最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
風紀委員の役員達と別れ、自宅へと帰宅した私は、手洗いとうがいをさっさと済ませた後、自室の方へと足を進める。
気持ちが落ち着いたからと、マフィアになるための勉強を再開して良いと伝えた日から、リボーンの定位置が私の部屋に戻ったからね。
この時間帯から、彼はこっちの方に……
「うわ、キモ。なんで大量のカブトムシくっつけてんの。樹液でも分泌してるわけ?」
「……おい、シンプルな罵倒ほどぐさっとくるもんはねーぞ。」
そう思って自室に足を踏み入れてみると、そこには顔面カブトムシだらけになっているリボーンの姿があった。
黒光の悪魔な害虫よりは何倍もマシではあるけど、流石にここまで大量のカブトムシは、嫌いじゃなくてもキモい。
素直な気持ちをそのまま言葉にし、うげぇ……と表情を歪めれば、シンプルな罵倒は突き刺さると抗議される。
だったらそのカブトムシ達、さっさと外に逃してくれ。そうしたら罵倒もやめるから。
「これはオレの夏の子分達だぞ。情報収集してくれるんだ。」
「何で虫と話せるのかな?虫語マスターにでもなってるの?」
「一流ならこれくらいはできて当然だぞ。」
「一流でもできない芸当だと思うんだけど?」
呆れとわずかな嫌悪を見せながらも、リボーンとの会話を続ける。うっえ……夢に出てきそう……。
カブトムシは嫌いじゃないけど、大量にいるのはやっぱり精神的にちょっとよろしくない。
木にいるのは別に問題ないよ?でも、人の顔に大量に張り付いてるのはなぁ……。
「で?何の情報を得たの。」
「ビアンキがこの町に来てるって情報だぞ。」
「ビアンキ?リボーンの知り合い?」
「ああ。昔の殺し屋仲間だ。」
「ふーん……元殺し屋仲間……ね。」
そんなことを思いながら、リボーンが得た情報を脳裏にて反芻する。
リボーンの殺し屋仲間……毒物を放り投げてきた女性……これは、なんか繋がりそうだ。
「その殺し屋仲間の人って……」
毒物を使う、髪が長い女の人だったりする?と、先程出会した女性に関して質問しようとした瞬間、玄関のチャイムが鳴り響く。
耳を澄ませてみると、イタリアンピザですと言う女性の声も聞こえてきた。
その声は、先程出会した女性のものとほぼ同じ声音だったため、私は一瞬目を細める。
今、母さんがリビングにいなくて心底よかったと少しだけ安堵する。私をターゲットにしているなら、母さんに被害が及ぶ可能性は極めて低いわけだけど、もし、母さんにすらもその毒牙を向けようものなら、彼女は被害者になりかねない。
やれやれと深く溜息を吐く。しかし、すぐに頭を切り替えたのち、恭弥さんからもらったトンファーを腰に下げて、玄関の方へと足を運んだ。
たどり着いた玄関の扉を静かに開けてみれば、やはりと言うか、先程自転車で颯爽と立ち去っていった長い髪の女性が、大きく平べったい箱を手にそこに立っており、
「お待たせしました。
ピザの名前を口にするなり、ガスマスクを目の前で装着し、手にしている箱を開こうとした。
でも、その毒は私には届かない。開く寸前で振り上げたトンファーにより、その箱を思い切り外に弾き飛ばし、振り上げていない方のトンファーの側面に無数の突起を出現させて、綺麗な首元へと静かに添えたために。
「な!?」
「すみませんね。こう見えて私は一般人からちょっと離れておりまして。簡単には殺されませんよ。
で?貴女は私を狙ったんです?それとも無差別?もし無差別だと言うのなら、こちらもそれ相応の対処を取らせてもらいますが?」
恭弥さんと手合わせをし、風紀委員としてたまに不良をぶっ飛ばしているうちに、殺気と言うものを嫌でも理解してしまった私は、わずかながら威圧するように、殺気を漏らしながら目の前の女性に話しかける。
首元に添えている突起付きトンファーは、彼女の首元に触れるギリギリの位置で寸止めしているけど、もし、おかしな行動を取るようだったら、少しだけ手荒にいくべきか………。
「ナツ。それくらいにしてやれ。」
「………はいはい。」
そんなことを考えていると、私の部屋から追ってきたリボーンに背後から声をかけられる。
彼が口にしたのは、手荒な真似はするなと言う注意。別に悪いことだとは思ってないみたいだけど、今は手を出すべきじゃないと言うことだろうか。
それならと、素直にトンファーを片付ければ、目の前の女性は腰を抜かしたようにペタリと地べたに座り込んでしまった。
「ちゃおっス、ビアンキ。びっくりしただろ。ナツはお前が思ってる程、簡単に殺せるような一般人ってわけじゃねーんだぞ。ちなみに、オレもかなり驚いてるぞ。まさか知らない間にここまでナツが成長してるとは思わなかったからな。」
そんな女性に対して、リボーンはいつもの調子で話しかける。やはり、目の前にいるこの女性がビアンキさんと言う女性だったらしい。
ってことは、私、普通に殺し屋にメンチを切ったわけか。我ながらすごいことやらかしてるな……。
「……リボーン。この子、かなりマフィアとして洗練されてるけど、ここまで成長している子に、これ以上何か教えることがあるの?私から見たら、もう教えることがほとんどないように見えるわよ?もうこの子は置いといて、また一緒に大きい仕事をしようよ、リボーン。」
「確かに、戦闘面では教えることがほとんどねーな。でも、こいつはマフィアの世界までは知らねーからな。まだまだ教えることはたくさんあるぞ。マフィアに関してだけどな。」
だんだんアンダーグラウンド側に染まりつつある自身に、我ながらドン引きしていると、リボーンとビアンキさんの2人が私について話し始める。
ビアンキさんは、もうほとんど教えることはないように見えるから、ここを離れて一緒にしようとリボーンを誘い、リボーンはマフィアに関しての知識は一つもないから、それを教えなくてはならないとそれを断る。
それを受け流すように聞いていれば、わずかに聞こえてくる嗚咽。
嫌な予感がして、ビアンキさんの方に目を向けてみると、彼女は涙を流しながら、「……かわいそーなリボーン」と呟く。
「この10代目が不慮の事故かなにかで死なない限り、リボーンは自由の身になれないのね。」
「いや、リボーンが必要なら連れて帰ってもらって構わないんですけど。」
「そうもいかねーぞ。お前はまだマフィアの知識を身につけることができてないひよっこだからな。マフィアに関しての知識を全部身につけるまではみっちりと付きっきりで教えるぞ。」
「みっちりとかいらないし。ていうか、こっちの暮らしは絶対リボーンにとっちゃ退屈以外の何ものでもないでしょ。彼女と一緒に仕事する方が、銃とかバンバン撃てて爽快なんじゃないの?」
「お前の成長を見るのは全然退屈じゃねーけどな。知らないところで成長を続けられてんのは気に食わねーけどな。」
「好きで成長してるわけじゃない。」
何やら不穏な言葉を言っているビアンキさんに、リボーンが必要なら連れて帰っても構わないと返すが、即行でリボーンにそれはできないと返される。
ずっと殺し屋をしてきた人間からしたら、今の生活は退屈だろうと理由を見つけて口にしても、却下されてしまった。
「……今日はとりあえず帰るね。10代目をころ……10代目が死んじゃったらまた迎えに来る。」
「今さらっと殺すって言いかけなかった?」
「気のせいよ。じゃあね、10代目。また会いましょう。」
どうしたもんかと考えていると、ビアンキさんは明確な殺害予告を残して家から立ち去っていった。
なんだったんだと呆れながらも、気が休まない日がまた来るのかと溜息を吐く。
「で、結局さっきのビアンキさんってなんだったわけ?」
「ビアンキか?あいつは毒サソリ・ビアンキって言うフリーの殺し屋だ。あいつの得意技は、毒入りの食い物を食わす、ポイズンクッキングだ。」
「ああ、だから毒サソリ。綺麗な花には棘ならぬ毒があるってことね。で?彼女がリボーンに執着してる理由は?」
「ビアンキはオレにゾッコンだぞ。つきあってたこともあるしな。」
「は?恋人だったってこと?」
「正確には4番目の愛人だ。オレはモテモテなんだぞ。」
「ふーん。」
「なんなら、お前もオレがもらってやろうか?」
「辞退させてもらおうかな。赤ん坊に惹かれるような質ではないんでね。」
「……冗談で言ったつもりだが、キッパリとフラれるのもそれはそれでなんかムカつくぞ。」
「知らないよ。」
若干の不満を漏らすリボーンに短くそう返した私は、明日からのことを考える。
ビアンキさんの殺害予告……すぐにわざとらしく誤魔化していたけど、あれは間違いなく本気の言葉だ。
さて、どうやって丸くおさめようかな……。
沢田 奈月
カブトムシまみれだったリボーンに素で罵倒を漏らした転生者な10代目。
リボーンが必要なら連れて帰ってくれても構わないと思ってるが、リボーンが却下してしまったため、結局ビアンキに狙われることになってしまった。
リボーン
ぐんぐん成長している教え子にめちゃくちゃ驚いている家庭教師。
冗談とは言え、ナツも愛人にしてやろうかと言うセリフを笑顔で一刀両断され、なんかムカついた。
ビアンキ
リボーンを取り返しにきたはいいが、ボンゴレ10代目の能力値があまりにも高過ぎて一時的に腰を抜かしてしまった毒サソリなお姉様。
自身を怯ませるレベルの実力は素直に認めざるを得ないと考えているが、それはそれとしてリボーンは返してもらいたいので、10代目を殺そうと考える。