最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
ビアンキ姉さんに協力する趣旨を告げ、わたしが提案したのは、霊感があるわたしが先にロメオさんを見つけ、それをビアンキ姉さんが倒すと言う内容だった。
無論、最初はビアンキ姉さんに全力で止められたが、すぐにわたしは大丈夫だと告げ、リボーンが同行する形で囮役を果たすこととなった。
正直なところ、わたしにはジョットさん達がいるから、特に問題はなかったんだけど、その自己犠牲精神と献身体質はやめろとリボーンにまで怒鳴られてしまい、素直に従うことしかできなかった。
「……リボーンが怒鳴るとは思わなかったんだけど。」
「あ?何を言ってやがんだナツ。むしろ、あの自己犠牲で怒鳴られねーと思う方がおかしいだろうが。
あまりふざけたこと言ってると、流石にこっちもお前の行動を制限せざるを得なくなるぞ。」
「本来のリボーンが出てるよ。」
「出さねー方が無理あるだろ。つか、オレは“
「そうなんだ。……ところで、行動の制限って?」
「なnk……」
「うん、それ以上は言わなくていいや。いろいろと怖いから。」
……今、リボーンからとんでもないことを告げられそうになり、表情からスン……と感情が抜ける。
流石にそれはまずい。流石にそこまでいかれるとヤバ過ぎる。最初に「か」がつく方よりかはマシかもしれないけど。
「言っとくが、本気でその自己犠牲はやめねーと、本気でやるからな。勉強なんてもんは家でもできるしな。
少しの献身程度なら別に文句は言わねーが、度が過ぎるようだとこっちも行動を取らざるを得ねーからな。
一応オレはナツの家庭教師として
教え子が馬鹿な真似をしようとするようだったら、縛ってでも強制的に止めるのも仕事だぞ。」
“そこんとこ、しっかりと頭ん中入れとけ”と言われ、小さく返事を返す。
……なんと言うか、ここまで強く止められたのは、前世を通しても初めてかもしれない。
いや、初めて……ではないね。一度、幼馴染みに強く止められた記憶がある。
“もうやめていい、もう頑張り過ぎなくていい、どうしてそうなったのかずっと見てきたから理解できるけど、そのままじゃ、ただひたすら壊れていくだけだ。
だからもう足を止めていい。ゆっくりでいいから、走るのをやめてくれ”……って。
でも、わたしは止まれなくて、結局失って、見ていた世界が完全に壊れて……
「………もう、走り過ぎなくてもいいのかな。」
無意識のうちに漏れた言葉。
少しだけ俯き、呟くように告げたそれは、リボーンの耳に確かに届いていた。
「当たり前だろ。もうナツは1人で突っ走らなくていいんだ。何がそうまでナツを駆り立てるのかは知らねーが、今のお前は、1人で何もかも背負う必要がある程、仲間は少なくねーだろ。」
“お前にはオレも、幽霊の友人も、ファミリーだっているんだからな”と口にするリボーンに、少しだけ困ったように笑う。
迷惑をかけたくないと思う自分と、助けてほしい、甘えさせてほしいと望む自分、その両方が鬩ぎ合っていて、どんな表情をしたらいいかがわからない。
でも、その言葉を聞いて、どこか気持ちが楽になったのは気のせいじゃない。
「……ん?」
「どうした?ナツ。」
“あの時、足を止めることができたら違ったのかな?”と、少しの後悔を抱きながら、ビアンキ姉さんに纏わりついていた影の出所方面へと足を運んでいると、明らかな異変がその場に起こった。
墓場にいた沢山の幽霊達が見当たらず、明らかに空気が重苦しくなっているのである。
「……みんなはいる?」
『ああ。いるぞ。』
『ビアンキの奴もちゃんとあとをついてきているな。』
『……ナツキ。少し、そこにある木の枝に何か結びつけてみて。』
『そのあと少しだけ真っ直ぐ走ってみてください。少々厄介なことになっているようですから。』
「……了解。」
アラウディさんの指示に従い、自身が持ってきていたハンカチをすぐ側の枝に括り付ける。
そして、Dさんの指示を聞き、真っ直ぐとリボーンを抱えたまま少しの間墓地を真っ直ぐと走り抜ける。
程なくして、先程ハンカチを括り付けた場所に戻ってきた。真っ直ぐ走ったはずだと言うのに。
「……今、ナツは真っ直ぐ走り抜けたはずだよな?」
「走り抜けたね。でも、元の位置に戻ってる。どうやら、本星が引っかかったっぽいね。」
「だな。まさか、本当に心霊現象が起きるとは思わなかったぞ。」
「妖怪とか幽霊は、新月の時に力が増すことが多いからね。物語によっては真逆の時もあるけど。
ただ、新月を死、陰と定めるとしたら、満月は生、陽に定められるから……まぁ、死者と接触するにはうってつけの状況ではあるかな。
同時に、こっちの陰陽も逆転して、現在進行形で幽霊騒動に巻き込まれたんだけど。」
「……お前も災難だな。いろいろと。」
「前よりはマシだけどね。まだ。」
リボーンと軽口を叩き合いながらも、わたしは辺りを見渡す。ビアンキ姉さんの気配は後ろにあるから、彼女に一旦合流してもらって、死んだせいで身についたらしい霊感で陰気を辿ってみるか?
「ビアンキ姉さん。ちょっといい?」
「?ええ、構わないけど、どうかしたの、ナツ?」
「うん、ちょっとね。どうやら、本星の領域に引っ張り込まれたみたいだから、最終的な確認をしたいんだ。」
「!じゃあ、もうすぐ会えるのね!?」
「うん。でも、作戦通りにビアンキ姉さんはすぐに飛び出さないように。
まずは、私とリボーンが相手側に接触して、上手くビアンキ姉さんがぶっ飛ばせるようにするから、何テンポか遅らせて飛び出して。」
「わかったわ。」
ビアンキ姉さんの言葉を聞き、小さく笑ったわたしは、すぐに彼女に纏わりついている影を見遣る。
その影の糸は、南西の方から伸びているのがわかった。
「……なんだったかな。何かで読んだ気がするんだけど、確か、鬼門の方角から霊が来て、裏鬼門から霊が帰る……だったかな?」
「急に何言ってんだナツ?」
「いや、ビアンキ姉さんにまとわりついてる影みたいなの、どうやら南西から来てるみたいで……。
それで、なんとなく適当に買って読んだ小説にそんなの書いてあった気がしてね……。」
「つまり、現状からすると、こっちにはビアンキが呼ぼうとした奴がいるってことか。」
「多分ね。ビアンキ姉さんにまとわりつく影の様子から、ビアンキ姉さんに恨みがあるのは確実で、もし、それを晴らすための方法が、ビアンキ姉さんの周りにいる人間を殺すこと……だとしたら、神隠しの要領でどっかに連れていかれる可能性は十分あるし、数年後、行方不明になった先で原因不明の変死体で行方不明者が見つかった……って可能性も……。
特に、南西は裏鬼門とされている位置で、昔からそっちにはあの世への道があるとされている場所だから、神隠し=あの世への拉致と仮定したら、状態としては筋が通るんだよね。」
「割とオカルトなことを信じるタイプだったのか?」
「うーん……神隠し系の話はその時好きだったゲームの一つが付喪神を題材にしていたゲームのせいだね。
いろんな人が自分のところに顕現した付喪神達の日常とかを題材にした話を書いていたりして、見てて面白かったし、自分のところだとどうなるかな?って休憩がてら考えていたことがあった時期があったんだよ。」
「なんだそりゃ。」
わたしの発言に、リボーンが少しだけ呆れたような表情を見せながら言ってくる。
すみませんね。桜奈の方はゲームオタだったんです。だからいろんなゲームはやってて、特に音ゲーとシミュレーションゲーはよくやってたんだよ。
「ナツにもそんな時期があるのね。……現実逃避するくらい疲れていたのはどうかと思うけど。
今はちゃんと休んでるかしら?無茶をしてたりしないでしょうね?」
「無茶をしてそうだったらリボーンから強制的にストップかかってベッドに転がされて休めって真顔で言われるから休んでるよ……」
「そう……ってリボーンに止められてるじゃない!!自分で止められるようなりなさいよ!!」
「ひゃい!?ご、ごめんなさい……」
「もう……!!あなたって子は本当、無茶しがちなんだから!!」
「イテッ」
ベシッとビアンキ姉さんにデコピンされ、あまりの痛さに額を押さえて悶絶する。
え?マジで痛かったんだけど……。
「本来ならこれだけじゃ済まないところを、デコピン一発で済ませてあげたんだから感謝しなさい。
でも、あまり無茶をするようだったら、本気でビンタ一発かますから、これからはちゃんと休みなさいよ。」
「ビアンキ姉さんのビンタ、めちゃくちゃ痛そうなんだけど……」
「かなり痛いでしょうね。そんな目に遭いたくないなら、自力でストップをかける練習をしなさい。
1人で難しいようなら、私も手伝ってあげるから。一緒に休めるように訓練していきましょう?」
「その訓練、オレも参加するからな。オレとビアンキに見張られながら生活したくなけりゃ、ちゃんと休めるようになれ。」
「うう……わかりましたぁ………」
『……全く、ナツキはいつになったらこれを繰り返さなくなるのか。』
『……さりげなくオレらからも教えてやるか。』
『そうですね。その方がいいかもしれません。頑張ることも大事ではありますが、どのような立場であれ、休むことは必要なものですし。』
『僕達があまり教え過ぎるからぶっ倒れかけた経験もあるし、気をつけないとね。』
『あー……確かにあれはやらかし過ぎたものね……』
『そこら辺は要反省……でござるな。』
『うむ。あの時はやり過ぎてしまったからな。究極に反省だ。』
7人の幽霊と、2人の先生に怒られ、わたしは少しだけ拗ねる。
だって止め方わかんないんだもん。ダメなことはわかってるけど、桜奈の時はそれが普通だったし、弱音なんて吐けなかったし、部下の子達も休めるように頑張らなきゃいけなかったし……。
「頑張るなとは言わねーが、頑張り過ぎるな。頑張りと無茶は別物だからな。そこを履き違えて認識しているのはボス失格だぞ。
休める時は休め。誰も休んでるナツを責めたりはしねーからな。お前はもうちょっと、自分の体を大切にしろ。」
“わかったか?”と言って、頭を撫でてくるリボーンに、わたしは視線を静かに向ける。
アルコバレーノの姿をしている時のリボーンは、少しだけ感情が読み難いけど、確かな心配が宿る目を向けられていた。
「………休めるように頑張ってみる。」
「そうしろ。」
「休むことを頑張るって、ちょっと変な感じだけど、今のあなたにはちょうどいい言葉ね。」
ふわりとビアンキ姉さんからも頭を撫でられる。
緩やかな手つきとその温もりに、少しだけ目を閉じたくなる中、静かに視線を彼女に向けてみれば、隼人やリボーンによく向けられている穏やかで優しい眼差しがわたしを見つめていた。
「……ビアンキ姉さん、私に優しいよね。最近はリボーンも私に構いっぱなしだし……嫌じゃないの?」
「あら、まだそんなこと気にしていたの?言ったでしょう。私はもうあんたを目の敵にするつもりはないって。
今の私にとっては、ナツもリボーンと同じくらいに大切な女の子なのよ。
そうね……認識としては可愛い妹……家族のようなものかしら。周りに気を遣って、自分のことは後回しにしがちで、だけど本当は、誰かに甘えたいと思っていて、……誰よりも周りの幸せを願い、そのためには我慢だって厭わない優しい女の子を、なんで嫌わなくちゃいけないのよ。」
卑屈気味に言葉を紡ぐわたしに、ビアンキ姉さんが呆れたような……だけど、確かな優しさを感じることができる声音で言葉を紡ぎ、わたしの両頬を両手で包んで顔を上げさせる。
「私はナツのことも大好きよ。リボーンの次にって感じではあるけど。
だからこそ私は、ナツに無茶をして欲しくないし、ナツの幸せを心から願ってるの。
誰よりも優しくて、献身的なナツだからこそ沢山の幸せを受け取るべきだもの。
私ね。今すごく幸せなの。ナツが沢山気を利かせてくれるから、リボーンと沢山過ごすことができるし、のびのびと生活することができるから。
リボーンならきっとナツを幸せにしてくれるだろうし、ナツがリボーンの想いに応えるつもりなら、私が身を引いてもいいと思うくらいには、ナツが大好きなの。」
“だから、そんな顔はしないでちょうだい”……と困ったように笑うビアンキ姉さんに、わたしは何度か瞬きをする。
しかし、ビアンキ姉さんのその言葉が、思いが、どれだけ本気であるかをすぐに把握できたわたしは、自身の頬に添えられているビアンキ姉さんの手に、自身の手を重ねて軽く擦り寄る。
こんな風に、誰かに幸せを願われたのはいつぶりだっただろうか。
「……ありがとう、ビアンキ姉さん。そう言ってくれて。」
「いいのよ。むしろお礼を言うのは私の方。ありがとう、ナツ。沢山リボーンと過ごせる時間を作ってくれて。
ナツが幸せになれるなら、私はいくらでも協力してあげるから、嫌なことがあったら言ってちょうだい。
ナツになら、私はいくらでも甘えられても大丈夫よ。なんなら、嫌な人間がいたら消すことも厭わないわよ。」
「流石にそれはいいかな……。頼もしい言葉だけど、私の私情で誰かがコロコロされちゃうのは見過ごせないよ。」
苦笑い混じりにビアンキ姉さんの優しさに笑えば、彼女は綺麗な笑みを浮かべ、再び頭を撫でてくる。
そのことに少しだけ目を閉じていると、自身の腕の中から視線を感じた。
すぐに瞼を開けて腕の中を見ると、何やらちょっとだけムッとしてるリボーンの姿があった。
「あら、リボーンが私に嫉妬しちゃうなんて。珍しいこともあるのね。」
「うっせーぞビアンキ。」
「ふふ、安心してちょうだい。あなたからこの子を奪ったりはしないわよ。
でも、少しだけ新鮮ね。私がリボーンと話してる女に嫉妬することは度々あったけど、まさか、私がリボーンに嫉妬されちゃう側になるなんて。
……たまにはいいじゃない。私だって可愛い妹を可愛がりたいんだから。最近は、ナツと長めにいることができるリボーンに私が嫉妬しちゃうこだってあったのよ?」
「……子供を取り合う夫婦みたいだよ、会話が。」
「あら。言われてみればそうね。」
「オレはお前を子供として見たことはねーがな。」
「ふふ……言われてるわよ、ナツ。」
こっちに対する態度を隠さないリボーンに、ビアンキ姉さんは嫉妬のカケラなど全くない状態で穏やかに笑う。
その笑みに釣られるように、口元に笑みを浮かべれば、ビアンキ姉さんは再びわたしの頭を優しく撫でた。
「さ、行きましょう。目的の場所が近いなら、さっさと終わらせてゆっくりするわよ。」
「うん。」
「ナツ。一応オレがついているが、無茶はすんなよ。」
「わかってるよ、リボーン。」
程なくして、わたしの頭を撫でるのをやめたビアンキ姉さんが、目的を果たすために行動を取ろうと伝えてきた。
すぐにそれに頷いたわたしは、リボーンを両手で抱えたまま、ビアンキ姉さんに纏わりつく影を辿る。
目的地はもうすぐだ。
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……程なくしてたどり着いた墓地の南西付近。
そこには、明らかに異質さを放っている門のようなものが存在していた。
「見つけた。」
小さく呟くように門を見据えて呟けば、ガサガサと茂みが揺れる。
視線を音の方へと向けてみれば、そこには一つの人影が存在していた。
「……やれやれ……まさか、自力でここまで歩いてくるとはな。迎えに行く手間が省けたと言えばいいのか、把握していたのかと嘆けばいいのか。」
現れた人影がわたしとリボーンの前にゆらりと姿を見せる。その姿はやはりと言うか、大きなランボと瓜二つで、しかし、確実に違うと言える雰囲気を持ち合わせている。
「……はじめまして、ビアンキ姉さんの元カレさん。遠路はるばる……で、いいのかな?死後の世界から、ようこそ現世へ。
どうやってきたのかは知らないけど、まぁ、やってきた理由はなんとなくわかるよ。碌でもない話であることもね。」
小さく笑いながら、はっきりとした声音でそう告げれば、目の前の男性……基、ビアンキ姉さんの元カレであるロメオさんは、驚いたような様子を見せる。
しかし、すぐに不敵な笑みを浮かべながら、こちらを真っ直ぐと見据えてきた。
「なるほど。どうやら後者の方があっていたようだ。まさか、あの女の近くに視える側の人間がいるとはな。」
表情と言葉が合ってない……と一瞬だけ思うも、わたしは無言でロメオさんを見据える。
……あ、よく見ると足がない。どうやって移動してんだろこれ?
「……お嬢さん、反応からして随分と冷静と言うか余裕そうだな。いくら視えるからと言って、そこまで危機感がないのはどうかと思うぞ。」
彼の足元を見て、何度か瞬きをしていると、軽く引いたような声音で話しかけられる。
どうやら、あまりにもわたしが焦っていないから、逆に気になってしまったようだ。
「……だって7人の幽霊と1年間過ごしてるし、中には悪霊一歩手前では?ってレベルの執着者がいたりするし、割と自由過ぎる幽霊を墓地の中歩いてる際に見てきたし……今更では?」
「……おい、あの女に対する復讐として死後の世界へ放り込むつもりだったオレが言うのもあれだが、お嬢さんのそれはかなり心配になるレベルの慣れだぞ。
つか、なんだよ悪霊一歩手前レベルの執着者って。」
「自身が信じた組織を自身の理想を完全に反映した組織にするためならば、私の命を刈り取るのも厭わないであろうレベルの執着を持ってる長生きお兄さん。……おじいさん?」
『誰がおじいさんですかバカ弟子。』
「あで!?」
「……友人に叩かれたな?」
「いったぁ……。おじいさん呼びが気に入らなかったみたい……。」
頭をさすりながらロメオさんの方へと目を向ければ、彼はジョットさん達がいる方角を見て唖然としていた。
そこまで唖然とする必要がある?と不思議に思いながら視線を動かしてみれば、戦闘モードのジョットさん達が視界に入り込む。
『同じ霊的存在であるならば、オレ達が視えるのは当然か。いや、今はそんなものどうでもいいな。
オレの子孫に手を出そうとするのであれば、こちらとしても容赦するつもりはないが?』
「……はは。随分と厄介な護衛がついてるようだな、お嬢さん。」
殺気を放ってるジョットさん達に、何度か瞬きを繰り返す。
復讐のために死後の世界に放り込もうとしていたと言うある種の犯行声明に、ジョットさん達が軽くキレたらしい。
「でしょ?すごく頼もしくて助かってるよ。で?どうするの?犯行声明通りに放り込む?」
「……いいや、やめておこう。逆にオレが燃やされそうだ。」
「まぁ、燃やされるだろうね。物理的に。」
「物理的にって怖いことを言ってくれるな。いや、まぁ、否定できないが。となると、別の連中を引き摺り込むべきか……」
考え込むロメオさんを見つめながら、わたしは荷物の中に入れていたスタンガンを取り出す。
リボーンから護身用にと渡されたものの一つだが、今回のこれは、撃退するためのものじゃない。
「ちょっとだけ手伝ってあげようか?ビアンキ姉さんにはこれまで何回か命を狙われたことがあるからうんざりしててね。」
「!へぇ、そいつはいいことを聞いた。標的側の内部に協力者がいるとスムーズにことは済みそうだからな。是非とも協力してもらいたい。
その代わり、オレもあの女を苦しめながら消すために力を貸してやるよ。」
「そう。それはよかった。私だけじゃ、あの人どうにもならなくてね。」
口にしたのは一つの方便。相手の油断を誘い、ビアンキ姉さんに対する有利な場を作るための一手。
「幽霊と電気って相性がいいって聞くし、力が上がればもっとやりやすくなると思うんだよね。」
そしてこれは、ビアンキ姉さんへと送る、一つの合図!!
「ビリッとするけど我慢してね?」
「は?うぎゃあああああああ!?」
手にしていたスタンガン……と言うには明らかにボルトが違い過ぎる代物となっているそれを使い、わたしはロメオさんの体に思い切り電流を流す。
「……リボーン?これ、本当にスタンガン?明らかにボルト高過ぎない?」
「スタンガンだぞ。」
「スタンガンかぁ……」
『いや、んなわけねーだろ!!何ボルトだよこれ!!』
Gさんから思い切りツッコまれながらも、電流を流したロメオさんへと目を向ける。
彼はかなり痺れているようだが、先程よりは実態が存在していた。
「ああ……!!き……きき……気持ちいい!!力が溢れてくるようだぜ!!」
「あ、やっぱり幽霊と電気って相性いいんだ?」
「いや、知った口振りで話してたくせに、本当は知らずに流してきたのかよ。とんでもない女だなお嬢さん。」
「ごめんなさい?」
「謝る必要はねーよ。おかげで足まで実体化できたからな。今度お礼としてお茶でもどうだ?おごるぜ?まぁ、オレは今からでも構わないが。」
「幽霊が今を生きる人間を口説くなよ。あと、ヨモツヘグイが怖いからいらない。」
「釣れないお嬢さんだことで。まぁいいさ。残りの話は全て終わらせてからだ。」
楽しげに笑うロメオさんを見ながら、わたしは一度背後を見遣る。
そこからは、隠れておくように伝えていたビアンキ姉さんが走ってくる気配があった。
ちゃんと、こっちの合図は届いたらしい。それなら、あとは彼女に任せるのみ。
「……終わらせることができるといいけど。」
「は?」
「ナツ。よくやったわ。あとは私に任せなさい。」
「な!?」
ビアンキ姉さんの声を聞くと同時に、わたしはその場から右の方へと飛び退く。
わたしがブラインド代わりになっていたのか、ロメオさんがビアンキ姉さんを視認したのは、少しの間を空けてからだった。
「ムカつくのよ、その顔!!私の大切な妹に、何ナンパかましてんのクソ野郎!!喰らいなさい!!ポイズンクッキングⅢ!!!」
わたしの背後から現れたビアンキ姉さんは、手にしたポイズンクッキングをロメオさんの顔面めがけて叩き込む。
なんの言葉も発することなく、それをぶつけられたロメオさんの体は、軽々と謎の門の方へと吹き飛ばされた。
同時に開いた謎の門を確認したジョットさんが、一気にロメオさん方へと距離を詰める。
『オレの子孫に手を出そうとした罰だ。消え去るがいい。』
ジョットさんの手元にゆらめくオレンジの炎が、まるでバーナーのようにしてロメオさんを襲う。
「ぎゃあああああああああああ!!?」
勢いよく放たれたその炎は、容赦なくロメオさんの体を一気に包み込み、そのまま跡形もなく消してしまう。
殺意が高めに放たれた炎。しかし、その輝きはあまりにも眩しくて、とても綺麗なものだった。
「ナツ!大丈夫!?」
「うん。大丈夫だよ、ビアンキ姉さん。」
「よかった……。ねぇ、ナツ。今、ロメオの体が一気に発火して、そのまま燃えたように見えたのだけど、あなたには何か見えていたかしら?」
「うん。私の友達が、私にも危害を加えようとしていたロメオさんに怒ったみたいで……」
「そうだったのね。それなら妥当かしら。ナツに手を出そうとしていたのであれば、私のポイズンクッキングだけじゃ許されないもの。」
「あははは……」
ビアンキ姉さんのスッキリした表情に思わず苦笑いをこぼす。流石は愛の人ビアンキ姉さん……自身の好きに対してはいろいろと寛容的で頼もしい。
「……ごめんなさい、ビアンキ姉さん。」
「え?」
「……油断を誘うためとは言え、ビアンキ姉さんのことを悪く言って、あの人に近づいちゃった。」
「……ナツ。」
だからこそ、嘘とは言え、ビアンキ姉さんにはうんざりしてるなんて言ってしまったことが、かなり申し訳ない。
謝罪をしながら目を逸らしていると、ふわりと体が優しい温もりに包まれる。
驚いて顔を上げると、ビアンキ姉さんがわたしを優しく抱きしめていた。
「大丈夫よ。相手に取り入るために、仲間であろうとも悪く言うのはよくある手法だもの。
それは決して悪いことじゃないわ。それに、ちゃんと今謝ってくれたでしょ?
だったら気にする必要はないわ。だって一つの技術を使っただけだし、最後は気遣ってくれたんだから。」
「……うん。」
ゆるやかに撫でてくるビアンキ姉さんの手の温もりを、瞼を閉じてゆっくりと感じ取る。
他のみんなが集まってくるまで、この優しい温もりは続くのだった。
沢田 奈月(桜奈)
未だに頑張り過ぎる癖が抜けきっていないが、少しずつ改善することを決意したボンゴレ10代目。
ビアンキから大切にされていることにかなり驚いていたが、その思いと温もりは本物であると知り、少しだけビアンキの温もりに歩み寄った。
ロメオさんに対して私のことを妹って紹介したけど、妹分じゃなかったの?
ビアンキ
奈月が未だに無茶しがちな上、自己犠牲と献身をどこか履き違えていることに本気で怒った、愛に生きる毒サソリ。
一年前の殺意は完全に抜けきり、大切な家族の1人として確かな好意を奈月に向けており、彼女の幸せのためならば、どんな行動も厭わない。
もう、あなたは妹分で収まるような範疇じゃないわ。私にとってあなたは、大切なもう1人の家族……大切な妹よ。
リボーン
桜奈とビアンキの関係がかなり良好であることが嬉しい反面、桜奈を抱きしめたり、優しく撫でたりすることができるビアンキを羨ましく思っているアルコバレーノのヒットマン。
呪いが解けなければ桜奈を抱きしめてあげることも、甘やかすこともできないので、呪いを完全に解くための情報を早く掴みたい。
ロメオ
ビアンキに恨みを抱き、彼女の仲間を全て死後の世界に連れて行こうとして、手始めに奈月を狙ったが、まさかのどんでん返しをくらった上、明らかにヤバい護衛と厄介な霊に憑かれていることに本気で引いていた幽霊。
協力すると言ってきた彼女をお茶に誘ったのは割と本気で、こっちに来ないかなー……と別の意味で自分がいる場所に連れて行こうとしていたのだが、実は自分が彼女の嘘に騙されただけであり、元から協力するつもりはなかったことを知る。
あっさりと手を切った彼女に、一言文句を言いたかったが、容赦なくジョットに燃やされて消滅した。
ジョット
オレの子孫に手を出すとか絶許。燃えろ。
ジョット以外の初代組
ツッコミどころ満載過ぎてかなり呆れた。
物語に関係ない好奇心からのネタ質問です。主人公に好意的な感情を向ける男キャラは、これから先も増えるのですが、主人公のファーストキスは誰が一番奪いそうだと思いますか?
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リボーン
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大人リボーン
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獄寺隼人(事故チュー)
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山本武(事故チュー)
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雲雀恭弥
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六道骸
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ディーノ(事故チュー)
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ディーノ(意図してキス)
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XANXUS
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ベルフェゴール
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白蘭
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古里炎真(事故チュー)
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させないよ?(女性陣の壁)