかね。」

 

 休日に言っていた言葉をこんなところで実行するとは思わなかったなと内心で思いながらも、教室に向かうための階段を上がって行く。

 この時の私は思いもよらなかった。登校時以上にとんでもないレベルのいざこざや、武のこれからに影響を及ぼす出来事が、昼休憩中に起こるなんて。

 

 

 




 沢田 奈月
 朝っぱらから野球部のエースと競争し、隙を見て勝利を収めた転生者な10代目。
 このあと、合流した京子達と一緒に勉強会を開き、HRまでの時間を潰した。

 笹川 京子
 山本君、なっちゃんに近づき過ぎないで!!と乱入してきた原作ヒロイン。(無意識)
 奈月が山本に勉強を教えている間も、彼女の横に陣取って離れることなく、奈月の特別授業を受けていた。

 黒川 花
 奈月の手を掴んで横を走り抜けた山本に怒鳴っていたサンコイチ女子のうちの1人。
 朝の勉強会は自身のためにもなると言うことからしっかり参加して学んでいた。

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