最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
もう、リボーンの感情の方向性がこれに安定してしまった気がする。
ガチ目の攻めキャラが似合い過ぎるんだよこのヒットマン……。
軽くアドバイスしたことにより、チョコバナナの売り上げは上々。
この流れなら問題なく花火までバナナを売り切ることができると判断したわたしは、一旦呼び込みを抑え、こっちにきているお客さんをただひたすら相手していく。
「……10代目のアドバイスが最適過ぎた。」
「……だな。まさかここまで飛ぶように売れていくとは思わなかったぜ。」
「何ごとも工夫次第と言う話だよ。見栄えを良くして、愛想を良くして、あとは興味を惹きつけるように商品の良さをアピールする。
まぁ、社会で言うところのプレゼンテーションだね。ああ言うのもどれだけ興味を惹き、良さを伝えることができるかによって結果が変わるから。」
「「なるほど……」」
わたしとしての経験に基づき、プレゼンテーションの重要性をいくつかピックアップして教える。
まぁ、食品を売り込む仕事はしたことないんだけど、企画やらなんやらを任されやすかった身としては、どれだけ上手くプレゼンテーションを成功させて、企画を通すかを考えたことがあったから、それを食品用に応用しただけなんだけど。
「少し離れただけで随分と売り終わってんな。」
「おかえり、リボーン。まぁね。ちょっとだけプレゼン能力を応用して、工夫をこなせばこの通りだよ。
まぁ、さっきまでお客さんを招き過ぎたから、今は控えめにしてるけどね。
あのまま維持し続けたら、間違いなく隼人達が腱鞘炎になってただろうし……」
「どんだけ呼び込んでたんだお前は……」
リボーンから呆れたような眼差しを向けられる。そのことに“かなり”、と一言短く答えて、口元に笑みを浮かべれば、リボーンは小さくため息を吐いた。
「獄寺達を手伝うのは構わねーが、変な勘違い野郎が出てくる可能性があるかも知れねーし程々にしとけよ。」
「はーい。」
リボーンの言葉に間伸びした返事を返せば、やれやれと首を左右に振られる。
完全に呆れていらっしゃる……と思わず苦笑いをしてしまった。しかし、不意に当たりが少しだけ騒がしくなったため、意識はそっちの方へと向けられる。
「あれは!」
「関わらない方がいいわ。」
ヒソヒソ、ザワザワと辺りにこだまする大人達の会話に、少しだけ首を傾げていると、隣にあった屋台のおじさんがこっちに気づく。
「お嬢ちゃん達もショバ代用意しとけよ。」
「あ、ハイ。」
「ん?10代目、もしかして知ってましたか?」
「うん。ここら辺を取り締まってる人にお金を支払うって話でしょ?」
「そっス!」
「なんか伝統らしいんだよなぁ……支払い。」
「なので、ここはちゃんと筋を通して払うつもりっス!」
「……むしろ、払わないと後が怖いと思うよ。」
「「???」」
わたしの言葉に、コテンと仲良く首を傾げる隼人と武。その姿に一度視線を彼らに向けたが、すぐに感じ慣れた気配がする方へと視線を向ける。
その瞬間見えてきたのは、歩くたびに左右に割れていく祭りへの参加者達の前を堂々と通過する盛中学校風紀委員長、雲雀恭弥の姿だった。
「……何してるの奈月?」
「友人の仕事の手伝いを少々。七夕にちょっとやらかしまして。」
「その2人が?ああ……町内会の人間が言ってたよ。今年は急遽学生が出してる屋台があるって。
獄寺隼人と山本武……屋台を出してる学生って彼らだったんだ?」
「ええ。」
「ミスを起こしたのはそこの2人だけなんだろ?奈月が手伝う必要なんてないんじゃない?」
「いやぁ……最初はそのつもりだったんですけどね……。あまりにも屋台としてどうかと思う有様だったので、急遽フォローしに入った感じです。」
「ふぅん……。僕は奈月に仕事をしろなんて言った覚えないんだけど。」
「ええ。私も指示された覚えはありません。なので、これは私が勝手に選んだだけですよ。」
「……せっかく休みをあげたのに。まぁ、いいや。ショバ代。5万払ってもらえる?」
「いや、割と取るんですね?まぁ、いいけど。」
スッと差し出された片手に、すかさずわたしは5万円を支払う。いやぁ……風紀委員会ってどうやって活動費回収してるのかと思ったけど、こう言うことだったんだ。
道理でいろいろ無茶しても活動できるわけだ。
「確かに。」
「ちなみに、支払ってなかったらどうなってたんです?」
「あれ。」
「ん?」
そんなことを思いながら、素朴な疑問を口にしてみると、恭弥さんがピッと人差し指で側にある屋台の方を指差す。
「待ってください!!やっぱり払います!!払いますから─────っ!!」
「……Oh………。」
すぐに視線を動かしてみれば、そこには風紀委員会の役員により、物理的に屋台を潰されている屋台があった。
どうやら、支払いを怠ったらあれと同じ末路を辿るらしい……。
「ハッ!ヒバリてめー!!なんでお前がここにいんだよ!?」
支払って正解だな……なんて考えていると、意識がどっかに吹っ飛んでいた隼人が恭弥さんにつっかかる。
ショバ代の支払い先が、風紀委員会だとは思わなかったようだ。まぁ、当然と言えば当然なんだけど。
「見ての通りだけど?ここら辺一帯は、並盛中学校風紀委員会で取り締まってるんだよ。だからその活動費として、こう言う時にお金を回収してるだけさ。
ていうか、せっかく奈月に休みをあげていたのに、君らが邪魔してどうすんの?こう言う時くらい休ませないと、この子がぶっ倒れかねないんだけど?」
「ゔ……っ」
「いやぁ……その……」
そんな中、恭弥さんが、隼人と武を睨みつけながら、なぜ私を働かせているんだと問いかける。
2人はそれを聞き、言葉に詰まらせた。こっちが気遣ってるのに何やってるんだと言わんばかりの圧と正論に、言い返すことができないらしい。
「恭弥さん。隼人と武を睨みつけるのはやめてください。私は大丈夫ですよ。
最近はしっかりと休ませていただいですし、今回はわたしが自分から手伝いに入ったんです。
それに、手伝いと言っても呼び込みだけで、作業は全部隼人達ですから、そこまで疲れてないですしね。」
「それは君をの顔色を見ればわかるよ。でも、僕としては納得いかない。
元はと言えば彼らのミスだろ?だったら全部任せておけばいい。」
「それは確かに一理あります。でも、2人だけに任せていたら、いつまで経っても売れなさそうだったので、かなり気になっていたんですよ。」
「……お人好し。」
「お人好しで結構です。それが私なので。」
口元に笑みを浮かべながら、自身の意見を述べていけば、恭弥さんは無言でわたしを見つめてくる。
しかし、わたしが引く様子がないとわかったのか、小さくため息を吐いたのち、隼人と武に視線を向けた。
「2本もらえる?」
「へ?」
「な、なんだよ急に。」
「別にいいだろ。早くしてもらえない?」
サラッと口にされた2本くれと言う言葉に、呆気に取られる隼人と武。
しかし、恭弥さんの早くしろと言う言葉に、少しだけ戸惑いながらも、チョコバナナを完成させては、差し出されていた片手の中に収まっていた800円を受け取った。
「奈月。」
「はい?むぐっ」
お金と同時に手渡された2本のチョコバナナを受け取った恭弥さんに名前を呼ばれ、反射的に反応すると、チョコバナナを1本口に突っ込まれる。
驚いて辺な声を出しながら、困惑して恭弥さんに視線を向けると、視線でさっさと受け取れと促される。
「売り上げ狙いの引ったくりが騒がしいから何かあったら連絡して。」
おずおずと両手でチョコバナナの持ち手部分を掴めば、恭弥さんはわたしの口に突っ込んだ方のチョコバナナの持ち手を静かに離し、引ったくりを見つけたら連絡しろと告げ、もう片方のチョコバナナを口にする。
「……甘………。」
少しだけチョコバナナの甘さに表情を歪めながらも口にする恭弥さん。
この人がチョコバナナを食べる構図って、なかなかにシュールなんだけど、どう言う状況だこれ。
「僕があげた浴衣、よく似合ってるよ。じゃあね、奈月。またあとで迎えにくるよ。」
もぐもぐとチョコバナナを頬張りながら、かなりレアな姿を見せてる恭弥さんを眺めていると、彼は穏やかな笑みを少しだけ表情に浮かべ、わたしの髪を優しく耳にかける流れのまま、少しだけ頬を撫でて去っていく。
数秒の間に行われた行動に、一瞬だけフリーズしたが、すぐに公の場で何をされたかわかってしまい、軽く頬を赤らめてしまう。
「あんにゃろう!!10代目に何軽々しく触ってやがんだ!!」
「てか、今、奈月をあとで迎えにくるとか言ってなかったか!?」
一部始終を見ていた隼人と武が、勢いよく恭弥さんが立ち去っていった方角へと視線を向け、困惑と憤りによる声を漏らす。
その間もわたしは、手元にあるチョコバナナを頬張っているが、夏の暑さとはまた違う熱に俯いてしまう。
「浮気すんじゃねーよ桜奈。」
「ん゛!?ゲホゲホッ!!」
「おわ!?ちょ、ナツ大丈夫か!?」
「少々お待ちください!すぐに何か飲みもん買ってくるんで!!」
しかし、不意打ちでリボーンに本来の名前の方を呼ばれ、嫉妬を訴える言葉とともに息を耳に吹きかけられてしまい、思わずむせる。
急にむせたわたしを見て、武と隼人が慌て始めたが、今はそれどころじゃない。
「ケホッ……!リボーン!わざと耳に息吹きかけてきたでしょ……!?」
「何のことだかな。」
「こんの……っ」
シレッと嘘をつくリボーンに明確な怒りを見せる。だが、急いで飲み物を買いに行った隼人が戻ってきたため、それ以上言葉は紡げなかった。
「10代目!お茶買ってきました!」
「ケホッ……ありがとう、隼人。飲み物代は返す……」
「気にしないでください!これくらいどうってことないんで!」
そう言って手渡されたペットボトルのお茶を受け取り、キャップを開けてお茶を軽く流し込めば、程なくして体が落ち着く。
もう……!!なんなの今年の夏祭りは……!!
*:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀
……恭弥さんとリボーンからの想いに板挟みになりながらの夏祭り屋台。
隼人達の客捌きがかなり手慣れてきた頃のこと。
「「「「奈月さん!」」」」
「ん?あれ、風紀委員会の役員メンバーじゃん。どしたの?」
10代目は休んでてください!と言って、屋台の裏側にある椅子に座らせてきた隼人の言葉に甘えて、座り込んでいた時、それなりに学校で聞いている声が複数聞こえてくる。
いわゆる、わたしがたまに率いることがある風紀委員会役員メンバーだ。
なんで呼ばれたんだ……と思いながら顔を上げると、彼らは手元に幾つかのビニール袋を持っていた。
サイズはかなり小さい。中には長方形のトレーと思わしきものも入っている。
「委員長から聞きました!休暇中でありながらも、ご友人達のお手伝いをしているのだと!」
「我々としては、委員長と同じく仕事を良くされている奈月さんには休んでいただきたいのですが、奈月さんが自ら行なっていると言う話も聞いたので……」
「お疲れ様です!これは我々風紀委員会からの差し入れです!」
ガサッと言う音を立てながら、こちらへと差し出されるビニール袋。
とりあえずそれを受け取ってみれば、中には焼きそばやたこ焼き、ホットウィンナーや焼き鳥、他にも、焼きとうもろこしやベビーカステラなどが入っていた。
「こんなにたくさん……ありがとう。でも、そこまで気を遣わなくても……」
「いいえ!そうもいきません!」
「奈月さんは委員長と同じく我々よりも遥かに多い量の仕事をこなされています!」
「これくらいは当然です。もし量が多いようでしたら、ご友人にも分けてあげてください。」
「では、我々はこれで!」
「「「「失礼します!」」」」
「お、おう……ありがとうね。」
ビシッと綺麗に頭を下げて立ち去っていく風紀委員会役員達の姿に困惑しながらも、静かに見送る。
……わたし、側から見たらヤのつく自由業なお嬢だったんだけど?
「……ったく、賑やかな連中だぜ。10代目に対する態度は高く評価できるがな。」
「にしても大量にもらってんな。これ、出店に出てる食べ物のほとんどなんじゃねーか?」
「多分ね……。こんなに食べれないし、2人も好きなの取って食べてよ。ここに置いとくから。」
「お、サンキュー!」
「じゃあ、お言葉に甘えていくつかもらうっス!」
「リボーンも食べていいからね。私じゃ食べきれないから。」
「じゃあ、いくつかもらうぞ。」
役員達も言ってたし……と思いながら、もらった差し入れをリボーン達にも勧めると、リボーンはさっさといくつかの袋を……隼人と武は客全体の動きを見たあと、食べたいものをせっせと取っていく。
「一旦2人も休憩したら?お客さんがきたら対応すればいいと思うし、流石に時間帯的にお腹も空くだろう?」
「それもそうだな。今は大分落ち着いてるし、ちょっとメシにすっか。」
「だな。にしても、屋台って奴は結構腹が空くんスね。」
「まぁ、見ての通りいい匂いが充満してるんだからお腹も空くよ。特に、この時間帯は運動する武からすると、相当堪えるんじゃないかな?」
「実を言うとそうだったんだよなぁ……。大体この時間帯ってさ、部活終わって、めちゃくちゃ腹空かせてる時間なんだ。だからさっきから結構腹が鳴ってたんだよな。」
「体内時計が出来上がってるってことだね。ちょうど夕飯を食べてもおかしくない時間だし、しっかり食べたら?」
「サンキュー。」
わたしの言葉を聞き、客足が少ないのを確認した武が、屋台の中にある椅子に座って食べていいよと伝えた食べ物のうち、焼きそばを手にとって食べ始める。
隼人は焼きとうもろこしを食べてるな。リボーンはイカ焼きか。……赤ん坊の姿をしてる人間がイカ焼きって……これもなかなか絵面がシュールだね……?
チョコバナナを頬張る恭弥さんの図と同じくらいシュールなんけど。
「……ってリボーン。口の周りにタレがめっちゃついてるよ。」
「んぐ……このイカ焼き、タレがかなりついててな……」
「だろうね。」
「あと割と辛さがあったから、酒が欲しくなるぞ。」
「やめなさい。」
今の見た目に合ってない発言をするリボーンを軽く咎めながらも、巾着の中に入れていたウェットティッシュを取り出して、食べきったらしいリボーンの口周りに付いているイカ焼きのタレを丁寧に拭き取る。
「ナツ。ティッシュくれ。手がベタベタになっちまった。」
「だろうね。はい。」
「サンキュー。」
ウェットティッシュを取りやすくしてリボーンの前に差し出せば、リボーンはすぐにそれを手に取り、手をしっかりと拭き始める。
……イカ焼きってどこの祭りでも手が大惨事になるんだな。桜奈だった時、父さんと母さんが食べていたけど、あの2人も手をめちゃくちゃにしてたっけ。
「隼人と武も、口周りとか手が汚れたら使っていいよ。」
「ありがとうございます、10代目!」
「サンキュー、ナツ。助かるぜ!」
そんなことを思いながら、隼人と武にもウェットティッシュを手渡せば、2人はすぐにそれを受け止って、各自汚れたところを拭き始める。
他は大丈夫かな?と確認しながら、差し入れの中に混ざっていた焼き団子を取り出し、もちもちて頬張れば、あまじょっぱいタレが口に広がり、自然と口元に笑みが浮かんだ。
「ナツは基本的に祭り菓子系統ばっか食ってんな。」
「たこ焼きとかホットウィンナーは食べるよ?まぁ、基本的に甘いものばっか食べてる感は否めないけど。」
「そうか。ベビーカステラわけてもらえるか?」
「ん。」
「サンキュー。」
差し入れとして用意された、お祭りメニューの数々。それを4人でわけあいながら、食べすすめていくと、あれ?と言う声が聞こえてくる。
「ん?って正一君じゃん。君もきてたんだね。」
「こんばんは、ナツさん。うん、実は姉さんの付き添いでここにきてたんだ。その……パシリ役として……。」
「おっふ……」
「まぁ、もう慣れてるから構わないんだけど、たまには勘弁してほしいよ……。」
「そりゃあね……。パシられるとなると相当疲れるもんでしょ。」
「あはは……。あ、このことは内緒にしてね?姉さんに知られたら、どんな仕返しをされるか……。」
「わかってるよ。」
わたし達に声をかけてきたのは正一君だった。家族の付き添いとして足を運んでいたようで、苦笑いをこぼしながら、状況を説明してくれた。
「えっと……ナツさん達は出店を出してるのかな?」
「うん。ちょっといろいろあってね。今年だけ特例で出させてもらったんだよ。
まぁ、主に切り盛りしてるのはそこの2人で、わたしはフォローとちょっとした売り子役として参加してるんだけど。」
「そうだったんだね。すごいなぁ……。」
まさかの遭遇に少しだけ驚きながらも、そう言えば正一君も近所住みではあったな……なんて、どこか納得する理由を思い浮かべては、こっちの状況を説明する。
「誰だてめー。何10代目に馴れ馴れしくしてんだ?」
「うわ!?不良!?」
「あ゛!?んだとてめー!!」
「ちょっと隼人。メンチ切るのやめなよ。彼は私の友達なんだから。」
「ゔ……すみません、10代目……」
「え、すご。サラッと落ち着かせちゃった……」
そんな中やってきた隼人。見たことない男子生徒とわたしが言葉を交わすから、少しだけ威嚇をしてしまった。
番犬かな?と一瞬だけ失礼なことを考えながらも、とりあえず友人だからメンチを切るなと静止すれば、すぐに彼は大人しくなる。
……どっからどう見ても忠犬と飼い主の図……なんだこれ。
「おっす、入江!お前もきてたんだな!」
「あ、こんばんは、山本君。うん。姉さんの付き添いできてたんだ。あ、チョコバナナ2本もらえる?」
「いいぜ!すぐに仕上げるな!」
大人しくなった隼人を見ながら、くだらないことを考えていると、武が正一君に気づいて声をかける。
正一君は武の姿を見て、挨拶を返しながら、チョコバナナを2本頼んだ。
「……んで、結局誰なんスかこいつ?10代目の友人なのはわかりましたけど。」
「入江正一君。並盛中学校じゃない、別の学校に通ってる男の子でね。ちょっとしたトラブルをランボが起こした時に知り合ったんだよ。」
「またあのアホ牛がやらかしたんスか……。まぁ、いつものことっスけど。」
武がチョコバナナを仕上げる中、隼人が正一君を睨みつけながら言葉を紡ぐ。
そう言えば、武は動物園にいた時に正一君と出会って顔を合わせていたけど、隼人は顔を合わせてなかったんだっけ。
「驚かせてごめんね、正一君。こっちの彼は、並盛中学校の私の友人の1人で、獄寺隼人って言うんだ。
家柄……と言うかまぁ……私も去年知ったばかりなんだけど、私の先祖がちょっと特殊な立場の人だったみたいでね。
その人が残した組織の後継が、なんか私になっちゃったみたいで……それから隼人とも出会ってさ。
彼は、私の御先祖様が残した物を知ってる人のうちの1人で、私がそこの10代目後継だから、10代目って呼んでくるんだ。」
「えっと……ナツさんって、そっち系の家系の人だったの?」
「……このことは秘密にしてね?仲のいい人にしか話さないことにしてるから。」
「へ!?な、仲が……わ、わかった!絶対に秘密にするよ!」
……正一君、ちょっとちょろい………。濁しながらも自身の立場を明かしたけど、お願いポーズと上目遣いだけで、すぐに黙ってくれるって約束してくれたよ。
女子慣れしてないから通用するかなぁ……?ってちょっと思ったからやってみたけど、効果覿面過ぎたな……。
「チョコバナナ2本、できたぜ。」
「あ、ありがとう、山本君。はい。800円ね。」
「ありがとうな!」
そんなことを思っていると、武が完成したチョコバナナを正一君に差し出す。
正一君はすぐにそれを受け取り、チョコバナナの代金を武に手渡した。
「じゃあ、僕は姉さんのところに戻るね。お仕事頑張って!」
「おう!」
「言われなくてもやるっつの……」
「はーやーと?悪態つかない。」
「うぐ……っ……すみません……」
正一君が立ち去っていくのを見送りながら、隼人を軽く注意すると、すぐに彼は謝罪を口にする。
わかったならよし……なんて思いつつ、視線を祭り会場へと向けてみると、正一君がお姉さんと思わしき女性と合流しているのが見えた。
……あ、正一君が女性に小突かれた。表情は面白いものを見たと言わんばかりの笑みを浮かべており、彼が女性に揶揄われていることがわかった。
女っ気のない弟が、同年代の女子と仲睦まじく話してる姿を見たから……かな?
「ったく、どれだけお前はいろんな男を引っ掛けりゃ気が済むんだ。」
「いきなり何?」
「あんまり恋敵を増やしてくれるなよ。負けるつもりはねーが、嫉妬しやすくなってるこっちの身にもなってくれ。」
「ええ……?」
「まぁ、別にいいけどな。最後はオレが勝ち取るだけの話だ。恋敵が増え過ぎるのも考えものではあるが、それはそれとして、障害がある方が退屈もしねーからな。」
「意味わかんないんだけど……」
「こっちの話だ。いろんな奴を出し抜いて、最後は勝ち取る恋ってのも悪くねーなってだけのな。」
ちょっと離れるぞ。と言って、人混みの中に去っていくリボーンを見送りながら、わたしは首を傾げる。
なんか……相変わらずリボーンからの想いがノンストップだなぁ……。小さい姿でも、サラッとそんなこと言ってくるから、ちょっとだけ恥ずかしくなってくる。
意識させやすくする……と言う宣言を、まさに実行しているようだ。
「………恥ずかしい人。」
ちょっとだけ、頬が熱くなるのを感じ取りながら、ポツリと呟いた言葉は喧騒に溶ける。
あまり強過ぎる情熱は向けないでほしいな……。本当に、変に意識してしまいそうになる。
まぁ、それが彼の狙いであり、わたしのことを必ず射止めると言う言葉を実現するための行動なのだろうけど。
少しだけ拗ねた気持ちを抱きながら、わたしは隼人からもらったペットボトルのお茶を口にする。
この熱を冷ますには、一口だけじゃ足りないみたいだ。
沢田 奈月(桜奈)
獄寺達のフォローと売り子としての手伝いをしていたら、風紀委員会やヒバリからめちゃくちゃ屋台メニューを渡されているボンゴレ10代目。
迎えにくるからと言う言葉に、照れていたら、自身の方に意識を向けんとして行動を取るリボーンからも迫られて2人の異性の感情の板挟みに遭ってしまった。
リボーン
雲雀に対抗するように、自身の方へと意識を向けやすくするため、度々自身の感情を彼女に吐露している。
我ながら嫉妬深くなっている自身に少しだけ呆れてしまっているが、本気の恋も悪くないと楽しんでいる節もあるようだ。
雲雀 恭弥
休暇を与えたはずの奈月がちゃっかり獄寺達の屋台を手伝っていたので、本気で何やってんの?と呆れていた風紀委員長。
しかし、その後の会話から、奈月は自らの意思で手伝っており、別に2人から手伝わされていないと把握して、やれやれと思いながらも、仕事を黙認する。
チョコバナナを2本買い、片方を奈月へ与え、片方は自分を自分が食べた理由は、少しくらい奈月と同じものを食べたいと思ったからである。
あとで迎えにくると彼女に伝えた理由は、一緒に花火を見たいからなのだが、そのことはあえて黙って立ち去った。
山本&獄寺
ショバ代をまさか風紀委員へと支払うことになるとは思わなくて、驚いた次期ボンゴレの双腕。
雲雀の奈月を迎えにくるから発言に対して、かなりイラッとしたのは言うまでもない。
入江 正一
姉の付き添いとして祭りにきてみたら、奈月と出会してかなりびっくりした少年。
奈月のちょっとした秘密を聞き、驚いていたものの、彼女からお願いだから秘密にして?と言う言葉に素直に頷いた。
将来、自分もその組織に関わることになるとは思わずに……。
物語に関係ない好奇心からのネタ質問です。主人公に好意的な感情を向ける男キャラは、これから先も増えるのですが、主人公のファーストキスは誰が一番奪いそうだと思いますか?
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リボーン
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大人リボーン
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獄寺隼人(事故チュー)
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山本武(事故チュー)
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雲雀恭弥
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六道骸
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ディーノ(事故チュー)
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ディーノ(意図してキス)
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XANXUS
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ベルフェゴール
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白蘭
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古里炎真(事故チュー)
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させないよ?(女性陣の壁)