最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 一夜明け、変わらぬ日常を過ごして町に出る。
 このまま何事もなければと、桜は少しだけ考えるが、その願いは叶うはずもなく、争いの火種は直ぐそこまで迫っているのだった。


穏やかな時は続かない

 動きやすい服を身に纏い、靴を履いて外に出てみれば、背後からちびっ子達も次々と出てくる。

 

「ナツ〜!オレっちと手を繋ぐもんね!」

 

「あ!ずるいよランボ!!僕だってナツ姉と手を繋ぎたいのに!!」

 

「こらこら喧嘩しないの。手は2本あるんだから。」

 

「「は〜い。」」

 

「【イーピンは大丈夫だった?】」

 

「【はい!大丈夫です!私のことは気にしないで、ランボ達の手を握っていてあげてください!】」

 

「【ん。ありがとう。じゃあそうさせてもらうね。】」

 

 左右を陣取るランボとフゥ太の手を握りながら、並盛町の繁華街へと向かうための道のりを歩く。

 穏やかな時が流れる今日は日曜日。料理を作りまくる母さんの代わりに、ちびっ子組の面倒を見ることになったわたしは、今日はこの子達を連れて町に出ることにしたのである。

 町に出ようかと誘ったところ、ちびっ子達は直ぐに行くと言ってきた。

 それを聞いた母さんが、任せていいかと聞いてきたので、それを直ぐに承諾し、こうやって出かけている。

 

「町に行ったらどこに行こうか?」

 

「僕、ゲームセンター行ってみたい!前、武兄に聞いたんだけど、沢山のゲームがあるんだよね?」

 

「オレっちケーキ食べたいもんね!けーきばいきんぐ?って言うケーキをいっぱい食べれる場所あるってきいたもんね!」

 

「【私は特にここに行きたいとかはないので、ナツさん達が行く場所で大丈夫ですよ!】」

 

 まずはどこに行こうと考えながら、ちびっ子達にいきたい場所はあるかと問いかける。すると、2つの候補場所が挙げられた。

 ゲームセンターとケーキバイキング……確か、繁華街の方にどちらもあったし、そこまで距離もなかったはずだ。

 

「じゃあ、まずはゲーセン行って遊んだあと、ケーキバイキングに行こうか。」

 

「「やったー!!」」

 

「【楽しみです!!】」

 

 それならと、今回のお出かけの大まかな内容を決めれば、ちびっ子達はこれでもかという程に喜んだ。

 その姿を微笑ましく思いながらも、わたしは少しだけ遠い目をする。目的を決めたのはいいけど、この子達に渡すお小遣いはいくらぐらいがいいのだろうか?

 

 ─────……小学生と幼稚園児くらいだから、3000円くらい……?それよりも少なめ?それとももう少し持たせていいの……?いっそのことわたしが全額出せばいいのか……?

 

『なんかめちゃくちゃ頭悩ませてるものね……』

 

『お子様達の小遣いをどうするべきか悩んでいるのでは?』

 

『あー……そういやナツキの奴。未だにマフィア連合だった奴らから金振り込まれてんだったか?』

 

『そう聞いてるよ。感謝の気持ちは伝わったからそんなに資金は要らないって何回も言ってるみたいだけど、どのファミリーも入金をやめないらしいね。』

 

『オレが聞いた話だが、マフィアとしての立場を隠した商売の方でナツキのアドバイス道理に物事を進めたところ、どのファミリーも表の顔でも大成功をしてるとのことらしいぞ。

 その上、それを聞いたマフィア連合だった者達が、次々と表の顔による商売を始め、ナツキからアドバイスをもらい、成功させ続けているため、資金が潤沢になってしまったようでな。

 その商売により発生した金銭のうちの何割かをナツキの口座へと定期的に振り込んでいるとのことだ。』

 

『それもまたお礼の一種でござろうか?』

 

『と言うよりは、財閥とかグループのような大規模な組織の金の回り方に近いような気がしますね。

 大元の会社があって、そこから沢山の事業を展開する子会社が生まれ、子会社の売り上げの何割かを大元の会社へと納金するやり方です。

 おそらく、前世のナツキ自身、もしくはナツキの周りがそのような立場にあるような存在だったのでしょうね。

 そしてナツキはそれを引用し、こちらの方で役に立てていると言ったところかと。』

 

『究極にナツキの前世が気になってきたぞ……』

 

『気になる気持ちはわかるが、それに触れる触れないは別問題だ。強いトラウマがある可能性もあるし、今はそれよりもやることがある。』

 

 ジョットさんが制止したことにより、わたしの前世の話は切り上げとなった。

 唯一、憑依による犯罪者へのお仕置きに助力してくれたDさんだけは、少しだけ複雑な表情を見せ、わたしから静かに視線を逸らした。

 彼の反応に気づいたジョットさんは、少しだけ彼を見つめたあと、一時的に目を伏せた。

 その様子から、触れないことを選んでくれたのだとわかったわたしは、小さく笑いながら住宅街を歩く。

 

「あ!なっちゃーん!」

 

「ナツさーん!こんなところで会うなんて奇遇ですね!!」

 

 すると、前方の方から聞き慣れた声が聞こえてきた。声の持ち主を確認するように視線を前に向けてみれば、京ちゃんとハルの2人がわたしの方へと駆け寄ってきた。

 

「やぁ、京ちゃん。ハル。2人もお出かけかな?」

 

「はい!今から京子ちゃんと一緒に繁華街の方に行こうと思いまして!」

 

「いろんなお店を回って、最後はケーキバイキングに行くの!」

 

「実は今、期間限定の秋の味覚フェアをやってるんです!栗のケーキやブドウのケーキ、さつまいものケーキなどなど、様々な種類があるんですよ!」

 

「え!?ブドウ!?ナツ!!オレっちもブドウのケーキ食べたいもんね!!」

 

 京ちゃんとハルの話を聞いて、ぴょんぴょん飛び跳ねるランボに、わたしは何度か瞬きをする。

 行きたいところが被ってるとなると、一緒に行動を取るのもありかな?

 京ちゃんとハルの2人がいた方がちびっ子3人を見る目も増えるし。

 

「……じゃあ、一緒に行く?わたし達も繁華街の方に行こうと思ってたところだし。」

 

「なっちゃんと一緒!?」

 

「ナツさんと一緒ですか!?」

 

「おわ!?えっと、うん。2人さえよければだけどね。見ての通り、私、今日はこの子らの面倒を見ることになってるから、ちびっ子も一緒だけど……」

 

「ぜひご一緒したいです!」

 

「私達もランボ君達の面倒を見るのを手伝うよ!だから一緒に行こ!」

 

 わたしの提案を直ぐに承諾した2人に少しだけ驚きながらも、それならと言うことで一緒に行動を取ることにする。

 あ、2人も一緒なら、お金はわたしが出した方がいいかな。京ちゃん達にもほしいものはあると思うし、飲食代くらいは出さないとね。

 ちびっ子達の面倒も見てもらうわけだし。

 

「それじゃあ、行こうか。この子達の要望も叶えたいから、ゲームセンターとかにも寄っていいかな?」

 

「うん!大丈夫だよ!」

 

「あ、ゲームセンターに行くのであれば、みんなでプリクラ撮りませんか?折角ですし!」

 

「それもいいね。ちびっ子達、カメラに入るかな?」

 

「それなら大丈夫だと思いますよ!確か、前に学校の友達と撮りに行った時、ちっちゃい子も入れるように踏み台を貸してもらっていた若ママグループ見たことあります!」

 

「それなら問題はなさそうだね。」

 

 そんなことを思いながら、京ちゃんとハルの2人も連れて、繁華街の方へと足を運ぶ。

 穏やかな時が崩れ去るための出来事が起こるなどと、この時のわたしは思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             ❀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まさか、繁華街の方に隼人達までいるとはね。何か起こる前触れってところかな。」

 

「こえーこと言うなよナツ……」

 

「本当に起こりそうで不安なんスけど……?」

 

「ナツの超直感はかなり強いからな。本当に起こるかも知れねーぞ。」

 

 京ちゃん達と共に繁華街へと出向いたところ、そこには隼人と武の2人がいた。

 どうやら、1ヶ月間留守にしていたわたしみたいに、学校側から課題を出されたところ、隼人はめんどくさいからと言う理由でやらず、武は赤点と言う結果になってしまい、補習になってしまったようだ。

 わたしは課題を全部こなして教員に提出し、点数も赤点どころかオール100点満点と言う結果になったため、補習はなかったんだけど。

 で、初めて補習をやらされることになって、なんだかイライラしている様子の隼人に、気分転換しようと言って、武が無理矢理繁華街の方に連れてきたようだ。

 最初、武に繁華街に連れて行かれた時の隼人はイライラがかなり増していたようだが、繁華街の方にわたしもいたから、機嫌を持ち直した。

 これが、ついさっき起きた出来事である。

 

「にしても、まさかナツが繁華街にいるとはなぁ……」

 

「アホ連中もいるけどな。」

 

「なんでハルを見て言うんですかぁ!?」

 

「オレっちアホじゃないもんね!!アホって言った方がアホなんだよ!!」

 

「んだとクソ牛!!」

 

「……喧嘩するみたいだから置いていこっか。」

 

「「すみませんでした!!!!」」

 

「うわぁあ!!ごめんなさい!!置いていかないでほしいもんね!!」

 

 何やら空気が悪くなったので、本気で置いて行こうとしたら、即行で3人に謝罪された。

 あまりにも変わり身が早かったからか、京ちゃんも武もフゥ太とイーピンも苦笑いをこぼす。

 

「ナツがいると周りが即行で大人しくなるな。」

 

「喜んでいいこと?それ。」

 

『仲違いを止めることができるスキルはコレから先、連携が必要になる上で重要なものですから喜んでもいいと思いますよ。

 冷静さを取り戻させるための能力になりますし、大事にするように。』

 

【いつのまに寄ってきたし。】

 

『私はいつもナツキの側にいますが?』

 

【ストーカーみたいなこと言わないでもらえる?Dさん。】

 

 リボーンの冷静なツッコミに、喜んでいいものかと考えていると、喜んでいいと言ってくるDさん。

 この人、わたしが歪な愛情を向ける現在の最愛対象って言ってからやけに近いな。

 今日もこの人に起こされたし、おでかけの服を選んだのもこの人だった気がするんだけど。

 

「……ナツ姉、そこに誰かいるの?」

 

 なんてことを考えていると、隣にいたフゥ太がわたしにそんな質問をしてきた。

 Dさんに話しかけられたから、思わず彼の方をジッと見つめちゃったけど、言われてみれば彼を視ることができるのはわたしだけだから、側から見たら虚無を眺めてる猫みたいな感じになるな。

 

「うん。秘密の友人。私、どうやら霊感があるみたいでね。よく話しかけられる。まぁ、あまり言葉は返さないけどね。

 だって虚無を眺めながら言葉を交わす人って見るだけでも怖いし。」

 

 とりあえずフゥ太には、自分が霊感持ちであることと一緒に、秘密の友人が側にきたから見ていたことを伝える。

 嘘は言ってない。

 

『そろそろ友人という枠組みから師に上げてくださっても良くないですか?』

 

【なんでさ。】

 

『私がお前を育てたからですが?』

 

 しかし、どうやらDさんは友人扱いがそろそろ気に入らなくなってきたのか、そろそろ友人ではなく師として明かせと言ってきた。

 意味わからん、と思いながら、疑問の声を念話で返せば、自分が育成したからだが?と返されてしまった。

 確かにわたしはDさんから幻術とかボスのあり方とか振る舞い方を教えてもらってるし、こっち方面では彼に育てられたと言われてもおかしくないくらい干渉を受けてるけどさ……。

 

『まて、D。ナツキを育てたのはお前だけじゃないだろ。』

 

『勝手に自分だけの功績にしてんじゃねーよ。』

 

『ナツキには僕もいろいろ教えてるし、君だけの教え子じゃないよね?』

 

『ナツには戦闘以外の面でオレ様もいろいろ教えてるものね。』

 

『私は奈月に剣を教えたので、私の生徒でもありますな。最近は笛や舞なども少々教えているでござる。』

 

『オレはナツキに相手の懐に入る技術やスピードを活かした戦い方を教えている!Dだけの生徒ではあるまい!!』

 

 そんなことを思いながらDさんを眺めていると、ジョットさんが異議を唱え、そこから倣うようにして、他の初代達もDさんだけの教え子じゃないと突っかかる。

 それがかなりイラっとしたのか、Dさんは少しだけ青筋を立てた。

 

『この……!!あとからワラワラと!!』

 

『先にナツキに会ったのはオレだ!』

 

『次に僕。』

 

『その次はオレだぞ。』

 

『そのあとはオレ様だものね。』

 

『ついでに私もランポウと同じ時期に奈月に会いましたな。』

 

『オレは……Dよりあとに会った……な……』

 

『………ナックル凹んじゃったものね……』

 

 果てには誰が先に会ったか論争へと話は飛躍し、それによりナックルさんが思いっきり凹む。

 ……うん……確かに、わたしの誕生日の時にナックルさんとは会ったけど、それより先にDさんが幻術を使ってジョットさんのフリをして迎えに来たから、ナックルさんはこの中じゃ最後にあった人だ。

 まぁ、Dさんもある意味ビリけつ一歩手前でほぼビリけつなんだけど。

 

「……賑やかだなー………。」

 

「相変わらず賑やかにやってんのか。お前の友人は。」

 

「うん。直ぐそこでわちゃわちゃ言い争ってる。」

 

 賑やかにしている初代組の姿を見て、思わず遠い目をしてしまう。

 それを見たリボーンから、わたしにしか視えない秘密の友人は、今も賑やかにしているのかと聞かれたため、引き攣った笑みを浮かべながらそうだと肯定の言葉を返した。

 

「奈月さんの秘密の友人……守護霊みたいなもんスかね?」

 

「言われてみれば、ナツさん、よく何もないところを見てますからね。もしや守護霊の方々とビビビッと交信してたりするんですか?」

 

「あ、私も気になってたの!学校じゃ見ないけど、なっちゃんと遊びに行ってる時とか、なっちゃんの家にお邪魔してる時とか、ふと何もないところを見てる時あったから。

 もしかして、何かお話聞いてるのかな?って思ってたんだ。そっかぁ、なっちゃんだけの視えないお友達って、いつもお話してるんだね。」

 

「なるほどなー。そう言えば、たまにナツって外国語の手紙とか書いてることあるよな?

 もしかして、あの外国語もその友人(ダチ)に教えてもらってたのか?」

 

「はひ!?ナツさん外国語の読み書きできるんですか!?」

 

「できるぞ。今のナツは、イタリア語と英語を含めて、大体8カ国語は使えるようになってるからな。」

 

「……………。」

 

 次々と質問してくるメンバーに思わず無言になったあと、未だに側で言い争っていると言うか、わちゃわちゃと賑やかにしている初代組に視線を向ける。

 

『『『…………すまん。』』』

 

『……少し、話しかけ過ぎたようですね。』

 

『……ナツキが変な目で見られないように干渉を控えるとか最初に言い出したの誰だっけ?』

 

『それはオレだが、お前達だってナツキに過干渉じゃないか。』

 

『いや、みんなプリーモにつられただけだと思う……』

 

『究極に同意するぞ。』

 

『……オレのせいか…………。』

 

『まぁ、お前がやってるならオレらもやっていいかってなっちまったよな……』

 

『……………そうか……。』

 

 あ、ジョットさんが凹んだ。

 珍しいこともあるものだ……と何度か瞬きを繰り返したのち、視線を京ちゃん達に戻す。

 

「みんな博識だからね。ある意味で私の先生だよ。おかげで、遠くの親戚の人と手紙やメールでやり取りをしても、なんて書いてあるか読めるし、かなり役に立ってるかな。」

 

 博識な友人でもある話を京ちゃん達にすれば、それでいろんな言葉が話せるんだと納得した様子を見せる。

 リボーンだけは、“本来それはオレがやるはずだったんだが?”と言いたげな様子で、わたしが視線を向けていた方を拗ねたように見つめた。

 

 不意に、わたしは自身が立っている位置から南西の方辺りにある気配に気づく。

 気配の数は2つ。目まぐるしい勢いで距離を詰めたり離れた入りしている様子から、明らかに普通の気配ではなかった。

 

「……京ちゃん。ハル。ちびっ子達をちょっと預かってて。」

 

「え?それは構わないけど、急にどうしたの?」

 

「ちょっとね。嫌な予感がするから、丈夫な建物の中へと移動して、決して外には出ないで。

 嫌な予感を解消することができたら合流するから、どこにいるかだけは連絡を頂戴。」

 

「わ、わかりました。京子ちゃん。急ぎましょう。」

 

「う、うん。」

 

 直ぐに2人にちびっ子を預け、建物の中へと移動するように指示を出せば、2人は少しだけ戸惑いながらも急いでこの場から離れてくれた。

 それを見送ったわたしは、荷物の中に入れていた革手袋を手に嵌め、腰に携えていた槍へと変化するスティックを手にする。

 いつも通りにトンファーを使うことも考えたけど、どうもトンファーで挑んでいいような存在ではない気がする。

 

「ちょっと南西の方に行ってくる。激しくぶつかってる気配が2つあるみたいだから、周りに被害が出てしまいそうだ。」

 

「だったらオレも一緒に行きます!奈月さんだけで背負わないでください!」

 

「オレも行くぜ。人手があった方が安全を確保することもできるだろうし、何よりナツだけに抱えさせるわけにはいかないからな。」

 

「……ありがとう。でも、無茶はしないように。ぶつかってる2つの気配は、明らかにこれまで感じたことがある気配とは全く違う存在感がある。」

 

 “もしかしたら、Dさんが言っていた火種か火種の関係者かもしれない”……その言葉は飲み込みながら、わたしは繁華街の南西の方へと移動する。

 隼人と武がついてくることを気配で確認しながらも、南西の方向へと走り抜ければ、大きな爆発音が辺りに響き渡った。

 

「「「!!?」」」

 

 音の発生源へと目を向けてみれば、そこには煙が上がっており、激しくぶつかる気配は強くなる。

 何が起こっている?少しの混乱を抱く中、不意に聞こえてきた鋼の衝突音。

 同時に、気配の片方が勢いよく吹き飛ばされ、わたしの方へと近づいてくるのを感じ取った。

 すかさず死ぬ気の炎を額に灯し、飛んできた気配を片手を伸ばし、左足を軸にしてその場で回り、勢いを殺して受け止めれば、確かな温もりを感じ取る。

 

「大丈夫?」

 

「あ……!?おぬしは……!?」

 

「うん。21世紀におぬしって二人称聞くとは思わなかったかな?」

 

 受け止めた温もりに視線を向けてみれば、そこには1人の男の子がいた。

 死ぬ気モードを使っているとは言え、かなりの時速で飛ばされていたであろう男の子をキャッチするなんて、いよいよこっちに染まってしまった感が強い。

 

「う゛お゛ぉい!!」

 

「うるさ!?喉大丈夫なんですかそのクソデカボイス!!」

 

「はぁ!!?初対面で何だぁクソガキ!!」

 

「せめてマセガキって言ってくれません!?のど飴舐めます!?」

 

「なんでいきなり心配されてんだよオレはぁ!!」

 

 そんなことを思いながら男の子を見ていると、クソデカボイスとはこのことだレベルの騒音が聞こえてきた。

 あまりにもうるさい上かなりのダミ声だったため、思わずのど飴でも食べるかとツッコんだらいきなり心配されるってなんだとツッコミ返されてしまった。

 いや、だって明らかに喉にダメージいってそうな声だったんだもん。ちょっと気になっちゃったんだよ。

 

「て言うか誰ですかあなた!?公共の場で爆発騒ぎ起こすって正気ですか!?子供から老人まで沢山いるんですけど日曜日だし!!」

 

「こんの……!!外野がいちいち口挟みやがって!!邪魔すんならたたっ斬るぞぉ!!」

 

「めっちゃ短気なんだけどこの銀髪キューティクルお兄さん!!」

 

「銀髪キューティクルお兄さんってなんだ!!オレはS・スクアーロだぁ!!」

 

「自己紹介ありがとうございます!スペルビ・スクアーロさん!!じゃなくて、なんでいきなり戦闘やってるんですかスクアーロさん!?」

 

「そいつがこっちの質問に答えねーからだろーが!!」

 

「いや、攻撃されたら誰も質問に答えたくなくなるよね……?」

 

「急に落ち着くんじゃねーよ!!」

 

 銀髪キューティクルお兄さん改め、スペルビ・スクアーロさんと言葉の応酬をしながらも、わたしは受け止めた男の子に目を向ける。

 男の子は明らかに混乱したような様子を見せており、わたしとスクアーロさんへと視線を行ったり来たりさせていた。

 初対面の激ヤバお兄さんに対して、物怖じすることなく言葉を返している中学生女子の図に、困惑しているのだろう。

 

 そりゃそうだと思いながらも、わたしはスクアーロさんに視線を戻す。

 かなりの殺気に晒されているにも関わらず、平然と言葉の応酬をしてくるわたしに、彼もまたどこか困惑しているようだった。

 

 

 

 

 




 沢田 奈月
 穏やかな日曜日が一転したにも関わらず、現れた殺気を放つ銀髪お兄さんに平然と言葉の応酬をするどころかちゃっかり名前まで聞き出してしまったボンゴレ10代目。
 2人の男を困惑させていることを気にしている様子はない。

 リボーン
 何かを感じ取った奈月と一緒に移動したところ、見覚えのある少年が彼女の腕の中にいることや、殺気を放つスクアーロの姿を見て、嵐の予感を感じるも、目の前で奈月がスクアーロと言葉の応酬をし始めたのでかなり困惑した。

 獄寺&山本
 え?初対面なのに奈月さん/ナツ、物怖じしないで言い返してね……?

 飛ばされてきた少年
 スクアーロと交戦する中、力の差で吹っ飛ばされたと思ったら、写真の少女に受け止められていたためかなり驚いた少年。
 あの、相手、かなりの実力者なのですが、平然と言葉を返せるのですか……?

 S・スクアーロ
 少年を追った先で少女と言い争いになると言うまさかの展開を迎えてしまった男性。
 なんなんだこいつ、調子狂うんだが……?

 初代組
 相変わらずわちゃわちゃ言い争ってる始まりのボンゴレ達。
 移動した先で奈月が殺気を放つ男と子供のような言い争いを始めたので困惑した。
 Dは笑ってしまった。

 女子組・ちびっ子達
 奈月に言われて避難したため、こんなことが起こっていることに気づいていない。



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