最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 遥か先の未来から訪れた雷鳴は、女王の命を遂行するためにその力を振るう。
 鳴り止まぬ雷鳴鳴り止む時、その手に指輪を収めているのは・・・・・・

 ※この話は設定上、原作の物語と乖離する流れとなります。



VS.雷の守護者 Ⅲ

 辺りが眩い光に塗り潰される勢いで雷撃が走り、視界が一瞬見えづらくなる。

 360°を囲う傘を通し、雷撃は20年後のランボ目掛けて降り注ぎ、容赦なく彼に集められていく。

 同時に空が一際輝き、落雷が避雷針へと落ちた。そこを通じ、地面に広がる導体に明かりを灯した雷が、縦横無尽に走り抜けた。

 

「な!?電気の逃げ場がない!!」

 

「これじゃあランボは!!」

 

 視界に広がる雷光の海。隼人や武、了平さんの3人は、あまりにも凄惨な光景に、焦りと絶望を表情に浮かべる。

 そんな中、わたしには一つも焦りが浮かんでいなかった。絶望にも襲われていなかった。

 雷撃が集まる中心に、確かな気配が存在しており、強い生命力を宿していることに気づいていたために。

 

「・・・・・・普通の人間だったら焼け焦げるどころじゃねーな。」

 

『これだけの雷撃を浴びたら、まず身体自体残るかわかりませんね。雷も時には溶解効果を発生させますし。』

 

『Dの言う通りだな。流石は、暗殺部隊の精鋭の1人が使う技術と言ったところか。』

 

『天候の悪さを逆手に取り、跡形もなく標的(ターゲット)を消すことができるからね。

 これだけ大規模な力でなくても、落雷を自在に扱えるならば、それだけで事故死に見せかけられるし。』

 

『まぁ、()()()()()()()()()、これで抵抗できねーままに終わっちまうよな。』

 

 リボーンやDさん達もわたしと同じで、中心に確かな生命力が存在していることに気づいているようで、レヴィ・ア・タンさんが使ったこの技を見て、冷静な分析を口にしている。

 それらに軽く同意しながら、わたしは雷撃が弾けるエリアの中心に視線を向けた。

 

「奴は焦げ死んだ。この電光、ボスに見せたかった。」

 

「・・・・・・おや?まさか、暗殺部隊の精鋭とも言える貴方が、何も感じ取ることができないのですか?」

 

「・・・・・・なに?」

 

 自身の勝利を確信して言葉を紡ぐレヴィ・ア・タンさんに、わたしは静かに話しかける。

 わたしの言葉に反応した彼は、すぐにこちらに視線を向けてきた。

 

「・・・・・・確かに、()()()()()()()()()間違いなくそちらの勝利に終わっていたでしょう。

 わたしの雷の守護者はいなくなり、そちらにリングが渡ってしまう。ですが、わたしの雷は、貴方が思う程やわではありませんよ。」

 

「・・・・・・奈月さんの言う通りだな。」

 

「「「「!!?」」」」

 

 静かに紡いだ言葉に、穏やかな声が答えを返す。雨と雷撃の音が入り混じる中でも、確かに聴こえたその声は、雷光の中心から紡がれたものだった。

 まさかの事態に、レヴィ・ア・タンさんと隼人達が驚いたように雷光へと視線を向ける。

 同時に雷光の中心に、確かな人影が姿を現し、堂々とその場で佇んでいた。

 

「エレットゥリコ・リバース・・・・・・!!」

 

 雷光の中心に立っていた20年後のランボが自身の手を屋上の床に触れさせると同時に、彼に集中していた雷撃が一瞬にして地面へと流されていく。

 あまりの電圧が走り抜けたからか、逃した先で次々と窓ガラスが割れるような音が響き始める。

 

「あれだけの電流を全て地面に・・・・・・!?」

 

「今のオレは、電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)を完全に完成させているんでね。

 オレにとっちゃ、電気は子猫ちゃんみたいなもんだ。」

 

 肩をすくめながら自身の体質の話をする20年後のランボ。

 完全に覚醒している彼の体質は、この場では強い希望の光だった。

 

「すげー・・・・・・!!」

 

「これが、20年後のランボの力か・・・・・・!!」

 

「これならば・・・・・・!!」

 

 20年後のランボの力を見て、隼人達の表情に明るさが戻る。

 それを横目に確認しながら、わたしは静かに口を開いた。

 

「・・・・・・ランボが、この体質を持ち合わせるといつ気づいたのやら。それとも、随分な寝坊をかましていた超直感が、彼の力を直感させましたか、父さん?」

 

「・・・・・・そうだなぁ、まぁ、半分は経験上の勘って奴さ。半分は、寝坊助だったオレの直感だな。

 我らが女王陛下は、随分と早起きな超直感で感じ取ったみてーだが。」

 

「まぁ、そうですね。わたしの超直感は、どうや寝起きがいいみたいなので。」

 

「「「!?」」」

 

 わたしが父さんに話しかけ、わたしの声に父さんが答える。

 隼人達は父さんがここに辿り着いていることに気づくことができなかったのか、彼が返事をすると同時に、ビクッと肩を震わせた。

 

「よ、よくわからんが、圧倒していることには違いないな!!」

 

「ああ!この勝負、貰ったぜ!!」

 

「頑張れランボ!!」

 

 だけど、すぐに彼らは意識を20年後のランボへと向け、これなら勝てると希望を見出す。

 こちら側の話を聞いていた20年後のランボは、一瞬だ目を丸くしたあと穏やかな笑みを浮かべた。

 

「貴方達に喜ばれると、照れる。」

 

 少しだけ頬を赤くしながら、呟くように言葉を口にする20年後のランボ。

 だけど、彼はすぐにわたしの方に視線を向け、何かを待つような様子を見せた。

 

「・・・・・・とても頼もしいです、ランボ。タイムリミットは刻一刻と近づいています。気を引き締めて。

 貴方の生存を最優先にしながらも、相手の雷鳴を、自身の(いかずち)を以て鎮めなさい!!」

 

「貴女の仰せのままに。」

 

 わたしの言葉を聞き、20年後のランボは穏やかに笑い、ボロボロになっているコートの内側から、一つの武器を取り出した。

 それは、10年後のランボも使っていた可変式の武器で、手にした瞬間すかさず大鎌へと可変させる。

 

「っ!!なんとしてもお前は消す!!心臓に直接電撃を喰らえ!!」

 

 手にした武器を大鎌へと可変させたのを見たレヴィ・ア・タンさんは、片手に自身の武器を握り、20年後のランボに攻撃を仕掛ける。

 20年後のランボはそんなレヴィ・ア・タンさんを見据えながら、大鎌を握りしめる手に力を加えた。

 しかし、彼は何かを視界に入れては、大鎌でレヴィ・ア・タンさんの攻撃を軽くいなし、流れるような動きでそれを手に取った。

 

「ぬ!?」

 

「1週間前に警察に捜索願まで出したはずなんだが、まさかこんなところにあるとはな。道理で探しても見つからないわけだ。」

 

 まるでレヴィ・ア・タンさんなど視界に入っていないと言わんばかりの様子で彼が手にしたのは、10年後のランボからわたしに手渡され、そのまま今のランボの手元に行ったボロボロの角。

 大事そうにそれを拾い上げた20年後のランボは、安堵したような笑みを浮かべ、その角についた水をコートで拭き取った。

 それが気に入らなかったらしいレヴィ・ア・タンさんがもう一度刺突を繰り出すが、20年後のランボはその刺突を軽い身のこなしで躱し、すれ違いざまにレヴィ・ア・タンさんの足を自身の足で払い、バランスを崩したタイミングに合わせて勢いよく彼を蹴り飛ばした。

 勢いよく飛ばされたレヴィ・ア・タンさんが、そのまま屋上のフェンスに衝突し、大きな音を立てる中、20年後のランボは、手にしていた角に視線を落とす。

 

「・・・・・・メールでボヴィーノファミリーのボスさんから聞きました。それは、どう言う偶然か、20年後から現在に流れ着いてしまった貴方の角だそうですね。」

 

「ええ。そう言えば、奈月さんはこの時期にすでにボスとの繋がりを持ってましたね。

 そうです。これは、オレが無くした角であり、オレの大切な御守りです。」

 

 そう言って20年後のランボは、手にしていた武器を一度縮め、ヒビが入った部分に軽く衝撃を与える。

 すると、衝撃を受けた角のヒビは、パラパラとそのまま崩れていき、この時代のランボの角に書いたわたしの文字のランボの名前が顔をのぞかせる。

 

「大分ニスが劣化してしまったようだ。少しだけ衝撃を与えただけでこれだからな。

 でも、奈月さんが書いてくれたオレの名前をこうしてまた見ることができたし、まぁ、構わないか。」

 

 懐かしむように笑う20年後のランボ。その横顔は、やはりどこか悲しげで、わたしは言葉を発することができなくなる。

 

「ナツは気づいていたか。あれが、20年後のランボの角ってことに。」

 

「ボヴィーノファミリーのボスに、答え合わせも兼ねて確認を取りましたからね。

 今のランボが召集される前の10年後のランボも、未来のわたしと、わたしの友人からその話を聞いて思い出したそうですよ。」

 

「なるほどな。やっぱ未来のナツもすげーや。何でもかんでも見据えてやがる。」

 

 わたしの言葉に、父さんがどこか寂しげな様子を見せながらも、娘であるわたしの成長を喜ぶ声音で言葉を紡ぐ。

 父さんの言葉に静かに同意したわたしは、雷鳴の決着を見据えるために、その視線を前に戻した。

 

「ぐう・・・・・・!!次は逃がさん!!」

 

 それとほぼ同時に、すっ転ばされたレヴィ・ア・タンさんが殺気立ちながら20年後のランボを睨みつける。

 自身に向けられた殺気に気づいた20年後のランボは、再び手元にある武器を大鎌に変え、一時的に目を閉じた。

 

「逃げるつもりはないさ。そんなことしたら、折角頼ってくれた奈月さんの望みを叶えることができなくなるからな。」

 

 静かに20年後のランボが言葉を紡ぐと同時に、“サンダーセット”、と彼は呪文を唱えるように紡ぐ。

 その瞬間、飛来したのは10年後のランボが呼び寄せた落雷と比べ物にならない程に強大な(いかずち)だった。

 それを見たレヴィ・ア・タンさんは、すかさず20年後のランボに攻撃するために地面を強く蹴り上げる。

 だが、20年後のランボはそんなレヴィ・ア・タンさんを真っ直ぐと見据えたのち、手元にある大鎌を勢いよく振り上げた。

 雷撃を纏った斬撃は、容赦なく屋上を抉りながら、対峙するレヴィ・ア・タンさんに襲いかかる。

 その威力はあまりにも異常で、レヴィ・ア・タンさんも命の危険を感じたのか、本能的な回避行動を行なった。

 20年後のランボは、それを狙っていたようで、そのまま大鎌を槍へと可変させ、静かに構える。

 すると、まるでそれを見計らったかのように落雷が自然発生し、同時に20年後のランボは自身が持ち合わせている雷を呼び寄せる力を使用する。

 辺りに閃光が弾ける中、20年後のランボの槍が、確かな存在感を放つように光り輝く。

 

「これで、終わりだ。」

 

 そして、20年後のランボは地面を強く蹴り上げて、一気にレヴィ・ア・タンさんとの距離を詰める。

 同時に突き出された槍は、反射的に防御姿勢を取り、前に出しされたレヴィ・ア・タンさんの傘に勢いよくぶつけられ・・・・・・

 

「ぐあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

 

 その防御すらも全て貫き、レヴィ・ア・タンさんの体を突き抜ける。

 辺りに雷撃特有のノイズ音が響き渡り、容赦なく体を雷撃により貫かれたレヴィ・ア・タンさんは、そのまま白目を剥いて床に沈んだ。

 

「・・・・・・悪く思わないでくれよ。オレは、自身が女王として慕っている最愛の女性に勝利を捧げたいタチなんだ。

 彼女の望みを叶え、守り抜く・・・・・・それが、オレの生きがいなんでね。」

 

 ぴくりとも動かず倒れ伏せるレヴィ・ア・タンさんを見下ろしながら、20年後のランボは彼の首からさっさとハーフボンゴレリングを奪い取る。

 そして、2つに分たれたそれを組み合わせ、軽いバックステップだけで彼から距離を取った。

 

「さて、これでいいんだろう?」

 

 完成された指輪をレヴィ・ア・タンさんの手の届かない位置に持ってきた20年後のランボがチェルベッロに話しかけると、チェルベッロは一度顔を見合わせたのち、動かないレヴィ・ア・タンさんに近寄った。

 身体を揺すっても彼は起きない。それを確認したチェルベッロは、彼の心臓付近に手を添える。

 

「・・・・・・生存はしているようですが、レヴィ・ア・タンの戦闘不能を確認いたしました。」

 

「よって、この度の雷の守護者戦は、奈月様の雷の守護者、ランボの勝利とします。」

 

 レヴィ・ア・タンさんの状況を確認したチェルベッロがわたし達の勝利を告げる。

 話を黙って聞いていたスクアーロ達は、呆れたような様子を見せながら肩をすくめた。

 

「どうやら、ちゃんと勝利と見做されたようですね。」

 

 それを確認した20年後のランボは安堵の息を吐き、わたしの方に歩み寄る。

 その片手には、鈍色の光を放つ雷の守護者を示すマークが記された完成されたボンゴレリングが握りしめられている。

 

「神谷氏のアドバイスと、奈月さんの想いが功をなしました。幼少期のオレは、ずっと未来の自分と入れ替わっていたせいで争いに関しての記憶をほとんど忘れていましたからね。

 まぁ、それは全て奈月さんの優しさがあってこその状況だったため、文句を言うつもりはありません。

 貴方はきっと、オレが痛い思いをしないように、辛い思いをしないように、この争奪戦のことを黙っていたのでしょうから。」

 

 穏やかな声音で言葉を紡ぎながら、雷の守護者を示すボンゴレリングをわたしに手渡してくる20年後のランボ。

 指輪を受け取るために、収納ボックスを荷物から取り出し、静かにリングボックスの蓋を開ける。

 20年後のランボは、開かれた収納ボックスを見つめ、雷の守護者のリングを収めるべき場所に静かに収め、収納ボックスを閉じると同時に、わたしの体を抱きしめてきた。

 

「ランボ・・・・・・?」

 

「・・・・・・すみません・・・・・・っ・・・・・・奈月さんが側にいると思うと、我慢ができなくて・・・・・・・・・っ」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 震える20年後のランボの体と、悲しげな声に、わたしは思わず無言になる。

 一体、この子は遥か先の未来で、何を見てきてしまったのか・・・・・・。今のわたしにはそれがわからず、ただ、おとなしく抱きしめられておくことしかできなかった。

 成人した男性が泣いていることから、隼人達も何かを悟ったようで、そのまま言葉を失っている。

 

「・・・・・・正直、何があったのか聞きたいところだけど、話を聞くのも難しそうだね。」

 

「・・・・・・ああ。とりあえず今は、未来で何かがある・・・・・・ってことだけを頭に入れておいた方が良さそうだな。」

 

 リボーンの言葉に静かに頷き、わたしより高い位置にある20年後のランボの頬に、わたしはそっと手を伸ばす。

 雨とは違う、どこか、少しの温もりを帯びた水滴は、間違いなく彼の涙だろう。

 

「・・・・・・ありがとう、ランボ。あの人に勝ってくれて。キミのおかげで、わたし達は勝つことができた。」

 

「っ・・・・・・言ったでしょう・・・っ・・・オレは・・・っ・・・奈月さんのためならばどんなこともできるし、何度でも立ち上がることができると・・・・・・!!

 だからオレは頼って欲しかった・・・・・・っ・・・・・・一緒に戦ってほしいと言ってほしかった・・・・・・!!なのに貴女は・・・・・・っ・・・・・・」

 

 わたしを強く抱きしめながら、声を殺すように泣き始めるランボ。その様子から、やはり彼は、未来のわたしの手によりどこかへと逃がされ、守られていたのだと確信する。

 そのことに少しだけ目を細めたわたしは、涙を流す20年後のランボを優しく抱きしめ返した。

 すると、彼は殺していた声を口から漏らし、とうとう声をあげて泣いてしまう。

 体は誰よりも大きくて、誰よりも頼もしいはずなのに、今のランボは子供のようで、とても弱々しくなっていた。

 彼の悲しみを打ち消すことは、今のわたしではきっと無理で、どうしようもできないものだった。

 

 どのような言葉をかけたらいいのかわからず、ただ、ひたすらランボを抱きしめ返し、その背中を撫で続ける。

 しかし、自身を包むようにして与えられていた温もりは、唐突にその場から消え失せる。

 

「あ、ナツだもんね!」

 

 一瞬だけ煙が立ち上り、自身の腕から大きな温もりはなくなって、小さな温もりだけが腕にある。

 静かに視線を向けてみれば、そこにはニコニコと笑顔を見せているこの時代のランボがいた。

 こんなに小さな体を持ってる子が、将来、あそこまで強くならなくてはならない状況に見舞われてしまうのかと思うと、なんとも言えない気持ちになる。

 

「あ、宝物!!」

 

 そんなわたしの気持ちなど知らずに、小さなランボはわたしの手元に収まっていたリングボックスの蓋を開け、中に入っている守護者の指輪を確認し始めた。

 無邪気な声で言葉を紡ぐランボに、わたしは小さく笑いかける。はるか先の未来のこの子の身に、起きたことを隠すように。

 

「うん。未来のランボが力を貸してくれたおかげで、宝物を守れたよ。ありがとう、ランボ。」

 

「むぅ・・・・・・なんかちょっと複雑〜〜〜〜・・・・・・!!オレだってナツを守りたいのに!!」

 

「ごめんね、ランボ。でも、ありがとう。わたしを守りたいって言ってくれて。」

 

「当たり前だもんね!!ナツは将来、オレのお嫁さんなんだから!!お嫁さんは男が守らないといけないってボスも言ってたもんね!!」

 

「そっかぁ・・・・・・じゃあ、ランボがもっと大きくなったら、しっかりと守ってもらおうかな。」

 

「任せてほしいもんね!ナツのことは、絶対絶対ぜ〜〜〜〜〜ったい!オレ1人でも守れるように強くなってやるんだじょー!!」

 

 無邪気な笑顔を見せながら、絶対にわたしを守れるようになると告げてくるランボに、わたしは小さく微笑みかけて、優しくその背中を一定のリズムで叩く。

 最初は不思議そうな表情を見せていたランボだが、次第に表情がウトウトし始める。

 そんな彼にだけ聞こえるように、優しく穏やかな旋律を鼻歌で紡いでいけば、ランボはそのまま眠りに落ちた。

 

「・・・・・・いい子はもうゆっくりと寝る時間ですからね。しっかりと眠って、また、元気な姿を見せてくださいな。」

 

 囁くように言葉を紡げば、ランボの穏やかな寝息が聞こえ始める。それに耳を傾けながら、わたしはヴァリアー側へと視線を向ける。

 

「・・・・・・まさか、お前のところの守護者がここまでやるような奴だとは思いもよらなかったな。」

 

 それを見計らったかのように屋上へと大きな気配が姿を表す。

 すぐにその気配の方へと視線を向けてみれば、そこにはXANXUSさんの姿があった。

 

「レヴィはそれなりに使える奴だったんだがなぁ・・・・・・。お前のところの守護者はどうやら、お前と言う要石を中心にすることにより、予想を遥かに上回る実力を見せつけてくるらしい。」

 

 真っ直ぐとわたしを見据えながら、言葉を紡ぐXANXUSさん。

 彼から感じ取れたのは、負けたことに対する不快感ではなく、沢田奈月(わたし)と言う存在に対する感心と好奇心の2つだった。

 

 

 

 




 沢田 奈月
 20年後のランボに、命令を下したことにより、勝利を収めることとなった貝の女王。
 はるか先の未来のランボから、訴えるように紡がれた言葉に、複雑な感情を胸に抱く。

 20年後ランボ
 はるか先の未来、1人の女王の手により遠くへと逃がされていた雷の守護者。
 女王の優しさを知っているがために、誰よりも他人を優先する彼女を知っていたがために、遥か先の未来で取り残されてしまった青年。

 ランボ
 バズーカの効果が切れたことにより戻ってきた女王の雷の守護者たる少年。
 自分だって女王を守りたい!と強く望み、彼女のために強くなることを決める。
 奈月と言う最愛の行動により、跳ね馬と同じく強力な力を発揮することが可能になる未来が確約されている。

 リボーン
 遥か先の未来で、取り残されたと思わしき20年後のランボを見て、未来でよくないことが起きると確信したヒットマン。
 こいつは・・・・・・本腰を入れてナツの守護者に力をつけさせるように動かねーといけねーかもな・・・・・・。

 獄寺、山本、了平
 奈月を抱きしめ、泣きじゃくる20年後のランボを見て、未来で何かが起こることを感じ取った女王の守護者達。
 最愛の女王を、大切な後輩を守り抜くため、力をつける決意を抱く。

 XANXUS
 女王を中心にすることにより、絶大な力を発揮する女王陣営・・・・・・その要たる女王に感心と興味を向ける。
 レヴィの実力は認めていたこともあり、彼が敗れてしまうとは思っていなかった。

 レヴィ・ア・タン
 ボスたるXANXUSに対する忠誠が高く、此度の争奪戦の勝利を捧げるべく奮闘したが、最愛の女性の望みを叶えるために力を振るう女王の(いかずち)に惜しくも打ち砕かれた。

 ヴァリアー陣営
 女王の一言で絶大な力を発揮することを見せた女王の雷の守護者にかなり驚いていた暗殺部隊。
 まさか、レヴィが負けるとはね・・・・・・。


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