最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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武に何させようとしてんの!?

 登校時のいざこざも終わり、いつも通り授業を受けて午前中を過ごし終わった頃。

 昼食として母さんが作ってくれたサンドイッチを食べていると、制服のポケットに突っ込んでいた携帯電話が震える。

 すぐに震えた原因を確かめるために開いてみると、メールを受信したことを知らされた。

 送り主はリボーン。題名は特に書かれていない。本文に書かれているのは、並中のプールで待つと言う短い文章のみ。

 面倒ごとの予感がするなと、思わず訝しげに見てしまう。でも、行かなかったら何を言われるかわからないし、とりあえず行くだけ行ってみよう。

 

「……で?来てみたはいいけど、何してんのリボーン?」

 

「暑いからプールで涼んでるんだぞ。ナツも入るか?」

 

「入らないよ。ていうか学校のプールで勝手に涼むんじゃない。」

 

 そう思いながら、プールへと足を運んでみると、リボーンがプールの中に入ってぷかぷかと浮き輪で浮いていた。

 学校の関係者が見たりしたらどうするんだと呆れ返る。なるべくこんな行動は控えてもらいたいものだ。

 

「で?なんで私を呼んだわけ?」

 

「ああ。山本 武の入ファミリー試験を行おうと思ってな。」

 

「……は?入ファミリー試験?」

 

 この勝手気ままな家庭教師を制御する方法はないものかと思考を巡らせながら行った、呼び出した理由を問う質問。

 それを聞いたリボーンから返ってきた答えは、あまりにも不可解なキーワードだった。

 意味がわからず首を傾げていると、リボーンは口を開く。

 

 なんでも、リボーンは武をボンゴレファミリーに入れるつもりでいるらしいのだが、それを聞いた隼人が、全力でそれを拒否ったらしい。

 その理由として、武が私に対してあまりにも馴れ馴れしい様子で絡んでいるからと言うのが挙げられたそうだ。

 あんな無礼でやわそうな人間はファミリーに入れるべきじゃないと、猛抗議を食らったと教えてくれた。

 うん、隼人の評価にもいろいろツッコミたいところだけど、それ以上にツッコまなくてはならない話を聞かされてしまったようだ。

 

「……私も反対かな。武は大切なクラスメイトであり、友人であり、こっちの世界に関わらせるべきじゃない一般人だ。

 それに、彼には大事なやりたいことがある。邪魔するなんてナンセンスだよ。」

 

「って言われてもな。もう獄寺に山本を呼びに行かせたぞ。」

 

「!?何勝手なことしてくれてんの!?しかも、隼人に呼びに行かせただって!?あの子、ちゃんとストッパーがいないと何をするかわからないのに!!」

 

 自分も反対であることを告げるけど、すでにことは動き出していると返される。

 少しでも私を侮辱されたと感じたら、暴走してしまう隼人に武を呼びに行かせるとか本当に何考えてるの!!

 急いで隼人のところに行かないと、折角怪我をしないようにしようとしてる武に怪我をさせてしまうかもしれない。

 ちょっと短気な部分もあるし、急がないと……!!

 そう思って全力で隼人が人を呼び出しそうな場所へと走る。腰に明らかな重みと、背後から聞こえるガラガラと言う音から、リボーンが何かしてついてきているのがわかるけど、今はそれを気にするべきじゃない!!

 

「やっぱりこっちにいた!校舎裏に呼び出すとか、不良かっての!!」

 

 しばらく走って視界に入った隼人と武の姿。よく見ると隼人は武に背中を向けて、何やら殺気立っている様子だ。

 間に合いそうだけどかなりギリギリ!!こうなったら……!!

 

「ちょっと隼人!!何しようとしてんの!?」

 

「おわ!?じゅ、10代目!?」

 

「よお、ナツ。やっぱ足速いな!」

 

「そりゃどうも……ってそんな場合じゃないっての!!」

 

「お、おう……」

 

 勢いよく声を荒げる私の姿に、武がびっくりしたような表情を見せる。

 でも、私はそんな武には見向きもせず、焦っている様子の隼人の胸ぐらを勢いよく掴み、武から離れた位置へと無理やり連れて行く。

 

「あ、あの、10代目……?」

 

「君、一般人相手にダイナマイトを使おうとしていたよね?馬鹿なの?巫山戯てんの?武は裏の事情なんて全く知らない人なんだけど?」

 

「す、すみません10代目……!!ですが、これには訳が……」

 

「訳があるからって傷つけていい理由にはならないよ!!別に私が害された訳じゃないんだから、そう言うのは本当に私に害のある存在だけにしてくれないかな!?」

 

「は、はい……申し訳ありません……!!」

 

「次は説教だけで済まないから、そこんとこちゃんと肝に銘じといて。」

 

「う……はい……わかりました……。」

 

 しょぼんとした隼人を一瞥したのち、私はすぐに武に駆け寄る。彼は相変わらずびっくりして固まっている様子だ。

 側から見たら、非力にしか見えない女子が不良の胸ぐら引っ掴んで引きずっていったようにしか見えないから、驚いてしまったのだろうか。

 

「武。怪我は?」

 

「怪我はしてないぜ?ちょっと獄寺と話していただけだ。」

 

「それならいいけど……」

 

「心配してくれたのか?サンキューな、ナツ。にしても、まさかナツが獄寺に対してあんなことするとは思わなかったな!かっこよかったぜ!」

 

「……それは、喜んでいいことなのかな?」

 

 とりあえず、武には怪我の有無を問う。すると、彼からは問題ないことを告げられた。

 そのあと、隼人の胸ぐらを掴む行動をかっこよかったと称されたけど、少しだけ複雑な気分である。

 

「ところでよ、ナツ。さっきからナツの後ろにいるそいつ誰だ?もしかして、ナツが朝に言ってた預かってる子供か?」

 

「……そのうちの1人だね。」

 

「ちげーぞ。オレはマフィア、ボンゴレファミリーの殺し屋のリボーンだ。」

 

「ちょっと、リボーン!!」

 

 そんな中、武からされた、背後にいるリボーンに関する質問。預かってる子供かと言う問いかけに対して、すかさず肯定を返したけど、即行でリボーンにその答えを覆されてしまった。

 咎めるように声をかけるが、リボーンは知らんぷり。武にはこっちのこと知られたくないのにと睨みつけるけど、それもシカトされてしまった。

 

「ハハハハ!!そっか!!そりゃ失礼した。」

 

「は?ちょっと武?」

 

 なんとかリボーンの言葉をもう一度覆すことはできないかと思考を巡らせていると、武が何やらリボーンの話を信じるような口振りで言葉を交わし始める。

 まさかの事態に混乱してしまい、思考が止まってしまう。その間も武とリボーンの会話は続いており、私の意識は置いてけぼり。

 しかし、その会話の中に含まれていたある言葉により、私の意識は現実に引き戻されることになった。

 

「こんなちっせーうちから殺し屋たぁ大変だな。」

 

「そーでもねーぞ。それに、お前もボンゴレファミリーに入るんだぞ。」

 

「ちょっとリボーン!!何言ってんの!?」

 

「まーまー相手は子供じゃねーか。」

 

「………は?」

 

 武はマフィアに関わらせたくないのに!!と再び怒鳴ろうと口を開いた瞬間、関わらせたくない対象の方から、宥めるような言葉をかけられた。

 それにより怒鳴り声は音にならず、代わりに間抜けな声が口からこぼれでる。

 

「女子のナツにはちょっとわからねーかも知れねーけど、オレら男子は、ガキん時によく刑事ごっことかヒーローごっことかやることがあるんだ。こいつのそれも同じだって。だから気にする程のことじゃないと思うぜ?」

 

「ハァ〜〜〜〜!!?」

 

 しかし、続けて紡がれた言葉には、思わず大きな声を出してしまった。ウソでしょ?武ってばまさか、リボーンのマフィアって言葉をごっこ遊びだと思ってんの!?

 まさかの彼も天然枠な訳!?それを捌く身にもなってくれないかなぁ!?

 

「ボンゴレファミリーの10代目のボスはナツなんだ。こいつ、自分は相応しくないとか言ってっけど、実際はバリバリのボスの器なんだぞ。」

 

「っほ────そりゃまたグッドな人選だな。さっきのナツもかっこよかったしな。」

 

「そうだろ?あれで自分にはなれないとか思ってるんだぞ。」

 

「自信を持ってもいいのにな。」

 

「ケッ……それくらい誰だってわかるっつの……」

 

「いや、隼人まで乱入してくんな。」

 

 目の前で行われているやり取りに頭を抱える。これ、絶対に収拾がつかない奴だ。しかも、武が巻き込まれる未来の確定演出だ。

 なんだって私の周りにはいろんな意味で問題児になりそうなメンバーが集まるんだよ……!!

 いや、まだ、京ちゃん達は問題児じゃない!!あの子らは女子特有の距離感の近さだから問題じゃない!!

 じゃああれか?男か?男の方は問題児気味か問題児が集まってるのか?

 あ〜〜もう!!めちゃくちゃになってきた!!本当になんで私はこの家系に生まれちゃったかなぁ!?

 

「よーし、わかった。んじゃ、オレも入れてくれよ、そのボンゴレファミリーってのに。」

 

「ちょっと武!?本気で言ってんの!?」

 

「ちっ!!」

 

「こら隼人舌打ちしない!!あとタバコを学校で吸おうとするなって言った

でしょーが!!」

 

「もが!?ひょ、ひゅうらいみぇ、にゃにを!?」

 

「アメ玉だよアメ玉!!私のお気に入りのイチゴ味のアメ玉!!それでも舐めて大人しくしてなさい!!」

 

「ひゃい……。」

 

 タバコを口に咥えようとしていた隼人の口内に勢いよくアメ玉を放り込みながら、未だに会話の暴走が止まらないリボーンと、流されている武にストップをかけようと向き直る。

 しかし、時すでに遅しとはこのことか……

 

「で、何すりゃいいんだ?」

 

「まず、入ファミリー試験だぞ。」

 

「っへ───試験があんのか。本格的じゃねーか。」

 

「試験に合格しなくちゃファミリーには入れないからな。ちなみに、不合格は死を意味するからな。」

 

 武は遊びと思って参加する気満々で、リボーンはそれを利用して、そのまま武を引き込むつもりであることが明け透けに見える内容で、ことの全てが終結していた。

 

「リボーン!!本気で武を巻き込む気なわけ!?」

 

「ちなみに、不合格は死を意味するからな。」

 

「話を聞け!!あと物騒なことを言うんじゃない!!」

 

「ハハハ!マジでお前面白いな!気に入ったぜ!」

 

「武もノリノリになるな─────!!」

 

 これは遊びじゃないんだから!!!!

 

 

 




 沢田 奈月
 リボーンによる山本巻き込み事件を防ぐことができなかった転生者な10代目。
 山本も京子や奈々に次ぐど天然枠だったことにかなりショックを受けた。
 自身がちらほらと上に立つ者の風格を見せていることに気づいていない。

 リボーン
 山本のことは最初から目をつけていたが、奈月と仲良さそうにしているのを見て、ファミリーに引き込むことを決定した。
 奈月から怒鳴られたりツッコまれたりしたが全てスルーした。
 やっぱ奈月はボスの枠に収まる女だなと改めて認識した。

 獄寺 隼人
 実は登校時間に奈月と山本の様子を見ていた最初のファミリー。
 イラつきのままにダイナマイトを山本にぶっぱしようとしたが、奈月に胸ぐらを掴まれた上、お説教された結果未遂に終わる。
 胸ぐら掴みからの説教をしてきた奈月に対し、ボスの風格を感じていたのは言うまでもない。

 山本 武
 奈月のまさかの行動に最初は驚いていたが、それはそれとして、獄寺を注意した時の彼女の姿はかっこいいと思っていた野球少年。
 リボーンが口にしたマフィアの話は安定のごっこ認識をしており、奈月と獄寺もやってるんなら、オレもやるのノリでやることを決めた。

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