最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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綺麗な花には毒ありき?

 風紀委員会に強制参加することと引き換えに、仕込みトンファーをもらった日から数日。

 あれから、ようやく気分が落ち着いたからとリボーンに話しかけたり、ようやく話しかけて来るようになった私の姿に、隼人が号泣したり、武や京ちゃん、花からスキンシップをされたりと、いろいろなことがあったけど、穏やかで賑やかな日々が戻ってきた。

 ちなみに、この数日間で恭弥さんからは一日一回は必ず呼び出されており、その度に彼と遊びと言う名の本気手合わせをさせられている。

 他にも、どんな奴を咬み殺せばいいか教えられたり、実際に咬み殺す手伝いをさせられたりと散々な目にあっている。

 ただ、散々な目と言える出来事ではあるけど、同時にストレスを発散するいい機会にもなっているため、あまりにも目につくような存在は、許可もあるからと容赦なく殴り飛ばしている。

 抵抗したり、立ち向かって来たりする咬み殺し許可対象に至っては、恭弥さん並みにボコボコにしており、後始末のために合流した風紀委員役員達からはドン引きされる程にはやらかしている。

 まぁ、恭弥さんからはなんか褒められているけどね。

 

 そうそう。風紀委員会に参加することになった話を母さんにしたら、なっちゃんは偉いわね!って笑顔で言われた。

 風紀委員と言えば、学校全体の風紀を取り締まる存在……だから、生徒の手本になるような立場に腰を据えることから、真面目な役職についている我が子の姿に感動したのだと思う。

 実際の活動内容は、群れてる生徒や校則違反をしている生徒を容赦なくトンファーで殴りつけるような委員会なんだけど、母さんの感動は壊さないように、そうだよーと棒読みで返答したけどね。

 だって、真面目とは逆のことしてるとか言えないじゃん。確かに取り締まってはいるけど、基本的には委員長の指示通りにいろいろやらかしてる人間だよ?

 永遠にバレないでほしい。我が子が非行に走ってるなんてってショック、受けてほしくないし……。

 

「あっつ……休日中も制服のシャツとスカートは身につけておけって言われたから着てるけど、やっぱり普通に腹出しのシャツとかキャミソールとかで生活したいよ……。

 休日も呼ぶことがあるから、絶対に脱ぐなってひどくない?」

 

 そんなことを思いながら、私は何気ない休日を過ごしていた。時刻は昼前。夏場のせいだから、めちゃくちゃ日差しが暑い。

 まぁ、私が過ごしていた前世よりかはマシな気もするけどね。多分、こっちの世界では、地球温暖化は注目されてしまうほど深刻化はしていないのだろう。

 まだ、ガラケーしか出ていない時代みたいだし。

 でも、やっぱり暑いものは暑い。基本、休日はラフな格好をしていることが多いから、余計にそう感じるのかもしれない。

 通気性抜群の制服のシャツとか開発されないだろうか……。

 

 溜息を吐きながら、パタパタと片手で自身を仰ぎ、てくてくと自宅への帰路を歩く。

 すると、背後から自転車のベルと、自転車のタイヤの音が聞こえて来た。

 すぐに端に寄って、自転車が通りやすいように道を作ると、すぐ隣で、それが止まる音が聞こえる。

 なんだ?と思い、自転車の方へと視線を向けてみれば、そこにはゴーグルとヘルメットを装着している長い髪の女性が存在していた。

 

「……えっと?」

 

 こんな知り合いいたっけ?と首を傾げる。すると、長い髪の女性は、徐に被っていたヘルメットを外し、私の方へと視線を向けて来た。

 明らかに日本人とは違う顔立ち。穏やかな笑みを浮かべるその姿は、同性でありながらもとても綺麗だと思ってしまう。

 

「暑いでしょ。よかったらこれどーぞ。」

 

「うわ!?」

 

 めちゃくちゃ大人な女性だと見惚れていると、その女性は自転車の前にある籠の中に入っていた350ml缶を私の方に投げ渡して来た。

 慌ててそれをキャッチすれば、女性は再びヘルメットを被って、颯爽と自転車を漕いで立ち去る。

 なんだったんだ……と女性を見送った私は、手渡された缶へと視線を落とす。

 見た感じは、ただのスポーツドリンクが入ったジュース缶……だけど、なんだろう……。

 これは口にしたらダメだと本能的にわかってしまった。

 

「本当は、こんなことしちゃダメなんだろうけど……」

 

 申し訳ないと、内心で思いながら、私は手にしていた缶を宙に投げ、思い切りトンファーで殴りつける。

 殴りつけたジュース缶は、スチール缶特有の音を立てて地面に叩きつけられる。

 それにより出てきた缶の中身は、形容し難い音を立てる紫色の液体だった。

 なぜか液体からは同色の煙も立ち込めており、それをダイレクトに吸ってしまったらしいカラスが、短い断末魔を挙げて地面へと落下する。

 

「うっわ……。これ、体に良くないどころか、死への片道切符じゃないか。」

 

 近場にいたカラスが犠牲になったことで、それが毒だとすぐに判断できた私は、携帯電話を取り出して、恭弥さんの文字にカーソルを合わせる。

 自分から連絡するのはちょっと緊張するけど、これの適切な処置がわからないから、彼に相談したいところだ。

 

「休日にすみません、恭弥さん。実は、突如変な女性にジュース缶と思わしきスチール缶を投げ渡されたのですが、その中身が明らかに口にしたらダメな液体だったんですよ。

 多分、毒物じゃないかなと思います。目の前で溢れた中身からなぜか立ち上る煙を吸ったカラスが、電柱から落下して痙攣してますから。

 ……ええ……どうしてそんなものを持った人がいたのかはわかりません。無差別に狙ったのか、それとも私を狙ったのかも判断しかねます。

 はい。はい。今いる場所はですね……。はい。わかりました。ありがとうございます。

 すみません、他の役員さんを使わせてしまい……。はい……はい。わかりました。この埋め合わせは後日の手合わせにでも行います。

 ところで……連絡したのは良いですが、役員さん達に毒物の処理させても問題はないんでしょうか……?

 え?全員それなりに技能を持ってるし、資格もある……?私もいずれ同じように複数の資格を手にしてもらう……?

 マジか……。あ、いえ、不満と言うわけではないです。ただ、ちょっと驚いてしまっただけです。

 あ、はい。毒物を持ち歩いてる女性について、何か分かったり、情報を得ることができたら、また連絡を入れます。」

 

 とりあえず恭弥さんに連絡を入れ、他の人がこのわけわからない液体に近づかないかを見張るため、近くの木陰に身を潜める。

 見た感じ、一般人がくる様子はない。このまま何事もなく終わりそうだ。

 

「奈月さん!お待たせしました!」

 

「件の毒物は?」

 

「それ。」

 

「うわ、確かにこれは毒物だ……」

 

「なんでこんなものが……すぐに片します!」

 

「ん、ありがとうございます。」

 

「あ、こちら、我々からの差し入れです。この炎天下ですから、必要かと思いまして。」

 

「ありがとうございます。ちょうど喉が渇いていたので助かりました。」

 

 風紀委員会の役員から手渡されたペットボトルを受け取る。どうやら、キンキンに冷えているスポーツドリンクのようだ。

 本当に助かった……。どっかで飲み物を買っとけばよかったと後悔していたところだったし。

 冷たいスポーツドリンクをその場でごくごくと飲みながら、ガスマスクや軍手などを使って、完全防御をしながら毒物を処理していく風紀委員会の役員を見つめる。

 ……なんでこの人ら、こんなことも普通にやるようになったんだろ。並盛中学校の風紀委員とはいったい?

 これ、並盛中の七不思議の一つにできんじゃね?と遠い目をしながら休んでいると、後処理をしっかりと済ませた役員の人達が私に一言挨拶をして、目の前から立ち去っていく。

 それを見送った私は、もらったスポーツドリンクに度々口をつけながら帰路に着く。

 

 ……今回のこと、とりあえず恭弥さんに相談する前に、リボーンから話を聞いてみようかな。

 もしかしたら、何か知ってるかもしれないしね。

 

 

 




 沢田 奈月
 風紀委員に強制参加をさせられたが、ストレス発散もかねてある意味楽しんでやってる転生者な10代目。
 風紀委員役員からは、雲雀>奈月≧草壁と言う立場認識をされている。(理由:ヒバリと連日平然とやり合っているから)

 雲雀 恭弥
 出番はなかったが、間接的に登場した風紀委員長。
 休日に連絡してきた奈月から、毒物を持った女性が出没し、自身がなぜか襲撃された話を聞き、すぐに風紀委員の役員を派遣した。
 後日、休日に連絡してきたことへの埋め合わせとして手合わせを取り付ける。(呼び出す気満々な自身は棚上げしている)

 派遣された風紀委員役員達
 雲雀と同列の実力を持つ上、彼よりは優しいが、時には彼と全く同じ苛烈さを見せる奈月にも従っている。
 役員達の中では、雲雀を自分達の大将、奈月を姐さん、草壁を2人の副将と言う認識が広がり始めているため、年下の奈月にも敬語を使うし、差し入れなども普通に貢いでいる。

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