最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 視界の有無という差を埋め、再びぶつかる晴の守護者達。
 後継の証は誰の手に。


VS.晴の守護者 Ⅲ

 了平さんと全く同じ技を使い、照明を破壊して見せたルッスーリアさん。

 同じ技を使っている、と隼人達は驚いているけど、先程の技は、間違いなく了平さん以上の技術が組み込まれていることに気づいてしまったわたしは、思わず表情を歪めてしまう。

 

「んふ♥︎奈月ちゃん。気づいたことがあるみたいね?何に気づいたのか私に教えてもらえるかしら?」

 

「・・・・・・よりによって教師や教える立場の人間のような反応をしてきますか。当てられたくないのに当てられてしまった窓側一番後ろの席にいる生徒のような気分です。」

 

「あ〜・・・・・・あるわよねぇ、そう言う時って。なんでよりによって今当ててくるのって文句を言いたくなるあ・れ♥︎」

 

「・・・・・・貴方のような暗殺者から、そのような同意の言葉が出てくるとは思いもよりませんでしたよ、ルッスーリアさん。」

 

 ルッスーリアさんの反応に、暗殺者がなんでその学校あるあるを知ってるんだと思いながらも、わたしは静かに口を開く。

 先程の行動に気づいたこと・・・・・・それは・・・・・・

 

「攻撃を躱した了平さんの体の塩を、拳圧だけで吹き飛ばしていましたね。躱すタイミングや、拳のスピードなど、全て計算した上で放った感じですか。

 随分と、人間の枠組みから離れたようなことを一瞬にして行いましたね。」

 

「大正解♥︎でも、私からすると、奈月ちゃんも十分人から離れた能力の高さを持ち合わせているようにしか見えないわよ?私達と同じ・・・・・・ね。」

 

 自身の目と頭で理解したことを答えとして口にすれば、ルッスーリアさんは正解だと告げてきた。

 同時に、わたしの方にも彼らと同じレベルの能力が宿っていると口にして、小さく笑みを浮かべる。

 

「やはり・・・・・・ヴァリアークオリティは伊達じゃねーな。」

 

 わたしの隣にいたリボーンが呟くように言葉を口にする。

 そのことに反応して、すぐに視線を彼に向けてみると、彼は一度だけわたしに視線を向けたあと、ヴァリアー陣営に視線を向ける。

 

「ボンゴレの独立暗殺部隊であるヴァリアーは、人間業では到底クリアできないと言われる殺し(ミッション)をいかなる状況でも完璧に遂行してきた殺しの天才集団なんだ。

 その悪魔の所業とも言える殺しの能力の高さを、人々は畏怖の念をこめて、ヴァリアークオリティと称している。」

 

「・・・・・・それと同等の能力をわたしは持っていると言われたわけですか。なんとも不名誉で不快な賞賛ですね。」

 

 わたしは別に、殺しのために力をつけたわけじゃない。ボンゴレファミリーと呼ばれる大きな組織を継承し、同時に、骸達のような存在を二度とこの世に生まれないようにする抑止力として身につけた力だ。

 確かに、やろうと思えばわたしにも暗殺はできるだろう。それこそ、目の前に対峙している暗殺者達のように。

 でも・・・・・・

 

「そんなもののために、わたしは力をつけたわけじゃない。」

 

 吐き捨てるように紡いだ言葉は、リボーンとわたしの側にいる始まりの大空達の耳に届いたのか、一斉にその視線を向けられる。

 同時に、わたしの頭に被せられていたリボーンのボルサリーノのツバが目深に降ろされた。

 ボルサリーノ越しに感じる優しい手つきは、リボーンのものだろう。

 

「ナツは確かに、お前らと同等の力を持ち合わせているだろうさ。オレの手が及ばない範囲で、何やら英才教育を施されていたらしいからな。

 だが、ナツの力はお前らのような殺しのための力じゃない。それでもなお、お前は、お前らはナツを自分側に入れようと思うのか?」

 

 穏やかに、だけど、ハッキリと感じ取ることができる冷たさを帯びた声があたりに響く。

 穏やかさはわたしに向けられたもので、冷たさは間違いなくヴァリアーに向けられているものだった。

 

「わかってないわねぇ、リボーン。その子の力は、十分過ぎる程に私達と同じよ。だからこそヴァリアーに入ることをすすめているの。

 リングがなくなればボンゴレのボスにはなれない。同時にこっちのボスにカッ消されて終わり。

 だけど、奈月ちゃんならちゃんと生き抜ける。それだけの力を彼女は持ってるんだもの。

 だから私達は奈月ちゃんを助けようとしてあげているの。だって、強い子は大好きだもの、私達。

 私の場合は、可愛らしい女の子も大好きだから引き抜きたいわ♥︎奈月ちゃんみたいな妹分は大歓迎よ♥︎」

 

 そこまで言って、ルッスーリアさんは了平さんに視線を向ける。いや、彼の視線は了平さんだけじゃなく、隼人や武にも向けられている。

 

「それに比べて、そっちの守護者は丸っきりダメね。ボス候補として挙げられた奈月ちゃんとも、私達とも実力に差があるじゃない。

 遊び程度にはなるみたいだけど、戦いには全くならないわ。こんなんじゃ、仮に奈月ちゃんがボスになったところで、彼女をすぐに失っておしまいにしかならないわよ。」

 

 再びルッスーリアさんがわたしへと視線を向ける。

 

「悪いようにするつもりわないわ。奈月ちゃんみたいな子を早死にさせたくないもの。

 貴方達の元じゃ、奈月ちゃんはすぐに終わりを迎えてしまうだろうから、こっち側が助けてあげようとしているの。

 だって、惜しいでしょう?奈月ちゃんみたいな女の子がすぐに終わっちゃう未来なんてね。」

 

 わたしから視線を逸らしたルッスーリアさんは、再び戦闘体勢を取る。

 今の現状や、能力の差。それをなんとかしない限り、わたしがボスになったところで、わたしの足を引っ張るだけに終わり、わたしのことを早くに失い総崩れになる可能性の言及。

 それを聞いた隼人と武が悔しげに表情を歪める。彼が言ってる言葉は一理ある。

 みんなに比べて、わたしの能力が早く伸びていることは知っていた。わたしは、みんなと同じスピードで成長することができず、周りを置いて行くことしかできないことも。

 始まりの大空達から総出で教育されたこともその要因の一つだろう。でも、それ以上に・・・・・・

 

 ─────・・・・・・わたしは、能力に恵まれ過ぎた状態で生まれ落ちた。

 

 一体、誰がわたしにこのような能力を与えたのか分からない。こんなことになるくらいならば、能力の贈り物まで多くもらいたくはなかった。

 でも、きっとこの恵まれた能力には、何かしらの意味が込められているはずだ。だからこそ嫌うつもりもない。

 もちろん、この能力を殺しのために活用するつもりもない。

 

「・・・・・・私は、そうは思いませんがね。」

 

 少しだけ思考の海に沈み、考え込んだわたしは、ルッスーリアさんの言葉を否定する。

 彼が言っている言葉はもっともだ。何一つとして嘘は含まれておらず、正論と言ってもおかしくない程の事実。

 だけど、わたしはその言葉は違うと否定する。能力の差、それは、確かに存在しているし、目の前にある壁が、遥かに高く分厚いことも知っている。

 

「ルッスーリアさんが言っていることはもっともです。その言葉を真正面から否定出来る程の実力まで、私のファミリーは伸ばしきれていない。

 ですが、私は彼らと共に正当なる後継者としてボンゴレを継承しても、早死にすることはないと思っています。

 だって、彼らはまだまだ芽吹いたばかりの小さな蕾で、成長したら何よりも高く咲き誇る大輪の花になりますから。

 一般からの出だったり、チンピラ上がりだったりと、不安要素は満載ですが、その伸び代は誰よりも持ち合わせていると確信しています。

 そちらのお心遣いはありがたいものだとは思いますよ?そちらの指摘も、否定するつもりはありませんから。

 ですが、同時に迷惑なものでもあるとも言わせていただきましょう。」

 

 だからと言って、彼らの言葉を全て肯定するつもりはない。わたしは、今いる了平さん達だからこそ共に歩こうと思っているのだから、向こうの慈悲など必要ない。

 もし、負けるようなことがあり、全てが終わるようなことになったのであれば・・・・・・

 

 ─────・・・・・・わたし自身、自らの手で、自らの命を終わらせる覚悟だってある。わたしは、彼らと一緒にいることが何よりも大事だと思っているのだから。

 

「まぁ、周りが生きろと言うのであれば、そちらの提案も考えさせてもらいましょう。

 ですが、それがないのであれば、私は私なりの方法でケジメをつけるつもりです。」

 

 小さく笑いながら、自分自身の意思を伝えれば、周りから静かに息を呑むような気配を感じる。

 生憎と、リボーンか被せてきたボルサリーノのせいで、周りの状況が少しばかり見え難いため、どのような表情をしているのか分からないわけだけど。

 

「・・・・・・わかってないわねぇ、奈月ちゃんは。」

 

 わたしが告げた言葉を聞き、ルッスーリアさんは小さく呟くように言葉を紡ぐ。

 そして、彼は再び了平さんと向き合った。

 

「覚悟は素晴らしいものだけど、どうせ、()()からしたら遊びにしかならないんだからもうちょっとお利口さんな判断を出した方がいいわよ。

 伸び代はあっても、所詮は一般からの出だったりするのだから、たかが知れているわよ。

 貴女とこの子達は全然違う力を持ち合わせているの。活かせる世界が違うのよ。その現実を私が教えてあげるわ♥︎」

 

 ルッスーリアさんが口にした()()と言う言葉に含まれた意味に、わたしは舌打ちをしそうになる。

 あちら側からしたら、わたしは向こう側にいるべき人間だと言っても過言ではない認識であるとわかり、少しの苛立ちを抱きながらボルサリーノのツバを上げる。

 

「しつこい奴だな・・・・・・!!奈月もリングもお前達なんぞに渡すものか!!」

 

「諦めが悪いわねぇ。」

 

 了平さんがルッスーリアさんにしつこいと告げ、ルッスーリアさんは了平さんに諦めが悪いと言い返す。

 わたしの周りにいるメンバーからも、わずかに殺気が漏れ出し、空気は一層重くなる。

 そんな中、コロネロがファルコに頭を掴まれたまま、了平さんがいるコロシアムに近づいた。

 

極限太陽(マキシマムキャノン)は全身の細胞のエネルギーを放つ技だが、まだエネルギーが完全に拳に伝わっていないぜ。」

 

「師匠!」

 

 外側から声をかけられた了平さんが、静かにコロネロな反応を示す。

 そんは了平さんに、コロネロは再び口を開く。

 

「勝機があるとしたらそこだ!!もっと拳にエネルギーを凝縮させろ、コラ!!」

 

「おう!!ゆくぞ極限!!!!」

 

 コロネロの鼓舞を聞き、再びルッスーリアさんに挑む了平さん。

 ルッスーリアさんは自身に向かってくる了平さんのことを真っ直ぐと見据えながら、口元に不適な笑みを浮かべる。

 

「奈月ちゃんはわかってるんでしょ?こっちが越えられない壁であることを。それでも否定するのなら、私がしっかりと現実を見せつけてあげるわ。」

 

 持ち前のフットワークを使い、次に発生する攻撃がどこからかわからなくするように動き始めるルッスーリアさん。

 そんなルッスーリアさんを見て、了平さんは少しだけ見定めるように真っ直ぐと視線を向け、力強く一歩を踏み出す。

 

「うおおお!!!極限太陽(マキシマムキャノン)!!」

 

 放たれたのは、先程塩を飛ばした時以上の火力があるとわかる程の拳だった。

 しかし、その拳に合わせるようにしてルッスーリアさんはメタル・ニーが使われている足を突き出し、そのまま了平さんの拳へと当てがう。

 鈍い音と同時に、一瞬だけ時が止まる。だが、それは了平さんの右腕から発生した流血と、同時に辺りに響き渡る彼の叫び声により一気に動き出した。

 

「笹川先輩!!」

 

「あの野郎・・・・・・!!アイツの右手までダメにしやがった!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 一気に動き出した情報により、了平さんの状態をすかさず判断することができた隼人と武が声を荒げる中、わたしはその場で無言になる。

 かなりの流血が発生していると言うのに、わたしの中には悲観や絶望、焦燥と言った感情が一つとして宿ることがなかった。

 わかりきっていた実力の差・・・・・・了平さんの力を完成させるために必要な要素・・・・・・それが欠けていると知っていたからか、それとも、Dさん(せんせい)の精神に自身の精神が深く繋がれてしまっているせいなのか・・・・・・。

 

「・・・・・・やっぱり、彼女が了平さんに声をかけなきゃ、ここが限界か。」

 

『・・・・・・まぁ、そうですね。今の彼には感情を爆発させるために必要な発破が足りないと言えるでしょう。

 ですが、悲観する必要はありませんよ。ほんの短期間の修行だけでもここまで成長することができた笹川了平は、ナツキの晴の守護者として十分過ぎる程の力があります。

 安心してください。仮に、この場で何かあったとしても、私がお前をボンゴレの女王へと導きましょう。

 例え、それにより一つの組織が潰えることになろうとも。』

 

「・・・・・・Dさん(せんせー)なら本気でやらかしそうだから、それはせめて最終手段にしてもらえる?今はまだ、完全に諦める段階じゃないんだから。」

 

 Dさん(せんせー)からのヴァリアーに対する明らかな悪意と殺意を感じ取ったわたしは、冷静に言葉を紡ぎながら、せめてそれは最終手段にしてくれとお願いする。

 この場で強く止めることもできたけど、この状態のDさん(せんせー)は間違いなく何かをやらかすための策略にすでに頭を動かしているため、何を言っても聞いてくれそうにないのだ。

 まぁ、同時に、こんな胸糞悪い戦いを思いついた連中に対するわずかな憎悪を抱いてしまったと言う事実もあるため、正直言って止めようとは思えなかったと言うのもあるのだが・・・・・・。

 

「やっぱり、奈月ちゃんはこの子達に任せていたら早死にしてしまうわね。安心しなさい。貴方達の代わりにこっちがあの子生かしてあげるわ。

 ボスも奈月ちゃんのことは少なからず認めてくれているんだもの。幹部全員で推薦すれば、強い存在である奈月ちゃんを、組織はちゃんと受け入れてくれるわ。」

 

 そんなことを思っていると、ルッスーリアさんが吐き捨てるようにしてこちら側の陣営に対するダメ出しを口にする。

 それに対して少しだけ言い返そうと口を開き、言葉を告げようとしたが、それは、一つの声により紡がれることはなかった。

 

「お兄ちゃん・・・・・・?こんなところで何をしてるの・・・?」

 

「「「!!?」」」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 聞こえてきたのは慣れ親しんだ一つの声。

 隼人や武、了平さんが驚く様子を見せる中、わたしは静かに視線を声の方へと向けた。

 そこにあったのは、了平さんの妹である京ちゃんと、彼女の付き添いとして共にいたのであろう凪の姿だった。

 

 

 

 




 沢田 奈月
 Dの手により精神にある種の異常を来した状態になっていた貝の女王。
 周りが一喜一憂する中、彼女だけは感情の波が大きく発生しにくい状態に陥っており、状況を冷静に分析し続けていた。
 諦めの悪い暗殺部隊に嫌悪感を抱いていたが、その意識は乱入者である少女により霧散することとなった。

 D・スペード
 奈月がヴァリアー側に嫌悪感を抱いていたことに気づいていた上、自身もヴァリアーに対する邪魔だと言う苛立ちを抱いていた始まりの霧。
 最終手段で、と制止されたため手出しはしないが、ヴァリアーに対する嫌悪感を奈月が爆発させていた場合、容赦なく行動に移すつもりでいた10代目候補たる奈月の過激派。
 自分が生きてさえいれば、彼女の霧にだってなれると言うのにとずっと思っている。
 彼女以外は、ボンゴレのボスに相応しくない。

 リボーン
 なおも自身の最愛に対して高評価を下し、引き抜こうとするヴァリアー側にかなりの苛立ちと嫌悪感を抱く。
 しかし、ヴァリアーはボンゴレに属する存在であるため、手出しができないので、殺気を漏らしながらも自身の殺意を抑え込む。

 コロネロ
 了平の力の現状から、今の修行の限界を悟る。
 リボーンが殺気を漏らしていることに気づいているが、口には出さなかった。

 笹川 了平
 ルッスーリアとの衝突を起こすが、実力の差によりかなり追い込まれてしまっている女王の晴の守護者。
 突如現れた妹の京子にかなり驚いている。

 笹川 京子
 コロネロを探して彷徨いていたところ、ある人物により、この場に連れてこられた少女。
 辿り着いた先で、怪我を負っている兄がいたため驚いた。

 獄寺&山本
 まさかの乱入者である同級生の登場にかなり驚いている。

 ルッスーリア
 ヴァリアーにいた方が奈月は死なないと本気で思っているヴァリアー側の晴の守護者。
 奈月の能力であれば、殺されることはほとんどないと確信しているのか、こちら側に引き入れることを諦める様子がない。


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