最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 骸達と一緒に登校し、骸が通っているクラスの担任と顔を合わせた桜の花は、付き添いとして一緒に行動を取る彼と共に、通うことになるクラスへと顔を出す。
 生徒達を騙しながらの生活に身を投じる桜の花……だが、その心に罪悪感はなく、むしろ気楽なようで……?

 Natuki side.


桜達の学校

 たどり着いた黒曜中学校には、生徒達がごった返していた。

 どこを見ても緑の制服。しかし、一部の生徒は若干制服に改造を施しているのか、並盛中学校に比べたら、どことなく自由な印象があった。

 

「……なんか、割と校則緩い……?普通に制服を改造してる生徒がいる。」

 

「そうですね……。僕は学校はここしか通ったことがないのでよくわかりませんが、咲良がそう思ったのであれば、そうなのでは?」

 

「……そうなのかな……そうなのかも……?」

 

「なんらよその反応。」

 

 素直に出てきた疑問を口にすると、骸はよくわからないと言ったのち、わたしが緩いと思うのであれば緩いのではないかと口にする。

 わたしが緩いと思ったなら緩いか……そうか。じゃあ、緩いんだね、ここの校則は。

 

「咲良が通ってた並盛は、校則が厳しかったの?」

 

 そんなことを思っていると千種が並盛は厳しかったのかと聞いてきた。

 その問いかけを聞き、わたしは思わず無言になる。厳しい……と言えば厳しかったな。

 だって恭弥さんがいたし。

 

「んー……厳しいと言えば厳しかったかな。風紀委員長が手厳しい人だったから。」

 

「ああ……雲雀恭弥ですか。咲良の記憶から素性も性格も把握していますが、なかなか強烈な男ですよね。

 咲良に最初のうちは殴りかかっていましたし、男性しか参加できないはずの棒倒しに自身の欲求を満たすためだけに女性である咲良を参加させていたり、顔を合わせる度に強制的な手合わせを何時間もさせられたり……よくこれらに対応してきましたね。」

 

「…………こう言う人なんだなって割り切ってたから。」

 

「……こっちには彼程物騒な生徒はいないのでゆっくりと健やかに生活してください。

 まぁ、もし何かあったとしても、僕が後ろ盾になりますし、咲良の穏やかな日常はちゃんと維持しますから、必ず言ってくださいね。

 問題が発生した場合もですよ?そう言ったものは全て、僕がささっと掃除しておきますので。」

 

「……その掃除って物騒なことじゃないよね?」

 

「それは相手側の害悪度によりますね。場合によってはタダでは済ませません。」

 

「笑顔で言う言葉じゃない。」

 

 サラッと恐ろしい言葉を笑顔で告げてくる骸に軽く引きながらも、わたしは目の前に広がる黒曜中学校の景色を見つめる。

 ここが、しばらくの間、骸と一緒になって多くの人を騙しつつ過ごす場所……わたしの一時的な居場所……。

 なんだろう……?人を騙すと言うのは気が引けるはずなのに、それを上回る勢いで気楽と言うか……。

 

「……………。」

 

「咲良?」

 

「どうしたんら?ぼーっとしてっけど。」

 

 無言で黒曜中学校を眺めていると、骸と犬が不思議そうにわたしを見つめてくる。

 千種も言葉こそ発していないけど、2人と同様に不思議そうな様子を見せていた。

 

「……これからしばらくの間、3人と一緒に多くの人を騙しながら過ごすことになるはずなのに、全くと言っていい程に罪悪感がなくて、ちょっと変な気持ちになってたんだ。

 これまで、自分の本音を隠して生活することも沢山してきたし、嘘も沢山ついてきたけど、その時はやっぱりいろいろ考えちゃって……。

 でも、どうしてかな……。今のわたしには、不思議とそんな気持ちがない。」

 

 首を傾げながら、周りを騙しながら生活することに対する罪悪感を感じないことを疑問に思いながら口にすると、骸が一瞬驚いたような表情を見せる。

 しかし、すぐに小さく笑ったのち、わたしの手を引いて歩き始めた。

 

「そうですね……。これはあくまで予想に過ぎませんが、これまでは誰かのために仮面を被り続けてきた分、負担に思っていたのかもしれませんね。

 それで、今はその仮面を被る必要なく、身軽になった……と言う可能性があるのかもしれません。

 確かに、咲良と言う偽りの姿を取る必要はありますが、桜の花として存在していた本来のあなたの性格として……何かを背負う前のあなたとして過ごせると言う状況が気持ちを楽にしているのかもしれませんね。」

 

 “良い傾向です”と穏やかな声音で言葉を口にして、下駄箱のある方向へと歩き始める骸。

 その背中についていくように……手を引かれるままに歩いて行けば、犬と千種が離れる。

 

「んじゃ、オレ達はこっちなんれ、失礼しまーす。」

 

「ええ。昼休憩にいつもの場所に集まってくださいね。」

 

「わかりました。」

 

 どうやら、3年と2年の下駄箱の位置が違うらしく、犬と千種の2人は2年の下駄箱へと行ってしまった。

 おそらく、上履きに履き替えたあと、真っ直ぐとクラスに向かうのだろう。

 もしくは、サボるためにどっかに行くか……。なんにせよ、学校ではほとんど彼らと行動を取ることはなさそうだ。

 にしても、いつもの場所……?

 

「……昼に集まってる場所があるの?」

 

「ええ。黒曜中の中に空き部屋がありまして。そこで休憩時間を過ごすことが度々あるんですよ。

 誰も近寄らない場所なので、何の話をしようとも聞かれることはありません。」

 

「……聞かれたら聞かれたで、話を聞いた人が無事じゃ済まなさそう。」

 

「当たり前でしょう?」

 

「ですよねー……」

 

 骸がこう言うってことは、何人か餌食になってる人がいると言うことなのだろう。

 まぁ、囚人達の話なんて聞かせられるものじゃないし、妥当の対応と言えるかもしれない。

 

「咲良はここを使ってください。」

 

「……蓮のすぐ下にある。」

 

「近い方が楽ですからね。」

 

 案内された下駄箱を覗き込めば、すでに上履きが入っていた。

 教科書はまだどうにでもなるけど、上履きとかはすぐに使うから準備していたのだろうか?

 まぁ、来客用のスリッパを履かされるよりかはマシだ。

 

「まずは職員室の方へ向かいましょう。お世話になってるクラスの担任に、連れて行くと伝えてあるので。」

 

「ん。」

 

 靴を履き替えて短く返事を返すと、骸は再びわたしの手を繋ぎ止めて歩き始める。

 転入早々生徒会長の代理にまでのし上がった骸は、やはりと言うか、学校中の注目の的になっている。

 おかげで数多の視線に晒されているが、こっちに向かう際に骸から言われた、気にしない方向で行こうと言う言葉に従って、大人しく廊下を歩く。

 あ、女子から睨まれた……。けど骸が睨み返して怯ませた。なんだこのやりとり……?

 

 

 *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀ *:・゚*.+ *:・゚*.+ ❀

 

 

 ……あれからしばらくして、わたしは通うことになってる骸のクラスの前に、骸と一緒に立っていた。

 先生もいるし、わたし1人でも大丈夫って言ったんだけど、立場がある人間である骸が紹介することにより、こちらへのヘイトを下げるとのことだ。

 多分、さっきの女子のこともあるんだろう。とりあえず、わたしは紹介されたあと、名前を伝えるだけ伝えて、骸にバトンタッチする手筈となった。

 

「今日はホームルームの前に、霧島達と遅れて合流したもう1人の転入生を紹介するぞ。霧島。望月と一緒に入ってきてくれ。」

 

「わかりました。行きますよ、咲良。」

 

「ん。」

 

 担任の先生に偽名を呼ばれた骸はすぐに返事を返したのち、わたしの肩を抱いて教室の中へと足を運ぶ。

 手を繋ぐより目立つと思うんだけど……と少しだけ思いながらも、彼にエスコートされるままに教室に足を運べば、生徒達がざわついた。

 一気に生徒会長代理にまでのし上がった見目の良い少年が、大人し気なメガネ少女の方を抱いて入室するとは思わないだろうし、当然の反応だろう。

 

 そんなことを思いながら、教卓付近まで足を運ぶと、骸からチョークを手渡される。

 自分の名前を言うタイミングは、自分で測れとのことらしい。

 とりあえずチョークを受け取ったわたしは、骸がつけてくれた偽名である望月咲良の文字を黒板に記し、ついでにふりがなを打っておく。

 そして、受け取ったチョークを黒板の台に置き、クラスの方へと体を向けた。

 

「……望月咲良です。本来は、蓮と一緒に転入する予定でしたが、転入する数日前に体調を崩してしまい、遅れて合流することになりました。

 今日から蓮と一緒にお世話になります。よろしくお願いします。」

 

 静かに自分の名前を伝えて頭をそっと下げれば、クラスの生徒達がほぅと息を吐く気配を感じ取る。

 不思議に思い顔を上げれば、周りの生徒達がわたしを見つめて、どことなく惚けているような様子を見せていた。

 

「……咲良は僕の親戚で、幼い頃から付き合いがあるんです。昔から病弱で、今回もそれが仇となり、遅れての転入となりましたが、仲良くしてあげてください。

 ですが一つだけ注意しておきたいことがあります。咲良は確かに僕の親戚ではありますが、親等は結構離れておりまして、いわゆる、親戚と言うだけの関係ではありません。

 僕にとって、この子は親戚以上に大切で特別な女性なので、あまり変なちょっかいは出さないでくださいね。」

 

 骸がわたしの肩に手を乗せ、そっと静かに引き寄せながら、こちらの仲を見せつけるようにして言葉を紡ぐ。

 ……ここまで堂々と嘘をつくとは……いや、まぁ、わたしもいろいろ嘘をつくことになるんだけど……。

 て言うか、本気で誤解を受けるような言葉を紡いだんだけどこの人。しかも、周りはそれを信じてるし。

 一部女子から恨めしいと言わんばかりの視線が向けられている。

 

「……咲良。少しメガネが汚れてますよ。」

 

「え?」

 

 そんな中、骸からそっと言われた言葉に、わたしは慌てて有幻覚で作り上げていた伊達メガネを外す。

 汚れ……汚れある?

 

「蓮。わたしのメガネ、別に汚れてないよ?」

 

「……そのようですね。僕の見間違いだったようです。」

 

 汚れてないじゃんと軽く拗ねながら、外していたメガネを再びかける。そして、視線を再びクラス全体に戻してみると、顔を赤くしている男子生徒や、何やら敗北感に見舞われている様子の女子生徒が……。

 何があった……?と首を傾げるが、わたしのこの反応に対するものはなく、隣にいる骸だけが笑っている。

 

「???」

 

「気にしないでください。少しだけ咲良の魅力を思い知らせただけなので。」

 

 骸の言葉にただひたすら首を傾げる。

 えっと……とりあえず、女子から突っかかられる頻度は少なくなった……ってことなんだろうか?

 

「望月の席は霧島の隣だな。」

 

「わかりました。」

 

「では行きましょうか、咲良。」

 

 骸に連れられて窓際の一番後ろの席へと移動する。

 ……絶好のサボりスポット。まぁ、サボったりはしないんだけど。

 

「じゃあ、ホームルームを始めるぞ。日直は号令。」

 

 担任の先生の言葉により、日直に指定されている生徒が号令をかける。

 そして、何事もなかったかのように、生徒達はホームルームに臨み始めた。

 

《誰も違和感に気づかないんだ。》

 

《違和感なんてものを残さないように、さまざまな細工を施してますから当然ですよ。》

 

 その様子を眺めながら、わたしと骸は自分達の間にある繋がりを通して言葉を交わす。

 SEやファンタジーで度々見かける念話のようなものだ。骸が、精神世界にわたしを呼び込む際に使うことがあるそれは、わたしと彼の繋がりがあるからこそ呼びかけも応答もできる。

 

《繋がりに工夫を施すことでこんなこともできるようになるとは……。長らく精神世界を暇潰しに歩いたり、条件を満たした特定の存在に強制的な繋がりを作って乗っ取ることをしてきましたが知りませんでした。》

 

《これ、わたしと骸だからできることなのかな……》

 

《どうでしょうね……。これまで繋がりを作った人間はそれなりにいますが、試したことはないのでわかりません。》

 

《ふぅん?まぁ、でも、こんなことができるってわかっただけでも十分な収穫なのかな。》

 

《ですね。いざと言う時に利用することができそうです。》

 

 繋がりを通した秘密の会話を行いながら、時間がかかるホームルームに臨む。

 ……たまにはこんな暇潰しも悪くないかな。

 

《桜奈。この繋がりを通した会話で、これからの行動を話し合いましょう。

 誰にもバレることなく行えるこの会話であれば、周りを気にして話す必要がありませんし。》

 

《ん。構わないよ。でも、ホームルーム無視していいのかな……》

 

《どうせ大した話はしませんよ。気にしないでおきましょう。》

 

 骸の言葉に同意しながら、わたしは彼とこれからのことを話し合う。

 ……そう言えばわたし、しばらくの間並盛中学校を無断欠席することになるのか。

 恭弥さん、怒るだろうなぁ………。

 

 

 




 沢田 奈月(望月 咲良)
 骸のサポートもあり、周りに疑問を持たれることなく黒曜中学校に紛れ込んだ転生者。
 しばらくの間、並盛中学校を無断で欠席することになることを思い出し、雲雀に怒られそうだと考えている。

 六道 骸(霧島 蓮)
 桜奈をしっかりサポートすることにより、まんまと黒曜中学校へと彼女を連れて行った脱獄者。
 繋がりを通して桜奈の考え事は筒抜けなので、余計なことは考えなくてもいいのに……と少しだけ拗ねた。

 犬&千種(颯&千歳)
 学校内では休憩中以外は骸達と別行動を取ることになる脱獄者2人組。
 骸達と別れたあと、そのまま自分達が通うクラスに向かった。


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