最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
真夏の暑さもかなりのものとなり、朝でもかなりしんどくなってきたお盆の時期。
あっつ……と思いながら、台所へと降り、自身のお小遣いで買い溜めているバニラアイスを冷凍庫から取り出していると、背後にリボーンの気配が現れる。
「何か用?リボーン。」
「……桜奈。お前いい加減オレの気配を即行で感知して話しかけてくるのやめろ。
何かだんだん自信がなくなってきたぞ、いろいろと。」
「ごめん。全部条件反射。……奈月になる前にこの能力あったら、もうちょっと危機的状況を回避することができたのかな。」
「そうだな……できたかもしれねーが、その能力は超直感も合わさってこそ発揮できる索敵能力っぽいからな。
どっちみち会得するには奈月として生まれ落ちねーとダメだったと思うぞ。」
「……だよね。まぁ、こればかりは仕方ないかな。もうちょっと早く欲しかったけど。
そうすれば、厄介なトラウマを得ることもなかったと思うから。」
「かもな。まぁ、とりあえずそっちの話は置いておくとしてだ。」
バニラアイスの袋を破り、それを口に含んでいると、リボーンがテーブルの上に乗ってくる。
視線だけをそっちに向けると、彼はよくいる夏休みを満喫中のわんぱく少年のような姿をしていた。
「……本来のリボーンを知ってるとなかなかシュールだね、そのコスプレ。」
「うるさいぞ。」
揶揄うように笑えば、リボーンが拗ねたような表情を見せる。
その姿に小さく笑ったわたしは、開けたバニラアイスを堪能する。
うん。やっぱり暑い時に食べるアイスは美味しいね。ちょっと溶けやすいけど。
「本題は?」
「ああ。今日の夜、せっかく夏だし肝試しでもと思ってな。獄寺と山本もくるし、ビアンキや京子、ハルもくるぞ。」
「……なるほどね。で?実際の目的は何なの?急に肝試しなんて言うってことは、別の目的もあるんでしょ。」
「……お前の超直感、たまにこえーぞ。」
「それは失礼。なんせピンときちゃったもので。」
クスクスと笑い声を漏らしながら、言葉を紡げば、リボーンはやれやれと言わんばかりに肩をすくめる。
こっちのあっさり看破があまりにも早すぎるから困っているのか、それとも能力に驚いてるのか。
……可能性としては前者かな。
「肝試しみてーなことをしてると、霊界と現世が繋がるとか、幽霊が紛れ込むことがあるってよく言うだろ?
ビアンキがそれを利用して、元カレをぶっ飛ばしてーらしいんだ。本気度が伺えるレベルで降霊師まで呼んでたからな。」
「何やってんのビアンキ姉さん……。」
「どうやら、つい最近、元カレが夢に出てきたらしいぞ。それでムカついたとか言ってたな。」
「はは……彼女らしい理由ですこと……。」
リボーンが呟いた言葉に、苦笑いをこぼす。ビアンキ姉さんの元カレってことはロメオさんが夢に出たってことだよね?
喧嘩別れして、ポイズンクッキングをぶちかましちゃったっとか言う……。
そんな相手が夢に出てきたら、愛に生きる人であるビアンキ姉さんも憤慨するわけだ。
「ちょうど8月の中旬、お盆の時期だからな。それも相まって思い出したんだろ。」
「嫌な思い出し方ではあるけど、十分にあり得そうなのが何とも……。」
……そう言えば、お盆と言うことは、わたしがジョットさんと会って一年経ったことにもなるのか。
何と言うか……マフィアだ何だで賑やかに過ごした上、いろんな出会いといろんな出来事をぎゅうぎゅう詰めで経験し過ぎたから時間の流れを早く感じてしまうものだ。
「結構大変だったぞ。ビアンキと京子とハルの3人は、桜奈が驚く姿を見てみたいっつー理由から、ペアの選抜からは外れたんだが、じゃあ、どっちが桜奈と一緒に行くか、で獄寺と山本が衝突してな。
そんで、なんやかんやあって、最終的にはオレが桜奈とペアになったぞ。」
「なんやかんやの間に何があったわけ?」
「男は時に譲れないことがあるもんだぞ。」
「意味わからないよ。て言うか、リボーンがペアになるのがびっくりなんだけど。てっきりランボ辺りがくるかと思った。」
「最初はアホ牛も考えたんだが、ただでさえ桜奈はいっつも付きっきりだからな。
たまには別の奴と過ごすのも一つの勉強だから山本に預けてきたんだぞ。」
「……押しつけてきたの間違いでは?」
「そうとも言うな。」
「肯定したんですけどこの人……」
「ま、ともかく夜の9時に並盛墓地に一緒に行くぞ。肝試しはそこでやるからな。」
「肝試しと言う名の姐さんの鬱憤晴らしでしょうに……」
少しだけ呆れながら、アイスをモゴモゴと頬張る。
濃厚さとさっぱりさ、その両方を兼ね揃えているバニラアイスは、やっぱり好きだな。
「……桜奈は、バニラが好きなのか?」
「ん?うん。バニラアイスは好きだよ。濃厚でありながらもどこかさっぱりさている甘さで、いくらでも食べれちゃうくらいには。
まぁ、食べ過ぎたらお腹が痛くなっちゃうし、家では一日3つまでにしてるけどね。」
「十分食べまくってるじゃねーか。」
「4本以上いってない分食べ過ぎじゃないもーん。朝昼晩ご飯程度の回数でーす。」
少しだけ呆れたような声音で、一日に3回もアイスを食べていることを指摘してきたリボーンに、少しだけ子供っぽく言い返しながら、柔らかくなったアイスを齧れば、冷たい甘さがたくさん広がる。
夏場のアイスは至福の味……リボーンに見守られながらも、上機嫌にアイスを食べ進める。
「……あとでいくつかバニラアイスがうまい店でも探してみるか。」
「ん?なんはいっは?」
「なんでもねーぞ。ていうか、食うか話すかのどっちかにしろ。」
「んー。」
冷凍庫から出した時は硬めだったアイスもかなり溶け、噛み砕くこともできるくらいに柔らかくなったため、頭痛が起きない程度の量を一口一口味わって食べる。ん。美味しかった。
「夜まで暇だし、何かできそうなこと探そうかなぁ……」
「オレはちょっと水月輝石商店に行ってくるぞ。神谷幸弥から呼ばれてな。少しだけブレスレットを改良するそうだ。」
「ん〜……じゃあ、わたしはわたしで趣味のアクセサリー作りでもしてようかな。
外は家どころじゃないし、水分補給を忘れないようにね。」
「それは桜奈にも言えることだぞ。んじゃ、夜まで別行動だな。ちょっと行ってくるぞ。」
「ん。行ってらっしゃい。」
そんなことを思いながら、用事を済ませに出かけてくると言ったリボーンを見送る。
……ブレスレットを改良する……とは?まぁ、呪いを解くためのブレスレットって話だし、何か進展があったのだろう。
「……これで、月明かりが強い夜の間のみ呪いが解ける……じゃなくて、月が出ている限り呪いが解ける……なんて改良をされて戻ってこられたらかなり困るな。
……本来の姿のリボーン、わたしをずっと守ってくれた幼馴染みによく似てるから、たくさん甘えたくなっちゃうんだよね。」
まぁ、髪型とか髪の色とかは違ったけど……なんて思いながら、小さく笑う。
夏祭りの時に思い浮かべた彼の穏やかな笑みに、優しい声音……わたしを守ってくれた、親友であり、幼馴染みでもあった彼……。
「……そう言えば、警察官を目指そうと思ったのも、元は彼がきっかけだったっけ?
母さんが抜けてるのと、父さんがなかなか帰ってこないこと……それももちろんあったけど。」
─────……考えてみれば、将来の夢を作文にしようと先生に言われた時、真っ先に思い浮かんだのは彼だった。
それで、母さんと父さんのことを思い浮かべて、警察官を志そうとした記憶がある。
「……こうして見ると、やっぱりわたしは彼にそれなりに影響を受けてるね。
そして、何かあった時に真っ先に思い浮かべてた。」
─────……もしかしたら、わたしにとっての初恋は、君だったのかもしれないね。
ずっと側にいてくれた君……わたしを守ってくれた君……誰よりも頼もしくて、わたしが、唯一胸を張って好きだと言えた幼馴染み。
そんなことを少しだけ思いながら、わたしは手にしていたアイスクリームの棒をしっかりと洗ってゴミ箱へ捨てる。
もはや、わたしが幼馴染みに向けていたこの感情が、リボーン達が言う特別な好意……恋心だったのか調べる術はない。
でも、ちょっとだけ誰かに対する好きと言うのがどんなものか、わかったような気がした。
「あ、そうだ。ペアテディに服作ってみよ。もふもふもこもこも好きだけど、なんかちょっと着せてみたいんだよね。」
わたしがいなくなったあとのあの世界で、大切で大好きだった幼馴染みが、幸せな生活を送ることができますように……二度と届くことがない願いを胸の内に秘めながら、自室の方へと足を運ぶ。
あの子達の服、どんなものにしようかな?
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「桜奈。そろそろ時間……って随分とおもしれーことしてるじゃねーか。」
「おわ!?」
あれからずっとわたしは、ペアテディの服を考え、家にある布生地を利用してそれを作り上げていた。
黒の子に作ったのはスーツとボルサリーノ。レモン色の子に作ったのは、わたしの手持ちの服から厳選したボーイッシュな服。
やっぱりこれが似合うよね……と小さく笑っていると、戻ってきたリボーンに話しかけられる。
服作りに集中し、同時に油断していたせいで、背後に現れたリボーンに気づかず、思わず驚いてしまった。
「い、いきなり話しかけてこないでよリボーン!!」
「普段のお前なら気づいてただろ。なんだ?それを見ていた理由はそう言うことだったのか?」
「うるさいな!別にいいでしょ、何を考えても!」
めちゃくちゃ楽しげな様子で話しかけてくるリボーンに、恥ずかしさを軽く覚えながら言い返す。
そんなわたしのことなど気にすることなく、リボーンはわたしの肩に乗ってくる。
そして、わたしの手元にあるぬいぐるみ用の服の数々を見つめ始めた。
「……アクセサリー作りの時から思っていたが、やっぱ桜奈は手先が器用なんだな。
ぬいぐるみ用の服を作るのはかなり大変じゃねーのか?人形サイズのちっせーアクセサリーを作る時点でわかっちゃいたが。」
純粋に驚いている様子のリボーンの姿を見つめながら、わたしは数回瞬きをする。
「桜奈として生活していた時、親戚の子や友人の子と顔を合わせる機会が度々あってね。
その中には小さい女の子もいて、自分と同じ服をぬいぐるみや人形に着せたいって言ってたから、何回か作ったことがあったんだよ。
そしたらすごく喜んでくれて……人形が好きな女友達からもリクエストをもらって作ってるうちに、いつのまにか人形の服を作る神扱いされてた……」
「……たまに思うんだが、お前のその献身さはどうにかならねーのか?それだから変な奴引っかけるんだぞ。」
「幼馴染みと全く同じこと言わないで……。」
「お前、幼馴染みからも注意されてたのか……」
呆れたような様子でツッコミを入れてくるリボーンに苦笑いをこぼす。
実はそうなんだ……と告げれば、やれやれと言った様子でため息を吐いた。
「お前の幼馴染みも相当苦労してそうだな。」
「多分、めちゃくちゃかけてたと思う。わたしがあまりにも変な人に絡まれるし、周りの要望を聞いたりするタイプだったから。」
「だろうな。……好きだったのか?そいつのこと。」
「………。」
リボーンの問いかけに、わたしは少しだけ無言になる。好きだったのかどうか、今のわたしにはわからないし、理解するための術は一つもない。
でも、何かある度に思い出すくらいには……
「……好きだったのかもしれないね。何かある度に、それなりに思い出したり、影響される程度には。」
「……そうか。桜奈の初恋はそいつだったんだな。」
小さく笑いながら、手元にある警察官のぬいぐるみ用の服と帽子に視線を落とせば、とても穏やかで優しい声音で、リボーンが小さく呟いた。
服からリボーンへと目を向けてみれば、アルコバレーノの姿であるにも関わらず、どこか優しい、親から子へと向けていることがわかる穏やかな目を向けてきていた。
「……何かちょっと嬉しげだね。」
「ん?ああ……確かに、今桜奈が話してんのは、男の話だし、初恋の話だ。
全く妬かねーかと言えば嘘になるが、それ以上に、桜奈がオレに、“桜奈”としての自分や過去を教えてくれることが嬉しくてな。
“ナツ”はいくらでも知ることができる。一緒に過ごしているからな。だが、“桜奈”は過去の“ナツ”である分、オレは全く知らない相手だし、知ることもできねー存在だ。
あまりいい過去じゃねーみてーだから、根掘り葉掘り聞くわけにもいかねーしな。
だからこそ、今、少しずつでも“ナツ”ではなく、“桜奈”を教えてくれていることが、何よりも嬉しいんだぞ。」
「……桜奈を教えてもらえるのが嬉しい……?よくわからないけど、そう言うものなの?」
「好きな女のことを知りてーと思うのは必然的だぞ。」
「そうなんだ……。わたしは……幼馴染みへ向けていたものは、初恋と呼ばれるものだったのかもしれないって、さっき、曖昧ながらに考えたから、結局よくわからないや。」
「だったら、本当の恋って奴をオレとしてみたらいい。そうすればきっと、桜奈も少しずつ気持ちがわかってくると思うぞ。」
自信満々に言ってくるリボーンに、わたしは苦笑いをこぼす。
どれだけわたしを振り向かせる自信があるのやら……でも、別の人と経験して、答えを知ると言うのもありなのかもしれない。
「だったら、いつか教えてよ、わたしの先生。わたしはまだ、完全に恋とか愛を理解してるわけじゃないから。
少しずつ、自身に向けられてくる感情の違いはわかってきてるけど、まだ、自分がそんな想いを誰かに抱く想像がつかないんだ。」
「言ったな?教えるとなると、オレは容赦しねーからな。」
「はは……レッスンはお手柔らかに。キャパオーバーだけは避けたいからね。」
やる気満々のリボーンに、選択間違えたかも……と少しだけ思いながらも、わたしはペアテディに視線を落とす。
リボーンが身につけているようなスーツとボルサリーノを纏う黒テディも、どこか楽しげに笑っているようだった。
桜奈
沢田奈月として生まれ落ちる前は、幼馴染みに守られ続けていた1人の女性。
本来のリボーンの姿に顔を赤くしたり、照れたりしていた理由は、彼の本来の姿が好みだったから……と言うのもあるが、実を言うと、幼馴染みの青年と瓜二つだったことも関係していた。
なお、その幼馴染みとリボーンは髪型も髪色も性格も違うのだが、顔立ちがそっくりで、身長も同じくらいだったため、無性に甘えたくなってしまうらしく、本来の姿で迫ってくるのはやめてほしいなと思っている。
何かあれば側にいてくれた幼馴染みに、もしかしたら自分は、恋をしていたのかもしれないと、桜奈として終わってしまった今に気づき、少しだけ寂しくなってしまった。
リボーン
幸弥の元にブレスレットの効果やらなんやらを報告するため輝石商店に向かい、帰宅してみたら、桜奈がペアテディに服を……しかも誤魔化しきれないレベルで自身が身に纏っている衣装と同じデザインのものを着せていることに気づき、面白いものを見たと揶揄う気満々だったが、流れで告げられた桜奈としての過去を知り、それどころじゃなくなった。
幼馴染みのことを話す時、桜奈が初めてみせた、恋を知る少女の表情をしていたため、好きだったのか問うてみたところ、もしかしたら初恋だったのかもと返される。
何かと桜奈に思い出されている彼女の幼馴染みに、少しの嫉妬と大きな羨望を抱いたが、曖昧な感情だから、答えはわからないと告げてくる彼女に、だったら自分と知っていけばいいと告げる。
そこまで言うならいつか教えてよ、と口にした桜奈に、教えろと言ったからには容赦しないと笑いながら返した。
物語に関係ない好奇心からのネタ質問です。主人公に好意的な感情を向ける男キャラは、これから先も増えるのですが、主人公のファーストキスは誰が一番奪いそうだと思いますか?
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リボーン
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大人リボーン
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獄寺隼人(事故チュー)
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山本武(事故チュー)
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雲雀恭弥
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六道骸
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ディーノ(事故チュー)
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ディーノ(意図してキス)
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XANXUS
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ベルフェゴール
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古里炎真(事故チュー)
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