最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
恭弥さんからのご注意が入ったが、なんとか乗り切り学校への登校を完了した私は、本日の授業を順番にこなしていく。
休憩時間になれば友人達と談笑し、廊下に出たら、なるべく団体行動を避ける。
ついでに、休憩の合間を縫って、今回の毒物投擲事件の犯人は、主に自分を狙っていることを恭弥さんに連絡し、今回のことは、できれば私に任せてほしいことも交渉した。
恭弥さんからは、一応は許可をもらうことができた。場合によっては自分が出るから、連絡をするように念押しされたけど。
その理由として、並盛中の風紀委員に対する明確な攻撃は、風紀委員長である自分に対する攻撃であり、委員長である自分が始末するべき案件だからとのことらしい。
恭弥さんの脳内って、並盛中学校の校舎や生徒問わず害を加えられたと判断したら、それは全て並盛への攻撃に変換されてしまうのだろうか。
怖い怖い。
そんなことを思いながら今日の授業を黙々とこなし、とうとう家庭科実習の時間になった。
まぁ、おにぎりを作る程度だから、大して問題はなかったけど、授業が終わったあとが大騒ぎになってしまった。
「ねぇねぇみんな!おにぎりめちゃくちゃできたからさ、少しくらい男子にわけてあげない?」
「「「「「賛成!!!!」」」」
「マジで言ってる?」
「マジにしか見えないわね。」
「あたし達はあたし達で交換しちゃおっか。」
それは、今回の実習でできた大量のおにぎりを男子に分けてやろうと言った女子の言葉が発端となった。
なぜか私と京ちゃんと花の3人……通称サンコイチ組以外の女子は、ただひたすらにノリノリで、完成した大量のおにぎりを持って、教室の方へと向かっていく。
それを見送った私達は、一度顔を見合わせたのち、一応はと女子達の後を追った。廊下を歩きながら、互いにおにぎりを交換しあって。
「今日は家庭科実習で作ったおにぎりを男子にくれてやるーっ!!」
「「「「「オ─────!!!」」」」」
辿り着いた教室では、女子と男子がお祭り騒ぎを起こしていた。
女子は誰にあげるかで盛り上がっており、男子は女子の手作りおにぎりがもらえることに関してめちゃくちゃ喜んでいる感じだ。
「ガキばっかね。」
「でも、楽しそうだよ?」
「まぁ、楽しいんだろうさ。あっち側のメンバーは。……あ、京ちゃんが作ったおにぎり美味しい。」
「ちょ!?なっちゃん、いつのまに!?」
「折角交換したんだから食べなきゃ損でしょ。」
「それ同感。お、ナツが作ったおにぎりも美味しい。」
「え?……あ、本当だ。すっごく美味しい!」
「塩加減が絶妙ね。」
「花のも美味しいよ?」
「本当だ!」
そんなことを思いながら、私達サンコイチ組は、互いに交換していたおにぎりをもぐもぐと食べる。
でも、私はすぐにおにぎりを食べる手を止めて、視線を動かした。
視界の先に映るのはビアンキさん。全く隠れることができていない彼女を見た私は、何かしようとしている彼女の手を素早く掴み、ひねり上げる。
その手元には毒々しいおにぎりが乗った皿があった。誰かのおにぎりを、ポイズンクッキングにすり替えようとしたのだろうか?
そんなことさせるわけないだろ……そう思ってトンファーを素早く振り上げ、彼女の手元から皿ごとポイズンクッキングを外へと弾き飛ばす。
「!!?」
「ここ、関係者以外立ち入り禁止なんだけど、何やってんの?」
「「え?」」
急に私がおにぎりを食べる手を止め、こんなことを言ったからか、京ちゃんと花が驚いたような声を漏らす。
しかし、すぐに私が大人の女性の腕を捻り上げていることに気づいたのか、2人はギョッとしたような表情を見せた。
「な、なっちゃん?何してるの?」
「風紀委員のお仕事だよ。不審者とか、学校に関係ない人間を見かけたら、容赦なく捕まえろってヒバリさんから指示されてるんだ。」
「さ……流石は風紀委員ね……。って言うか、よく捻り上げることできるわね、ナツ?それ、ドラマとかで警察が犯人を捕まえる時にやるやつよね?」
「ヒバリさんが役員を使って手本を見せてくれたからね。ちょっとこの人と話して来るから、私のおにぎり預かっといてくんない?それ、隼人と武とヒバリさん用のだから、変なもの入れられたらたまったもんじゃない。」
「変なもの?」
「うん。この人、朝の度が過ぎた悪戯の犯人だから。場合によってはヒバリさんに突き出す必要がある。
ヒバリさんから、並盛中学校に対する攻撃は、僕への攻撃と同義だよって言われてるしね。」
それらしい理由を述べながら、手にしていたおにぎりを京ちゃんに預ける。
京ちゃんは、風紀委員って大変なんだね、と納得したような様子を見せたから、問題はないだろう。
花は、いや、普通ないでしょ……とか言ってるけど、それは言わない約束だと人差し指を口元に当てる仕草で伝えたのち、ビアンキの動きをさらに固める。
「あまり変なことしないでくれます?こっちも仕事なんで、場合によっては実力行使も厭いませんけど?」
「っ!!!!?」
教室から離れたあと、モゾモゾと動いているビアンキさんの首元に、突起だらけのトンファーを近づけ、昨日以上の殺気で威圧をかければ、彼女は大人しくなる。
殺し屋なら、これくらいでは怯まないと思ったけど、どうやらそうでもないらしい。
それとも、何かしようとしても、こっちが先読みして全部妨害するから、打つ手なしと思ったのか……。
まぁ、リボーンの話からすると、ビアンキさんはポイズンクッキングによる殺しを中心に行っているから、それを封じられてしまってる以上、下手に動けないのかもしれないな。
銃とか持ってこなかったのか。それがあれば、多少は対処できるだろうに。
「大人しくしていれば、こちらもこれ以上手荒な真似はしません。だから、一旦矛を納めて、少しだけ話でもしませんか?
話し合わなくてはわからないこと……話し合わなければ出てこない答え……そう言ったものもあると思いますけど。」
「…………わかったわ。一旦は手を出さない。私も、少し頭に血が昇っていたわ。」
「理解していただけて何よりです……が、とりあえず話し合いの場所に移動するまでは拘束を続けさせてもらいます。万が一もあるので、念のために……ね。」
「………仕方ないわね。」
こちらの警戒心を理解したのか、ビアンキさんはこのまま、一応は拘束されていてくれるようだ。
おそらく、根は悪い人じゃないんだろう。ただ、好きな人に対して、少しだけ暴走気味になりやすいだけで、純粋であることには変わりない。
まぁ、一般人を巻き込もうとしたことは、絶対に許すわけにはいかないけどね。
「ありがとうございます。じゃあ、とりあえず中庭に移動しましょうか。屋上は多分、委員長が使ってると思うので。」
「……ねぇ、ちょっといいかしら?風紀委員って、こんなことするような役職だったかしら?」
「……ここでは全て、ヒバリさんがルールなもので。従わなかったら私もただじゃ済まないんですよ。間違いなくトンファーでぶん殴られますから。」
「……意外と苦労してるのね。ちょっとだけ同情しちゃったわ。」
ビアンキさんとそんな話をしながら、私は校舎の中を歩く。人目につかないルートは、一通り恭弥さんから教えられているから、私が大の女性を拘束して歩かせていることは、他人に見られることはない。
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しばらく廊下を歩き、中庭までなんとか辿り着いた私は、ビアンキさんの拘束を止める。
パッと手を離した瞬間、彼女は自身の腕に怪我がないかどうか確かめ始める。まぁ、何を作るにせよ、戦うにせよ、手はかなり必要な部位だから、当然の行動と言えるだろう。
「リボーン。いるんでしょ?見ていないで出てきたら?」
「……本当、お前は末恐ろしいやつだな、ナツ。」
それを確認した私は、すぐにリボーンの名前を呼ぶ。すると、リボーンはやれやれと言わんばかりの様子を見せながら姿を現し、私……ではなく、ビアンキさんの肩の上に飛び乗る。
突然の想い人の行動に、ビアンキさんは驚いた。でも、すぐに彼のことをうっとりとした目で見つめ始め、本当に好きなんだな、とシンプルな感想を脳裏に描く。
しかし、すぐに頭を切り替えた私は、本題に入るため口を開いた。
「さて、リボーンも合流したことですし、単刀直入に言いましょうか。ビアンキさん。貴女さえ良ければ、今日から私の家に住みませんか?」
「え?」
「………なるほどな。そう言うことか。」
「ちょっと、リボーン。どう言うこと?なんで10代目が口にした言葉にすぐ納得したの?」
混乱したように言葉を紡ぐビアンキさん。対するリボーンは、私が言いたいことを理解できたのか、すぐに納得したような様子を見せる。
意味がわからないと言う表情をしながら、ビアンキさんが私に視線を向けてきたため、この考えに至った理由を私はすぐに説明する。
「まず、今回の行動は、貴女の特別な想いゆえの行動で、リボーンとまたともにいたいという望みの果てのものです。
しかし、リボーンは私にマフィアのボスになるための教育を全て叩き込むまでは帰るつもりはないと言う考えがある……であれば、リボーンのお役目を早く終わらせることができれば、あとは自由に行動ができると言うことでしょう?」
「あ……。」
私が紡いだ言葉により、なぜ、私が自身を殺そうとしていた女性をわざわざ自宅に招き入れようとしているのか理解したのか、ビアンキさんは目を丸くする。
それを見た私は、小さく口元に笑みを浮かべ、答え合わせをするように言葉を紡ぐ。
「フリーとは言え、殺し屋をしているビアンキさんなら、マフィアに関しての知識も豊富でしょう?
だから、ビアンキさんからも教えてくれませんか?マフィアと言うものがどう言うもので、アンダーグラウンドの世界がどう言うものかを。
そうすれば、リボーンと一緒に過ごす時間も作れますし、ビアンキさんの手伝いがあれば、リボーンが想定している時期より早く勉強を済ませることができるから、お役目終了までの時短になると思うのですが……。」
首を傾げながら、彼女に今できる提案を告げると、ビアンキさんは少しだけ考えるような仕草を見せる。
私の提案に乗るか、それとも乗らないか……それを考えているのだろう。
とりあえず、あとはビアンキさんの判断に任せるように、黙って彼女を見つめる。
すると、ビアンキさんは小さく頷いたのち、私の方に目を向けてきた。
「貴女の案に乗るわ。それなら、確かに私はリボーンと過ごす時間を増やすことができるし、マフィアのことは、リボーン程じゃないけれど、かなりの知識があるもの。
でも、貴女っておかしなことを言う子なのね。私は貴女を殺そうとしたのに、こっちのためになるだろうと言う考えから、自分のテリトリーへ招こうとするんだもの。
隙を突かれて殺される可能性は考慮してないのかしら?」
穏やかな声音でそう告げて来るビアンキさんを見て、私は笑みを浮かべる。
殺そうとしてる人が、そんな穏やかな声を出せるとは思えないし、何より私は……
「私はそれなりに強いので、例えまた殺されそうになったとしても、先に矛を出して攻撃するのみですよ。
だって、殺せました?私のこと。この数回の間に。」
「ふふ……そうね。殺せてないわ。」
「ま、そう言うわけなんで、万が一があっても大丈夫です。そもそも私は、貴女の恋路を邪魔するつもりは毛頭もありませんから、リボーンとの時間もしっかり作って過ごしてください。
ちょっとした長めの休暇ついでに、マフィアのボスへと選ばれてしまった、私の家庭教師をしながらでも。」
「そうさせてもらうわ。……ごめんなさいね。貴女の大切な友達まで巻き込もうとしちゃって。」
「……ええ。それに関しては許すつもりはありません。だから、私の家庭教師をしてもらう間も、しっかりと監視と警戒はさせていただきます。
一般人を巻き込むような殺しや、一般人を危険に晒すような行動を取るようであれば、例え殺し屋であろうとも、例え家庭教師であろうとも、容赦無く私は攻撃しますから。
そうですね……私が所属している委員会の委員長風に言うのであれば、誰であろうとも咬み殺す……とだけ伝えておきます。」
チリッとわずかな殺気を向けながら、もし、また一般人を巻き込むような行動を取るようであれば、容赦無く攻撃するつもりであることをビアンキさんに告げる。
ビアンキさんは私のそんな姿に驚いたのか、口元から笑みを消し、少しの緊張から固まってしまう。
「……やっぱナツに一般人は無理だな。」
そんな様子を見つめながら、リボーンは小さく呟くように言葉を紡ぐが、その呆れたような声音は、風にさらわれて消えていった。
沢田 奈月
ビアンキにリボーンといるための最善策を提案した転生者な10代目。
しかし、一般人を巻き込むような行動を取った彼女に対し、殺気を滲ませながら、もし、また似たようなことをした場合は、殺し屋であろうとも容赦無く叩きのめすことを宣言する。
ビアンキ達と解散したあと、教室に戻って自分が作ったおにぎりを山本と獄寺の2人に手渡し、獄寺からは大感激された。
雲雀にももちろん手渡しに行き、悪質な行動をしていた人の報告を行った。
ビアンキ
結局奈月を暗殺することができなかったフリーの殺し屋。
しかし、奈月本人から自身を殺すより効率がいい方法を提案されて、思考の末彼女の家庭教師を引き受ける。
奈月の殺気は鋭い刃物を突き刺されているようにかんじてしまうレベルだったので、内心めちゃくちゃ冷や汗をかいていた。
リボーン
もう一般人は無理なレベルだから諦めろと奈月に呆れ返っている家庭教師なヒットマン。
敵すらも自分側に引き込もうとする手腕に関しては、流石だぞと感心していたが、現役バリバリの殺し屋相手にも平然と凄み、殺気を飛ばすその姿には、少しだけ冷や汗をかいてしまった。