最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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作戦決行(渋々)

 隼人とわかれて自宅へとリターンした私、ボンゴレ10代目こと沢田 奈月は、渋々隼人の作戦を決行するために、自室へと向かう。

 

「あら、ナツ。お帰りなさい。隼人の様子、どうだった?」

 

「一応、スポドリ渡して飲ませたから少し落ち着いたよ。でも、まだ体調がちょっと不安だから、自宅として使ってる場所に帰って休むってさ。」

 

「そう。ありがとう、様子を見てくれて。何かお見舞い持って行った方がいいかしら……。」

 

「うーん……とりあえず様子見でいいと思うよ。まぁ、明日学校に来なかったりしたら、私が見に行ってみるよ。」

 

「そう?なら、その時は任せるわね。」

 

「うん。」

 

 その際、ビアンキさんと出会して、隼人の様子はどうだったかと質問された。

 すぐに辺り感触のない返答と、今は様子見をしようという理由を述べ、ビアンキさんを隼人に近づけないように根回しをしておく。

 私の言葉を聞いたビアンキさんは、少しだけ心配そうな表情をしながらも、あとのことは私に任せることにしてくれたから、ひとまずは彼の療養時間を守ることができそうだ。

 そのことに少しだけ安堵しながら、自室へと向かうため階段を上がる。

 多分、ランボはまだここで眠っているはずだからね。

 

「うん、ちゃんと眠っていたね。また床に転がり落ちてるけど。」

 

 おかしいな……ちゃんと私のベッドの上に眠らせていたはずなんだけど、寝返りを打って落っこちたのだろうか?

 真実はランボさんのみぞ知る。まぁ、とりあえず今は、この子を起こすか……。

 

「ランボ。ラーンーボ。ちょっと起きてくれるかな?」

 

「むにゃ……ナツ……?どーしたの?」

 

 優しくランボに声をかけながら、その体を軽く揺らしてみれば、ランボはすぐに目を覚まして、私の方へと目を向ける。

 まだまだ眠たそうだから、本当は眠らせておいてあげたいんだけど、隼人の作戦をやるにはなんとかせねば……。

 

「おねむなところ起こしちゃってごめんね。ちょっと頼みたいことがあって。」

 

「頼みたいこと?」

 

「うん。君が持ってきた10年バズーカ……それを使って、大きくなった君を呼んでもらえないかな?」

 

「!!」

 

 私のお願いを聞いたランボは、びっくりしたように目を丸くして、あたふたとその場で慌て始める。

 その姿を不思議に思い、こてんと首を傾げれば、ランボはあわあわしながら、言葉を紡いだ。

 

「ラ、ランボは10年バズーカなんて撃ったことないぞ!」

 

「え?」

 

「10年バズーカは、ボスに使っちゃダメだって言われてるんだもん!ラ……ランボが撃つわけないじゃん。」

 

「そっか、ランボはいい子だね。」

 

「うん!ランボさんはいい子だもんね!だから、いい子のランボさんが10年バズーカなんて撃つわけないもん。」

 

 何という嘘つき……と一瞬思ってしまったけど、撃ちたくない子に無理矢理撃たせるなんてことはしたくない。

 それに、私は明確にビアンキさんを嫌って追い出したい理由なんてないから、作戦をやらなくていいならそれでよし。

 隼人には申し訳ないけど、作戦は失敗したことにして……

 

「そう言えばリボーンは?」

 

「ん?ランボさんは見てないよ?」

 

「まぁ、君は寝ていたからね。どっか出かけたのかな……。」

 

 そんなことを考えていると、自室の天井に水のものと思われる反射光がゆらめき始める。

 もしかして、と窓から外に目を向けてみると、庭にビニールプールを広げて、のんびりと水に使っているリボーンの姿を確認することができた。

 帰宅した時はなかったのに、いつのまにビニールプールを出して水浴びをしていたんだと少しだけ驚く。

 でも、すぐにリボーンならしょうがないと言う謎の確信が脳裏を過ったため、その感情はすぐになくなった。

 

「甚平、うちわ、素麺、蚊取り線香の次は水浴び?」

 

「ああ、そうだぞ。折角殺し屋としての仕事を休めている状態だからな。ナツの勉強がない時は夏を満喫しようと思ってんだ。ちょっとした長期休暇だしな。」

 

「ふーん。多少は休めてるの?」

 

「むしろ休みまくれていい息抜きになってるぞ。まぁ、たまにちと刺激が欲しいと思っちまうけどな。」

 

「だったらビアンキさんと一緒に、また殺し屋家業をやったらいいのに。」

 

「お前が立派なマフィアのボスになるための基盤が整ったら、また再開するつもりだぞ。」

 

 とりあえず、ビアンキさんが並盛町から離れる可能性が高そうだからと、リボーンに殺し屋家業を再開したらどうかと提案してみるが、やはりそれは却下されてしまった。

 まぁ、通るとも思わなかったし、当然の結果かと諦めた私は、申し訳ないとは思うけど、隼人に作戦の失敗を通達するために、携帯電話を手に取る。

 

「ガハハハハ!それならランボさんが刺激を与えてやるもんね!この二階から勇気を出して飛び降りちゃうもんね!」

 

 しかし、操作する手は止めることになった。頭上から聞こえてきたランボの声により。

 慌てて声の方へと目を向けてみれば、ランボはいつのまにか家の屋根の上に上っており、そこからこちらを見下ろしていた。

 よく見ると片手に何か持っている……けど、下からそれを確認することはできなかった。

 

()ねリボーンッ!!ボスに送ってもらったスタンガンでビリビリとな!!」

 

「水辺の電気はめちゃくちゃ最悪な組み合わせだからね!?」

 

 だが、すぐにランボが何を持っているのかバラしたため、私は慌ててランボを助けようと走ろうとする。

 しかし、その足が何かに引っかかってしまい、ランボを受け止める距離には移動できなかった。

 

「うわ!?何に足引っかけたの!?」

 

 その場にステーンッと転倒するが、怪我どころか擦り傷すら負うことがなく、ボフッと何かに体が倒れ込む。

 すぐに起き上がって何に躓いたのか視線を落とすと、そこには緑色のふかふかなマットが広がっていた。

 

「オレのペットである形状記録カメレオンのレオンだぞ。危ねーからお前を助けに入ったんだ。」

 

「は!?ってか動けないんだけど!?」

 

「マットに変形したレオンが、お前の腰に体の一部を巻き付けてるからな。こいつは小さいように見えて、かなり力がつえーから、女1人押さえ込むことくらい容易いぞ。」

 

「今それどころじゃないよね!?」

 

 レオンに私を離すように声をかけるが、私から拘束は外されることはなく、屋根から飛び降りたランボは、スタンガンの電源を入れたまま、水が並々と入ったビニールプールの中に落下する。

 

「ぐぴゃぁぁあっ!!」

 

「ランボ─────!!?」

 

 スタンガンの電源を入れたままプールにド派手にダイブしてしまったランボ。

 同時に視界は眩い電撃がビリビリと走り回り、ランボはその電撃に飲み込まれる。

 言わんこっちゃない!!とランボの名前を呼ぶが、辺りには悲鳴のみが残った。

 

「うっうわぁあぁあ!!」

 

 しかし、ビリビリに感電したはずのランボは、大声で泣き声を上げ始めた。

 うっそ、アレで泣くだけで終わるの!?と驚愕していると、彼はどこからともなく10年バズーカを取り出して、その場で引き金を引いてしまう。

 辺りにバズーカ特有の発砲音が響き渡り、ランボが煙に包まれる。

 

「やれやれ……なぜ、オレに水がしたたってるんだ。」

 

 程なくしてきこえてきたのは、大きなランボの気だるげな声。あれま……とその様子に苦笑いを浮かべる。

 こっちは作戦を決行するつもりなかったのに、これじゃあ作戦を決行せざるをえないな……。

 

「ナツ?すごい音が聞こえてきたけど、何かあったの?」

 

 ビアンキさん、呼ぶしかないのかな……と脳裏に過ぎる言葉。しかし、呼ぶ前にビアンキさんがこっちの方に顔を出したため、その必要は無くなった。

 

「ロメオ!!」

 

「?」

 

 庭の方に顔を出したビアンキさんが、大きなランボを聞いたことない名前で呼ぶ。

 彼女の元彼はロメオと言う名前だったらしい。なんともイタリアな男って感じの名前である。

 これでビアンキさんは元彼さんを探しに町を出るのか……と無言で彼女の様子を見つめる。

 だが、すぐに彼女から殺気が漏れ出したことにより、ん?とたくさんの疑問符を頭上に浮かべた。

 

「ロメオ〜〜〜〜〜!!」

 

 私と同じく疑問符を浮かべ、ビアンキさんを見つめる大きなランボと、そんな大きなランボにわずかな殺気をまとった状態で駆け寄るビアンキさん。

 

「ポイズンクッキングⅡ──────────!!!」

 

「あちゃー………」

 

 彼女は笑顔で大きなランボに近寄ったかと思えば、完成したらしい殺傷力2倍のポイズンクッキングをその顔面に叩きつける。

 ポイズンクッキングを食らった大きなランボはと言うと、小さく我慢と言う言葉を最後にピクリとも動かなくなってしまい、そのまま5分を迎えたのか、ボフンッと姿を消してしまった。

 

「……大丈夫かな、あれ。」

 

「10年後の医療なら助かるかもな。」

 

「…………リボーン。」

 

「ビアンキと元彼は別れる直前、とても険悪だったらしいぞ。よく元彼を思い出しては腹立ててたからな。」

 

「……ちなみに理由は?」

 

「ナツ。世の中には知らなくていい話しがわんさかあるんだぞ。もしそんな話題に触れようものなら……」

 

「オーケイ、わかった。話しは聞かないことにしておくよ。」

 

 隼人。どうやらビアンキさんが元彼を忘られなかった理由は、愛憎と殺意のせいだったみたいだよ。

 

「そういやナツ。日本(ジャッポーネ)には、土用の丑の日ってあるんだよな?」

 

「ん?うん、あるよ。みんながこぞってうなぎを食べる日になってるかな。意味は忘れたけど。」

 

「うなぎか。土用の丑の日にうまいうなぎが食いたいな。」

 

「!ナツ。美味しいうなぎってどこでとれると思う?」

 

「うなぎ?うーん……静岡県が一番美味しいって言われてるのを聞いたことがあるけど……」

 

「そう。ちょっと静岡の方まで行ってくるわ!土用の丑の日にリボーンに美味しいうなぎを食べてもらいたいもの!ついでだから、ナツのもとってきてあげるわね。」

 

「え?ありがとう……?」

 

 遠い目をしながら、ビアンキさんが元彼を忘れることができない理由を内心で隼人に報告していると、ビアンキさんがリボーンの一言を聞いて、ママチャリを使って飛び出してしまった。

 まさか、ママチャリで静岡県まで行く気なんだろうか……?でも、とりあえずはしばらくビアンキさんは不在になるってことでいいのかな……?

 

 嵐のような人だな……と、少しだけ苦笑いをこぼしながらも、数日間は隼人が安心して過ごせそうだと安堵する。

 しばらくの間は、家に入り浸っても問題なさそうだよ、隼人。

 

 

 ……最後に、隼人から後日聞いた話だけど、ビアンキさんの元彼、ロメオの死因は、食中毒だったそうな。

 やっぱりビアンキさんがやっちゃってるんじゃないですかヤダー……。

 

 

 




 沢田 奈月
 獄寺の策を渋々実行したが失敗に終わった転生者なボンゴレ10代目。
 しかし、結局リボーンの一言により、ビアンキが町を不在にすることになったので、結果オーライだと思うことにした。
 もちろん、奈月本人には、ビアンキを町から追い出すつもりは毛頭もない。

 リボーン
 今の生活を長めの長期休暇として認識し、日本の夏を満喫してある家庭教師なヒットマン。
 たまには刺激がほしいけど、しばらくはのんびりしつつ、奈月を立派なボスに育て上げようと奮闘中。

 ビアンキ
 なんだかんだ奈月と仲良くしている毒サソリ。
 奈月の分のうなぎもついでにとってくると言った理由は、リボーンと過ごす時間と場所を提供してくれている上、腹違いの弟のことを大切にしてくれている奈月に対する彼女なりのお礼のつもり。


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