最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 雷鳴と共に鳴り響いたバズーカの音。
 辺りに立ち込める煙が晴れた時、そこには、10年後の雷の守護者が姿を現していた。

※物語の設定上、ランボは原作以上に強化された状態になっています。ご注意ください。


VS.雷の守護者 Ⅰ

 鳴り響いたバズーカの音が鼓膜を揺らし、煙がその場に立ち込める。

 降り止まない雨のおかげで、すぐに煙が打ち消されれば、10年後のランボが戦闘エリア内に立っていた。

 

「・・・・・・ああ、ちゃんとナツさんの話を、小さいオレは聞いてくれたみたいですね。よかった。呼ばれなかったらどうなることかと思ってましたよ。」

 

 雷鳴が轟き、雨に降られ、それでもなお静かに紡がれた言葉は穏やかかつしっかりとしていた。

 

「まぁ、オレが出るからと言ってどうなるかはわからないですが、小さいオレよりかは、多少なりとも役に立つでしょう。」

 

 チェルベッロが用意していた絶縁体を用いることにより作られた安全圏の中から、戦闘エリアの中央にいるランボに視線を向ける。

 10年後のランボは穏やかな笑みを浮かべながら、わたしのことを見つめていた。

 

「・・・・・・ありがとう、ランボ。力を貸してくれて。」

 

「これくらい当然です。オレは、ナツさんのためならなんだってするって言ったはずですよ。」

 

 わたしの言葉に、小さく笑ったランボは、すぐにレヴィ・ア・タンさんと向き合う。

 現れた10年後のランボに、彼は少しだけ混乱しているようだった。

 

「は?姫んとこの雷、さっきまでチビだったよな?」

 

「見間違いじゃなければね。」

 

「ゔお゛ぉい!!何だありゃあ!?部外者がいるぜぇ!!」

 

 他のヴァリアーにも若干の混乱が伺える。独立暗殺部隊と呼ばれているくらいだし、他のファミリーのことに関してもう少し詳しいのかと思っていたけど、ボヴィーノファミリーが持ち合わせている特殊な道具までは、知識がいっていなかったのだろうか・・・・・・?

 

「彼は、10年バズーカにより未来から召喚された雷のリングの保有者です。」

 

「よって、彼を雷の守護者の候補者として認め、争奪戦を続行いたします。」

 

 そんなことを思っていると、チェルベッロが10年後のランボをリングの候補者として認める趣旨を伝え、争奪戦の続行を言い渡した。

 彼女達の発言を聞き、ヴァリアー側は初めて見たと珍獣を眺めるかのような様子を見せ、10年後のランボに目を向ける。

 

「・・・・・・ランボ。この争奪戦、相手はかなりの手練れだよ。もしかしたら、君自身も勝てるかどうかわからない。

 だから、せめて命だけは守り抜いて。わたしは、自分が好きだと思っている人がいなくなるのは嫌だから。」

 

「ええ。わかってます。昨晩、こちら側から向こうに戻った時、ナツさんと、ナツさんの友人の1人から特別な道具も手渡されましたし、ちゃんと生き抜きますよ。

 あの角が何だったのかも思い出すことができたので、命は必ず守ることができますから、安心してください。

 ナツさんが悲しんでしまう姿は、オレだって見たくないですからね。」

 

 わたしの言葉に、穏やかな笑みを浮かべながら、優しい声音で言葉を紡ぐランボ。どうやら彼も、あの角の正体が分かった状態でこちら側に来ていたようだ。

 それを聞いてわたしは深く息を吐く。同時に、未来のわたしと、わたしの友人から手渡された道具があると言う言葉に首を傾げた。

 

「さて・・・・・・それじゃあ、始めるか。」

 

 そんなわたしのことなど気にすることなく、10年後のランボは言葉を紡ぐ。

 同時に彼は、ズボンのベルトに取り付けられているスティックに手を伸ばした。

 それは、あまりにも見覚えのあるもので、わたしは一瞬目を見開く。

 

「ランボ・・・・・・それ・・・・・・」

 

「12歳の誕生日の時に、ナツさんにお願いして用意してもらったんです。少しでも貴女の役に立ちたいと思って。」

 

 そう言って10年後のランボはベルトから引き抜いたスティックのボタンを押す。

 その瞬間、スティックは勢いよく伸びて、一本の槍・・・・・・わたしが使用しているそれと、全く同じものへと変化していた。

 まさか、そんな武器を手にしているとは思わず、驚いて目を丸くしていると、10年後のランボはレヴィ・ア・タンさんに視線を向け、地面を強く蹴り飛ばす。

 その瞬間、ぶつかり合ったのは互いの武器。相手が持ってるのは長モノの何かのようだが、音からして、硬質なものであることがよくわかる。

 複数持ち合わせているようではあるが、10年後のランボは手にしていた槍を使って、積極的に攻撃を仕掛ける。

 

「あの動きって・・・・・・!?」

 

「ナツが使う槍術だな。」

 

「それだけではありませんね。」

 

「「!?」」

 

 10年後のランボの動きは、わたしがしているものに近かった。

 だけど、彼とわたしには決定的に違う部分が存在している。それは、時折武器が大鎌に可変されているというものだ。

 10年後の世界には、どうやらわたしが依頼した可変式の武器がしっかりと導入されているらしい。

 

「あのガキ・・・・・・!!沢田奈月と同じで複数の武器を使うタイプか!!」

 

「え?姫ってマルチウェポン使いなわけ?」

 

「レヴィの襲撃を迎撃した時は槍しか使ってなかったはずだけど・・・・・・」

 

「沢田奈月は槍と大鎌とトンファーと体術を中心に使って戦闘をこなしてきやがる女だ!!

 オレが対峙した時は槍と大鎌とトンファー、それと銃を使ってきやがった!!」

 

「マジ・・・・・・?」

 

「一体誰が彼女に戦い方を教えたのやら・・・・・・。マルチウェポンとなると、他にも使用できる武器があるかもね・・・・・・。」

 

 スクアーロさん達の会話がわずかながらに聴こえる。

 わたしが複数の武器を使うことを彼はベル達に話したようだ。余計なことを・・・・・・と思わなくもないけど、どうせいずれはバレること。

 バレるのが早いか否かの違いなら、あまり考え込まなくていいだろう。

 まぁ、実際複数の武器を使用することは可能だし、まだバレてない武器も沢山ある。

 意表をつくことはできなくもないし、バレて対策されたところで、別の意表をつくための力を身につけてしまえばいい。

 

「サンダーセット・・・・・・!!」

 

 そんなことを考えていると、聞き覚えのある言葉が10年後のランボから告げられる。

 前は、頭に嵌めていた自身の角へと落雷を呼び寄せていたが、今の彼は角を頭に取り付けていない。

 いや、よく見ると10年後のランボの武器に、彼の角と思わしきものが取り付けられている。

 飾りかと思っていたが、なるほど。そこに雷撃を集めることができるようにしていたようだ。

 

雷撃切断(エレットゥリコ・アンピュテーション)!!」

 

 上空より呼び寄せた雷撃を、大鎌に可変させた武器に纏わせて勢いよく振り抜く10年後のランボ。

 その瞬間、大鎌に宿った雷撃は斬撃の波へと姿を変え、そのままレヴィ・ア・タンさんの方へと放たれる。

 10年後のランボが放ったそれは、明らかに宿った雷撃に更なる強化が入っているとわかるもので、放たれたそれは、レヴィ・ア・タンさんでも防ぐことを断念せざるを得なかったのか、回避行動を彼は取る。

 だが、10年後のランボはそれを読み取っていたかのように、着地すると同時に地面を蹴り上げて、レヴィ・ア・タンさんに斬り掛かっていた。

 再び互いの武器がぶつかり合い、鋭い衝突音を響かせる。

 

「つ、つえー・・・・・・!!」

 

「あの泣き虫が10年でこんなになるのかよ・・・!?」

 

「ナツに対する想いが、アホ牛の成長を促したか?感情は時に人を変えるとは聞くが・・・・・・」

 

「極限に勝てそうではないか!?」

 

 普段のランボに接触することが多々ある隼人、武、リボーンの3人が、彼の成長っぷりに目を見開く。

 まさか、わたしが関わるだけでここまで彼が成長するとは思いもよらなかった。

 でも・・・・・・

 

「・・・・・・まだ、甘い部分が目立つ。」

 

『こればかりは仕方ないかもしれませんね。確かに、ランボ君はかなり成長をしているようですが、まだまだ発展途上としか言いようがありません。

 レベルとしてはスタート地点を乗り越えて少し経ったくらいで、完全なる覚醒には程遠い・・・・・・としか評価ができませんね。』

 

「・・・・・・うん。」

 

「・・・・・・まぁ、それは否定のしようがねーな。確かにアホ牛はかなり成長しているようだが、ナツ程洗練された動きにはなってねーからな。

 それに、体力の方にも不安がありそうだ。レヴィ・ア・タンも、すでにあいつの動きをさばけるくらいに分析しているみてーだしな。」

 

 わたしやDさん含んだ初代ボンゴレファミリー、それと、一時的な感心を見せたリボーンには、その動きに甘い部分があることに気づいていた。

 その証拠に、10年後のランボの動きに、レヴィ・ア・タンさんは次々対処できるようになり始めていた。

 そんな中、空から自然発生した落雷が避雷針へと灯りを灯し、屋上に広がる導体に鋭い閃光を走らせる。

 落雷により放たれたそれを、10年後のランボはもろに浴びていた。だが、むしろそれを好機と捉えたように、手にしていた大鎌を槍へと可変し、刃へと集中させ、勢いよくレヴィ・ア・タンさん目掛けて振り上げた。

 放たれた攻撃を、レヴィ・ア・タンさんはすかさず防ぐために武器で受け止めたが、10年後のランボが持ってる武器を中心に、増幅されている雷撃は、流石に彼の体にもダメージを与えてしまうのか、その表情を苦痛に歪め、急いで距離を取る方に徹し始める。

 そこを狙ったよう、ランボは槍を大鎌へと可変させ、二連の雷の斬撃を放った。

 

「ぐう!?」

 

 流石にレヴィ・ア・タンさんもこれは躱しきれなかったようで、上乗せされたダメージに表情を歪めた。

 

「・・・・・・レヴィ・ア・タンさんであっても表情を歪めるレベルの雷撃のようですが、ランボは平気なのですね。」

 

 “感電死してもおかしくない雷撃をまともに喰らって、それでも立ってる向こうも化け物じみてますが”・・・・・・と肩をすくめながら呟きながら、ランボに落雷のダメージがあまり入ってないことに関して言及すると、リボーンが小さく「ああ・・・・・・」と声を漏らした。

 

「幼少の頃から繰り返し雷撃を受けることで、稀に体質が変異することがあるんだ。

 雷撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)と言うんだが、これは、皮膚が電気を通しやすくなる変異で、雷撃を喰らっても体の表面を通過して地面へとそれを逃すため、脳や内臓にほとんどダメージが入らなくなるんだ。

 あいつが初めて10年バズーカを使った時、10年後のアホ牛が、雷撃角(エレットゥリコ・コルナータ)って技を使っていただろ?

 あれは、この体質があるからこそ可能になる攻撃で、今のアホ牛が持ってる武器は、呼び込んだ雷撃をさらに幅広く利用することができるようにするための媒体になってるんだろうな。」

 

「・・・・・・世の中、どんな体質があるかわからないものですね。」

 

『そうだな。だが、それを逆に利用することにより、雷撃を引き寄せて様々な攻撃に転じさせると言うのは、アイデアとしてはかなりいい方へと働きかけている。』

 

『雷の守護者って、基本的に相手側の攻撃を引き受けることが多い分、妙に体が丈夫な奴が選ばれやすいような気がするものね。

 オレ様もしょっちゅう攻撃を引き受けた記憶しかない。なんか周りからしょっちゅう盾役で前に出されていたし・・・・・・』

 

「・・・・・・・・・プリーモ?」

 

『・・・・・・ナツキ、そんな目をこちらに向けないでくれ・・・・・・・・・。』

 

 ランポウ君になんてことを・・・・・・と言わんばかりの眼差しをジョットさんに向けると、彼は少しだけ罰が悪そうに目線を逸らした。

 え?この人、ランポウ君を盾役で前に出しまくってたの?嘘でしょ?

 どう見てもランポウ君、初代ボンゴレファミリーの中で1番年齢が若いよね?え?それを?この御先祖様は?前に出しまくっていたと?

 ていうか、周りがって言ってた?言ってたよね?ファミリー全体でランポウ君を盾役に抜擢してたの?

 

「え、この人達怖い・・・・・・」

 

『ナツならわかってくれると思ってたものね!!』

 

 緊迫した状況であることはわかるが、あまりにも彼らの行動がドン引き案件だったため、思わず話を聞いた感想を漏らしてしまった。

 わたしがそんな感想を口にしたからか、ランポウ君が勢いよくわたしに抱きついてきた。

 今回は、誰かの服の中に収まったりしてなかったため、彼も抱きつきやすかったのだろう。

 

「雷の守護者は、雷撃のような鋭い一撃を放つだけでなく、ファミリーへのダメージを一手に引き受け消し去る避雷針となることが使命だと言われているからな。

 その影響で、丈夫な体を持った人間が選ばれやすいんだろう。だからこそ、こっち側はアホ牛が選ばれたんだ。

 普段は泣き虫な上弱虫で、うざいだけのガキではあるが、その丈夫さはまさに雷の守護者を体現していると言っても過言じゃねーからな。

 あいつ程、雷の守護者に相応しい奴はいねーとすら言える。そんなあいつが、ナツのために泣き虫も弱虫も克服するとはな・・・・・・。」

 

 “こればかりはオレでも予想ができなかった”と口にするリボーン。その瞬間、一際大きな衝突音が辺りに響き渡り、同時に大きな体が近くまで吹き飛ばされてきた。

 

「!?ランボ!?」

 

「っ・・・!!すみません、ナツさん!!どうやら、向こう側に妙なスイッチが入ったみたいです・・・・・・!!」

 

 それがランボのものであるとすぐに把握できたわたしは、急いでランボに声をかける。

 彼は、体を地面に打ちつけたのか、痛みに表情を歪めつつ、レヴィ・ア・タンさんに妙なスイッチが入ったようだと口にした。

 その言葉を聞き、すかさずレヴィ・ア・タンさんの方へと視線を向けてみると、そこには明らかに殺気が膨れ上がってる様子の彼がいた。

 

「あーあ、これ、レヴィのヤツ、完全にスイッチ入ってんじゃん。」

 

「だね。レヴィにとってはボスに認められることこそが生き甲斐。仕事を確実にこなすのも、時間厳守も、守護者となりボスに褒められたいがため。

 自分より守護者に相応しい奴なんかいたら、嫉妬の炎に燃えるだろうね。」

 

「・・・・・・」

 

 遠くにいるマーモンとベルの会話を読唇術で読み取ったわたしは、少しだけ表情を歪める。

 嫉妬により強くなるタイプとは、これまた随分とめんどくさそうなタイプだと思いながら。

 

「・・・・・・チッ・・・オレがやらかしたか。わりーな、ナツ。ランボ。」

 

 自身の言葉により厄介なことになったことを悟ったらしいリボーンが、わたしとランボに謝罪の声を紡ぐ。

 わたしとランボは、まさかリボーンからそんな言葉が出てくるとは思わなかったため、思わず目を丸くしてリボーンに目を向けてしまう。

 

「謝る必要はありませんよ、リボーン。確かに厄介なことになってしまったことは否定しませんが、そんなスイッチが向こう側にあるなんて、わたし達にはわからなかった。」

 

「意図的じゃないならオレも気にしてない。ただ、相手の動きが読み難くなったかもな。

 あの傘のような、槍のような・・・・・・あの男の背中に収められてるアレに嫌な予感しかないからなんとかしたいところだな。」

 

 そんなリボーンに、すぐにわたしとランボは気にしないでいいことを返したあと、戦況の確認を行う。

 雷鳴は未だ、鳴り止まない。

 

 

 

 




 沢田 奈月
 10年後のランボの戦闘スタイルが完全に自分と似通ったものになってることにかなり驚いた貝の女王。
 命だけは守り抜いて欲しいことをランボには伝え、彼の戦いを見守る。

 10年後ランボ
 奈月から戦闘技術をある程度継承し、同時に自身の戦闘スタイルに合わせた工夫を持ち合わせるようになった女王の雷の守護者。
 自身が口にした言葉によりスイッチが入ったレヴィを見て、リボーンが謝罪を告げたことにかなり驚いたが、完全に失態を犯したと言わんばかりの彼を見て、気にしなくていいと告げる。

 リボーン
 呪解状態のまま、雷鳴の衝突を見守っていた女王のお目付役。
 ランボが自身の想いを自覚したことにより、様々なことを克服した未来の姿を見て、少しだけ彼を認め、自身が失言したことにより厄介なことになってしまった状況への謝罪を口にする。

 ランポウ
 奈月がかつてのプリーモ達の行いにドン引きしたのを見て、やっぱりナツならわかってくれた!!と思わず抱きついた始まりの雷。
 奈月の雷の守護者には、まだアラが目立つと思っているようで、少しだけ心配している。

 レヴィ・ア・タン
 10年経っていようがガキであることに変わり無いと思っていたが、なかなか鋭い一撃を放ってくるため、気を引き締める必要があると判断したヴァリアーの雷。
 自分より相応しいと称されたランボに対して、確かな殺意を抱く。

 ヴァリアー陣営
 奈月が中心にはまることにより引き上がる女王陣営の強さには正直目を見張るものがあると思っている暗殺部隊。
 感情により強さが変化する代表が目の前にいるけど、まさか向こうもそのタイプとは思わなかった。

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