最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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強制参加とか聞いてない!

 みんなと話さなくなって二週間。あれから気分が落ち着いてきたし、そろそろリボーン達と行動取ることを再開しようかと考えていた頃。

 今日の天候は晴れ。屋上で風を浴びながら、ゆっくり過ごそうと考えて、屋上の出入口をくぐり抜ける。

 

「やあ、奈月。待ってたよ。」

 

「雲雀先輩?どうかされました?」

 

「これあげるよ。」

 

 すると、待ち構えていたかのように、雲雀先輩から話しかけられる。

 すぐに雲雀先輩の方へと視線を向ければ、彼から何やら長方形の箱を手渡された。

 首を傾げながら箱を受け取ると、ずしりとそれなりの重さを感じ取る。

 あれ?なんかこの重さ、めちゃくちゃ覚えがあるんだけど……?と思いながら、箱の蓋を静かに開けてみれば、中には不良フルボッコ事件の時に、雲雀先輩が貸してくれた仕込みトンファーと全く同じものがその中に入っていた。

 

「え゛!?これ雲雀先輩が使ってるものと全く同じトンファー……」

 

「興味があるんでしょ?だったらあげるよ、それ。」

 

「ええ……?いや、まぁ、確かにいろいろ使えそうで便利だなとは思いましたけど、まさかもらえるなんて……」

 

 箱の中からトンファーを取り出す。先日貸してくれたものと全く同じで、だけど使い込まれていない新品使用。

 あったら便利だろうなとは思っていたけど、ご用意されるとは。えっと……持ち方はこうかな。

 仕込みの出し方は……なんて、いろいろと眺めていると、空を切るような音がわずかに聞こえる。

 咄嗟に箱から出したばかりのトンファーを使ってそれをガードすれば、辺りにガキィンッと無機質な音が響き渡る。

 よく見ると、雲雀先輩のトンファーが私のトンファーにぶつかっており、そのままギリギリと力が加えられていることがわかった。

 

「なるほど……!!無償で渡すつもりはないってことですか!!」

 

「ワォ。やるね、奈月。止めて来るとは思わなかったよ。」

 

「そりゃまぁ、反射神経と動体視力は、それなりにあるもので。」

 

 そっちがその気ならと、空いている方の手を使って私はトンファーを振り翳す。

 もちろん、それが彼に通用するはずもなく、雲雀先輩には軽々とそれを防がれてしまった。

 防がれてしまったなら、別の攻撃を仕掛けるまで、そう思い雲雀先輩の鳩尾めがけて足を振り上げれば、彼は私から距離を空けるように一旦離れる。

 

「さて……折角貰えたわけですし、しっかりと貴方の技、盗ませてもらいますよ。トンファーの使い方、私あまり知らないんで。」

 

「その割には随分とガードが手慣れているようだったけど、まぁいいや。少しは楽しませてもらえそうだね。」

 

「そりゃどうも。ですが、一応は初心者なんで、お手柔らかに頼みますよ。」

 

「僕が手加減なんてするわけないでしょ?」

 

「はは。まぁ、そうですよね。例え相手が誰であろうと、容赦なく叩きのめすのが、並盛中風紀委員長、雲雀 恭弥だと聞いてますから。」

 

 こっちの言葉を聞くなり、雲雀先輩は再び距離を詰めて来る。すかさず私はそれを迎え撃つように立ち向かう。

 とは言え、全く使ったことがないトンファーをいきなり完璧に使えるはずないし、力比べの面でも、明らかに雲雀先輩より弱いため、うまく立ち回れるかと言われたら、ほとんど無理に等しいから、どれだけ雲雀先輩の攻撃をいなし、彼が使用する技を盗むかにかかってるわけだけどね。

 でも、不幸……と言えるかはわからないけど、幸いなことに、雲雀先輩の攻撃はしっかりと目で追うことができる。

 これだけ目で追えるなら、彼の技を完璧には至らずとも、盗むことだけはできそうだ。

 あとは、それをどうやって自分のやりやすいように昇華できるか……かな。

 

 そんなことを思いながら、私は雲雀先輩の攻撃をひたすら防ぎ、時にはいなし、時には攻撃をし返すを繰り返す。

 雲雀先輩、結構足とかも使って来るな。喧嘩殺法とも言えるようなヤッさんキックとかも放って来るし、力もめちゃくちゃ強いし、しかも一撃一撃がかなり早い。

 

「……本当に容赦ないなぁ。」

 

 これほどまでに攻撃が早い人間なんて、今まで見たことがない。まぁ、そもそも前世では攻撃をして来るような人間になんて会ったことすらないけどね。

 そう考えると、こっちの私は相当特殊過ぎる状況下にあると言えるだろう。マフィアなんてものを継がないといけない時点でそれは仕方ないか。

 

「……ここまで僕に対応して来るような人間は初めて見たよ。」

 

「それは私も同感です。まぁ、私の場合は対応できていることに驚いている……が正しいですけどね。」

 

 でも、なんだろう。こうやって体を動かすのは少し……いや、かなり楽しいや。

 なんて言うか、結構スッキリする。それに、雲雀先輩の動きって、無駄なものがないから、見ているだけでも気分が良い。

 まぁ、前世では格闘ゲームとかストレス発散にやるような人間だったからね。それに似たような感覚があるから、そう思うのだろう。

 食らったらめちゃくちゃ痛いのは確定してるから、絶対に当たりたくないけど。

 そう思いながら、今度は私の方から雲雀先輩に攻撃を仕掛ける。先程雲雀先輩がしていた動きはあらかた覚えることができた。

 まだまだ模倣程度ではあれど、少しくらいは虚をつくことができないだろうか。

 

「へぇ……僕がしたものと全く同じ動きだね。」

 

「さっきも言いましたよね?貴方の技術を盗ませてもらうと。それを有言実行してるだけです……よ!!」

 

「!!?」

 

 まぁ、その通りに全てやるとは言ってないけどね!!なんて誰に説明しているかもわからないことを内心で思いながら、私は足を振り上げる。

 狙いは男性にとっての弱点になる場所。蹴られたらめちゃくちゃ痛いと言われているアソコだ。

 まさか、そこを狙われるとは思わなかったのか、雲雀先輩は勢いよく後ろに跳んで避ける。

 私の足は空を切り、振り上げた足の勢いのまま、同じように後ろへと跳んで移動しては、すぐにトンファーを構え直した。

 

「………君、なかなか厄介なところを狙って来るね。」

 

「こちとら女子なもので。男性の痛みはわからないんですよね。」

 

「ふーん……まぁ、確かに狙いは悪くないよね。」

 

「でしょ?」

 

 小さく笑いながらそう言えば、雲雀先輩が小さく溜息を吐く。思ったより過激なことをして来る人間だとわかったからだろうか?それとも、躊躇いなく弱点を潰しにかかってきたからだろうか?

 なんにせよ、それなりにインパクトは残せただろう。

 

「まぁ、滅多に狙いはしませんよ。だって、加減を間違えてしばらくの間再起不能ってことにしてしまったらお相手さんに申し訳ないですから。」

 

「効率はいいから、やめなくてもいいと思うけど。」

 

 そう言って雲雀先輩はまたこちらに攻撃を仕掛けてくる。すぐにそれを止めて、彼の顎を狙うようにトンファーを振り上げるが、軽々と止められてしまった。

 簡単にはダウンは取れないか……なんてことを考えていると、雲雀先輩の膝が、こちらの鳩尾を狙って振り上げられたのが見える。

 それならと、振り上げられる初動に合わせて自身の足を振り下ろし、膝を踏みつけた勢いを利用して跳躍すれば、普段以上の高度まで跳び上がってしまった。

 

「うっわ、どんだけ勢いよく足振り上げてるんですか。めちゃくちゃ高く跳びあがっちゃったんですけど。」

 

「むしろ跳躍する発想に至ったことに驚いたんだけど?」

 

「そりゃそうだ。」

 

 あ。このトンファー、よく見たら玉鎖入ってる?道理で重たいわけだわ。

 仕込みトンファーの仕込みの発動方法は……なるほど。いくつかあるみたいだけど、持ち手がギミックを発動させるスイッチになっていたりするっぽい。

 玉鎖はどれで発動……お、見つけた。

 

「ってなわけで、空中から失礼!!」

 

 そう言って、私はトンファーに仕込まれている玉鎖を放つためのスイッチに触れる。

 ジャラリと言う音を伴って、トンファーの先から零れ落ちた玉鎖。それを空から落下する勢いを利用する形で雲雀先輩に放った。

 雲雀先輩は、すぐに玉鎖を弾き飛ばしたが、玉鎖は片方だけじゃなく、両方に仕込まれている。

 ある程度高度が下がったのを確認した私は、ぐるりと空中で回転させて、先程こちらの玉鎖を弾き飛ばした方のトンファー目掛け、もう片方の玉鎖を勢いよく放った。

 放った玉鎖は、こちらの狙い通りに玉鎖を弾き飛ばした方の雲雀先輩のトンファーに巻きついたので、玉鎖を思い切りこっちに引き寄せれば、彼の手元からトンファーを離すことができた。

 

「あ、この玉鎖、自動的に巻き取られるんだ。めちゃくちゃ便利。」

 

「…………。」

 

 自動的に巻き取られていく玉鎖に感心しながら、雲雀先輩から手放させることができた仕込みトンファーをキャッチすると、彼から無言の視線を向けられる。

 怒らせたかな……?と少しだけ不安に思いながら、手にした雲雀先輩のトンファーを返しに行く。

 

「すみません、雲雀先輩。なんか少しだけ楽しくなっちゃって……」

 

 謝罪の言葉を紡ぎながら、トンファーを手渡せば、雲雀先輩はすぐにそれを受け取ったのち、無言でトンファーを納め、制服の中から何かを取り出した。

 なんだ?と不思議に思いながら、彼の手元を見てみると、そこには安全ピンが付いている一つの腕章が握られている。

 腕章に書かれている文字は風紀委員の文字。雲雀先輩や、草壁先輩が腕につけているものと全く同じものであることがわかった。

 なんでそれを今取り出した?と疑問符を浮かべる。しかし、その意識はすぐに現実に戻されることとなった。

 

「君、今日から風紀委員ね。」

 

「は?って何勝手に腕章着けてるんですか!?」

 

「拒否権はないから。」

 

「いや、私の権利まで剥奪しないで!?」

 

 疑問を浮かべる中、問答無用で着けられた腕章に、勝手に着けないでとツッコミを入れる。

 でも、雲雀先輩はこっちのツッコミなど気にしないと言わんばかりにさっさとことを進めていく。

 いつのまにかこっちの携帯電話は回収してるし、そのままいじり始める雲雀先輩。

 すぐに取り返そうと手を伸ばすが、ひょいと軽く躱されてしまい、こちらの手にそれが戻ることはなかった。

 

「僕の番号とアドレスは登録しておいたから、僕が呼んだらすぐ来ること。学校にいる時は放送で呼ぶこともあるだろうから覚えておいて。」

 

「勝手に話を進めないでくれません!?」

 

「手続きはこっちがやっとくから、授業に戻っていいよ。」

 

「こっちの話を聞いて頼むから!!」

 

「あと、たまに運動したい時に呼ぶから、屋上に来るように。君とはなかなか楽しめそうだから、また誘うよ。」

 

「え、これ遊び扱い!?遊び扱いの手合わせなんです!?」

 

「それと、風紀を乱してると判断できることがあったらすぐに乱してる奴を咬み殺していいから。咬み殺したあとはちゃんと報告して。それじゃあ。」

 

「話を聞けい!!!!」

 

 こっちに携帯電話を投げ渡したあと、自分の事情のみをつらつらと話し、さっさと屋上を出て行ってしまった雲雀先輩。

 強制的に入れられた風紀委員に誰が参加するかと番号を消してやろうと思ったが、しっかりとロックされており、めんどくさいことになっていた。

 ちょっと……マジで私、風紀委員やらなきゃいけないわけ?あ……雲雀先輩からメール……

 

 from:雲雀 恭弥

 題名:無題

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 番号とアドレスを消したら咬み殺す

 あと、群れないでね?

 ───────────────

 

 ………こっちがやろうとしたことめちゃくちゃバレテーラ。

 それと、群れるなは無理な話です。絶対に隼人とか武が集まって来るし、京ちゃんと花とリボーンも間違いなく寄って来るので無理です。

 

 to:雲雀 恭弥

 題名:無題

 ───────────────

 なるべく群れないようにはしますが、

 せめてクラスにいる時と、学外にいる

 時くらいは許してください。

 自分から群れに行くことはしませんが、

 相手から来られると流石に断りにくいです。

 もちろん、雲雀先輩の前では

 誓って群れは成しません。

 ───────────────

 

 from:雲雀 恭弥

 題名:無題

 ───────────────

 お人好し。無視すれば良いだけでしょ。

 まぁ、いいや。

 ちゃんと風紀委員の仕事はしてよ。

 あと、呼び方は雲雀か恭弥にしてくれる?

 君の呼び方、なんかむず痒いから。

 ───────────────

 

 to:雲雀 恭弥

 題名:無題

 ───────────────

 無視できないお人好しですみません。

 無理矢理ですが、役員にされた以上は

 ちゃんと責務を果たしますよ。

 呼び方は恭弥さんで構いませんか?

 ────────────────

 

 from:雲雀 恭弥

 題名:無題

 ───────────────

 まだそっちの呼び方の方がマシ。

 じゃあ、また委員会で。

 ───────────────

 

「…………ハァ〜〜〜〜〜。」

 

 その場にしゃがみ込み、深く長い溜息を吐く。

 なんとなく話すようになっただけだと言うのに、まさか戦闘の腕を見込まれて、風紀委員会に強制参加させられることになるとは思わなかった。

 学校では幾分かマシな日常を送れると思ったのに、結局は遠のいてしまうのか。

 

「奈月さん……ドンマイです。」

 

「……先輩んところの委員長、ちょっと強引過ぎやしません?」

 

「それだけ委員長のお眼鏡にかなってしまったと言うことです。あと、自分のことは先輩と言う呼称をつけなくても問題ありません。委員長のように、草壁とお呼びください。」

 

「流石に歳上を呼び捨てにする気はないので、さん付けで呼びますね。」

 

 うん……もうどうにでもなぁれ!!!!

 

 

 




 沢田 奈月
 強制的に風紀委員に入れられる代償を払って雲雀と同じ仕様の仕込みトンファーを手に入れた転生者な10代目。
 無理矢理ではあるが、役員にされてしまった以上、ちゃんと責務は果たすつもりでいる。

 雲雀 恭弥
 自身の動きについて来るどころか、自分なりの戦い方を即生み出して対応する力を持つ奈月を完全にお気に入りとして認識。強制的に自身が率いる風紀委員会に参加させた最強風紀委員長。
 参加させた理由は、気分によって自由に呼び出せる方が楽だからと言う理由と、他の部活や委員会に参加させないため。
 この日から度々奈月を授業中など関係なしに呼び出し始めるようになる。

 草壁 哲矢
 自身が所属する場所のリーダーに強制的に巻き込まれた奈月に同情の眼差しを向ける風紀委員副委員長。
 しかし、実は彼女と雲雀の戦闘はバッチリ見ており、これは委員長も強引に側においても仕方ないと苦笑いをこぼした。

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