最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 藍色が策略を巡らせる中、桜を迎えに来た者達は、月白の青年の元へとたどり着く。
 やってきた虹の黄色達を見た月白の青年は、特に驚くことなく、虹の黄色達にある場所へ向かうように告げた。
 月白に導かれた虹の黄色達は、導かれた先に足を運ぶ。邂逅の時は、もう少し……

 side REBORN.


邂逅の時は目前に

 タクシーを使いたどり着いたのは、海が近くにある別荘地だった。

 乗っていたタクシーに一言声をかけ、一旦この場で待機してもらうことにしたオレは、あとで追加で料金を払う約束を取り付け、メモにあった住所の方へと足を運ぶ。

 

「……やっと来たわけ?」

 

「バイクとは違ってタクシーだったからな。裏道はあまり通れなかったんだ。」

 

 そこにはすでにヒバリが到着しており、住所に記された場所にある屋敷の門に寄りかかって待機していた。

 ヒバリが大人しく待っているとは思わなかったのか、獄寺と山本が少しだけ驚いた様子を見せる。

 

「屋敷の持ち主……は……神谷……?」

 

 そんな2人のことを気にすることなく、屋敷の表札に目を向けてみると、そこには神谷の文字だった。

 まさかの名前に一瞬だけ驚く。しかし、すぐにここしばらくは水月輝石商店が休みになっていたことを思い出し、もしやと考えながら、屋敷のインターホンを鳴らそうとする。

 

「待ってましたよ、リボーンさん。」

 

「「「!!?」」」

 

「……やっぱお前の屋敷だったか、神谷幸弥。」

 

 だが、オレの手が触れる前に、いつのまにかやってきていた神谷が声をかけて来たため、インターホンを押す必要はなかった。

 気配もなく現れた神谷に、獄寺達は驚いた様子を見せたあと、警戒するように睨みつける。

 

「こう見えて多角経営を行ってる会社の社長の身でして。他の従業員を休ませるためにも、自分の夏休みは最後の方に持ってくるようにしてるんですよ。

 ところで、後ろにいらっしゃる3人の少年は、リボーンさんのご友人の方々ですかね?」

 

 明らかにオレ達を知ってる口振で話している神谷に、獄寺達はさらに警戒するが、それを制止するために、オレは静かに口を開く。

 

「……獄寺。山本。ヒバリ。警戒を解け。こいつは六道骸じゃねーぞ。」

 

 オレの言葉に、3人はすぐに落ち着きを取り戻してくれた。

 そのことにやれやれと肩を竦めながらも、オレは神谷に視線を向ける。

 

「待ってた……ってことは、オレがここに来るのもお見通しだった……ってことか。」

 

「ええ。まぁ、自分はなんでも知ってるので、これから先何が起こるかとかも分かっちゃうんですよ。

 前も言ったように、自分は過去と未来、そして、今の全ての事象を把握しているものですから。」

 

 いつもの笑みを崩すことなく、相変わらずの調子で言葉を紡ぐ神谷に、オレは少しだけボルサリーノを深く被り、探る視線を向ける。

 過去、未来、今、全ての事象を知っている……確かに、出会った当初から告げられている言葉だが、今回はそれに加えて、メテオライトのこともある。

 メテオライトも同じことを言っていた。自分は全てを知ってると。それに……やはりと言うか、メテオライトと神谷は纏う雰囲気以外の全て類似している。

 

「……お前、イタリアの方に兄弟がいたりしねーか?」

 

「おや、これはまた唐突に……。そうですねぇ……まぁ、兄のような知り合いは1人いますが、実際の兄弟はいませんよ?

 それがどうかしましたか?もしや、自分に似た誰かとどこかでお会いにでも?」

 

「……ちょいと色々あってな。変なことを聞いちまったな。忘れてくれ。」

 

 オレの言葉に、わざとらしく不思議なものを見るような様子を見せる神谷に、気にするなと一言告げる。

 様子からして、メテオライトと神谷に何かしらの繋がりがあるのは明白だ。

 だが、それを探るためには情報があまりにも足らず、尚且つ今は、それを目的にここへ来たわけじゃない。

 

「神谷。ここに六道骸って奴とナツが来てないか?メテオライトって奴から、こっちで見かけたって話を聞いてな。」

 

「メテオライト?ふむ……隕鉄の名前を持ち合わせているどなたかが何故自分の屋敷のことを知っていたのか……。情報屋か何かだったんですかね?

 まぁ、今はその話は置いておくとして……確かに、六道さんと沢田さんならこちらにいらっしゃいましたよ。

 他にも2人程、ご友人がいらっしゃいましたが、4人とも今朝、屋敷を出て行ってしまわれたんですよね。

 もう十分休めたから、そろそろやるべきことをやらなくてはならないと言って。」

 

「んな!?」

 

「移動してたかぁ……」

 

「無駄足だったってこと?」

 

 神谷から告げられたのは、すでに桜奈達はここにいないと言う事実のみだった。

 それを聞かされた獄寺達は、苛立ちや困惑を表情に浮かべ、神谷に視線を向ける。

 

「……予想はしていたが、やっぱり移動していたか。」

 

「ええ。ですが、行き先は知ってますよ。」

 

「「「「!?」」」」

 

 不意に、神谷から意外な情報が告げられた。

 驚いて視線を神谷に向けてみると、神谷は口元に笑みを浮かべたまま、静かに口を開く。

 

「沢田さん達が向かったのは黒曜センターにある黒曜ヘルシーランド跡地です。

 つい最近まで、改築する計画があったのですが、一昨年の台風により大規模な土砂崩れが発生してしまったため、現在は閉鎖され、立入禁止区域になってるんですよね。

 なんのためにあんな場所に行くのやら……。まぁ、自分は理由を知っていますが、規定によりあまり教えることができないので、あなた達の目で確かめてみることですね。」

 

「規定だと?」

 

 神谷の規定と言う言葉に、獄寺がわずかに反応を示す。

 すると神谷は小さく頷き、規定とは何かを話し始めた。

 

「全てを知ってる分、ヒントは与えても直接関与することはできないとでも言いましょうか。

 ……だって、人生なんてものはカンニングをして進めることができるゲームではない。

 自らの手で未来を選択しなければ、最悪の事態へと発展してしまう可能性だってありますからね。

 世の中には無限の未来が広がってます。ただ、それは自分の手で道を切り拓くことにより、何とか掴み取るものです。」

 

 そこまで説明して、神谷はやれやれと首を振る。

 かつて、何かしら答えをせがまれたことがあるのだろうか?妙な力を持っているらしい神谷は、心底呆れたような、うんざりしたような表情を見せた。

 

「もし、答えを教え、その通りに人生というコマを進めたとして、その過程に悩むというものを挟まずに、掴み取った場合、全て上手く行くと思います?

 その過程に様々な試練が存在しているというのに、上手く行く人生の道則に対する答えをすでに持った状態でこうすればなんとかなるから大丈夫って言えます?

 言えませんよね?どうしてそうしなくてはならないのか……と言う中身が無いんですから。

 不測の事態だって存在するし、何より決まった道をただ真っ直ぐ歩くだけの人生じゃ、本来ならば成長するために必要な感情を得ることができず、プログラムに沿って動くだけのロボットにしかならないじゃないですか。そんな状態で人間が成長できるわけないでしょう?」

 

 言ってることはもっともなものだった。確かに、神谷の言葉は一理ある。

 何もかもカンニングしてテストを受けたとして、考えると言う過程をすっ飛ばしたことにより、数式や単語を覚えることができないのと似たような話だ。

 自身で考えて選択をして、しっかりと地に足をつけて歩くことにより、人は誰しも成長することができる。

 その過程を乗り越えることなく、最善の答えのみを教えてもらい、歩いたところで、まともな人生にはならないだろう。

 

「そんなわけで、自分は必要最低限の情報や、答えを見つけるためのヒントを教えること以外しないんですよ。

 まぁ、なので、沢田さんの居場所は教えますが、そこから先、どのように今回の出来事を解決していくのかは、あなた方次第です。」

 

 自身がやけに秘密主義であることに関する説明を終え、穏やかな笑みを浮かべる神谷。

 神谷の言葉を聞いた獄寺と山本は無言で顔を見合わせたあと、小さく頷きオレに目を向ける。

 ヒバリは少しだけ納得できないと言いたげな不服顔を見せたが、居場所がわかったのであれば、ここにもう用事はないと判断したのか、踵を返して屋敷の近くに止めているバイクへと歩いていく。

 

「僕は先に行くから。」

 

 一言だけ告げてバイクに近寄ったヒバリは、さっさとエンジンをかけてこの場から立ち去る。

 オレに先に行くと報告した……と言うことは、向こうについてもすぐには突っ込まないと捉えていいかもしれない。

 

「……嫌な予感がするし、さっさとオレ達も目的地に向かうか。」

 

「了解っス!」

 

「おう!」

 

 とりあえず早めに移動するために、獄寺達に声をかければ、2人はすぐに頷いて、待たせているタクシーの方へと歩き始める。

 それに倣ってオレも移動しようとすると、背後から神谷に声をかけられた。

 

「……桜奈ちゃんのこと、ちゃんと聞いてあげなよ。彼女は誰よりも優しくて、尚且つ気遣いが癖として身についてしまっている女の子だからね。

 彼女のタイミングを待っていたら、一生近づくことは無理だと思うよ。」

 

「……ああ。ちゃんと向き合うつもりだ。」

 

「それがいいね。無理をさせない程度に、話を聞いてあげるといい。」

 

 いつもの飄々とした態度ではなく、どこか真剣な雰囲気で言葉を紡いできた神谷に、ちゃんと桜奈と向き合ってくることを告げれば、穏やかな笑みを返される。

 それを見たオレは、すぐに獄寺達の後を追い、待機させていたタクシーの元へと向かうのだった。

 

 

 

 …………………

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 ……………………………………………

 

 .:*.。o○o。.*:._.:*.。o○o。.*:._.:*.。o○o。.*:._.:*.。o○o。.

 

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 …………………

 

 

 タクシーに揺られて移動し、しばらくした頃。

 オレ達は閉鎖された黒曜ヘルシーランド跡地にたどり着いた。

 タクシーにこれまでの移動料金を支払ったオレは、獄寺と山本を連れて、本来ならば入口だったと思われる錆びた門の前にたどり着く。

 そこにはすでにヒバリが待ち構えており、オレ達が合流するまで待機していたことがわかった。

 

「悪いな、ヒバリ。待たせちまった。」

 

「別に。」

 

 オレの謝罪に特に強く反応することなく、いつも通りの様子を見せるヒバリ。

 こいつがまさか待機してくれるとは思わなかったが、まぁ、それだけヒバリも変わったと言うことだろう。

 

「ここが、元は娯楽施設だった場所なんだな。」

 

「ああ。もう娯楽施設だった名残はなさそうだがな。」

 

「一昨年の台風でダメになったってあの神谷とか言う奴は言ってましたけど……」

 

「……一昨年の台風ね。確かにあの時の台風はかなりのものだった記憶があるよ。

 並中も臨時休校になって、僕も自宅で身動きが取れなかったことを覚えてる。」

 

「そういや、小学校も休みになった記憶があるな。」

 

「つか、普通に会話に入ってくんのかよ……。」

 

 自分達の会話にヒバリが入ってくるとは思わなかったらしい獄寺がツッコミを入れながら、門を閉ざしている鍵に近寄る。

 何年も雨風に晒されていたであろう南京錠と鎖は、完全に錆びているようだ。

 

「完全に門の鍵が錆びてんな……。こっから入ったわけじゃないってことか?」

 

「こんだけ鬱蒼としてたら、別の入口もありそうだもんな。」

 

「邪魔。退いて。」

 

「んだと!?」

 

「ちょ!?落ち着けって獄寺!!」

 

「邪魔すんな山本!!やっぱこいつ果たす!!」

 

 ヒバリの言葉にキレて突っかかる獄寺を、山本が羽交締めにして止める中、錆びた鍵と鎖に視線を向けたヒバリはいつも携帯しているトンファーを取り出し、鎖目掛けて振り下ろす。

 同時に聞こえてきたのは鋼が砕ける音と、地面へと落下する音に視線を鎖に向けてみれば、鎖が破壊され、門が開けるようになっていた。

 

「……は?」

 

「……あれ、砕けんのか。」

 

「流石はヒバリだな。」

 

 トンファーの一閃だけで錆びた鎖を壊したヒバリに、獄寺と山本が困惑する。

 対するヒバリは、オレ達に視線をよこすことなく黒曜ヘルシーランド跡地をさっさと歩き始めてしまう。

 

「おい、ヒバリ!1人で行くと危ないぜ!?」

 

 そんなヒバリに山本が声をかけるが、案の定ヒバリは山本の言葉を無視してどんどん奥へと行ってしまった。

 

「……とりあえず、本拠地になりそうな場所に見当はついてるし、念の為ヒバリに本拠地にだけは単独で足を踏み入れるなってメールしとくか。」

 

「あんな奴と合流する必要なんかないっスよ!1人でさっさと行って、そのままやられちまえばいいんですよ!」

 

「でもなぁ……。小僧は嫌な予感がするって思ってんだろ?もし、それが本当に当たって、ヒバリが動けなくなっちまったら、オレ達でなんとかしなきゃいけねーぞ?」

 

「オレとお前とリボーンさんだけで問題ねーだろ。」

 

 苛立ちのまま、文句垂れる獄寺を、山本はなんとか宥めようと言葉を紡ぐ。

 だが、苛立ちが最高潮に達してる獄寺は、その言葉に聞く耳は持たず、ヒバリ同様、跡地へと歩き始めた。

 その背中を見送ったオレは、本拠地になっているであろう廃屋へと視線へと向ける。

 窓ガラスが割れたり、一部崩れたりしてはいるが、その廃屋は何かしらの商業施設だった面影があった。

 

 ……嫌な予感はこっちに来るまで以上に強くなっている。

 確かに、ヒバリは単独行動を主に好んで選ぶ人間ではあるが、六道骸と対峙する時は、なるべく協力してもらった方がいいかもしれねーな。

 

「……行くぞ、獄寺。山本。一応、ヒバリには本陣には単独で突っ込むなって言っておいたからな。

 待ってるにせよ、待ってないにせよ、早めに合流ははかった方が良さそうだ。」

 

「「!」」

 

「……嫌な予感がさっき以上に強くなってる。六道骸との対峙は、一筋縄じゃねーかもな………。」

 

 真剣なオレの声により、深刻な状況であることをなんとなく察したのか、獄寺と山本は無言になる。

 しかし、すぐに小さく頷いては、跡地の奥へと足を進め始めた。

 山本の肩に飛び乗り、オレも急いで移動する。……この嫌な予感……いったい、何が待ち構えているんだ………?

 

 

 

 

 




 リボーン
 指定された場所に行ってみたら、神谷がいたことに結構驚いたアルコバレーノのヒットマン。
 しかし、すぐに神谷から桜奈達の居場所を教えられたため、すぐにそこに向かうために移動を開始する。
 神谷から告げられた、ちゃんと桜奈と向き合えと告げられ、静かに頷いた。

 雲雀 恭弥
 リボーンからの指摘により、単独で突っ込むのだけはなるべく抑えている風紀委員長。
 草食動物達と一緒に行動を取るつもりはないが、リボーンが真剣な様子で嫌な予感がすると何度も口にするため、慎重になっているのか、リボーン達が合流するのを待ってから移動を開始している。

 神谷 幸弥
 リボーン達が訪ねてきたので、桜奈達がどこにいるのかと言うことだけは教える月白の青年。
 全てを知っているからこそ、答えを全て教えるのではなく、ヒントのみを与えている。
 桜奈にタイミングを任せたら一生彼女には近づけないとリボーンに教え、その背中を見送った。

 獄寺 隼人
 雲雀の態度が気に食わないため、たびたび突っかかっては山本に止められている未来の両腕候補。
 勝手に行動を取る雲雀に、単独で突っ込んでやられちまえと文句を言って、戦力に加えるつもりはないとしているが、リボーンが口にする嫌な予感と言う言葉に、少しくらいは力を借りるべきなのか……?と首を傾げる。

 山本 武
 たびたび雲雀に突っかかる獄寺を止める役に徹している未来の両腕候補。
 自分達だけでどうにかできるかわからないと思っており、なんとか雲雀に協力を仰げないかと思っている。
 リボーンが口にする嫌な予感と言う言葉に、少しだけ不安気味。


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