最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
先の未来を見据えていると思わしき琥珀色の瞳の女王を見て、彼は一つの質問を口にする。
憤怒の王よりもたらされた質問に、貝の女王は・・・・・・
突如現れたXANXUSさんの姿に、屋上の空気が張り詰める。
周りの空気の変化を感じ取ったXANXUSさんは、辺りをぐるっと見渡したのち、意識を失っているレヴィ・ア・タンさんへと視線を向ける。
「・・・・・・貴方ですら認めている程の強力な力を持っている存在でも、敗北したからと貴方は即時切り捨てるのですか?」
それが何を意味するのか直感したわたしは、すかさず彼の行動を制止するために声をかけた。
すると、XANXUSさんはわたしの方に静かに視線を向け、ゆるりと口を開く。
「・・・・・・当然だ。よえー奴はオレの配下に必要ないんでな。まさかとは思うが、切り捨てるなとでも言うつもりか?」
わたしの問いかけに答えるように、XANXUSさんはレヴィ・ア・タンさんを切り捨てることを至極当然とでも言うかのように告げてくる。
その姿にわたしは肩をすくめ、静かに口を開く。
「・・・・・・別にそちらの行動を絶対に止めてやるなんて感情は持ち合わせておりませんよ。強い組織を維持するためには断捨離も時には必要であることは理解していますし、場合によっては私も同じような判断を下すと思いますから。
ただ、今回の指輪の争奪戦に関しては、敗北から即時切り捨てると言うのは少しだけ判断が早過ぎると思ったまでです。」
「・・・・・・ほう?どうしてそう思った。」
XANXUSさんの鋭い眼差しが突き刺さる。
その姿を見て、Dさんの支援がなかったら間違いなくこれ以上言葉を紡ぐことができなかったと思いながら、わたしは再び口を開く。
「賭けなくてはならない指輪はまだあと5つあるので、それらを手中に収めるまで始末は保留にしても遅くはないかと。
何やら二転三転と状況が変わりそうな気もしますからね。手駒となりそうな存在は、まだ生かしておいても問題はないと思いませんか?」
小さく笑いながら首を傾げ、XANXUSさんに即刻切り捨てる判断は時期尚早ではないかと問いかければ、XANXUSさんはしばらくの間、無言になる。
苛立ちと殺気は感じ取れない。こちらの言葉に対して、熟考しているのだろう。
そんなことを思いながら、わたしはXANXUSさんを真っ直ぐと見つめ返す。
この場で怯むことは許されない。少しでも隙を見せてしまえば、向こう側はすぐにこちら側も切り捨てようと行動を起こすだろう。
それならば怯むことなく対応しよう。少しでも長く、向こう側の興味を惹きつけるためにも。
「・・・・・・一体、お前の目には何が映ってやがるんだ?」
そんなことを思っていると、XANXUSさんがわたしの方に視線を向け、わたしの目に映るものは何かを問いかけてきた。
おそらくだが、わたしの超直感に対する質問だろう。それに対して、わたしが返すべき言葉は・・・・・・
「そうですね・・・・・・二転三転とこの争奪戦は転がっていく・・・・・・と言う確信に至るところまで・・・・・・でしょうか。
だからこそ、手札に使える守護者は残しておくべだ、とどうしても感じてしまうのですよ。」
自身が感じているものを素直に明かすこと。ただし、全てを語るわけではなく、ある程度は濁らせるように言葉を紡ぐことを前提にしてだが。
わたしの言葉を聞き、XANXUSさんはしばらくの間無言になる。程なくして、彼はレヴィ・ア・タンさんに一度だけ視線を向けたあとすぐに目を閉じてわたしにその眼差しを戻してきた。
彼から感じ取れたのは、これ以上の手出しはしないと言う感情だった。
「・・・・・・最初は、軟弱な思考を持ち合わせているからこそ止めてきたかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
まさか、お前のような女から、守護者を切り捨てる事に躊躇いを抱いていないと言う言葉を聞くことになろうとは思いもよらなかったがな。」
「まぁ、そうでしょうね。私は貴方も知っての通り、元々は一般の生まれであり、本来ならば平和ボケした思考回路を持ち合わせていてもおかしくはない立場に身を置いていますから。
ですが、残念ながら、私は切り捨てる必要がある存在を切り捨てる、と言う行動に対して躊躇いを抱いたりはしていませんし、切り捨てる行動に対して躊躇いを持つように教育されたわけでもありません。
ああ、ですが、これだけは言わせてもらいます。確かに、私は不要なものを切り捨てる事に対して躊躇いは抱いておりませんが、貴方のように即決で不要を切り捨てるわけでもありません。
こう見えて私は慎重派なもので。しっかりと不要必要を見極めてから切り捨てる質なのですよ。
ようは全て使い様。あらゆる吟味を重ねた上で、それでもなお不要な道具であれば、そのまま捨てます。」
“使える手札は多い方がいいですしね?”と、口元に笑みを浮かべながら言葉を紡げば、XANXUSさんは口元に笑みを浮かべる。
まるで、わたしの考えを評価するかのように。
XANXUSさんが笑みを浮かべた姿を見て、ベル達が驚いたような様子を見せる。
彼が笑みを浮かべるというのは、どうやら彼らからすると珍しいものだったようだ。
「・・・・・・どうやらオレは、お前を再評価した方がいいらしい。直感頼りというのは少々気に食わないが、それ以外は悪くない考えを持っている。
「そのような評価をいただくことになるとは思いもよりませんでしたが、悪い評価をされたわけではなく、一応は褒めていただいているようですし、ありがとうございます・・・・・・とだけ言わせていただきましょうか。」
わたしの言葉に、XANXUSさんは笑みを浮かべたままチェルベッロに視線を向ける。
「おい、女。話を続けろ。」
「はい。此度の雷の守護者同士の対決は、奈月様側の雷の守護者であるランボに軍配を上げ、奈月様側の勝利といたします。」
「続けて、明晩のリング争奪戦の対戦カードを発表します。」
「明日の対戦は、嵐の守護者の対決です。」
チェルベッロが明かした、明日の対戦カード。それに真っ先に反応を示したのはベルだった。
「お?やっと王子の出番?」
「・・・・・・なんとなく予想はしてましたが、やはりそちらの嵐はベルでしたか。」
「そ。姫んとこの嵐は・・・・・・多分、そこの銀髪緑目?」
「銀髪緑目ってなんですか。確かに、彼で合っていますが。」
「だって王子、そいつの名前知らねーもん。知るつもりもねーけど。」
「んだと!?」
「突っかかるな、隼人。」
「!?わ、わかりました。」
ベルに噛みつこうとした隼人に素早く静止の声をかけ、大人しくさせれば、ベルが口笛を一つ吹く。
「・・・・・・彼女、たびたび女王という呼び方に対して不満そうな表情を見せていたけど、しっかりと女王様をやってるみたいだね。」
「無意識のうちに振る舞い方を誰かに刷り込まれてんのかぁ?振る舞い方と発言がどうも矛盾してる時があるぜ?」
「まぁ、なんだっていいじゃん。見てるだけでも結構面白いしさ。」
スクアーロさんの言葉に少しだけ動揺しそうになるが、なんとかそれを抑え込み、わたしはすぐ近くにいるDさんへと視線を向ける。
XANXUSさんに対する態度と振る舞いを見て、どことなく上機嫌な様子を見せていたDさんは、こちらの視線に気づくなり、わたしの方へと視線を向けて、口元に笑みを浮かべていた。
まるで、この対応を全て肯定するかのように。
「・・・・・・お前、日に日にソイツに似てきてねーか?」
「・・・・・・基本的にメインの教育係になってるのが
「CHAOSだな。見事なまでに英才教育されてんじゃねーよ。」
「仕方ないでしょ・・・・・・マフィアの振る舞いとか全然知らなかったんだから。
とりあえず、しばらくの間は教えられたことを総動員してなんとかした方がいいと思ったんだよ。」
「真面目か。」
「真面目で悪かったな。」
少しだけ呆れたような様子を見せながら小声で話しかけてくるリボーンに対して、小声で軽く言い返していると、XANXUSさんから「奈月」と下の名前で呼ばれる。
すぐにその声に反応を返し、視線を彼に戻してみれば、XANXUSさんはわたしのことを見下ろしたまま、口元に笑みを浮かべていた。
「ボンゴレのボスを示すそのリングの片割れは、今しばらくお前に預けておいてやる。
同時に、この争奪戦の全ての勝負は執り行い、それによりそっち側が勝ち越すようであれば、今回の候補から、オレは辞退することを宣言してやる。お前に任せても問題ないと判断してな。
だが、お前達が負けた時、全てを失うと思え。それくらいの覚悟はできているんだろ?」
「・・・・・・全てを失う・・・・・・ですか。まぁ、そちらがボンゴレを継いだ場合、命令一つで何もかも奪うことくらいは容易くできそうですからね。
負けるつもりは毛頭もありませんが、最悪な結末を迎えた時用に頭の片隅にでも入れておきましょう。」
わたしの返答を聞き、XANXUSさんは背を向けて姿を暗ます。
それに続ける様に、ベル達も姿を消し、チェルベッロも屋上に取り残されたレヴィ・ア・タンさんを回収した上で姿を消した。
それを見たわたしは、一つ深く息を吐き、自身の手を頭に添えた。
「はぁ〜〜〜〜〜・・・・・・ようやく終わった・・・・・・」
「お疲れ様です、奈月さん。」
「今回はかなりヒヤヒヤしたなぁ・・・・・・」
「だが、リングはこちら側が優勢を取れた!!極限に良いことではないか!!」
ようやく息が詰まる感覚がなくなり、そのまま脱力していると、隼人達が喜びをあらわにする。
それを見たわたしは、一度だけ肩をすくめた。
「とりあえず、向こうの好感を引き出せるように嘘と真実を織り交ぜてみたけど、気力が思いっきり減った・・・・・・。」
「だろうな。実際は思ってもないことも誤魔化すために口にしてただろうしな。」
「仕方ないじゃん。XANXUSさんの性格からして自身の意見を肯定されたり、似通った考えを持ち合わせている人間であることを示した方が、嫌悪感を抱かれることなく興味を惹きつけやすいと思ったんだから。」
リボーンからの指摘を聞き、仕方なかったんだと言い返す。
そう、わたしは、XANXUSさんの意見を肯定し、自身にも似た様な考えがあることをわざと口にしたのだ。
吟味した上で切り捨てる、と言う一つの真実を織り交ぜながらも。
「わたしは、XANXUSさんみたいに自身について行こうとしてくれている人すらも不要だと判断して切り捨てることはしない。
切り捨てるとしたら、立派な意気込みを持ち合わせていたとしても、それに伴う様にスキルを磨こうとしなかったり、自分勝手な考えしか持ち合わせず周りの意見すらも振り切って暴走する人間だよ。
そう言った連中を何度か見てきたもんでね。意気込みは立派なくせにスキルを磨こうとしない怠惰なバカや、意気込みもスキルも全く揃っていないにも拘らずそれを持ち合わせてるなどとくだらない自己陶酔をするバカは、何があろうとも切り捨てる。」
はっきりとした声音で自身の考えを口にして、わたしは自身が抱っこしていたランボを抱え直す。
「努力をしてくれる人は歓迎するよ。どんな理由であれ、芯のある確かな信念を持ち合わせた上で力を磨き、それを実現しようとしてくれる人ならもっと歓迎する。
ちゃんと目的のために能力を高めようとしてくれる人には好感を持てるからね。
だからこそ、わたしがボンゴレを継いだ時はついていくと言ってくれている連合のみんなも、努力を惜しまず力を磨き続けていくのであれば切り捨てない。
まぁ、敵対者が混ざったり、ボンゴレの名を騙り、ふんぞりかえって暴虐を尽くす様な奴がいたりしたら、流石に仕分ける必要がありそうだけど。」
何も知らない顔をして、スヤスヤと穏やかな寝息を立てるランボの頬を軽く突きながら、口元に笑みを浮かべて言葉を紡げば、隼人達がわたしの名前を口々に呟いた。
その声に静かに笑ったわたしは、視線を隼人達に向け、再び口を開く。
「だからこそ、わたしはみんなを守護者に選んだんだよ。わたしが求めている条件・・・・・・その全てを持ち合わせているからね。
きっと、争いはこれからますます過激になっていく。そんな戦場に、みんなを出し続けなくてはいけないと言う現状は、反吐が出るくらい最悪だし、できることならば、離れてほしいと思ってしまうくらいだけど・・・」
そこまで言葉を口にして、わたしは静かに目を閉じる。
これからわたしが口にする言葉、それは、彼らにある後戻りをするための道を狭める様なものだけど・・・・・・
「どうか、わたしについてきてください。貴方達の力が、これから先の未来を行くためにも必要です。」
わたしには、彼らの力が必要だ。
自身の望みを叶えるために、これから先の険しい道を歩くためにも。
沢田 奈月
XANXUSの性格などを考慮し、嘘と真実を織り交ぜながら似通った考えを持ち合わせている人物の様に振る舞った貝の女王。
努力を重ね、信念に基づき走り抜けようとする存在を何よりも評価し、自身についていく者の列に加えていく節がある。
D・スペード
日に日に女王らしくなってくる愛弟子を見て上機嫌になっていた始まりの霧。
彼女の切り捨て基準に関して文句はないし、真面目で慎重派な彼女らしいと思っている。
女王としての振る舞い方を彼女に刷り込んでいる張本人。これに関しては自覚有り。
リボーン
オレの最愛が裏切り者に日に日に似てきてるんだが?とそれなりに困惑している最強のヒットマン。
桜奈に余計な手を加え始めてねーかこいつ?距離取らせるべきか?
XANXUS
堂々と自身の意見を口にしながらも、決して隙を見せることもなく、切り捨てる行為に対して躊躇いを抱く様子もない奈月に好感を抱く憤怒の王。
9代目を見てきたからこそ、温厚な彼とは違う尖った思考を持ち合わせている奈月が候補者として混ざり込んだことに面白さを見出す。
ベルフェゴール
やっと王子の出番!と少しだけ楽しげにしているヴァリアーの嵐の守護者。
やっぱ姫って面白い。切り捨てに対して躊躇いないんだ?