最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
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※オリキャラによる視点です。
イタリアにある一つのファミリーのアジト。
月花が照らすそこに、2つの勢力が足を踏み入れる。
片方はこれまで様々なファミリーを襲撃していた5人組の勢力で、もう片方は、ボンゴレファミリーより直々に依頼を受けた2つの組織のリーダー達の集まりだ。
「……お前は………。」
「よう、襲撃者さん達よ。随分とまぁ、派手に動いてくれたもんだな。」
片方の勢力の男が、相対した相手に目を向け、少しだけ驚いたような反応を見せる。
人数の差は、言わずもがな、2つの組織で形成されている方ではあるが、片方の勢力は少数精鋭でありながら、強大な力を持ち合わせているものが1人いた。
……その名はランチア。かつて、ある一つのファミリーに身を置いていたにも関わらず、属していたファミリーの者達は悉く惨殺され、彼だけが必ず生き残る……。
側から見たら、ランチアが犯人だと皆が言うだろう。事実、ランチアはその手でファミリーの命を次々と奪っていた。
しかし、それは全て彼の意思によるものではなく、第三者の手により引き起こされていた。
「……六道骸……まぁ、彼の境遇を考えりゃあ、そんな行動を取っていてもおかしくはないわけで……。
だとしても、あまりにもアレだよな。どれだけ憎しみに囚われようとも、どれだけ苦しみに焼かれようとも、どれだけ復讐を行おうとも、スッキリするどころか、次々とそれらが湧き上がって、歯止めが効かなくなっちまう。
まぁ、そもそもアレが、歯止めを効かそうなんてことを考えるないけどね。それが唯一、その怒りをおさめるための行動だったわけだし?」
1番の被害者とすら言える存在を視界に入れたオレは、その場でやれやれと溜息を吐く。
脳裏に過るのはいくつもの結末。しかし、そのどれもがランチア側の敗北であり、対峙している勢力に目を向ければ、そりゃそうなるわと吐き捨てたくなった。
「どれだけやろうとも、沢田家光とディーノの2人が手を組んでいる以上、負ける未来しか待ってない。
ランチアの被害が軽いか重いかしか道はない。最悪な結末は、このまま息絶えて終わると言う道だな。」
あくびを漏らしながら、手にしていたりんごに齧り付く。目を細めながら考えるのは、この現状をどうやって軽い方へと持って行くべきか。
彼には償いの時が必要だ。確かに、これまでの被害状況からして、マインドコントロールをされていたとは言え、沢山の命を奪ってきた。
その所業は、側から見たら死を以て償うべきだと言う人間は多いだろう。
だが、ランチア自身も被害者の1人……少しくらいは望みを叶えてやってもいいのではないかとすら思う。
「……やれやれ。あまり周りに姿を見せるのは好きじゃないんだが……まぁ、あの子らのためを考えれば、別に構わないか。
これから先のことを考えれば、闇に囚われた悲劇の青年にもちゃんとした役割があるしね。
オレがいる限り、あの子らの未来は絶対に悲劇にさせたりはしない。ようやく触れ合えるようになったんだ。
……昔は、ただ遠くから見つめることしかできなかった。その分この世界では、あの子らのために力を振るうとしよう。」
ただ、それをするためにまずは、あの青年のマインドコントロールを解いてもらわなくては……そう思いながら、オレは集まった勢力の前に立つ沢田家光、ディーノ、ランチアの3名に目を向ける。
顔を合わせてしまった以上、彼らはこの場で戦闘をすることになる。
「ちょっと。話と違うじゃない。なんで雑魚ファミリーの群れじゃなくて、金持ってそうな男と冴えないおっさんがアジトにいんのよ。」
「あの青年は……キャバッローネファミリーの10代目で有名な跳ね馬のディーノのようですねぇ……。
他にも随分と活きの良さそうな連中がわんさかと……」
さて……どちらが先に手を出すか……なんて思案しながら、リンゴを齧っていると、ランチア側についている囚人、M.M、およびバーズ、そして、殺人鬼の双子が臨戦体勢をとる。
お前らがそこの勢力に勝てるわけないだろ、と少しだけ呆れながらも、沢田家光とディーノに目を向けてみれば、2人は顔を一度見合わせたのち、同じように臨戦体勢をその場で見せた。
「冴えないおっさんで悪かったな嬢ちゃん。嬢ちゃんくらいの年の娘を持ってる身としちゃ、なかなかぐさっと来るもんがあったぜ。」
「そんなもん、今はどうでもいいだろ家光。悪いが、さっさと終わらさせてもらうぜ。
オレ達には探し人がいるんだ。そんで、その探し人の位置のヒントを知ってそうなのが、その傷がある奴なんでな。無駄話をしてる暇はねーんだよ。」
そう言って目の前に現れた襲撃者達に目を向けた2人は、一度その場で目を閉じたのち、確かな敵意を持って戦闘に突入する。
利用された闇陣営と、大切な存在を助けたい貝の陣営の間に、確かな火蓋が切られた。
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戦闘の能力の差は明らかだった。
すでにバーズが双子の司令塔であると見抜いていた家光は一瞬にしてバーズに近寄り、一撃を与えるだけで昏倒させた。
それにより司令がなくなった双子は、すぐに自由に動き始めるが、部下を引き連れてやってきていたディーノが素早く鞭をその首に巻きつけ、そのまま呼吸困難による酸欠を起こすことで意識を奪い、目を覚ました際の保険としてか、バーズを潰した家光が無駄に長い四肢の骨を容赦なく砕く。
瞬殺としか言いようのない一瞬の出来事に、呆気に取られていたM.Mは、そのまま武器と思わしきクラリネットをディーノの部下の手により奪われ、拘束されたことにより無力化されてしまった。
「ちょっと……!!全然話と違うじゃない!!どうなってるのよこれ!!」
拘束されたM.Mは、すかさず話が違うとランチアを怒鳴りつけるが、ランチアはM.Mに答えることなく、一瞬にして自分以外を制圧してしまった家光とディーノを見据えていた。
その表情には、マインドコントロールを施されているとは言え、どことなく安堵に溢れており、ようやく終われるのだと思っているようだった。
自身の問いに答えないランチアに、M.Mはさらに憤りをぶつけようとしたが、アイコンタクトだけで何かしら指示を出されたディーノの部下の手により首の後ろを強打され、そのまま昏睡状態に陥る。
それにより、その場に残っているのは家光達の陣営とランチアのみであり、辺りに静寂が落ちる。
「……一つ問おう。お前達が探している人間と言うのは、ボンゴレ10代目である沢田奈月か?」
「「!!」」
それを破ったのはランチアだった。
マインドコントロールに含まれているなんらかの命令……それを遂行するための問いのようだ。
ランチアの方からその名前を出してくるとは思っていなかったのか、家光とディーノは驚いたような表情を見せる。
しかし、すぐにそれは確かな敵意により塗りつぶされ、2人して戦闘大勢に入る。
「……よくわかったな。ナツはオレの娘だ。その名前を知ってるってこたぁ、やっぱりお前はナツがどこにいるのか知ってる見てーだな。」
家光から滲み出るわずかな怒り。娘の名前を知っているランチアに対してではなく、こちらの世界で芽生え始めている超直感……まぁ、それを目覚めさせるきっかけを作ったのはオレなわけだが……とにかく、それによりすでに把握している、ランチアの背後にいる六道骸に対するものであるとすぐにわかった。
あの子が六道骸に攫われること……六道骸と過ごすことは必要なものであるため、オレからしたら別に攫われようが構わない……と言った認識だったが……やはり人の親ってものは、大切な我が子が攫われると言うのは相当怒りに溢れる内容だったようだ。
─────……まぁ、オレにはわからない感性だけどね。なんせオレは、どこに誰がいようとも、月さえ昇っていればいくらでも観測できる。
観測対象がどこにいようとも、月さえ存在していれば、過去も未来も見ることができるしな。
─────……まぁ……あの子を見つけた時は少々予想外だったが……いや、どこかの竹から生まれた姫君のように、月を見ながらいつも泣いていた上、物語か何かで月には別の世界が広がっていると信じていたからこそ、オレも気づくことができたのか……。
懐かしくも悲しくて、命の終わりを迎えた時に、こちら側に顕現した俺が重なることで拾い上げることができた悲劇の愛し子をのことを思いながら、食べ切ったりんごの芯をその場に捨てる。
家光の答えを聞いたランチアが、どのように答えるのかを見るために。
「……聞き出したくば、オレを下してみろ。」
ランチアの答えは戦闘により己を下して見ろと言うものだった。
戦力差は明白で、勝ち目はないとわかっていても、相手を潰せと言う六道骸による下された命令には逆らえないようだ。
本当はさっさと答えて楽になりたいところだろう。だが、絶望と傷心が深すぎるがゆえに、かけられたマインドコントロールには逆らえない。
─────……一度使用者に対して精神が折れた人間は、その呪縛から抜け出すのは厳しくなると聞いたことはあったが、ここまで逆らえなくなるのか。
マインドコントロールと呼ばれるものは、相当な厄介者らしい。
やはり、まずはランチアのマインドコントロールを解かなくては、現状に手出しはできないようだ。
六道骸と出会わなければ、奈月が解くことになっていたそれを解くために、家光に超直感を開花させたのは正解だったらしい。
開花させるための種を芽吹かせるべきか否か、多少悩んでしまったが、なんとかなりそうだ。
─────……まぁ、開花させるためにやったのは、なかなかアレな技術だったがな。
月が持ちうる超直感の記録と感覚……それを眠っている間にわずかながらに教えるなど、本来ならば禁忌レベルだ。
ああ……だが、オレに月を管理しろ……なんて言ってきたアレの采配ミスでもあるか。
その権能をオレが利用するとは考えなかった間抜けのせいだと言っておこう。
そんなことを思いながら、月を持つことにより得られた様々な権能に小さく笑う。
この権能があれば、あの子らの幸せをなんとか守り抜くことができる。
「……そうかい。なら、こっちもちょっくら本気を出すとするかね。」
今だけはその間抜けさに感謝してやると笑いながら、残りの戦闘を観戦するため、視線を戦場へと向けて見ると、家光は一度目を閉じたのち、その場で死ぬ気の炎を額に灯した。
かつては初代が身につけていた、自力で死ぬ気になる方法……今では、奈月も同じ技術を使えるようになっているが、彼女が出来るようになる前は、かなり少ない事象だった。
まぁ、今でもそれは変わらないと思うが……やはり、この男と彼女が持ち合わせているポテンシャルはとんでもないものだと改めて認識する。
─────……彼女の場合は、オレがこちら側に魂を連れてきた際に、いくつかの記録から引っ張り出して記憶として与え、肉体を得た際に際限なく発揮できるようにしていたわけだが……それをすることなくポテンシャルを持ち合わせていた家光は、ある意味化け物クラスだな。
……と、思ったが、割とこの世界にはおかしなポテンシャルを持ち合わせている化け物クラスがかなりいたな。
そう思うとこの世界はそれなりに魔窟のような気がする。
そんなくだらないことを考えながら、オレは家光とランチアの様子を眺める。
ランチアと対峙する家光に、しっかりとマインドコントロールを解いてやれと、内心で告げながら。
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ランチアと家光達がぶつかるのを眺めている謎の青年。
桜奈が奈月として転生したことや、家光が超直感を目覚めさせたことに関して、かなり関わりがある模様。
淡い金色の髪に、夜空のような濃紺の瞳を持ち合わせており、りんごをよく食べている。
沢田 家光
9代目からの指令を受け、次に襲撃されるであろうファミリーのアジトに先回りしていたCEDEFのボス。
謎の青年の介入により、超直感を目覚めさせる原因を植え付けられていた。
ディーノ
家光とともに襲撃されるであろうファミリーのアジトに先回りしていたキャバッローネファミリーのボス。
双子を一瞬で昏睡させたが、家光がついでとばかりに容赦なく双子の四肢を折ったので、少しだけ引いてしまった。
折った理由はなんとなくわかるので特に何も言っていない。
ランチア
襲撃者として姿を現した脱獄者。
骸により仕掛けられた、敵対者やマフィアを容赦なく潰しにかかれと言う暗示に逆らうことができず、そのまま家光達と対峙したが、その内心は、自身より遥かな実力を持ち合わせている存在に対する安堵があった。
これでようやく……オレは…………。
バーズ
即行で家光にのされて撃沈。
ジジ&ヂヂ
即行でディーノに絞められ撃沈。ついでに家光に両腕両足の骨を折られて再起不能。
M.M
呆気に取られているうちに拘束され、そのまま強打されて昏睡。