最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

181 / 385
 桜の花が黒曜中で過ごす中、彼女がいなくなってしまった並盛にはあらゆる混乱と心配が渦巻いていた。
 その中をひたすらに走り回り、大切な少女を探さんと動くリボーンの元に、1人の青年が接触する。
 ……同時刻、桜の花が本来通っているはずの並盛中学校でも、動き出す者達が現れ始めた。

 Reborn side.→No side.と移行します。


桜の欠席

 桜奈がいなくなった夜の翌日。

 オレは、桜奈がいなくなったあの夜から、1人でいろいろと調べていた。

 

 オレ達が知らないうちに、桜奈は誰かに接触されていなかったか。

 桜奈がいなくなる前、不審な人物はいなかったか。

 

 ……桜奈がいなくなる前、何かマフィア関係で動いたことはないかに関しては、現在、家光とディーノが調べ回っている。

 そのため今のオレができることは、自分の足で桜奈を探すことと、桜奈のファミリーに知らせることくらいだった。

 

「……桜奈。どこに行きやがったんだ。」

 

 だが、並盛中を探し回ったが、桜奈の姿はどこにもなかった。

 ところどころ出くわす一般人達に桜奈の特徴を話しても、誰も知らないとしか返さない。

 一応、ハルや入江にも話を聞いてみたが2人とも知らないと言ってくる。

 

 ─────……まさか、並盛にはもういないのか?

 

 ……桜奈がいなくなった時間は21:30。電車の本数もバスの本数もまだそれなりにある時間帯。

 可能性としてはあり得る話だ。だが、仮に並盛から離れたのだとしても、どこへ行く?

 桜奈の知り合いに、並盛外の人間なんて存在していたか?いや、いないはずだ。

 桜奈の周りを固めるファミリーを選ぶ際、交友関係は把握しておいた。その中に並盛以外の町に住んでいる奴はいなかった。

 桜奈とこれまで行動を取ってきたが、一緒に並盛の外に出た記憶もない。

 あるとしたら、ディーノが連れて行った海と旅館と遊園地くらいだったし、その間もオレは、桜奈の様子を見るために、ずっとその側にいた。

 だから、並盛外に知り合いを作るのは不可能としか言いようがない。言いようがないはずなのに……。

 

「やっぱり、エストラーネオファミリーの生き残りがどこかに?だが、もしそうだとしたらデータにも引っかかるはず。

 だが、この仮説が当たりで、禁弾である憑依弾を扱える奴がいたとして、どうやって桜奈に接触した?」

 

 並盛に住み、桜奈と関わりを持つ人間の素性はあらかた調べ終わっている。

 その中にマフィアにガッツリと関係している人間は、トマゾと獄寺とシャマルとビアンキのみで、過去に抹消されたデータもほとんどない結果だったはずだ。

 だと言うのに、現状で桜奈は誰かに唆され、並盛の外へといなくなってる可能性の方が濃厚だ。

 

「クソッ……もっと早く気づいていれば……!!」

 

 時折意識が遠くに連れて行かれていた桜奈の姿が脳裏にチラつく。

 あの時、もっと早くこの可能性に気づいていれば、未然に防ぐこともできたかもしれなかったのにと、苛立ちに任せて舌打ちをこぼす。

 今更こんなことを考えても、未然に防げなかった以上、どうすることもできないと言うのに。

 

「おっと……随分と荒れてるね、アルコバレーノ、リボーン。どうやら、桜奈ちゃんが連れ去られちゃったようで。」

 

「!?」

 

 そんな中、背後から聞こえてきた声に顔を上げ、銃を構えながら勢いよく振り返る。

 そこにいたのは、コンビニでアイスを買っていたらしい神谷幸弥の姿があり、銃を向けたオレを驚いたような表情をしながら見下ろしていた。

 

「あっっっぶないなぁ……。どれだけ神経尖らせてるの。僕じゃなくて一般人だったらどうしてたんだよ。」

 

「……神谷幸弥」

 

 神谷はいつもの調子で言葉を紡ぎながら、手元にあるアイスクリームを口にする。

 銃を向けられているのにアイスを食ってるこいつの神経はどうなってんだ……と妙な脱力感に見舞われたオレは、手にしていた愛銃を静かに収めた。

 

「……何してんだ、こんなところで。」

 

「見ての通り、アイスを買ってたんだよ。急に食べたくなっちゃってね。」

 

 “君も食べる?”なんて笑いながらアイスが入ってるビニール袋をちらつかせる神谷に、オレはいらないと言うように首を左右に振る。

 そんなもん食ってる暇はねー。早く桜奈を探さねーと……。

 

「……桜奈ちゃんには、前からちょっと不思議な縁があったからね。多分、それを通じて接触されたんだと思うよ。

 君でも今回のこれは、未然に防げる程簡単でも単純でもない。落ち込む必要は全くないさ。」

 

「!」

 

 桜奈の居場所を割り出すことを考えようとしていたら、不意に、神谷がそんなことを言ってきた。

 すかさず神谷の方へと視線を向けてみると、神谷はアイスを食いながら、オレのことを見つめている。

 

「桜奈ちゃんは生まれが特殊だからね。複数の精神を持ち合わせてしまった結果、変な空白ができてしまったんだ。

 その空白こそ、今回の接触者が迷い込み、逢瀬を繰り返して結びつきを強くした空白の精神世界。

 彼はそこに、直通できる道のりを作り上げ、特殊な条件を設けない接触と憑依を行うことができるようになったんだよ。」

 

 桜奈がいなくなった原因……それを唆したと思わしき人物の情報を、神谷は教えてくる。

 それを聞いてオレは、神谷が前に言っていた、全ての結末を知っていると言う話を思い出し、すかさず口を開く。

 

「ああ、言っておくけど。これに関して僕は君らに詳しく情報を教えるつもりはないから。」

 

「何だと……?」

 

 だが、オレの口が言葉を紡ぐ前に、神谷はあっさりと情報は与えないと切り捨ててきた。

 その言葉に思わず苛立ちを露わにしてしまう。しかし、神谷はオレが苛立っていることなど気にしていないと言うように、アイスクリームがついていた棒を咥えながら、オレの方へと目を向けた。

 

「これは桜奈ちゃんにとっても、奈月ちゃんにとっても必要なことだから、探すならどれだけ時間が掛かろうとも自力で探せ。」

 

 吐き捨てるように自分で探せと言ってくる神谷の様子に思わず舌打ちをする。

 今、この場で桜奈が危ない目に遭っている可能性だって否めないと言うのに何でこいつは話さない?

 

「言っとくけど、僕だって桜奈ちゃんが危ない目に遭ってるのであれば、ちゃんといろいろ教えるさ。

 前も言ったけど、僕は桜奈ちゃんの幸せのためならどんな協力も惜しまない。

 つまり、僕が手を出さないと言うことは、桜奈ちゃんに危険はないってことだよ。」

 

「………。」

 

 呆れたような表情をしながら、自分が手を出さないと言うことに関しての話を口にする神谷に、オレは思わず無言になる。

 言われてみれば、神谷は桜奈の幸せを願っているだけであり、傷ついてほしいと思っているわけじゃない。

 桜奈がたどるであろう全ての結末を知っているとも言っているため、今回のことが桜奈にとって、大切なものであることも事実だろう。

 それなら放置することが正解なのか?いや、そんなはずはない。確かに考えることも大切なことだし、自分と向き合うと言うのも必要なことだ。

 だが、例えそうだとしても、このまま桜奈を放っておいて、桜奈を唆した相手を放置していいのか?

 もし、今の間は問題なくても、あとあと危ない目に遭ったら?

 

「……まぁ、桜奈ちゃんにとっては安全以外の何者でもないと言うか……むしろこの出会いにより精神面での完全な最終セーフティができるからこのまま交流を続けてもらうのが吉なんだけど、連れ去った彼の立場が立場だからなぁ。

 どうしても気になると言うのなら、現在イタリアのマフィア関係で発生している事件を調べるといいよ。

 そうすれば自ずと答えにたどり着く。今回の事件を起こしてる存在は、桜奈ちゃんを連れ去った存在に最も近い場所にいた人間だからね。」

 

「!まさか、数週間前に発生した集団脱獄事件が関係しているのか!?」

 

「関係してるか否かは自分で調べなよ。僕がヒントを与えるのはここまでだ。」

 

 神谷が口にした情報を聞き、オレはすぐに携帯電話を取り出す。連絡先から探し出したのは、桜奈の父親である家光の番号。

 あいつもあいつで桜奈のことを調べている。だが、向こうで発生している別の事件にも当たっているため、尻尾とも取れる情報は今だに得ることができていない。

 そもそも桜奈がいなくなったのは昨日の晩だ。情報がすぐに入ってくるわけがない。

 

 そんな中、告げられた重要な情報を、家光達に共有しない手はないはずだ。

 

「家光。オレだ。知り合いから今回のナツの失踪に関してかなり関わりが深い情報を得ることができた。

 今すぐディーノとイタリアで起きた集団脱獄事件とその首謀者を調べてくれ。

 同時期から起こり始めた襲撃事件……その首謀者である存在も調べて、可能なら捕らえてくれないか?

 もしかしたら今回の事件……その首謀者が関係しているかもしれねーぞ……。」

 

 

 

 ────── 並盛中学校2年 教室 ──────

 No side.

 

 

 リボーンが神谷幸弥と接触し、家光に情報を共有する中、HRが終わった並盛中学校2年A組のクラスでは、多くの生徒が心配そうに1人の生徒の席へと視線を向けていた。

 

「……10代目、おっせーな…………」

 

「だな。ホームルームも終わってるし、もうすぐ1時間目が始まっちまうのに……。」

 

 並盛中学校にある2年A組。そこに通っている獄寺と山本は、いつもなら穏やかに笑いながら、女子生徒達と言葉を交わす少女が座っている席を見つめながら、その表情を曇らせていた。

 彼女の席によく集まっている2人の女子生徒……笹川京子と黒川花も、その席を心配そうに見つめている。

 

 この日、獄寺と山本の2人は、朝にリボーンから連絡をもらっていた。

 その連絡の内容は、“しばらくの間、ナツを迎えに来るな”と言うものだった。

 最初、なぜそのような連絡が入ったのかわからず、2人して首を傾げていた。

 しかし、リボーンとはそれから連絡をつけることができず、途方に暮れていた。

 

 もちろん、最初は2人ともその理由を知るために奈月の家を訪ねようとした。

 だが、それを読んでいたかのように、再びリボーンから一通のメールが届いたのだ。

 “こっちのことは気にせず学校に行け”と言う短い文章で。

 

 それを受け取った獄寺と山本は、一抹の不安を抱きながらも、そのメールに従って学校に来た。

 体調が崩れているのか、それとも何かしらのトラブルに巻き込まれたのか……様々な疑問を抱きながら。

 

 しかし、いざ学校に来てみればどうだ?

 いつもの穏やかに笑う少女の姿は朝のホームルームが終わってもなお、姿を見せることはない。

 担任の教師も、少女から欠席の連絡はもらっていないと言い、ホームルームの開始時間を遅らせたりもしたが、連絡は一つも入ることなく、これ以上は授業に遅れが生じると言う理由から、ホームルームを手短に済ませたのだ。

 

「……ねぇ。獄寺と山本は本当にナツの状態を知らないわけ?」

 

 連絡が入ったら報告すると告げ、教室から出ていった担任。

 その背中を見送ったA組の女子生徒、黒川花は、いつも奈月と共にいることがある獄寺と山本に、再度確認するように何も知らないのかと問いかける。

 彼女の隣にいた女子生徒、笹川京子も同意するように頷き、獄寺と山本へと視線を向けていた。

 

「本当に知らねーんだって。ナツの家に住んでる小僧からも何も教えられてないしな……」

 

「一応、10代目のご実家にホームステイをさせてもらってるアネキにも連絡を入れてみたが、音沙汰ねーな。

 返信も、今はちょっと忙しいってだけだし……。仕事なのか10代目のことなのか、全然教えてくれねーぜ。」

 

「……そっか……。ビアンキさんもリボーン君も忙しいのかな?」

 

「さぁな。アネキの仕事事情までは詳しくねーからなんとも言えねー。」

 

 2人から視線を向けられた獄寺と山本は、すぐに何も聞いていないことを告げ、自分の手元にある携帯電話へと視線を落とす。

 新たなメールの着信もなく、メッセージボックスは寂しく既読済のメールしか残っていなかった。

 

「……獄ちゃんも山もっちゃんも沢田ちゃんがいなくなってめちゃくちゃ落ち込んでんね。

まぁ、これまで半年も一緒だった沢田ちゃんが連絡もなしで学校に来ないって状況はめちゃくちゃ寂しいっつーか、心配なんだけどさ。」

 

 いったい何が起こったんだと思考を巡らせる中、不意に話しかけてきたのは、同じクラスに通ってるトマゾファミリーの8代目ボスである内藤ロンシャンだった。

 ロンシャンの声に反応した獄寺達は、一斉にロンシャンの方へと視線を向ける。

 そこに立っていたロンシャンも、彼の側に控えている部下達も、その表情を不安に歪めていた。

 

「ボンゴレの性格はこの半年で把握できている。真面目で責任感が強く、誰よりもしっかりもので、報告等は決して忘れたりするような人間ではないはずだ。」

 

「そんな沢田ちゃんが無断欠席って、かなりヤバいんじゃない?連絡が取れないくらい体調がひどいのか、なんかヤバいことに巻き込まれたとか……」

 

「てめっ……!!何不穏なこと言ってんだ!?」

 

「獄寺の言う通りだよ。不安を煽るようなこと言ってこないでくんない?」

 

「でもでも!あの沢田ちゃんだよ!?オレ、沢田ちゃんが無断欠席するような女の子じゃないってわかってんだよ!?

 それに、沢田ちゃんって、立場が立場だし……変な奴に狙われる可能性だって……」

 

「っ………」

 

「っ……!!内藤!!あんたねぇ……!!」

 

「待てって黒川!!気持ちはわかるけど内藤に怒っても何もわかんねーって!」

 

「そうだよ花!みんななっちゃんのこと心配してるんだから落ち着いて!!」

 

 不安に表情を歪め、もしかしての可能性を口にするロンシャンに突っかかる花。

 だが、京子と山本の2人に宥められられ、表情を曇らせながら無言になる。

 

「……オレは帰るぜ。やっぱり10代目が心配だ。こんなところで呑気に授業なんてやってられっか!!」

 

「あ、おい、獄寺!!」

 

 周りが空気を重くする中、獄寺は自身のスクールバッグを手に取り、そのまま教室を飛び出してしまう。

 山本はそれを止めようと声をかけるが、彼の耳に山本の声は届かず、そのままいなくなってしまった。

 

 残された山本達は無言でその背中を見送ることしかできなかった。

 

 

 

 ─────── 同時刻・応接室 ───────

 

 

 静かな応接室内に、カツン……と小さな音が鳴り響く。

 その音を聞いた応接室の主、雲雀恭弥は、一瞬だけ驚いたような表情を見せたのち、音がした方へと視線を向けた。

 そこには、病院から退院した際、いつのまにか並盛と同じくらいに大切に思っていた少女からもらったストラップについていたクローバーのチャームが落ちており、応接室の明かりを反射していた。

 

 すかさず雲雀は床に転がるクローバーチャームを拾い上げる。よく見るとそのチャームにつけられていたレバーナスカンのフック部分が欠けていた。

 

「………。」

 

 光を反射してキラキラと輝くクローバーチャームを見つめる。

 去年の秋辺りに手渡された健康守り……チャームに嵌められた天然石ができる過程を話していた穏やかな笑顔を思い浮かべながら。

 

「……何で落ちたんだろう。これは大切に扱っていたはずなんだけど。」

 

 不思議そうに首を傾げながら、雲雀はチャームを見つめる。

 いつのまに金具が欠けてしまったのだろうかと思案しながら。

 

「委員長。少しよろしいですか?」

 

「草壁?構わないけど、何?」

 

 直してもらわないと……天然石のクローバーでできたチャームを摘みながら、仕事以外でも一緒に過ごせる口実の一つに小さく笑う雲雀。そんな彼の下に、1人の生徒がやって来た。

 風紀委員会の副委員長を勤めている男子生徒、草壁哲也だ。

 

 一言失礼しますと口にして、応接室へと足を運んだ彼は、少しだけ表情を歪めながら、雲雀の前に姿を見せる。

 

「……随分と表情を顰めてるけど、何かあったの?」

 

 明らかに様子がおかしい草壁の姿に、雲雀はすぐに何かあったことを把握する。

 これまでそれなりの時間を草壁と過ごしているため、その表情が並盛に害があるような何かしらのトラブルが発生した際に見せるものであることを彼は理解していた。

 並盛の敵は自分の敵……もしも奈月にとっても大切な場所であるここを汚すようなことがあると言うのであれば、容赦なくその根本を叩くために、彼からの情報を待つ。

 

「はい……。実は、先程2年A組の担任から伝えられたのですが、どうやら奈月さんが無断で学校を欠席してしまっているようで……。」

 

「……奈月が無断欠席?」

 

「はい。話によりますと、奈月さんの家に連絡を入れてみても、奈月さんの自宅にホームステイをされているイタリアの女性が出て、今は取り込み中だからあとにして……と返されるだけで、ご両親とも連絡がつかず、途方に暮れているようです。」

 

「…………。」

 

 草壁の報告を聞き、雲雀は思わず無言になる。

 しかし、すぐに自身の携帯電話を制服のポケットから取り出しては、連絡先の中に含まれている奈月の連絡先を開き、通話ボタンを押した。

 だが、スピーカーから聞こえてくるのは電源が切れていることを知らせる無機質なアナウンスのみで、奈月は出ない。

 

「……奈月には携帯の電源は切らないように指示しているはずなんだけど、電源が切られてる。」

 

 無機質なアナウンスが続く中、通話終了ボタンを押した雲雀は、訝しげに目を細めながら呟く。

 誰よりも真面目で責任感が強く、自分の指示をしっかりと聞いてくれる彼女が、欠席の連絡を入れてこないどころか、指示を無視してしまうなどあり得ないと言うように。

 

 いったい何が……と疑問を浮かべる中、視界に映り込むクローバーチャーム。

 金具が欠けて落下してしまったそれを見つめて、雲雀はしばらくの間無言になる。

 

「………少し出かけてくるよ。奈月に何かあったのかもしれない。」

 

「!わかりました。お気をつけて。」

 

 大切にしていたはずのストラップが壊れてしまったこと……それに妙な胸騒ぎを覚え、雲雀は草壁に出かけて来ることを告げる。

 出かける理由を聞いた草壁は、すぐに雲雀を見送り、その場で頭を下げた。

 

「……大切な人からもらったものや、大切な人が愛用しているもの……それが壊れた時、その人の身に何かあったのかもしれないなんて思ってしまう話は、物語上のものだと思っていたけど……」

 

 ─────……どうやら実際にあるみたいだ。

 

 嫌悪感があるような、どこか渦巻く妙な感情に苛まれてしまうような感覚を覚えながら、雲雀は学校の正門へと向かう。

 胸騒ぎを覚える原因となった、誰よりも大切な1人の少女の側によくいる、1人の赤ん坊を探すために。

 

 

 

 




 リボーン
 桜奈の捜索のため、並盛町を走り回っていたアルコバレーノなヒットマン。
 そんな中現れた神谷幸弥から、重要な情報を得ることができたため、家光達に与えられた情報を重点的に調べるように指示を出す。

 神谷 幸弥
 桜奈の幸せを願っているが、彼女が傷つき、散らされることは良しとしていない月のような男。
 桜奈が誰と一緒にどこにいるのかは把握しており、危険もないと言う理由から、リボーン達の捜索に強く協力するつもりはない。
 今回の失踪は桜奈に必要な出来事のため、時間の遅延を図るため、自らの足で探し出せと切り捨てる。

獄寺 隼人
 奈月が学校に現れないことに、不安を募らせて教室を飛び出した次代の右腕。
 普段は連絡をすることすらしない姉であるビアンキにも連絡をするも、情報が入らなかったため、自らの足で調べることを選ぶ。

 山本 武
 奈月が学校に来ないため、心配を募らせていた野球少年。
 獄寺が教室を飛び出してしまい、それをすぐに追いたかったが、授業があるため追うことができなかった。

 雲雀 恭弥
 奈月からもらったストラップが壊れてしまったことに、胸騒ぎを覚えて町に飛び出した風紀委員長。
 奈月の親に連絡がつかないのであればと、彼女に最も近い位置で過ごしているリボーンを探し始める。

 京子&花
 奈月の無断欠席に不安を露わにしていた女の子達。
 ロンシャンの言葉に反発する様子を見せるが、この場で怒鳴っても意味はないと山本に宥められ、口をつぐむ。

 内藤 ロンシャン
 奈月が無断欠席をするような女の子じゃないと言うことや、彼女と同じマフィアのボスと言う立場上、何かしらのトラブルに巻き込まれたのではと口にしたトマゾファミリー8代目。
 沢田ちゃん……無事でいてよ……。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。