最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 学校を終えて、帰宅するために歩みを進める貝の女王。
 そんな彼女の元にやってきたのは、暗殺部隊に所属する1人の王子だった。




貝の女王と嵐の王子

 京ちゃんの疑問に対する誤魔化しを行い、放課後の時間。

 了平さんには、メールで京ちゃんにリングの争奪戦に関して聞かれたことや、誤魔化しとして総合格闘技の大会に出ると言う話を使ったことを知らせたわたしは、隼人と武、それと凪を加えた状態で帰路についていた。

 

「え゛!?こいつ・・・じゃなくて、凪は霧の守護者なんスか!?」

 

「正確には、霧の守護者の代理人だけどね。」

 

「代理人?」

 

「うん・・・。奈月の霧の守護者は骸様だから・・・。」

 

「「はぁ!?」」

 

「まぁ、そんな反応になるよね・・・・・・。」

 

 そんな中、わたしは凪のことと、わたしの霧の守護者である骸のことを隼人と武に教えていた。

 まぁ、ずっとあんな怪しむような眼差しを向けられている凪は可哀想だったからね。

 この子に関して、2人には話しておいた方がいいだろう。

 

「待ってください奈月さん!!なんでよりによって骸なんかが霧の守護者に・・・・・・!!」

 

「なんかとか言わないでもらえる?骸が霧の守護者になるのは妥当だよ。彼はわたしにとって必要な存在だからね。

 それと、凪にとっても骸は必要な存在であり、骸も凪が必要な存在になっている。」

 

 隼人の問いかけに関して、そんな言い方をするなと返しながら、わたしは凪と骸の関係性を教える。

 まず、骸を霧の守護者として抜擢したのはわたしに流れている“ボンゴレの血”(ブラッド・オブ・ボンゴレ)と、門外顧問であるわたしの父親、そして、血に左右されていない状態でのわたしの総意であること。

 次に、今の骸は次期ボンゴレ10代目を誘拐した主犯であり、尚且つこれまで重ねてきたいくつもの罪状により復讐者(ヴィンディチェ)と幻月のアルコバレーノであるメテオライト、それと、わたしの側についているボンゴレの関係者による話し合いにより、しばらくはイタリアから動くことができないこと。

 その次に、わたしと同じ体質を持ち合わせている凪を今は側におくことで遠距離から守護者として力を使役することでその問題を解決していることを話した。

 

「最後に、骸は凪にとっての命の恩人なんだ。こちらの話に関しては、かなり込み入った話になるため、わたしから教えるつもりはない。」

 

「そう・・・・・・ですか・・・・・・。」

 

「・・・・・・・。」

 

 どことなく複雑な表情を見せる隼人と武。彼らからすると、骸はわたしを連れ去って、しばらくの間、軟禁していた存在と言う認識のため仕方ないのかもしれない。

 でも、わたしにとって彼は自分のことを守ってくれる存在のため、悪く言われるのは気分が悪い。

 

「複雑な気持ちになるのもわからなくもない。でも、わたし達にとって大切な恩人を悪く言ってほしくないかな。

 それに、骸と凪はわたし達ファミリーにとって、重要な存在になってくるから、邪険には扱わないでほしい。」

 

 わたしの言葉に、隼人と武はまだ納得できていないところがあるのか、渋い表情をしていた。しかし、それ以上言葉を返してくることはなかった。

 ・・・・・・今はそれでいい。納得してくれなくてもいい。

 でも、骸はわたしと凪にとっては大切な恩人で、特別な存在で、ボンゴレファミリーにとっても必要な存在だから否定はさせない。

 

「お?ちょうどいいところに姫いるじゃん♪」

 

「は?」

 

 そんなことを考えていると、どこからともなくベルの声が聞こえて来た。

 驚いて声の方へと目を向けようとすると、急な浮遊感に襲われて、気がついたらわたしは建物の上から隼人達を見下ろす形になっていた。

 

「・・・・・・え゛!?

 

 まさかの事態に固まってしまったが、直ぐに自身の手足にある違和感を覚える。

 よくみるとわたしの手足はリボンのような細い布で括られており、動きをしっかりと封じられていた。

 

「よっしゃ姫ゲットー♪んじゃ、しばらく姫借りていくから。じゃーねー?」

 

「「・・・・・・はあああ!!?」」

 

「奈月・・・・・・!!」

 

 何が起こったのかわからぬまま混乱していると、景色が次々と変わり始める。

 体全体に当たる風からして、抱えられたままかなりの速さで移動していることがわかった。

 何でこんなことに・・・・・・!!状況がよく飲み込めず焦っていると、体に当たる風が緩やかになったことに気がつく。

 

「ちょっとベル!!いきなりなんてことしてくれてるの!?」

 

「ん?別にいいじゃん。オレ王子だもん。やりたいことをやりたい時にやってるだけだぜ?」

 

「だからって誘拐行動は如何なものかと思うけど!?」

 

 移動速度が落ち着いたことにより、なんとか言葉を発せる状況になったため、直ぐにベルに問い詰めると、安定の自分は王子だから好きなことをしてるだけの返答が返って来た。

 わたしが聞きたいのはそれじゃない!と怒鳴りたくなったが、この人にはそれも通用しないとわかっているため、それだけはなんとか飲み込んだ。

 

「帰ってから御所望のお菓子を作ろうとしてたのに、とんだ災難だ。」

 

「ん?ああ、昨日のあれね。あれ明日でいいや。」

 

「じゃあなんで攫ったんだ・・・・・・。」

 

 お菓子は明日でいいと言って来たベルに、じゃあなんのために連れ去るなんて行動に出たのかを問う。

 すると、ベルはわたしの手足に結びつけていたリボンをさっさと外し、繁華街の方へと向かうための道に降り立つ。

 

「争奪戦始まるまで暇だっから暇つぶし〜。ってことで今から姫は王子とデートな。拒否権派ねーから付き合えよ。」

 

「・・・・・・は?」

 

 ・・・・・・どうやら、お菓子作りよりもっとめんどくさいことになってしまったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          ܀ꕤ୭*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ほぼ強制的に始まったデートで真っ先に高級ブランドのブティックに連れて行かれるってどうなの?」

 

「なんとなく街を散策してたら見つかったんだよね〜。んで、姫に似合いそうな服めっちゃ揃ってるし、これ買いだな〜って思ったわけ。」

 

「意味わからん。」

 

 ベルの突撃、お前の放課後をかまされ、困惑するままに連れて行かれたのは、有名どころの高級ブランドなブティックだった。

 背中を押されるがままに店内へと連れ込まれたわたしは、ベルがチョイスする服を次々と着せられていた。

 

「・・・・・・明らかに服に使われてる生地がいいものだってわかるレベルの着心地だし・・・・・・。え?何?わたしにこれを着ろと?」

 

「当たり前じゃね?買ってやったのに着ないとかありえねーじゃん。」

 

「そもそもまだ支払ってないでしょーが。」

 

 ベルがわたしにチョイスしてくる服は、全般的にスカートやワンピースをベースにしたものだった。

 だけど、女の子感を全面的に出しているようなものは一つもなく、スタイリッシュに着こなせるタイプのものを選んでくる。

 色合いとしては、メインのトップスやボトムスは華やかな色合いのもので、合わせる上着や小物、靴が黒で統一されている。

 

「必ず黒が合わされている気がする。」

 

「姫の髪って、王子のとはちょっと違うけど金髪じゃん?そう言うのって白とかよりはっきり色が見える黒が合わせやすいんだよ。

 あと、こっちは基本黒ばっか着てるから姫にも着せてんの。」

 

「・・・・・・黒ばっかなのって暗殺者として闇に紛れるためでは?リボーンも黒のスーツがデフォルト衣装だし。」

 

「まぁ、そうなんだけどさ。」

 

 次はどれがいいかな〜・・・・・・なんて楽しげに言いながら服を物色するベルを横目に、わたしは自分が着せられている服のタグへと視線を向ける。

 ・・・・・・明らかに数字が6桁近くなんだけど?

 

「金に糸目なしか。」

 

「そんなもん王子がするわけねーじゃん。貧乏くせーし。次これね。」

 

 そう言って渡されたのは、フレアスカートとボディラインが結構出やすいタイプのシャツ、それと黒のロングコートと黒のロングブーツだった。

 このロングコートは春夏秋冬、いつ着ても問題ないタイプのもののように見える。

 値段は安定の6桁近くで、コートに至っては普通に6桁とかなり高かった。

 

 これを着ろと・・・・・・?日常使いにしろと・・・・・・?明らかに普段使いしないレベルの値段だろうと思ってしまったが、ベルはさっさと着ろとでも言いたげな様子で試着室を指差していた。

 思わず深い溜め息を一つ吐く。だけど、直ぐに試着室に足を運び、手渡されたそれをさっさと着ていく。

 ・・・・・・淡い赤色のシャツとスカート、それに黒のロングコート・・・ね。

 あまり買わないタイプの組み合わせだな。このフレアスカート、割と丈が短い気がするけど気のせい?

 

「お?へぇ、そっちもよく似合ってんじゃん。」

 

「それはどうも。」

 

 とりあえず試着したのでベルに見せてみると、彼は口元に笑みを浮かべながら似合ってると言って来た。

 それに対して一応はお礼を言ったけど、正直、こんな服着ていく場所なんてあまりない気がするんだよね。

 

「んじゃ、それも買い。そこで待ってろよ〜。」

 

「え、ちょ、ベル!?」

 

 こんなもんどうするんだと思いながら溜め息を吐いていると、先程まで試着しまくっていた服を全部籠の中に放り込んだベルがさっさとレジの方へと行ってしまう。

 そんなベルにすかさず声をかけて呼び止めようとするが、彼はレジに籠を置き、わたしを指差しながら何かを伝える。

 レジのスタッフさんは、籠の中に入ってる服や、わたしが試着していた服に何度も視線を行き来させてポカンとしているが、ベルからさっさとしろよと言われて急いで会計を始めた。

 最終的におかしな桁になってしまったお買い上げ。しかし、ベルはそんなこと気にしてないと言わんばかりにブラックカードを提示して、全部買い込んでしまった。

 

「姫が今着てる奴はこのまま着せて出るからタグ切っといて。」

 

「ひ、姫!?」

 

「そ。姫は王子の姫。」

 

「ちょお!?余計なこと言うんじゃなああい!!」

 

 店員にサラッととんでもないことを告げているベルに思い切りツッコミの声を上げる。

 あ〜〜〜!!ほら!!周りのお客さんとか他のスタッフさんが困惑してるじゃん!!

 そう言うプレイ?とかいろいろ言われまくってるじゃん!!

 

「あ、言っとくけど、王子は本物の王子だから、そこんとこ間違えんなよ。」

 

「余計に悪化するんですけど!?」

 

 本物の王子発言にざわざわと店内が騒がしくなる。だけど、ベルは周りの喧騒なんてまるで聞こえてないとでも言うような様子で、早くタグ切って、と店員さんに伝えていた。

 店員さんは慌ててわたしのところに来ては、わたしが着ていた服のタグを全部切り、試着室にかけていたわたしの制服を綺麗に畳んで紙袋へと入れて渡して来た。

 それを少しだけ無言で見つめたわたしは、溜め息を吐きながらそれを受け取り、吐いていたローファーを別の袋に入れてもらってブーツに履き替える。

 

「なんでこんな目に・・・・・・。」

 

「デートなのに学校の制服とかありえねーからに決まってんじゃん。ほら、さっさと次に行こうぜ〜姫。」

 

「公共の場で姫呼びするんじゃない!!」

 

「カンケーねーよ。オレ王子だもん。」

 

「・・・・・・はぁ・・・。」

 

 これは・・・・・・しばらくの間付き合わないとどうにもならないタイプの奴だ。

 リアル俺様系男子を見ることになるどころか、振り回される女子になるとは思いもよらなかった・・・・・・。

 

「て言うか、この服で街中歩かせるとか正気・・・・・・?明らかに目立ちそうなんだけど・・・・・・。」

 

「そうならないような奴選んでおいたから大丈夫だって。まぁ、確かにみる目がある奴なら明らかにブランドもんだって思うだろうけど、基本庶民には違いなんてわからねーから。」

 

「そうなのかな・・・・・・?そうなのかも・・・・・・。」

 

 ・・・・・・もはやわたしには、諦めてこれを着て街を歩く道しか残されていないようだ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        ܀ꕤ୭*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 諦めてベルがチョイスした服を着たまま歩き回らなくてはならなくなったわたしは、あれから繁華街の方をベルと2人で歩き回っていた。

 基本的にはベルが気になった店へと片っ端から入っていくと言う行き当たりばったりだが、時にはわたしの視線の先にある店に目敏く気づいていく店に連れて行かれたりもした。

 よくある学生同士の・・・・・・と言うにはベルの金銭使用レベルがおかしいことになってる気もするけど、それ以外はなんの変哲もないお出かけだった。

 

 食べ歩きにショッピング。休憩を取るためにベンチに腰掛け、他愛のない日常の世間話。

 王族と言う立場にあるからか、ベルはエスコートやレディーファーストも抜かりなくやって来るため、性格や就いている仕事が結構アレだけど、やっぱり王族なんだなと思ってしまった。

 

「一発ゲット〜♪」

 

「・・・・・・少しだけコツを教えただけでクレーンゲーム一発を可能にするってすごいな・・・。」

 

「ゲームに関しても王子は天才っわけ。ほい、姫にやるよ。物欲しそうに見てたし、ほしかったんじゃね?」

 

「・・・・・・ありがとう。」

 

 そんなわたし達が今いるのはゲームセンター。王族で仕事がアレだから行ったことがないと言っていたベルに付き合うカタチで足を運んでいた。

 

「にしても、こんな安モンのぬいぐるみをほしがるなんて、姫変わってんね?ぬいぐるみがほしいなら好きな奴オーダーメイドなりなんなりすりゃいいのに。

 なんなら王子が頼んでやろうか?デザイナーくらい探せっけど?」

 

 ぬいぐるみをオーダーメイドすると言う話に苦笑いをこぼす。

 確かに、ほしいぬいぐるみを手に入れるならそれが手っ取り早いだろう。

 でも、わたしは別に高いぬいぐるみがほしいわけじゃない。既製品だとしても、選んでくれた、取ってくれた、その過程と結果が何よりも嬉しいのだから。

 

「それも悪くないけど、わたしはゲームセンターや既製品の方が好きかな。わたしのために取ってくれた。わたしのために選んでくれた。わたしは、その過程と結果が嬉しいんだよ。」

 

「はぁ?意味わかんねー・・・・・・。」

 

「まぁ、大体の人はそう言うかもね。でも、ゲームセンターや既製品が好きって言う変わり者だと言われようとも、わたしは何よりもそれが大切なんだよ。

 ゲームセンターや既製品は、それをくれた人や、そのために時間をかけてくれた思い出の結晶だもん。

 こうやって、一緒に過ごして選んだり、一緒に過ごして取ったり・・・・・・わたしは、そのひと時が何よりも好きなんだ。」

 

「・・・・・・姫・・・?」

 

 ベルから疑問の声が上がり、わたしは意識を彼に向ける。

 一時的に出てしまったわたしの本来の側面・・・・・・寂しがり屋で甘えたがり屋で、誰かと過ごす時間や、ガワではなくわたしを見てくれている時間が何よりも好きだと思っている自分自身が出てしまっていたようだ。

 

「次はどこに行く?もう、争奪戦が始まるまでベルには時間取られちゃいそうだし、こうなったらとことん付き合うよ。」

 

 あまり見せないようにしていた側面を隠すように、わたしはベルに話しかける。

 ベルはわたしの様子に少しだけ無言になったけど、こっちが隠そうとしていることを直ぐに判断したのか、携帯電話の液晶に目を向けた。

 

「そんじゃあ、そろそろ1番の目的地に向かおうぜ、姫。」

 

「1番の目的地?」

 

「そ。」

 

 そう言ってベルはわたしの手を取り、どころへと向かい始めた。

 

「どこに行くの?」

 

「着いてからのお楽しみ〜♪まぁ、特別にヒントを言うとしたら、姫は多分行ったことないとこ。」

 

「行ったことない・・・・・・?」

 

「まぁ、王子についてくればいいからさっさと行こうぜ〜。距離があるけど、歩けばちょうどいい感じになると思うから、楽しみにしてなって話。」

 

「???」

 

 ベルの言葉に首を傾げながら歩いて行く。

 わたしの反応を見ていたベルは、ただ静かに笑っていた。




 沢田 奈月
 放課後にベルから言われたお菓子を作ろうと思っていたら、そのまま張本人に連れ去られるカタチで強制的にデートへと巻き込まれた。
 ベルに大量の高級ブランドの服を買われまくったが、一緒に出かける間に、少しだけ彼と距離が近くなったのか、一時的に桜奈の片鱗を出してしまった。

 ベルフェゴール
 暇潰しに奈月に絡みに来た暗殺部隊の青年。あ、あれ姫に似合いそう〜といくつか店に目をつけていたため、強制的なデートへと連れまわし、彼女と過ごしていた。
 色々ツッコんでくる割には楽しんでんじゃんと思っていたら、普段の奈月や、ボスモードの奈月以外の片鱗が顔を覗かせたことに驚いていた。

 獄寺&山本
 ようやく奈月の義妹が何者か知ったかと思ったら、目の前でベルにより奈月が連れて行かれたためかなり慌てた未来の両腕候補。
 骸が奈月のファミリーの中核の1人になることに複雑な気持ちを抱く。

 沢田 凪
 奈月と骸に恩義があるため、彼女のファミリーに参加した奈月の義妹。
 獄寺と山本が複雑な感情を抱いていることに気づいているが、奈月と骸以外にはあまり関心がないのか気にしていない。
 奈月が目の前でベルに連れ去られたことにかなりびっくりした。

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