最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
アルコバレーノは人混みに紛れながら、桜の花を探し歩く。
そんな中、感じ取れたのは、自身が愛してやまないその気配だった。
side Reborn.
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side change 主人公
チラッと彼女が口にすることがある若手社長さんの設定が最後にあります。
出すつもりがないモブのはずなのに、ちゃっかり設定を組んでいたバカは私です←
桜奈が姿を消して1週間。未だに家光とディーノから情報は届くことなく、ただひたすら、自身の足で探すこと以外ができない状態に、オレは思わず舌打ちをする。
並盛町全体は探し終えた。どこかで見かけたら必ず捕まえておけと桜奈の周りにいるファミリーや友人達にも声をかけていたが、誰1人として見つけることができておらず、外を飛び回っている情報源からも、それを得ることができない。
いったい桜奈はどこに行ってしまったのか……まさか、県外の方にまで出てしまっているんじゃないか……様々な不安が脳裏を過る。
おまけに、今のオレの姿は赤ん坊の状態。歩ける範囲は限られており、度々休息を挟まなくては、まともに動くこともできない。
そのことに苛立ちを少しだけ覚えながらも、オレは桜奈を探し続ける。
早く見つけなくては、何かまずい方向に行ってしまいそうな予感を抱きながら。
「……この体に、これ程までに苛立ちを覚えるようになるとはな。」
どれだけ歩いても距離は稼げず、なんとか距離を稼ごうとして急げば急激な眠気に襲われて、動くことすらできなくなる。
昔は気にしていなかったことに、今はここまで振り回されることになるとは思いもよらなかった。
「桜奈……どこにいるんだ……」
早く見つけて話がしたい。桜奈に望んでいるものがあるのなら、その話を聞かせてほしい。
もし、抱え込んでいるものがあったのであれば、それを教えてほしいし、それを共に背負うことだってするから、早く顔を見せて欲しい。
様々な望みを抱く中、近場にあったカフェのテラス席に座り、頼んでいたエスプレッソを飲む。
だが、その味はどこか最悪で、桜奈が淹れてくれたものの方がずっと美味いと思ってしまう。
「いやぁ……すっかり朝帰り……どころか昼帰りになっちゃったな……」
「すみません。アラームをかけずに眠ってしまったので、あんな時間に……」
「気にしないでいいって、蓮。わたしも結構ぐっすり眠っちゃったしね。」
「おやおや……。僕の隣はそんなに落ち着きましたか?」
「落ち着いたって言ったらどうする?」
「……そのカウンターはずるいでしょう。」
「ふは……!蓮ってば顔が真っ赤だよ。」
「誰のせいだと思って……!!」
「!!?」
そんな中、聞こえて来た若い男女の声に、オレは驚いて顔を上げる。
全く知らない声をしている2人組のはずだと言うのに、どこかその気配は、待ち望んでいた存在の気配と少なからず似通っており、思わず近場の通りへと視線を向けた。
だが、日曜日という多くの人間が過ごしている場所で、尚且つ感じ取れたその気配は、あまりにも朧げで弱く、霧のように霧散してしまい、先程の会話をしていたのが誰だったのか、把握することができなくなってしまった。
「おい!!ナツ!!いるのか!?いるなら返事をしろ!!」
急いで座っていた席に金を置き、テラス席の柵を飛び越えて、桜奈が持ち合わせているもう一つの名前を口にする。
しかし、その声に反応したのは、周りを通り過ぎようとしていた一般人のみであり、先程の気配は全く辺りに残されていなかった。
朧げではあるが、確かに感じ取れた桜奈の気配と別の気配。一瞬だけ存在を明かすかのように、感じ取れたそれは、桜奈に干渉していた何者かの気配でもあった。
しかし、ほんの一瞬だけしか感じ取れなかったそれは、すぐに周りにいる人間達に塗りつぶされてしまい、辿ることができない。
念の為、辺りを見渡して先程通り過ぎた2人組を探してみるが、それらしい人間は見つからなかった。
「くそ………っ」
近くにいたはずなのに、手を伸ばす前にいなくなる……陽炎でもつかまされたかのような状況に、思わず歯を食いしばる。
明らかに先程の気配の揺れは、見つけさせられたようなものだった。気づけないから明かしたという雰囲気だった。
おちょくられたとも言えるだろう。近くにいても見つけることができない、オレに対する当てつけだ。
「せっかく見つけたのに……!!」
怒りと苛立ちが込み上がる中、オレはすぐにその場から走り去る。
一瞬の気配の流れから、先程の気配が移動したと思われる方角へと移動する。
もしかしたらまだ間に合うかもしれない。そのような希望を抱きながら。
「………やっぱりリボーンが来てたか。」
「……そのようですね。どうしますか?やろうと思えば、すぐにでも遠くへと移動することもできますが。」
「……移動……するべきなのかな。わたしじゃわかんないや。見つかりたいのか、見つかりたくないのか。」
「それなら、試しに離れてみましょうか。犬と千種にも声をかけましょう。スミレさんには申し訳ないですが。
それで、もしも、アルコバレーノ達との接触を必要とするならば、また戻って来たらいいと思いますよ。
僕としては、このまま見つかりたくないと望んでいただきたいところですが。」
「……最後のお願いは聞けないかもだけど、一旦は骸の意見に乗るよ。私もまだ、何が答えがわからないから……。」
「では、早いところ準備をして離れてしまいましょう。次はどこがいいですかね。」
「……わたし、昔はさ。いつか、海が見えるような場所で過ごしてみたいなって思ってたんだ。月を反射する海や、波の音が好きだったから。」
「わかりました。次は海が見える場所に行きましょう。お金は十分過ぎる程にありますからね。」
軽く冷静さを欠いていたせいか、その時のオレは気が付かなかった。
オレが桜奈を見つけるため、走り出した方角に、本当に桜奈がいたと言うのに、桜奈と桜奈を拐かした存在の横を通り過ぎていたことに。
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side change 主人公
ホテルで一晩明かし、犬達と合流をしようとしていたところ、感じ取ることができたリボーンの気配。
本来ならば、探しに来てくれていた彼の前に姿を見せるべきだったのだろうけど、ホテル内で生まれた疑問の整理がついていない以上、戻る一歩が踏み出せず、一旦は離れようと言って来た骸の提案に乗ってしまう。
これが正解だったのかはわからない。でも、今の状態でリボーン達に会えるかと言われたら難しいため、自身の精神状態を落ち着かせるためには、必要なことだと思った。
「犬。千種。荷物をまとめてください。奈月の周りに集まっていたマフィアの人間がこの町に来ていました。
黒曜中には、咲良の体調の悪化を理由に、全員分の休学届を出して受理していただいています。
それなりに必要なものがありましたが、まぁ、マインドコントロール等を駆使すれば問題なかったのでしておきました。」
「ゲッ!?マフィアの連中がいるんれすか!?」
「わかりました。すぐに準備します。」
下宿先にまで戻り、骸が犬と千種に指示を出す。
彼の指示を聞いた2人はすぐに準備をするために行動に移し始める。
「僕はスミレさんにここから離れることを伝えて来ます。桜奈も移動の準備を行ってください。」
「ん。わかった。」
骸の言葉に小さく頷けば、彼は微笑んだのち、わたしの前から離れていく。
それを確認したわたしは、少しだけ考えたのち、こう言った下宿屋から人がいなくなったら、オーナーはどこを掃除するかを判断して、一つの手紙を書いておく。
リボーンのことだ。きっと、わたし達がいたこの場所を見つけ出すことくらいしてくるはず。
だったら、念の為にこれを置いておこう。
─────……手紙の中身はイタリア語に。側にはスミレさんが読めるように日本語の置き手紙を添えておいて。
骸と繋がりを持っていることや、自身の直感のおかげで、一時的に骸とのつながりを弱くすることはできた。
だからこそ、少しだけ繋がりを弱くして、イタリア語の手紙と、日本語の置き手紙を書き終わる。
これで、スミレさんの元にリボーンがやって来た時に、わたしの手紙が彼の元に渡るはずだ。
そう思いながら、わたしは手紙を隠すように置き、骸と自身の繋がりを元に戻す。
急に繋がりが弱くなったから、何かしら気づいていると思うけど、彼も深く聞いてくるようなことはしないはずだ。
あるいは、予想はつくが指摘しない……それが彼の判断になるだろう。
「荷物……は、とりあえず昨日買ったものを全部キャリーケースに納めようか。」
確か、こうやったら入るはず……と考えながら、昨日、骸と一緒に買いまくった衣服をキャリーケースへと詰めていく。
畳み方一つでなんとかなるのってある意味すごいよね……。
「こんなもんかな。」
「おや。昨日買った服、全部詰めることができたんですね。」
「ん?うん。畳み方で一つで入るスペースが一気に空くもんだよ。」
「なるほど……。今度教えてください。逃走する際の参考になりそうですし。」
「逃走用かい……。まぁ、いいけどさ……」
なんてことを考えながら、荷物を詰め終えていると、話をつけて来たらしい骸に話しかけられた。
興味津々に荷物の中を覗きこみ、今度やり方を教えて欲しいと言って来たが、その理由に対して思わず苦笑いをこぼしてしまった。
でも、まぁ、骸が旅行のためと言わないなのは当然かと思いながらも、承諾の言葉を返す。
「このような技術を身につける……と言うことは、前世で出張を度々していた感じですか?」
「そうなるね。どうしても正社で上の立場に身を置くと、出張をしなくてはならない時が割とあったよ。
あとは、まぁ……前世で勤めていた会社の取引先である大手会社の若手社長に気に入られてね。
その人と何度か旅行に行ったことがあるんだよ。性格はかなり落ち着いていて、だけど、見た目は正統派な王子様のような見た目をしていた人で、何度もオレの秘書にならないかって誘って来たんだ。」
「……はい?お付き合いすらしていない男性と旅行に行っていたんですか?」
「ん?あー……実は、わたしは恋愛感情がなかったんだけど、その社長さんからお試しでいいから付き合ってほしいって言われてね。
周りのみんなからも、相手が若手のイケメン社長ってこともあって、こんなチャンスは二度とないから付き合ってみたらって薦められたんだよ。
その社長さんからも、今は恋愛感情を抱いていなくてもいい。一緒に過ごす中で振り向かせるからって言われて、それで一時的にお付き合いをしていたんだよ。
その時に、一緒に旅行したり、出かけたりしていたんだけど、わたしは知っての通り仕事人間だったからさ。
結局、その人に恋愛感情が抱けなくて、わたしよりずっといい人に出会えると思うからって、わたしから最後はお断りさせてもらったんだ。」
骸からの質問に、わたしは苦笑いをしながら、恋情はなくてもお付き合いはしたことがあることを明かす。
すると、骸は一瞬目を丸くしたあと拗ねたような表情を見せた。デートは初めてじゃなかったのかと言いたげだ。
「心の底から楽しいと思ったデートは骸が初めてだよ。だからそんな顔はしないで。」
ハッキリと出された嫉妬の表情に苦笑いをこぼしながらも、心の底から楽しめたデートは骸が初めてであることを告げれば、彼は何度か瞬きをする。
「……言ったでしょ。わたしが素直に甘えることができたのは、幼馴染み達の前だけで、こっちの方で、今一番甘えられる存在は骸だって。
取り繕わなくて住むからね。あの時の若手社長さんに対しては、どうしても取り繕った自分でしか過ごすことができなかった。
きっと、あの人は仕事ができるからこそ目をつけただけだからね。本来の姿なんて見せることは、どうしてもできなかったんだよ。」
小さく笑いながら、あの時の自分が目をつけられた理由を骸に告げる。
今となっては真実なんてわからないけど、きっと、わたしがあの人に目をかけられたのはそう言う理由だ。
確かに、あの人は素敵な人ではあった。わたしのトラウマに関しても真摯に向き合って話を聞いてくれたし、わたしが嫌がることは一つもしなかった。
ちゃんと向き合って、ちゃんと場を踏んで、わたしが傷ついたりしないように、優しく紳士的に接してくれて、自分が考えていることや、思っていることがあればいつでも言ってほしいとも言ってくれた。
それはすごく嬉しかったし、何よりもありがたかった。だからこそ、わたしはあの人の側にいてはいけない思った。
きっと、長く一緒に過ごしていたら、わたしは自身が取り繕えなくなって、本来の欲張りな自分を出してしまうと思ったから。
そんな姿は見せられなかった。見せたくなかった。骸や幼馴染み達は、寂しがり屋で甘えたがり屋なわたしを受け止めてくれるし、心からそう思ってくれているのだとわかってるから、こうして自然体でいられるけど、あの人にはどうしても見せることができなかった。幼馴染み達や、骸のような人間はきっと少数派だ。
大半の人は、わたしみたいなめんどくさい性格をしている人間なんて受け入れたくもないだろうし、迷惑にしか思えないだろうから。
「骸みたいな人は少数派。だからわたしは取り繕うんだよ。自分が傷つかないように、みんなを傷つけないように。みんなに……迷惑をかけないようにね。」
“だからこそ、今のような環境を作ってくれている骸達にはすごく感謝してるんだ”……と、自身の思いの丈を告げると、優しく骸に引き寄せられ、そのまま唇に軽くキスを落とされた。
驚いて目を丸くしていると、骸はわたしに小さく微笑みかけたのち、額にもキスを一つ落として来た。
「そんなに可愛らしいを言わないでください。あなたに対する想いが爆発してしまいそうになる。
ですが、そのように言っていただけてすごく嬉しいです。先程まで嫉妬していた気持ちが晴れやかになる程に。」
わたしの頬にそっと触れて、心から嬉しがっている表情を見せる骸。
その姿に何度か瞬きを返したのち、わたしは小さく笑い返す。飴を煮詰めたかのような甘い熱を宿す瞳に、少しだけ照れてしまいそうになるが、目を逸らそうにも、頬に手を添えられているせいで少しだけ難しい。
「僕なら絶対、桜奈に窮屈な思いはさせません。我慢なんてさせるつもりもありませんから、どうかそんな男のことなど忘れてしまってください。
ゆっくりでも構いません。その思い出は、頑丈にロックした心の宝箱の中にでもおさめて、僕との思い出を積み重ねて、奥深くへと眠らせてしまいましょう。」
「上書きする気満々?」
「当然のことを言わないでもらえますか?」
「……即答だね。」
バッサリと切り捨てるように、当たり前のことを確認するなと言うような骸に苦笑いをこぼしながらも、そのまま骸の方に倒れ込む。
骸は倒れ込んできたわたしをしっかりと抱きしめて、優しいキスの雨を何度か降らせて来た。
そのことにくすぐったさを覚えながらも、しばらくの間、骸に寄りかかる。
程なくして充電ができたわたしは、タイミングよく腕の力を緩めてくれた骸の腕の中からそっと離れて、キャリーケースを静かに閉じた。
「よし。閉まった。」
「あれだけギュウギュウに詰められていても閉まるものなのですね、キャリーケースって。」
「うん。詰め方次第によるけどね。」
「なるほど……。ですが、僕の服まで入れてしまって大変ではありませんでしたか?」
「問題はなかったよ。でも、一応骸も自分のキャリーケースは持っておいた方がいいかもね。
ずっとわたしの荷物と一緒に入れておくのも嫌だろうし。」
「僕はあまり気にしませんが、僕のものまで入れていると荷物が間違いなく重くなると思いますから、何かしら買って町を離れた方がいいかもしれませんね。」
キャリーケースを手に持ち、移動する準備万端で部屋から外に出ると、犬と千種の2人が合流した。
2人は自身のスクールバッグに荷物を大量に入れたようで、パンパンに膨らんだそれを手にしていた。
「……一応2人も、着替えとか収める用のバッグ買って町から出ようか。そんなバッグじゃ、移動速度が遅くなるでしょ?」
「「……賛成。」」
「クフフフ……では、町を出る前に少しだけカバンが売られている場所に寄りましょうね。」
2人の返事を聞いたのち、わたし達はお世話になった下宿屋を後にする。
たどり着いた場所で、わたし自身の答えを見つけられるように願いながら。
桜奈
骸達と共に、黒曜中学校があった隣町から離れた転生者。
実はお付き合いの経験はあったが、恋愛感情がなかったことや、その時の自身の心境から、ノーカン扱いしていたが、今回、骸に初めてそれを明かした。
六道 骸
まさか桜奈が男性と付き合っていたことがあるとは思っていなかった脱獄中の術士。
最初こそかなりの嫉妬心を抱いたが、その時の彼女の心境や、どこまでも人のことを想い、決断するその姿に愛しさが爆発してキスをする。
これからは我慢なんてする必要はないから、自分との思い出でそれを忘れてしまえと告げ、彼女をさらに遠くへと連れ出す。
犬&千種
このあとめちゃくちゃバッグを選んだ。
桜奈を想っていた若手社長
見た目はディーノのような正統派イケメン。性格は雲雀恭弥寄りと言ったハーフの男性。
桜奈自身は、自分が仕事ができるから目をつけられていたと思っているが、彼自身は決して彼女の仕事の腕に惹かれたわけではなく、本当は彼女の本性も知っていた。
しかし、それを知らなかった彼女は彼に別れを告げた上、様々な事情の果てに自ら命を絶ってしまった。
この青年は、彼女と幼馴染み達が通っていた大学の同じ学年に通っていたのだが、彼女はそれを覚えていない。