最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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サソリと10代目の攻防 Ⅰ

 ビアンキさんと言う殺し屋さんとの邂逅を得た翌日。

 私は、いつものように学校へと向かうための通学路を歩いていた。

 空は快晴。朝だから暑さはそこまでなく、それなりに過ごしやすい温度と言った長閑な道のりで、その温もりはやってきた。

 

「なっちゃん、おはよー!」

 

「はいはい、おはようさん。ていうか、またか京ちゃん。」

 

「ふふ、ごめんね。もう癖になっちゃってて。」

 

「全く……もし学校卒業したあと、別々の高校に行くことになったらどうするのやら。」

 

「え〜……卒業はまだ先だよ?でも、多分、あたしはなっちゃんと同じ学校を目指すと思うな。」

 

「私と?仮に海外に留学するとかなったらどうすんのさ。」

 

「うーん……頑張る!」

 

「頑張るんかい……。」

 

 いつものように、私に抱きついてきた京ちゃんに、もしもの話を伝えると、ついて来る気満々の返答を頂いてしまった。

 私にくっついてきても、いいことがあるとは思わないんだけど、多分、京ちゃんはそう言っても首を傾げるだけだろう。

 

「京ちゃんは私と離れたくないのかぁ……」

 

「だって、なっちゃんの側はすごく落ち着くから、離れ離れはちょっと嫌だなぁ……。」

 

「ふーん?まぁ、京ちゃんはちょっと抜けてるところがあるし、側にいてもらうことに越したことはないけどさ。」

 

「む……あたしは抜けてなんかないよ!」

 

「あはは、冗談だって。拗ねない拗ねない。」

 

 ぷくっと頬を膨らませる京ちゃんの頬を、つんつんと優しくつつきながら笑っていると、京ちゃんがくすぐったそうに小さく笑う。

 

「なっちゃん、くすぐったいよー!」

 

「京ちゃんが頬を膨らませてたからそれを治してるだけでーす。」

 

 おりゃ!と両手で頬を触れば、京ちゃんはやめてー!と笑顔を見せてきた。

 ようやく拗ねモード京ちゃんが無くなったと一緒に笑えば、京ちゃんから仕返し!と言う言葉とともに両頬を挟まれてしまった。

 

「うわ!?」

 

「ふふ!びっくりした?」

 

「そりゃびっくりしますって……。まさか仕返しされるとは思わなかったんだけど。」

 

「なっちゃんばっかりずるいもん。」

 

「あ、ちょ、揉まないでー!」

 

 京ちゃんとじゃれあいながら通学路を歩く。ここに花もいたら、多分、あんた達だけずるいよって乱入してきたに違いない。

 それがよくある私達のやり取りだ。私と京ちゃんがじゃれていれば、それに花が乱入して、花と私がじゃれていれば、今度は京ちゃんが乱入して来る。

 もちろん、私も乱入する側になることがある。基本的に花が毎回そのポジションだけどね。

 

 いつもなら、このまま平穏に通学は終わる。しかし、今日はそうもいかないようだ。

 遠くの方から聞こえてくる自転車の音。すぐに視線だけを音の方に向けてみれば、そこには昨日とは違い、メットとゴーグルなしのスタイルで自転車を漕ぐビアンキさんの姿があった。

 かなりのスピードで自転車を走らせ、私達の方へと向かって来る。

 

「人の恋路をジャマする奴は、毒にまみれて死んじまえ。」

 

「え?」

 

「どうぞ。」

 

「きゃ!?」

 

 私と京ちゃんのすぐ横までやってきたビアンキさんが、350mlのジュース缶を2つ投げて来る。

 それを見た私は、すかさず京ちゃんの腕を引き、自身の方へと抱きしめたのち、空いてる方の手で素早くトンファーを伸ばし、その2つの缶をまとめて背後の方へと弾き飛ばす。

 京ちゃんを抱き寄せた時、彼女から小さな悲鳴が聞こえたけど、守るためだから我慢してもらう。

 

「………チッ…… 何京ちゃんまで巻き混んでくれてるんだあの人は。こっちはあんたの恋路をジャマするつもりはないっての。」

 

 京ちゃんを咄嗟に守りながら、走り去っていくビアンキさんの背中に吐き捨てるように呟く。

 私だけを狙うならまだしも、一般人まで巻き込むなっての。

 

「たく、悪質な悪戯があったもんだね。大丈夫、京ちゃん?急に引っ張っちゃってごめんね。」

 

「……………」

 

「……京ちゃん?」

 

「へ?あ……」

 

「ちょ、京ちゃん大丈夫?顔赤いけど……もしかして顔面打った!?うっわごめ……!!」

 

「ちが、違うのなっちゃん!!ちょっとびっくりしたけど、怪我とかはしてないよ!!ただ、その……えっと……。」

 

 顔を赤くして、しどろもどろになる京ちゃんの姿に、いくつもの疑問符を頭上に浮かべる。

 怪我はしてない……って聞いて安心したけど、じゃあ、なんで顔が赤いんだろ……。

 

「もしかして、熱があるんじゃ……」

 

「へ!?」

 

 京ちゃんの額に静かに手の甲を触れさせる。うん、熱はないみたいだ……。じゃあ、熱中症……?

 

「だだだ、大丈夫だよなっちゃん!あたし、別に体調が悪いとかじゃないから!」

 

「そ?ならいいんだけど……気分悪くなったら教えなよ?すぐに背負ってあげるから。」

 

「う、うん。ありがとう。もし、気分が悪くなったら、すぐになっちゃんに言うね。」

 

「ん。じゃあ、行こうか。悪質な悪戯をされたから遅れた……は、風紀委員長にはちょっと通用しないし、遅刻したら怒られそうだから。」

 

「うん。」

 

 なんともないと言う京ちゃんに、これ以上追及するのは野暮かと思い、とりあえず学校へ向かうことを伝える。

 私の言葉を聞いた京ちゃんは、すぐに小さく頷いたあと、私の横に並んで歩き始める。

 けど、京ちゃん。そっち車道側。めっちゃ危ないからね?

 

「ほら、京ちゃんはこっち。車道側歩いたら危ないでしょーが。」

 

「え、でも、そしたらなっちゃんが危ないよ?」

 

「私は大丈夫だよ。だから京ちゃんはそっち歩いて。それに、私がこっちを歩く方が、いざと言う時に素早く対処できるからさ。さっきみたいな悪質な悪戯を二度されないとも限らないしね。

 だから、とりあえずそっちにいて。その方が守りやすいから私が安心する。」

 

「………うん、ありがとう、なっちゃん。」

 

 車道側を歩く京ちゃんの肩に一旦手を添えて、車道側から彼女を離す。こっちにいる方が守りやすくて安心するからと伝えながら。

 今のところ、ビアンキさんはUターンしてきてないけど、いつまたあんなことして来るかわからないしね。

 京ちゃんは、とりあえずは納得してくれたようで、ゆっくりと車道側にいる私の横に並んで歩き始める。

 それを確認できたことで、小さく安堵の息を吐いた私は、どことなく様子がおかしい京ちゃんに話しかける。

 

「そう言えば、今日は家庭科の実習でおにぎり作るんだっけ?」

 

「うん。ねぇ、なっちゃん。もし、なっちゃんさえよかったら、作ったおにぎり、交換っこしない?」

 

「いいよ。まぁ、上手くできるかはわからないけど。」

 

「大丈夫だよ!なっちゃんなら美味しいおにぎり作れると思う!あたしの方がちょっと不安だよ。なっちゃんの口に合うおにぎり、作れるかな……」

 

「それこそ杞憂って奴じゃない?京ちゃんが作って来るお弁当、何度かおかず交換とかでもらってるけど、すごく美味しかったし。」

 

「そうかな……?」

 

「そうだよ。だから、大丈夫だと思うな。」

 

「ふふ。なっちゃんがそう言ってくれるなら、ちょっと自信ついたかも。」

 

「それは良かった。あ、花にも作ってあげないとね。」

 

「うん!」

 

「あとは……あー……一応、お世話になってる先輩にも作るべきかな……。」

 

「あたしはいいと思う!」

 

「そっか。じゃあ、先輩にも作りますかね。ごはんがあれば。」

 

「ふふ!だね!」

 

 先程とは打って変わって、無邪気な笑顔を見せながら話にノってくれている京ちゃんと笑いあいながら歩みを進める。

 すると、程なくして並盛中学校の正門が見えてきた。それを見た私達は、一瞬顔を見合わせたのち、同時に笑い声を上げる。

 話してるとあっという間に辿り着くね、なんて話しながら、正門をくぐり抜けてみれば、背後からかなりの勢いで誰かに衝突される衝撃を受ける。

 

「「うわ!?」」

 

「ちょっとあんた達!私を抜きにして何楽しげに話してるのよ!私も混ぜなさい!!」

 

 その衝撃を起こした犯人は、花だった。私と京ちゃんが仲良く話しながら正門をくぐり抜けたから、少しだけ仲間外れ感を受けたようだ。

 

「ていうか、随分と遅かったわね、あんた達。何かあったの?」

 

 私と京ちゃんの間に入るようにして、肩を組んできた花が、心底不思議だと言うように、一つの疑問を口にする。

 言われてみれば、確かに正門をくぐり抜けた時間帯は、普段に比べると遅かった。

 まぁ、十中八九、ビアンキさんの影響だけど。でも、あれ話していいのかな?

 そう思っていると、京ちゃんが私の肩を軽く叩く。なんだ?と思って京ちゃんの方に目を向けてみると、ちょっとしたイタズラ心を帯びた表情をしている。

 すぐに意味を理解した私は、やれやれと軽く苦笑いをしながらも、京ちゃんに小さく頷き返す。

 

「ちょっと、2人して何してんの?遅かった理由は何よ?」

 

「「………ナイショ。」」

 

「は!?ちょっと、何2人して仲良くしてんのよー!!」

 

「「あははははは!!」」

 

 私達の頬を同時につまみながら、内緒話を教えろと言う花に、京ちゃんと声を揃えて笑い声を上げる。

 周りから何やらほっこりしているような眼差しを向けられているような気がするけど、気にしないフリをして、花にバランスが崩れそうだから体重かけるのやめて!とツッコミを入れた。

 しかし、そんな中私の携帯電話が軽くバイブレーションを起こしたことにより、すっと背中を寒気が滑り落ちる。

 恐る恐る携帯電話を開いてみれば、そこには1通のメールを知らせるものが……。

 

 from:雲雀 恭弥

 題名:無題

 ───────────────

 群れ過ぎ。早く離れてくれない?

 屋上から見えてるんだけど?

 ───────────────

 

「!!?」

 

 メールを見て、急いで屋上の方へと目を向ける。そこには、腕組みをしたままこちらを真っ直ぐと見下ろして、不機嫌そうな表情を見せている恭弥さんの姿があった。

 それを見て思わずぴしりと固まる。あ、めちゃくちゃ怒っていらっしゃる……!!

 

「ナツ?」

 

「なっちゃん?」

 

 屋上を見て固まってしまった私を見て、京ちゃんと花が首を傾げる。

 そして、何を見ているのかと確認しようとしているのか、2人とも私と同じ方角を見ようとした。

 ……が、私はすぐに2人に見なくていいから、と一言告げて、そっと京ちゃん達から離れる。

 

 to:雲雀 恭弥

 題名:すみません!!

 ───────────────

 あの、離れます。離れますから!

 だから射殺さんばかりに見るのやめ

 てください!

 2人のことは咬み殺さないでください!!

 ───────────────

 

 from:雲雀 恭弥

 題名:無題

 ───────────────

 次はないから。2度と僕の前で群れ

 ないでね。

 ───────────────

 

 to:雲雀 恭弥

 題名:無題

 ───────────────

 はい……以後気をつけます。

 ───────────────

 

 メールを送りながら屋上へと目を向ければ、恭弥さんは携帯電話の画面を見つめたのち、それを畳んで制服に仕舞う。

 なんとか許された……と安堵の息を吐きながら、私は京ちゃん達に目を向けた。

 

「……委員長がめっちゃ怒ってた。」

 

「あー……そう言えば風紀委員の委員長は……」

 

「誰だっけ?」

 

「ヒバリさんよ。結構ヤバめの先輩。そもそも学年も不明なんだけど、噂話が特にひどくてね。そんな人が、いわばナツの今の上司みたいなもんよ。」

 

「そうだったんだ。」

 

「うん。で、そのヒバリさんは、人が多く群らがってるのがちょっと苦手な人でね。私にも、自分の前では群れるなって言ってきてるんだよ。

 なんか、見てるだけで気分が悪くなるとか、苛立つとか、そんな感じにみたいでさ。」

 

「アレルギーみたいなものかな?」

 

「人アレルギーって何?でもまぁ、そんな感じ。だから、ヒバリさんの目がありそうなところでは、適度に距離を取らせてもらうよ。咬み殺されたくないし、京ちゃん達も絶対ヤバいし……

 

「うん?」

 

「最後なんか言った?」

 

「なんでもないよ。じゃあ、行こっか、教室。」

 

 最後の言葉は聞こえないように、小さな声で呟けば、生徒達の喧騒のおかげでそれが京ちゃん達に届くことはなかった。

 不思議そうにする彼女達に、気にしないでと一言告げた私は、後者の方へと、京ちゃん達と適度な距離をとりながら向かうのだった。

 

 

 




 沢田 奈月
 仲良し3人組で動いていたら、めちゃくちゃ雲雀から威圧された転生者な10代目、
 とりあえず、京ちゃんや花は絶対に私が守り抜くと決めているのだが、これから先、守り抜きたいものがもっと増えることを知らない。

 笹川 京子
 登校時に、悪質な悪戯(奈月談)から奈月に守られ、めちゃくちゃドキドキしていた原作ヒロイン。
 あれ?なっちゃんがすごくカッコいい……とあの時彼女は思っていた。
 彼女の想いが特別なものになるまであと……?

 黒川 花
 奈月と京子が仲良くきゃっきゃしていたのを見て、突撃してきたサンコイチの1人。
 奈月から改めてヤバい人の下についていることを聞かされて、めちゃくちゃ焦った。

 雲雀 恭弥
 屋上で過ごしていたら、めちゃくちゃ群れている奈月を発見し、かなりの苛立ちを見せていた最強風紀委員長。
 メールを確認し、さらには自分の姿を確認した奈月の焦りようと必死さがなんだか面白かったし、あとで彼女を呼び出して、屋上で手合わせと言う名の遊び……と言う名のストレス発散を全力でやるから許すことにする。

 ビアンキ
 奈月を殺そうとして襲い掛かったが、あっさりと防がれるどころか、一緒にいた一般人を抱きしめてまで守り抜かれてしまって、かなり悔しい思いをした。
 次は殺す!と次のプランを考えるのだが………?

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