最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 跳ね馬と別れた桜の花は、帰り際にある場所に寄り道する。
 そこは、彼女がいつも始まりの大空達と顔を合わせている場所だった。


初代との合流

 車で家まで送ると言ってくれたディーノさんに、寄りたいところがあるからと断りを入れ、途中まで送ってもらったわたしは、ある場所に足を運んだ。

 それは、並盛神社。わたしがいつも、ジョットさん達と一緒に過ごしていることがある場所。

 普段の並盛神社は、当たり前だが、誰もが参拝することができる場所となっている。

 しかし、わたしが1人になっている時、同時に、周りに誰1人として通行人がいない時だけ、ここは少しだけ異空間と化すようになった。

 Dさんの幻覚が、条件を満たしている時だけ施されるようになっているのである。

 

「さてと……行くか。」

 

 幻術を使えるようになったからこそ、わたしは、彼が用意した道標を見ることができる。

 その道標は死ぬ気の炎。Dさんと、わたしがわたしである時に使えるインディゴの炎が、神社の奥の方へと点々と存在している。

 それを辿るように歩いて行けば、次第に視界は霧に覆われて行くが、インディゴの炎だけはハッキリと見えるように揺らめいているため、それを辿っていけば、並盛神社に足を踏み入れることができる。

 

「……ジョットさん。Dさん。みんなもいるでしょ?」

 

 到達した並盛神社で静かに言葉を口にすると、わたしの周りには7色の炎が立ち上る。

 その炎が弾けた瞬間、わたしは大きな衝撃に見舞われた。

 

「あだ!?」

 

『あ゛〜〜〜〜〜〜〜!!ナ゛ツ゛〜〜〜〜〜〜!!やっと戻って来てくれたものねぇ〜〜〜〜〜〜〜!!』

 

「ちょ、ランポウ君!?急に抱きつかれたら対処が難しくなるんだけど!?」

 

『いや、対処が難しくなるとか言いながら平然とでけー野郎の体受け止めてるのお前だからな?』

 

 ランポウ君に抱きつかれたのだと考えるまでもなく把握できたわたしは、そんな彼に注意するように声をかけるが、冷静なGさんのツッコミを浴びてしまった。

 言われてみれば、確かに受け止めてるな……と考えながら、未だに抱きついているランポウ君の頭を撫でていると、ジョットさんに名前を呼ばれる。

 

『……その様子だと、オレが残した物を継承することを選んでくれたようだな。』

 

 “その手元を見ればわかる”と、少しだけ申し訳なさそうに、だけど、どこか嬉しそうな笑みを浮かべていた。

 わたしは彼の言葉に頷き、未だに抱きついてきているランポウ君をなんとかしてくれと訴えるようにアラウディさんに視線を向ける。

 わたしの視線の意図に気づいたらしいアラウディさんは、直ぐにランポウ君の首根っこを引っ掴み、そのままわたしから引き剥がした。

 

『ぐえ!?いだだだだだだだだだ!?』

 

『ナツキの邪魔。』

 

『わかった!!わかったから離してほしいものね!!』

 

 ランポウ君の訴えを聞き、アラウディさんはその場で彼を離す。

 首が閉まっていたとは言え、支えになっていたそれがなくなったためか、ランポウ君は地面に転がる。

 それを確認したわたしは、奈月としての自分のまま、その場で死ぬ気の炎を灯す。

 同時にわたしが嵌めていた手袋は、目の前にいるジョットさんと同じ形状のグローブへと変化した。

 

「この通り、私はジョットさんが残したものを継ぐつもりだよ。まぁ、その考えに至った動機は、少しだけ変わってるかもしれないけど。」

 

 手の甲に刻まれているボンゴレの文字とXのエンブレムを見せながら、ボンゴレを継ぐための道を歩くことの継続を伝えれば、彼は小さく笑い、同じ形状のグローブに覆われているわたしの手を優しく握った。

 

『……動機は変わっている……と言ってましたが、何をするつもりでいるのですか?ナツキ。』

 

 そんな中、Dさんがわたしに話しかけてくる。骸とはどこか違う色の青を宿すその瞳からは、わたしを見定めようとしている様子が伺えた。

 

 ─────……この答えは、Dさんが納得できるものかはわからない。でも、いずれバレるよりは、自分からバラして、これからのことを伝えるべきかもしれない。

 

「……最初に一つだけ、ハッキリと言わせてもらう。正直言って、今の私はマフィアに対する軽蔑と冷めた感情しか持ち合わせていない。

 何かしらの原因でマフィアが滅ぼうとも、自分の手でマフィアを滅ぼそうともどうでもいい存在にまで認識は落ち込んでる。」

 

『『『『!!?』』』』

 

『『『…………。』』』

 

 わたしの言葉に、ジョットさん達は様々な反応を見せた。

 目を見開いて固まる者、困惑に表情を曇らせる者、無言でわたしの話に耳を傾ける者……本当に様々な反応だった。

 

「マフィアの行動一つで人生を歪まされ、苦しめられてきた人間がこの世に存在していた。

 しかも、自分達のファミリーが犯した過ちであり、歪ませられた側は完全な被害者側であるにも関わらず、周りの人間はそのファミリーにいたからと言う理由だけで迫害し、苦しみを与え続けていた。

 それが、生き残りの悪辣な暴走の引き金となり、さらなる苦しみを増やす原因になることに気づかないで。

 わたしはその記憶を見た。その感情を刻まれた。マフィアを殲滅したい、そう望んでいる子供達の気持ちに同意することができるくらいに。」

 

 淡々と現在の自分のマフィアに対する評価を口にする中、ジョットさん達は言葉を発することなく、こちらの話を聞いている。

 その様子を横目で見ながら、わたしは言葉を続けた。

 

「それは全て、ファミリーと言う一括りでしか見ることがなかった周りにも原因が存在している。

 大人の背中を見て成長するのが子供だからと、そのように認識をしてしまう可能性を否定するつもりはないけど、周りが別の一手を取ることで、それを防ぐ手は確かにあったはずなんだ。」

 

 そこまで紡ぎ、わたしはジョットさん達と向き直る。自分がどのようなボスを目指すのかを伝えるために。

 

「だから私は、ボンゴレを正式に継いだ時、そんな思いをするような人間を生み出すことがないように、マフィアを取り締まるマフィアに変える。

 全てを奪い、周りを苦しめていくだけのマフィアなんていらない。守るための組織を作り上げる。

 例えどれだけ長く険しい道のりになろうとも、これ以上、彼らみたいな歪んだ子供を生み出さないためにもね。」

 

 もちろん、これが非現実的であることも否定しない。言ってることはただの理想。その理想を現実に変えることができる人間なんて、この世には一握りくらいしかいないし、わたしはその一握りの人間だと驕るつもりもない。

 でも、確かな道標として、目指すべきゴールとして定めることくらいはいいはずだ。

 例え道半ばで倒れるようなことになろうとも、生きている限りはその理想を追い求める。

 

「かつてのボンゴレは、あらゆる悪意から弱い人を守るための自警団だったんでしょ?

 いわゆるこれは、その時のボンゴレにリセットするだけって話。まぁ、全てをリセットするわけではなく、学べるところや使えるところは、今のボンゴレをベースに考えるつもりでもあるんだけど。」

 

 そこまで口にして、わたしはDさんに視線を向ける。わたしの話を聞いていた彼は、少しだけ複雑な表情をしていた。

 きっと、その道を辿る中で、今のボンゴレに至らせる結果の原因となった、彼からみたかつてのジョットさんと同じ末路を辿ることになるのではないかと言う懸念が存在しているのだろう。

 もちろん、歩く過程でその答えに行き着いてしまう可能性も否定しない。その懸念も時には正しいものである。

 だからこそわたしは、彼にしてほしいことがあった。

 

「Dさんが何に対して懸念を抱いているのかはわかる。わずかとはいえ、あなたと繋がりを得た時に記憶を見たから。

 だから、私が正しいのか、それともあなたが正しいのかをこれからも側で見極めてほしい。

 その過程で懸念が確かなカタチを持ったのであれば、否を突きつけて来てもいい。

 ただ、“私”には“私”の信じる道があり、“わたし”なりの尺度も存在しているから、そっちの否定的な意見に対して真っ向から反論することもあると思う。

 ぶつかる道が避けられない場合は明確に白黒をつけるためにも本気で挑みにいくよ。

 例え、ずっと私がお世話になっていた、確かな実力者の師匠(センセー)が相手になろうとも。」

 

 ハッキリとした声音でDさんにこれからのことを伝えれば、彼は驚いたように目を見開く。

 だが、少しの間、わたしのことを見つめたあと、その口元に穏やかな笑みを浮かべた。

 

『……まさか、自身の愛弟子からそのような言葉をかけられるとは思いもよりませんでしたね。ですが、どうやらそれは、本気の考えのようだ。』

 

 Dさんがわたしの元に歩み寄り、未だにわたしの手を握っていたジョットを引き剥がす。

 Dさんの手により強制的に引き剥がされたジョットさんは、驚いたような表情を見せたあと、何をするんだと言わんばかりの視線を彼に向けた。

 

『いいでしょう。そこまで言うのであればこれからもあなたの側にいてあげます。あなたが歩く道がどのような結末を辿るか見極めるためにも。

 かつての私であれば、少しでも間違いを見せるようであれば、理想のボンゴレのためにも排除していたでしょうが、あなたには師としての愛着も情も向けていますので、仮に間違った方向へと足を踏み入れようとしても、特別に再教育と言うカタチで手を打つことにします。

 あなたは教えたことを素直に受け止めて、改善に勤めてくれる優秀な教え子ですしね。』

 

 そんなジョットさんの目など気にすることなく、Dさんはわたしの手を静かに掬い上げ、そのまま手の甲へと一つだけ口付けを落とした。

 

『その思い、しかと聞き届けました。これからも私は、あなたの師として口出ししながらも側で見極めてあげます。

 せいぜい失望だけはさせないように。まぁ、失望したら失望したで、再教育を施せばいいだけなので、どちらにせよあなたの元から離れてやりませんけどね。』

 

 穏やかな笑みは不敵な笑みへと塗り潰され、自分の背よりも遥かに高い長生きの師は、わたしの宣言を聞き届ける。

 ……彼が言う再教育と言うのは、おそらくだがマインドコントロールや憑依を駆使したものだろう。

 この師が納得しないようであれば、わたしは自分自身を失う可能性があると言うわけだ。

 

「……できる限り師匠(センセー)が納得できるような道を歩むつもりではあるけど、こっちが全力を尽くしても納得させることができなかったら、その再教育は甘んじて受けるよ。

 でも、しばらくは見守ってて。及第点以上を叩き出せるようにしてみせるから。」

 

『ヌフフフ……ええ、是非ともそうしてください。道を歩くための知識や技術、能力に関してはしっかりと教えてあげますから。

 なので、これからも歩むべき道を踏み外すことなく、私が教えた知識を活かすように。

 ちゃんと良い子にそれができるのであれば、私はあなたの味方であり続けてあげましょう。』

 

 子供に言い聞かせるように、自身の想いを告げてくるDさんに、わたしは静かに頷く。

 この選択が正解かはわからないけど、今は1人でも多く、技術を学べる存在が側にいてくれた方がいい。

 

『……ったく。まさか、こいつに自分から見極めてくれって言うとはな。』

 

『前のDのことを考えると、随分とすごい選択をしてるものね、ナツ。』

 

『まぁ、何か危ないことになりそうであれば、私達が手助けをすることである程度は軽減できるとは思いますが……やはり考え方が少しだけ独特でござるな。』

 

『敵対したマフィアや、宗教家、一般や貴族……なんでそんなところから?って言えるレベルの場所から次々と自身のファミリーに引き抜いていったプリーモもかなりの変わり者だけどね。』

 

『オレの選出は直感によるものだったからな……。この人間が自分には必要だと思う度に声をかけた記憶しかない。』

 

『ある意味で究極に似ているな、この2人は。』

 

『……プリーモに比べたら、ナツキの方がまだマシな考えをしていると思いますが?

 教えられた力は全て吸収し、活用しようと動くのですから。ここまで力は必要ではないなどと言って、切り捨ててやらかしたのはどこのどなたでしたっけ?』

 

 Dさんの一言で、辺りの空気が張り詰めものに変化する。

 あ、これはまずいと思ったわたしは、直ぐにグローブを外してその場で一つ、大きく手のひらを叩く音を響かせる。

 

『『『『『『『!!?』』』』』』』

 

 急に鳴り響いた乾いた音に、初代組は驚いたのか、揃って肩をビクリと跳ねさせる。

 そして、わたしに意識を向けては、目を白黒させて固まった。

 

「……Dさんが言いたいことはわかる。戦力を抑えた結果、大きな襲撃を受けてしまって、とても大切にしていた愛する人を失ったんだから。

 大切な人を失う悲しみの大きさと、それに伴った無力感は、“大切なものを失い、自分自身も壊してしまったわたし”の経験からよく知ってるし、最低限ではダメだと言う意見には、正直言って一理あるとすら思ってる。

 力があれば守れたのに……力があれば助けることができたのに……力があれば、失うことなく共に生涯を終えることができたかもしれないのに……そう言った後悔の念に苛まれたことがあるからこそ、過剰な力であれ維持し続けた方がいいと言った考えを持つのは必然的だ。」

 

 わたしの言葉に、ジョットさん達が目を見開く。Dさんもわたしがここまで自分の考えに賛同するとは思わなかったのか、驚いて固まっていた。

 その姿を見ながら、わたしは再び口を開く。天秤のように、片方の意見だけに傾くわけにはいかないから。

 

「同時に、ジョットさん達の懸念も一理あると思ってる。最初は守るために必要だったから、沢山の力を身につける必要性があったし、それは正解だったけど、膨れ過ぎてしまった権力は、敵への牽制になると同時に、守るべき人間にまで多大な恐怖を与えてしまう物となる。

 奪うために作ったわけじゃない……怖がらせるために作ったわけじゃない……恐怖の対象になりたかったわけじゃない……ただ、少しでも多くの人が幸せな生活を送れるようにしたかっただけだった。

 その考えに至った結果の力の削減も、理解できないわけじゃない。」

 

 どちらの意見も一理ある……そのことをハッキリと伝えたわたしは、そこに重ねるように自身の考えを口にする。

 

「結局のところ、どちらも正しくて、どちらも違うのが答えなんだと思う。両方の意見には同意できるところがあるし、同意できないところもある。

 だから私には、自分なりの答えを出すためにもジョットさん達全員の意見と力が必要なんだ。

 最終的にはどちらかを選び取らなくては行けないのかもしれない。もしくはどちらの意見も合わせた答えを見つけることができるかもしれない。

 その考えに基づき、ジョットさん達にはこれからも協力してもらいたいと思ってる。」

 

 このお願いを聞いてくれるかはわからない。でも、これまで1人で走っていた道は、多くを巻き込んで走るべき道だと私の直感は言っている。

 まぁ、できることなら一般人は巻き込まないようにして、同じ世界に身を置いている人達だけに協力を仰ぎたいところだけど、きっと、これから先の道のりは、それだけでは歩けないものだと思うけど。

 

 ─────……それならせめて、マフィアの世界を知ってる人の力と知識を沢山借りれる環境を作って、一般から巻き込まなくては行けない人達の負担をできるだけ減らそう。

 

「だから、これからも私に力を貸してくれないかな?歩こうとしているこの道は、どうやら今の私だけで歩くには荷が重過ぎるみたいなんだ。

 常に強くあり続けることはできないし、弱音だって沢山吐くと思う。みんなの技術や知識に追いつけなくて、倒れてしまうこともあると思うし、甘えることだってあると思うけど、できることなら、私が伸ばすことができる手は、多く側に置いておきたいから。」

 

 例え、すでに命の終わりを迎えている人達であろうとも、触れることができる力があるのであれば、完全な味方にならなくてもいいから、手を伸ばせる距離にいてほしい。

 みんなを守るためにも、わたし自身を守るためにも……。

 

『……全く、何を言い出すのかと思えば。』

 

『本当にな。』

 

 しばしの沈黙が訪れた中、不意に、ジョットさんとGさんが呆れたような声を漏らす。

 静かに視線を彼らに向けてみれば、2人は穏やかな笑みを浮かべてわたしを見つめていた。

 

『改めて言われなくても、僕達はナツキの側にいるつもりだよ。』

 

『これからも継続してDがいるんなら、Dが妙な気を起こしてナツに何かしようとするのを防ぐ必要もあるし、見張るための目は一つでも多くあった方がいいものね。』

 

『奈月がこれからも厳しい道を歩むと言うのであれば、我々は奈月の味方であり続けよう……そう、プリーモ達とは話していたところでござる。』

 

『ああ。こうして繋がれたのも何かの縁。決してオレ達はナツキを見捨てるつもりはないゆえ、究極に安心してほしい。』

 

 次々と言葉を紡ぐかつての始まりの先達も、口元に笑みを浮かべたまま、わたしのことを見つめている。

 様々な色彩を持ち合わせている瞳の中に、同じ頼もしさを宿して。

 

『安心してくれ、ナツキ。オレ達はみんな、ナツキの味方を降りるつもりはない。』

 

『Dだけは微妙なところだが、D意外はナツキから離れようなんざ思ってなかったぜ。

 助けてほしいと手を伸ばすなら、オレ達は躊躇いなくその手を掴むさ。』

 

『私の場合は、先程も言ったように良い子にしている限りは味方のままでいるつもりですし、悪い子になってしまった場合は再教育の方向で考えを固めています。

 敵対者にだけは絶対にならないですよ。まぁ、時が来たら、ちゃんと及第点以上を出せるようになったか試すつもりではありますが……今はいいでしょう。』

 

 少しだけDさんが不穏なことを言っているが、深い青に塗り潰されている瞳には、不思議と敵意ではなく、自身の教え子がどのように成長し、自分の前に立ちはだかるのかを楽しみにしている光が宿っていた。

 

「……いつか、Dさんとは本当にぶつかることになりそうだね。」

 

『その時はその時です。まぁ、あなたを失うわけにはいかないので、精々抵抗ができなくなるくらいに心を折るくらいにしておきましょう。

 物理的に手足を砕くと言うのは、流石に師が弟子にすることではありませんし。』

 

「あれ?もしかして私、Dさんの弟子になってなかったら、下手打って骨砕かれてた?」

 

『まぁ、私なら普通にやりますね。生かす価値もない候補者は要らないので。』

 

「…………………。」

 

『って何でプリーモのマントの中に潜り込んでるんですかナツキ。』

 

『テメェがこえーこと言ったからだろ。』

 

 Dさんの言葉にゾッとしてしまい、思わず側にいたジョットさんのマントに潜り込んでいたら、Dさんから隠れるなと言われた。

 即行でわたしが隠れた理由はDさんにあるとGさんがツッコミを入れたので、わたしはジョットさんのマントに潜り込んだまま頷いた。

 

『……オレの子孫を怖がらせるのはやめてもらえないか?』

 

『今の彼女には関係ないから話しただけでしょう!?』

 

『それでも骨を砕くは流石になくない?』

 

『ないな。』

 

『ないね。』

 

『ないでござるな。』

 

『究極にないな。』

 

「『うん、本当にないな。』」

 

『最後の最後で声を揃えないでもらえますかねオレンジふわふわコンビ!!』

 

 オレンジふわふわコンビ……?と一瞬、わたしとジョットさんは首を傾げる。

 程なくしてあ、こっちの炎の色か。と納得したわたしとジョットさんは、一度だけ顔を見合わせたあと、互いに額にオレンジ色の死ぬ気の炎を灯し、お揃いのグローブを嵌めてブイ、と見せつけるようにドヤ顔をして見せた。

 

『なんか腹が立つのですが!?』

 

「『知らん。勝手に腹立ててろ。』」

 

『ちょっと!?私の愛弟子を盗るのやめてもらえますかプリーモ!!』

 

『ナツキはオレの子孫だが?お前よりも繋がりや関係性は深いが?』

 

『やかましい!!』

 

 ナツキを離しなさい!!誰が離すか!!とわたしの頭上で言い争う始まりの2人に、周りにいる始まりの5人が肩を揺らして笑う。

 完全に挟まれているわたしは、何度か瞬きをしたあと小さく笑った。

 

 ……これからのことに不安がないと言えば嘘になる。でも、この人達がいてくれるなら、その不安もきっと、少しずつなくなっていくはずだ。

 

「……これからもよろしくね。プリーモファミリーと私の師匠(センセー)。」

 

 

 

 




 沢田 奈月
 実はマフィアに対する感情が最底辺にまで暴落していたボンゴレ10代目。
 突発的に家出して、迷いに迷いまくって戻った割には、初代ファミリー……特に、Dがいつも通りの様子だったことに少しだけ安心した。
 精神のゆとりが少しずつでき始めた分、割とジョットと一緒になってDをおちょくる姿を見せるようになる。
 Dの再教育を受けるつもりはないが、全力をつくしても及第点を得ることができなかった場合は、甘んじてそれを受けることを約束する。

 ジョット
 戻ってきてくれた奈月に安心と申し訳なさを抱いた始まりの大空。
 マフィアに対する感情の大暴落と、彼女が目指すマフィアが何かを聞かされかなり驚いていた。
 それでも自分が残したものを継ぐことを考えてくれた彼女に、大きな感謝を向け、その道を歩み続けると言うのであれば味方であり続けると彼女に違う。
 子孫とお揃い!やった!の感情から、Dのことを奈月と一緒におちょくった。

 D・スペード
 奈月が家出したことに、どこで自分は間違った!?と頭を抱えていたが、彼女が確かな意思を持ち、再び自分の手の届くところに戻ってきたことに1番安堵していた始まりの1人。
 しかし、再会した直後に告げられた言葉がまさかのものだったため、少しだけ顔を青くした。
 彼女の意思を聞き、かなりの懸念を抱いたが、それも含めて自分の歩く道を見極めてほしいと直接伝えられ、完全に絆されつつある。
 いざと言う時は再教育(マインドコントロールor憑依を駆使したもの)と言う自身の言葉に、全力を尽くしてもなお納得させることができなければ甘んじて受けると言ってきた彼女の側を離れるつもりはない。

 初代ファミリー
 ナツキが戻ってきたことに安心した初代組。
 これからは抱え込み過ぎないように、しっかりと彼女を見守り、Dが辺な気を起こさないようにしっかりと監視しなくてはと考えている。
 プリーモと一緒にDをおちょくる奈月の姿に爆笑してしまった。


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