最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 大空の女王たる桜の花は、穏やかな笑みを絶やすことなくヴァリアーと邂逅する。
 琥珀色の双星に、強い光を宿しながら。

 side Another. → side Queen.


女王は黒と邂逅する

 幻術の檻から抜け出して、近くにあった部下達の気配と、部下以外の気配を感じ取ったレヴィ・ア・タンは、すかさずその気配の方へと足を運んだ。

 たどり着いた先には、折り重なるように倒れ込む部下達と、1人の子供が佇んでいる。

 

 雲により月光が隠されているせいで、子供であることしかわからなかったが、レヴィは間違いなく目の前にいる子供が自分の部下達をやったのだと理解できた。

 本当は、その子供の周りにいる仔猫達も手を貸しているのだが、それを知っているのは仔猫が取り囲む子供と、協力した仔猫達のみしか知り得ることない事実である。

 

「・・・・・・お前がやったのか?」

 

「そうだと言ったら、どうします?」

 

 殺気を放ちながら声をかけてきたレヴィに、子供・・・・・・ボンゴレ10代目候補として名を挙げられ、“ボンゴレの女王”(クイーン・オブ・ボンゴレ)と言う通り名で裏の世界で有名になってしまっている少女、沢田奈月は、穏やかな口調で言葉を返す。

 自身の殺気に物怖じしないどころか、穏やかな様子で言葉を紡いできた少女に、レヴィはすかさず武器を引き抜き、そのまま少女に襲いかかる。

 殺気にすら動じないと言うことは、殺気を感じ取れないか、殺気を浴びても平然と動ける程の実力者であるかの二択しかない。

 目の前にいる少女は、間違いなく後者。それならば排除するべき存在である。

 

 それは、本能的な行動だった。いくら自身の部下を戦闘不能に追い込むことができるとしても、流石に自分を相手にはできないだろう、自身が持ち合わせている力を理解しているからこその行動でもあった。

 しかし、暗闇で行動を取ることに慣れている自分の攻撃を、目の前にいる気配は次々と躱していく。

 いくら鋭く強力な攻撃を放っても、まるで先読みでもしてるのではと言う程に全てを躱し、一撃すらも掠らせない。

 

 わずかな焦りが浮かぶ中、突如辺りに月光が降り注ぐ。

 雲に隠されていた月が姿を現し、対峙していた少女の姿を暗闇から浮かび上がらせた。

 同時にレヴィは目を見開いた。姿を見せた美しい少女の姿に。

 

 癖のあるふわふわな金色の髪。顔立ちは誰もが整っていると口にしてしまう程にバランスが良く、緩やかに垂れている目元には、あどけなさと確かな色香が混ざっている。

 宝石のような琥珀色の瞳は、まるで吸い込まれてしまいそうなくらいに澄んでおり、仕事であると言うのに、レヴィは一瞬見惚れてしまった。

 それでも攻撃の手を止めないのは、流石の暗殺部隊と言えるか、わずかな怯みを出したとしても、直ぐに動きは制御する。

 しかし、少女は彼の攻撃を踊り子のような軽やかな動きで躱していき、最後の一撃を、いつの間にか手にしていた槍で受け止めた。

 

「!?その槍と炎は・・・・・・!?」

 

 自身の攻撃を容易く受け止め、死ぬ気の炎を灯した少女を見て、レヴィはようやく目の前にいた美しい少女が何者であるのかに気がつく。

 それを見た少女、奈月は口元に笑みを浮かべたのち、勢いよくレヴィの武器を弾き飛ばしてバランスを崩した。

 すかさず体勢を整えようとしたレヴィだが、それより先にすぐ目の前にまで迫ってきた金色の流星と、琥珀色の双眸により動きを止める。

 

「・・・大正解。“ボンゴレの女王”(クイーン・オブ・ボンゴレ)こと沢田奈月は私のことですよ、独立暗殺部隊ヴァリアーの、レヴィ・ア・タンさん?」

 

 誘うように撫でられた頬と、甘さを含めたような囁きの言葉に動きを止めるレヴィ。しかし、その意識は直ぐに下から突き抜けるような強烈な一撃により現実に引き戻される。

 

「ふんぐぅ!?」

 

「いくら暗殺部隊でも、やはりここは弱点なのですね。下にガードつけることをお勧めしますよ?」

 

 勢いよく少女が懐に入り込んだかと思えば、容赦のない下半身への攻撃を放たれると言う現状に合い、レヴィはその顔を苦痛に歪める。

 奈月はそんな彼をどうでもいいと言わんばかりの冷めた目で見つめたのち、鳩尾へと容赦なく足を叩き込んで蹴り飛ばした。

 勢いよく吹き飛ばされたレヴィは、そのまま地面を滑るように転がり、最初の一撃が叩き込まれた股間を抑えてビクビクと震える。

 

「「うっわ・・・・・・」」

 

「あらぁ・・・・・・。レヴィの大事なムスコちゃん、大丈夫かしら・・・・・・?」

 

「・・・・・・だから言っただろ・・・噂の女は容赦なく股間を蹴り上げてくるってなぁ・・・。」

 

「おや、ようやくですか?気配が近かったので、もう少し早くここまでくると思っていたのですが・・・。」

 

 その瞬間、聞こえてきた声に、奈月は師を真似た穏やかな口調で言葉を紡ぎ、声の方へと視線を向ける。

 そこにいたのは、黒い服を身に纏った、暗殺部隊の面々だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ܀ꕤ୭*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side Queen.

 

 近づいてきた気配が、暗殺部隊の幹部・・・・・・レヴィ・ア・タンであるとDさんに教えられ、とりあえず動きだけは封じておこうと前にビアンキ姉さんやDさんから教えられた、ハニトラの応用を使うことにより、容赦なく金的をかまして蹴り飛ばすと、一気に気配がその場に増える。

 そこには個性的な格好をしている大人と少年、それと、Dさんが魔レンズで分析したアルコバレーノがいた。

 彼らは自分達の方へと転がってきたレヴィ・ア・タンを見て、その顔を静かに青くしている。

 中でも一度対峙したことがあるスクアーロさんは、げっそりした表情を見せながら、わたしの方へと目を向けていた。

 

「あの日以来ですね、スクアーロさん。どうやら、今回は大人数の御来日のようで。」

 

「うるせぇぞ沢田奈月ぃ・・・・・・!!つかレヴィに容赦なく金的かましてやがったが、まさかそのブーツは・・・・・・!!」

 

「はい。以前の鉄板入りブーツです。だって直接感じたくないじゃないですか。男の人のアレのぐにゃっとした感触とか。」

 

ゔお゛ぉい!!!やっぱりかぁ!!それでソイツが色んな意味で再起不能になったらどうすんだテメェ!!」

 

「はい?再起不能になったら?別にどうもいたしませんが?だって私には男性のそれの機能がぶっ壊れて生殖できなくなろうが関係ありませんし。

 むしろ去勢できるから構わないかなーと思うくらいにはどうでもいいですしウザいです。」

 

「マジで言ってんのかおい!?」

 

「ええ。大マジです。正直言って、懐に入れた男性以外は大っ嫌いなので、どうでもいい他人の生殖機能が消え失せようがどうでもいいのですよ。

 なんせ3回も強姦未遂とストーカーに遭ったことがあるもので。本当にそう言った連中、地獄に漏れなく堕ちてくれませんかねぇ。」

 

「お、おおう・・・そいつぁ、災難だったなぁ・・・。」

 

「あ、依頼したらそちらの皆さんが消してくれたりします?それなら嬉々として金銭を支払いますけど、私。」

 

「すっげー良い笑顔で言うじゃん。おもしれー奴。」

 

「まぁ、払ってもらえる報酬次第では普通にやるけどさ。」

 

 こっちが死んだように冷めた目をしたからだろうか?スクアーロさんから同情の眼差しを向けられ、暗殺部隊なら報酬払ったらやって来れます?と笑顔で聞いてみれば、メカクレが素敵な金髪お兄さんは面白がり、アルコバレーノのマーモンは、報酬を支払ってくれるならやるけどと口にした。

 一応敵対者になると思うんだけど、ビジネスは普通にしてくれるんだ。性犯罪者撲滅のために本気で使わせて貰おうかな?

 

「ナツ!!」

 

「奈月さん!!」

 

「奈月!!」

 

 思い出しただけでイラっとした記憶に軽く殺意を抱きながら言葉を口にしていると、わたしの周りに複数の気配が集まった。

 その気配は間違いなくわたしのファミリーのもので、直ぐに視線を彼らに向ける。

 

「ああ、待ってましたよ。隼人。武。了平さん。・・・恭弥さんはまぁ、予想通り来てませんね。

 まぁ、彼には強くなって私を守ってと告げた上でディーノさんに任せましたし、そもそもが群れでの行動をあまり得意ではありませんから、当然と言えば当然でしょうか。」

 

「な・・・ナツ・・・?」

 

「奈月さん・・・?な、何やら雰囲気が違うような気がしますが・・・・・・」

 

「極限にどうしたのだ奈月!?オレでもわかってしまう程だぞ!?」

 

 口々にこちらの雰囲気に関して言及してくる隼人達に対して、わたしは何度か瞬きを繰り返す。

 しかし、自身の口調が今、Dさんと全く同じものになっていることを思い出しては、ああ・・・・・・と小さく声を漏らした。

 

「普段の私と、頂点に立つ者である私の使い分けをしようかと思い、私に戦い方やボスとしてのあり方を教えてくださった師匠(先生)の口調を真似させてもらってるのですよ。

 その方が、プライベートとこっちのオンオフをしっかりと行えますし、ちょうどいいかと思いまして。

 雰囲気を軽く似せていますので、普段の私を知ってる側からしたらかなり変化していると思いますが、私であることには変わりないので慣れてくださいます?」

 

「「お、おう。」」

 

「わかりました!奈月さん!」

 

 わたしの返答を聞いた武と了平さんは少しだけ戸惑いながら、隼人は目を輝かせて尊敬の眼差しを向けながら、この変化に関しては慣れてくれと言う言葉に承諾を返してくる。

 わたしの肩に仔猫のスペード状態で乗っかっている参考中のDさんは、嬉しそうに緩やかな動きで尻尾を揺らし、前足でガッツポーズをしていた。

 あ、他の初代組にゃんこがジト目でDさん睨んでる。そんでそれに気づいたDさんはドヤ顔をしている。

 相変わらず表情豊かだな初代組にゃんこ・・・・・・。

 

 なんてことを考えていると、一層と強い存在感を感じ取ることができる強烈な殺気を感じ取る。

 すかさず自身も殺気を返し、片手を腰に添えた状態で堂々と立って気配の方へと目を向けてみると、ゆっくりとした足取りで近寄ってくる影があった。

 

「・・・・・・報告には聞いていたが、まさかこれだけの殺気をぶつけても物怖じしねーどころか、殺気を返してくるとはな。」

 

 目の前にいる黒服メンバーの間を縫うようにして1人の男性が姿を現す。

 その男性の顔には火傷が何かの傷跡があり、羽根の装飾に彩られた飾りを身につけていた。

 誰よりも強い気配。どうやら、この人が彼の言っていた・・・・・・

 

「・・・・・・初めまして、“暗殺部隊の王”(Re Aegli Assassini)。確か、名前はXANXUSでしたね。

 いくつも持ち合わせている情報網の先からよく貴方の話は伺っていますよ。

 憤怒の炎を自在に操る、“憤怒の王”(Re Della Rabbia)であり、9代目の息子さんでしたよね?」

 

 これは、なかなか骨の折れそうな相手だと内心で思いながらも、わたしは冷静さと堂々たる態度を崩すことなく話しかける。

 

「な、奈月はなんと言っているんだ?」

 

「リ・・・・・・なんて?」

 

「最初の“Re degli Assassini”は暗殺部隊の王。そんで、次に奈月さんが口にした“ Re della rabbia”は憤怒の王だ。どっちもイタリア語だな。」

 

 後ろの方で、わたしが口にした言葉に困惑する武と了平さんが、隼人から言葉の意味合いを聞いているのを聞き流しながら、真っ直ぐとXANXUSさんを見据えると、彼はこちらの様子を見るように黙って見つめたのち、口元に小さく笑みを浮かべた。

 あれは、楽しんでいる笑みだ。自身が相手にすることになった存在が、自分の想像から掛け離れた印象を持ち合わせていたから、興味が出たと言ったところだろうか?

 

「ハッ まさか、これ程までに肝が据わったお嬢さんだとは思いもよらなかった。少しでも弱さを見せたりビビったりしたら、容赦なくカッ消してやろうと考えていたが、お前のその姿に免じてそれは無しにしてやる。」

 

「それはどうも。まぁ、全く情けをかけられていないことが見え見えですが、どうやら、ただ邪魔なだけのゴミとしての認識から、新しいおもちゃ程度に認識を改めてくれたようで助かりました。」

 

 不敵に笑うXANXUSさんに対し、同じく口元に笑みを浮かべながら、しかし、警戒は決して怠らないようにして言葉を返す。

 どうやら彼は、この態度も気に入ってくれたようで、どことなく上機嫌に見えた。

 

「・・・・・・なるほど。これなら確かに、スクアーロが一目置いて帰るわけだ。」

 

「ししし!ボス相手に怯まねーとかますますおもしれー!普通はビビったりしそうなのにさ。サワダナツキだっけ?王子気に入っちった♪」

 

「スクアーロに中学生の女の子が攻撃をかましたって話、最初は信じられなかったけど、確かにあのレヴィにすら物怖じしないで攻撃を放っていたものねぇ。ウフフ!なかなか面白いゲームになりそうじゃない!」

 

「お前ら、油断してっと容赦なく股間蹴られっぞぉ・・・。」

 

「あー・・・・・・それだけは王子パス。」

 

「私もそれは勘弁願いたいかしらねぇ・・・・・・。」

 

「「・・・・・・・・・・・・。」」

 

 スクアーロさんの言葉に、容赦なく大男に金的をかます一部始終を見ていた彼らが冷や汗をかきながら勘弁してほしいと口々に言う中、XANXUSさんは無言でわたしから視線を逸らした。

 ついでに、ヴァリアーメンツにいるアルコバレーノのマーモンも視線を逸らす。

 やはり金的。金的は男性として生まれた人間にとって、最も強力で有効的な必殺技のようだ。

 

「おいおい・・・・・・流石に愛娘でもヴァリアー側本陣と接触しちまったらピンチだろうと思って急いでこっちまで来たってのに、レヴィ・ア・タンとその部下連中は地面に転がされてるわ、ヴァリアー陣営と愛娘は普通に話しているわって・・・・・・どうなってんだよこれ・・・・・・。」

 

 そんな中、軽くだが引いているかのような声音で第三者の声が聞こえてくる。

 ヴァリアー達が、少しだけ警戒するような様子で声の方へと視線を向ける中、わたしは感じ慣れた気配に一度目を閉じたあと、彼らに倣って視線を向ける。

 

師匠(先生)からボンゴレファミリーのボスになるのであれば、相手が男であろうとも、相手が年上であろうとも、礼節を弁え、しかし、誰かに媚びることのない気高く咲き誇る一輪華となり、心と態度に余裕を持ち、時には冷酷に物事を切り捨てることも厭わない堂々たる淑女たれと言われたもので。

 まぁ、流石に9代目や9代目の守護者相手にまではこのような態度を取るつもりはありませんがね。

 父さんの場合は・・・・・・時と場合によってはボンゴレファミリーのボスと同等の権力をボンゴレ内で発揮するため、厳密に言うと上司に当たるのでしょうが、それ以前に父親ですし、こちらの方でも構わないかなと思っています。」

 

 そこにいたのは門外顧問であり、わたしの父親である沢田家光の姿があった。

 Dさんの話し方や雰囲気を参考にしながらも、自分なりのボスとしての自身にスイッチを入れたまま言葉を紡げば、父さんは苦笑いをこぼした。

 父さんと一緒に来たらしいジョットさんはと言うと、Dさんが作った仔猫の器に魂ごと放り込まれながら、わたしの話し方にショックを受けたように固まっていた。

 

 

 

 




 沢田 奈月
 公私のオンオフを切り替えるため、話し方と雰囲気を変えた貝の女王。
 参考にする対象は沢山いたが、基本的に相手は年上になるし、年上に対してジョットさんみたいな態度は難しいな・・・・・・と考えた結果、Dを参考にした口調と雰囲気、態度を使うことにした。
 ヴァリアーから金的は勘弁だけどおもしれー女認定されてしまった。

 獄寺、山本、了平
 実はリボーンから声をかけられ、女王の元へ向かった彼女のファミリー。
 合流した女王が明らかに普段の彼女とは全く違う雰囲気を纏って待ち構えていたのでめちゃくちゃビビった。

 ヴァリアー陣営
 レヴィに対する容赦のない鉄板ブーツ金的をかました上、死ぬ気モードとは言え、巨体のレヴィを自分達の前にまで蹴り飛ばしてきた女王に固まってしまった暗殺部隊。
 ボス(オレ)の殺気に物怖じしない上、自分達相手にも平然とやり合うのか・・・・・・おもしれー女。

 D・スペード
 間違いなく今回大勝利した始まりの霧。
 私のナツキが私の真似をしてくださってますよ!やはりナツキは私のものです!!見なさいプリーモ!!

 初代組
 なんでよりによってDを参考にしたんだナツキ!?

 沢田 家光
 流石にヴァリアー本陣相手だと愛娘もピンチになるだろ!父さんがカッコよく守ってやるからな!と意気込んでいたのに、全然出番がなかった門外顧問。
 ナツ〜・・・?なっちゃ〜ん・・・・・・?父さんの見せ場を取らんでくれ〜・・・(涙目)

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