最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
9代目の直属のチェルベッロ機関の者であると口にする彼女達は、此度の争奪戦に関して説明するのであった。
父さんから何かしら言いたげな眼差しを向けられながらも、その場で待機していると、何やらこちら側に近づいてくる気配があることに気づく。
「・・・・・・誰か来る。」
小さく言葉を紡ぐと同時に、近づいてきた気配が姿を現した。
そこにいたのは何やら覆面をつけた褐色肌の女性2人組だった。
「・・・・・・流石は
「ええ。まぁ、正確には覚えのない気配が勢いよく近づいて来ていることがわかっただけですので、賛辞は必要ありません。」
現れた女性のうち、片方の女性が話しかけてきた。
不本意ながらもわたしの通り名となってしまっている
「貴女達は何者ですか?」
とりあえず、彼女達の話を聞こう・・・・・・そう思って話しかければ、彼女達はその場で静かに頭を下げ、わたしを真っ直ぐと見据えてくる。
「我々は、9代目直属のチェルベッロ機関の者です。」
「リング争奪戦において、我々の決定は9代目の決定だと思ってください、奈月様。」
「・・・・・・そうですか。わかりました。」
9代目直属と言う言葉に疑問は残るが、それを言及したところで躱されてしまいそうだと判断したわたしは、彼女達の言葉に承諾の言葉を返す。
それを聞いたチェルベッロは、再び口を開いた。
「9代目は、これがファミリー全体を納得させるためのギリギリの措置とおっしゃってます。異存はありませんか?XANXUS様。」
「・・・ああ。お前もそれで構わねーな?沢田奈月。」
「おや、私にも一応確認は取ってくださるのですね。まぁ、チェルベッロ機関なるものが本当に存在しているのかと言う疑問は残らないわけではありませんが、異議を唱えたところで9代目の意向の代弁者である彼女達が話を聞いてくださるとは思いませんし、一旦は承諾させていただきます。」
「ナツ!?」
父さんが驚いたような声を上げるが、XANXUSさんからの問いかけに承諾の言葉を返せば、彼は静かにチェルベッロへと視線を向けた。
両チームのボスより承諾を得たチェルベッロは、わたし達に感謝の言葉を述べた後、父さんへと視線を向ける。
「奈月様のおっしゃる通り、あなたの異議は認められません。」
「我々は9代目に仕えているのであり、あなたの力の及ぶ存在ではない。」
「!?・・・・・・くそっ・・・!!」
「んまあ、残念ね〜〜〜。」
「ルッスーリアさん。あまり父を煽らないでください。話が進まなくなります。」
「あら・・・・・・お姫様に怒られちゃったわ。」
「誰がお姫様ですか。全く。」
ヤジを飛ばすように言葉を紡いだルッスーリアさんに一言注意すると、意外にもあっさりとやめてくれた。
この人達、わたしの敵だよね?・・・・・・何回目の疑問だこれ。
「説明を続けさせていただきます。」
「本来、7種類のハーフボンゴレリングは、ボスが持つ1組と門外顧問が持つ1組の計2組が存在し、後継の式典の際に9代目と門外顧問の2人が認めた7名に、2組を合体させた完全なるボンゴレリングの状態で継承されるものなのです。」
「ですが、今回は異例の事態となってしまいました。2人が相応しいと考える7名が食い違い、それぞれが違う人物に一方だけを配ったのです。」
「すなわち、9代目が後継者と認めたXANXUS様率いる7名と、家光氏が後継者と認めた奈月様率いる7名です。」
「そこで、真にリングに相応しいのはどちらなのか、命をかけて証明してもらいます。」
「・・・・・・。」
命と言う言葉に、わたしはその場で表情を曇らせる。
予想していたとは言え、やっぱり命をかけなくては、今回の争いに終止符を打つことはできないようだ。
できることならば、命まではかけない争いにしてほしかったが、どうもそれは、許されないらしい。
─────・・・・・・先手を打つことができたのは正解だった。みんなの命だけは、絶対に助けることができるから。
嫌な予感がするからと、早め早めに手を回しておくのは正解だったらしい。
確か、Dさんが教えてくれた死ぬ気の炎に含まれているギミックに、大空が調和、嵐が分解、雨が鎮静、晴が活性、雷が硬化、雲が増殖、そして、霧が構築と言った感じに効果を発揮することができると言うものだった。
そして、晴の活性化は治癒の効能も与えてくれるため、余程のことがない限りは、回復を見込むことができるとも言っていた。
ナックルさんとあの人の力があれば、みんなの命は守ることができる。
「場所は、深夜の並盛中学校。詳しくは追って説明します。」
「・・・・・・何だって?」
そんなことを思っていると、争奪戦の舞台は深夜の並盛中学校であるとチェルベッロが口にする。
それはつまり、並盛中学校で命をかけて争えと?流石にそれは・・・・・・
「・・・・・・失礼。あまり口出しをするつもりはなかったのですが、並盛中学校で命をかけて戦うと言うのは、少しばかり考え直していただけないでしょうか?
9代目の意向であることはわかりますが、あそこは常に人が出入りします。
いくら、夜中に行うと言えど、あそこで戦うと言うのは気が引けますし、代わりの場所なら提供することができますから、どうか一考していただけませんか?」
「?どう言うことでしょうか?」
不思議そうにしているチェルベッロに、わたしは静かに手招きをする。
彼女達は一度顔を合わせ、同時にXANXUSさんへと視線を向けた。
XANXUSさんは、わたしの言葉に疑問があるのか、彼女達に顎で指示を出す。
彼に指示を出されたチェルベッロは、再び顔を見合わせたのち、私の方へと歩み寄ってきた。
「並盛には私が所有している屋敷がいくつかあります。まだ、9代目が私をボスにと考えてくださっていた時に作られた物でして、9代目から許可を得た上で作っていたものばかりです。」
わたしがそこまで言葉を口にすると、わたしの足元に柔らかい毛の感触が触れてくる。
わたしの足元にいたのは桜月で、彼女は口に何かを咥えたままわたしを見上げていた。
「ありがとう、桜月。こちらのご確認を。全て、わたしとキャバッローネ、門外顧問である父。そして、わたしについてきている旧マフィア連合のマフィア達がこぞって出費した金銭により建築された建築物の数々です。
チェルベッロ機関がどれ程の規模の機関であるのかはわかりませんが、1日もあれば、下調べはできるかと。
これらを確かめた上で、並盛中学校以外に使えそうな場所がないと言うのであれば、並盛中学校のままで構いませんが、一応確かめてみていただけませんか?」
彼女の口元から取り上げたのは、わたしが修行の間、初代ファミリーと共同生活を送っている屋敷と、ディーノさんに譲った屋敷を抜いたいくつものシェルディア印の建築物が乗った資料。
そのうちのいくつかをピックアップして、チェルベッロに手渡せば、彼女達は静かに資料を受け取ってくれた。
「学校は個人のものではなく、然るべき組織の下で経営され、同時に維持されているものですから、このような争いの舞台にするには、いささか不相応かと思われます。
なんなら、XANXUSさんを含め、彼をボスにと推奨している皆さんと話し合ってくださっても構わないので、こちらの進言を一考してくださいませんか?」
首を傾げながら、穏やかな声音でチェルベッロに問いかけると、彼女達は手元にある資料に素早く目を通したあと、一度顔を見合わせたのち、静かに頷いた。
「わかりました。そこまでおっしゃるのであれば一考します。」
「もし、場所を並盛中学校から変更をしないと結論が出た時は、学校の方をしっかりと修繕する前提で争奪戦を行いますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。」
「・・・・・・まぁ、その可能性も否めませんからね。そのような結論になった際は仕方ありません。納得はできませんが、承諾させていただきます。」
「「ありがとうございます。」」
わたしの話を聞いてくれたチェルベッロに、小さく安堵の息を吐く。
9代目から何か言われているのか、9代目を騙る誰かから言われているのかはわからないけど、少なからず恭弥さんの並盛中学校を巻き込まない道筋を作るための準備はできたかな。
まぁ、それでも並盛中学校で、と言われる可能性は否めないから、絶対の安心はできないけど。
「審議の末、出した結論は明日の17時までにお伝えします。」
「それでは、失礼します。」
そんなことを思っていると、チェルベッロはこの場から立ち去って行った。
残されたのはわたし達とヴァリアー陣営のみで、辺りに静寂が訪れる。
「・・・・・・ちょっと、奈月。」
「?どうかなさいましたか、マーモン?」
ふいに、ぺちぺちとわたしの頬が小さな手に軽く叩かれる。
視線をそちらへと向けてみると、何か言いた気なマーモンがおり、どうかしたのかと首を傾げながら問いかける。
「マフィア連合を率いていた話は聞いていたけど、こぞって出費した上で複数の建築物を作ったってどう言うことだい?
しかも、話を聞く限り、君も相当な出費をしているようだし・・・・・・。君、中学生だよね?何でそんなに金を持ってるんだ。」
「・・・・・・はい?」
マーモンから問われた言葉に思わず聞き返してしまう。
まさか、お金を待ってい理由を問われるとは思いもよらなかった。
「マーモンってさ、金にすっげーうるせーの。」
「お金に関しての言動は私達でも驚く程なのよ〜。」
「いわゆる守銭奴っつー奴だ。オレ達はもう慣れちまったがなァ・・・。」
「なるほど。」
どうやらこのアルコバレーノは金銭に関して一過言あるタイプの存在だったようだ。
そのため、わたしの屋敷の所有と、その屋敷のために発生しているであろう大量の出費に対して気になってしまったらしい。
・・・・・・とは言ってもなぁ・・・。
「そうですねぇ・・・・・・マフィア連合からの上納金が絶えないもので。」
「は?」
「ですから、いくら言っても止めようとしないマフィア連合からの上納金が絶えないせいで、一気にドバッと使えるくらいお金があるのですよ。」
「聞こえてなかったわけじゃないんだけど?は?マフィアからの上納金だって?どうなってるんだ君の人脈事情は!!」
言いたいことはわかる、とマーモンに同意する。
全く・・・・・・別にわたしは振り込めとか言ってないんだけどなぁ・・・。
「姫、なんでそんなことになったわけ?」
「私、知識欲だけは人よりかなり強いもので、使えそうな技術や知識は吸収して身につけると言うへんな趣味があるのですよ。
その影響で、マフィアとか関係なく過ごそうとしていた時は、将来的に役に立ちそうな知識を身につけていたのです。
ただ、知れば知る程知りたいことがますます増えてしまって・・・・・・芋蔓式に学んでいたらこの知識いる?と言いたくなるものまでいつの間にか身につけてしまいました。」
「何やってんだてめー・・・・・・」
知識欲の権化かよとスクアーロさんに言われ、あながち間違いじゃないと思いながら、わたしは口を開く。
「ただ、この無駄にある知識はマフィアランドの襲撃の一件以降から交流を持つようになったマフィア連合の皆さんのおかげで役立たせることができるようになったのですよ。
現在、シェルディアグループと言う組織に属しているのはそのマフィア連合の方々でして、表の事業として様々な仕事をされているのですが、その際わたしが身につけた知識を基に運営させたところ、マフィア連合の全てが表事業で成功してしまいまして、彼らからしたら、わたしに対するお礼と言うことで、毎月収入の5割程上納されてます。
結果、どれだけ大まかに金銭を使っても財源がかなりあり過ぎて・・・」
「ゔお゛ぉい!!マジで何やってんだよてめーはぁ!!」
スクアーロさんのツッコミはもっともです!なんて思いながらも、わたしは肩をすくめる。
本当、いつまで振り込まれてしまうのやら・・・・・・。
「流石にわたしばかりがこんなに金銭を貰うわけにもいかないので、9代目に教えてもらった口座に入ってきた金額の4割を振り込んでますよ。
本当は、せめて6割程は振り込ませていただきたかったのですが、なぜかお断りされてしまいました。」
「だったら2割でもいいからその金額の何割か僕の口座に振り込んでくれ教えてあげるから。」
マーモンから何かしら訴えたそうな眼差しを向けられる。
うん。口座は簡単に教えるものではない・・・・・・けど、普段使いしない口座を作ってもらえるなら流してもいいかな?
毎月振り込まれている金額は複数のマフィアから一気に振り込まれるせいで6割手持ちになくても十分すぎる程残ると言うか・・・・・・いや、そもそも現状からして金銭のやり取りはできないか。
「・・・・・・その話に頷きたいところではありますが、私達の現状からして無理では?
なんか無駄にフレンドリーに接してくる方が2名いますけど。」
「ゔ・・・・・・そうだったね・・・・・・。」
現状からしてそれは無理だろと返せば、マーモンは黙り込む。
て言うか本当、なんでベルとルッスーリアさんの2人はわたしにフレンドリーなんだ。
スクアーロさんとマーモンも、彼ら程ではないけど当たり前のように話しかけてくるし、XANXUSさんは自分の部下が相手側のボスにフレンドリーに接していようが我関せずだし。
「さて、話は終わったようですから、私はこれにて失礼します。明日に備えて休まないといけませんし、皆さんも拠点に戻られてはいかがですか?」
そんなことを思いながら、用事は済んだしとわたしは背中を向ける。
ベルから、「え〜・・・・・・もっと話そうぜ〜?」なんて言葉がかけられたけど無視だ無視。
「隼人。武。了平さん。今日のところは解散しましょう。皆さんも準備することや、やりたいことがあるでしょう?」
「・・・・・・そうっスね。奈月さんのためにも磨きたい技はいくつかあるし、今日のところは帰りましょうか。」
「オレも、まだちょっと見直したいところあっから賛成だな。」
「極限にオレも賛成だ!京子に心配をかけるし、コロネロ師匠にも話を聞きたいことがある!!」
「では、解散と言うことで。私もまだやらないといけないことがありますから。」
隼人達に拠点への帰還を促せば、次々とその場からみんなは立ち去っていく。
それを確認したわたしは、最後まで彼らを見送ったのち、XANXUSさんへと視線を向けた。
「では、また明日。」
「フン・・・・・・とっとと帰りやがれ。」
わたしの言葉を聞いたXANXUさんは、さっさと帰れと一言告げては、チェルベッロ達同様に、その場からさっさといなくなる。
XANXUSさんが立ち去るからか、ヴァリアーのメンバーも次々とその場から姿を消していく。
唯一、ベルだけはわたしの方を見つめて足を止めている。不思議に思って首を傾げると、彼は口元に笑みを浮かべたのち、わたしの方に近寄ってきた。
「今日はもう話終わりなんだろ?だったら姫も素でいいんじゃね?」
・・・・・・どうやらこの人は、わたしの素をどうしても見たいらしい。
それを把握したわたしは小さく溜め息を吐いたのち、静かに口を開いた。
「・・・・・・人の素なんて見て、何が面白いの?」
だったらお望み通り素で話してやると呆れながら、本来の・・・・・・と言うよりは、周りに見せる用の優等生な沢田奈月としての自分でベルに言葉を返した。
ようやくわたしが素で話したからか、ベルはどことなく機嫌良さげに笑い声を漏らした。
「面白いとかじゃねーって。王子は姫が気に入ったからそっちで話してほしいんだっつーの。」
「私達は争奪戦を行う関係にある敵対者同士なんだけど?」
「関係ねーよ。だってオレ王子だもん。」
「意味がわからないよ。」
何が言いたいんだよこいつ、と頭を抱えたくなりながらも、言葉を交わしていると、ベルはわたしに対して小さく笑う。
「オレの前じゃそっちで話せよ。呼び方もベル以外許さねーから。そんじゃバイバーイ、姫♪」
そして、軽くわたしの肩を叩いたのち、踵を返してXANXUSさん達がいなくなった方角へと立ち去って行った。
何だったんだあの人、と呆れながら踵を返す。しかし、その際カサっと自身の服の襟元から何かの擦れる音が聞こえてきたため、直ぐに音がした方へと手を滑り込ませた。
そこには一枚のメモ紙が挟まれており、手に取って見てみると、ベルフェゴールと読める外国の綴りと、11桁の数字。そして、半角英字や記号、数字で構成されている文字列があった。
よく見るとメモ紙は折りたたまれており、静かにそれを開いてみると、イタリア語による文章があった。
「・・・・・・王子のプライベート用の連絡先を知れるなんて栄誉あることなんだから、絶対に連絡しろよな・・・・・・ベルフェゴール・・・・・・」
・・・・・・あの人、敵対者に自身のプライベート用の連絡先教えちゃってるんだけど?
沢田 奈月
めちゃくちゃフレンドリーに接してくるベルにひたすら戸惑っていたら、なぜか連絡先をゲットしてしまった貝の女王。
え?あの人、何考えてんの・・・・・・?
チェルベッロ機関
9代目の直属を自称する審判役の特殊組織。
基本的に話を聞いたりすることはないが、奈月から提案された並中じゃないところで争奪戦を行うと言う代替案に耳を傾け、有用な案であることを聞いては検討すると約束する。
ベルフェゴール
奈月の敬語が気に入らなかったので、やめるように言うためだけに最後まで残っていた暗殺部隊の青年。
え?争奪戦の相手に連絡先教えんのおかしくないかって?別にいいじゃん。だってオレ王子だもん。
XANXUS
奈月の能力を認めているが故に、対等に扱ってくれている暗殺部隊のボス。
彼女の周りに自身の部下が集ろうが我関せずとして注意することはなかった。注意もめんどくさかったために。
マーモン
奈月の金銭事情に真っ先に反応したアルコバレーノ。
何割か人にあげても問題なら僕に回してよ!!いや、わたし達敵対者。
スクアーロ
奈月の知識欲に引いたし呆れた。何やってんだてめー・・・・・・
ルッスーリア
あらぁ〜・・・・・・この子って学ぶことに対してひたすら貪欲になっちゃう子だったのね〜。
沢田 家光
ええ・・・・・・?オレの愛娘、暗殺部隊に興味持たれ過ぎ・・・・・・?
っておい約1名!オレの娘に対して距離感近過ぎるだろ!!