最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

3 / 385
家庭教師の正体

「……さて、今からちょっと質問するけど、嘘とかなしで答えてくれるかな?」

 

 程なくしてたどり着いた自室に、リボーンを招き入れ、スクールバッグを勉強机に置いた私は、部屋に入るなり、私の腕から飛び降りたリボーンと向き直る。

 嘘をつかないで答えてと言う言葉に、彼は静かに頷いたあと、勉強机の椅子に腰をかける私と向き合うように、ベッドの方へと座り込んだ。

 

「質問はただ一つだけ。君、家庭教師という体で私のところに来たみたいだけど、実際は違うよね?明らかに、父さんと似たようなものを感じ取ることができる。」

 

「お前の父親と似たようなものだと?」

 

「まぁ、正確に言うと、似たような隠し事かな。私の父さん、沢田家光は、自宅にいる時は妻子溺愛のバカっぽいダメ親父を演じていてね。明らかに一般の人間じゃないのに、一般の人間に溶け込もうとしてるから、なんかおかしいなと思ってたんだ。

 君の場合は、隠す気は全くないって感じだから遠慮なく触れることができると思って、この質問をする。

 家庭教師リボーン……本当の君は何者なのかな?私の父さんと同じような、普通とはかけ離れた職についてる人間なんじゃないの?」

 

 直球で口にした言葉に、リボーンはしばらく無言になる。しかし、一度目を閉じたのち、彼は一つ頷いて、ニッと口元に笑みを浮かべた。

 

「オレの本当の仕事は……」

 

 呟くと同時に、どこから出したのかわからないアタッシュケースを取り出し、何かを組み始める。

 それを見た瞬間、私の体はすでに動いており、彼が素早く組み上げた何かの先を、地面に叩きつけるように足で押さえつける。

 

「………おい、オレの商売道具を踏みつけんな。」

 

「……ごめん。反射的に下げた方がいいかと思って。足で踏んだのは、位置的に楽だったんだ。」

 

「……お前な。能力がいろいろとやべーぞ。」

 

 呆れたような眼差しをリボーンから向けられながら、反射的に出ていた足を静かに上げる。

 私が踏みつけていたのは、どう見ても銃だ。スコープが付いているところを見ると、ライフルと言ったところだろうか。

 某少年漫画の男性が撃っていたのがそんな名前だったはず……あれと見た目が似ている。

 

「……話を戻すが、オレの本職は、お前の予想の通り裏に通じる仕事……殺し屋だ。そんで、オレがここに来た本当の目的は、お前をマフィアの10代目のボスに育て上げることだぞ。」

 

「マフィアだって?」

 

「ああ。お前の父親側のひいひいひい爺さんが、元はイタリアのマフィアのボスでな。」

 

「……聞いたことない話だけど、君が巫山戯ているようには見えないし、事実なわけか。で?なんで私の方に白羽の矢が立ったのか、教えてもらっても?」

 

「ああ。実はな。10代目最有力の候補だったエンリコが抗争の中撃たれちまって死亡。若手のNo.2だったマッシーモは、海に沈められて死亡。秘蔵っ子のフェデリコはいつのまにか骨になっちまっていたんだ。」

 

「……なんでわざわざ写真を見せて来るのか………。て言うか、なんで写真を持っていたのかな?」

 

「企業秘密だ。」

 

「便利な言葉だね、企業秘密って。」

 

 つまり、どうして死亡した際の写真があったのかは黙秘すると言うわけね。

 そんなことを思いながら、私はリボーンが見せて来ている写真を眺める。

 こんな写真、刑事もののドラマでしか見たことないよ。

 

「やっぱお前、ボスの素質あんな。」

 

「あってほしくないかな。」

 

 キッパリとそう告げたのち、写真を返せば、リボーンはその写真を受け取る。

 そして、再び私が候補として選ばれた理由を口に始めた。

 

「ま、そんなわけで、10代目の候補として、お前だけが残っちまったんだ。理由はわかったか?」

 

「まぁ、理解はできたけど、私はマフィアのボスになんかなりたくないよ。これまで、そんな世界と無縁だったし、なれるわけがない。」

 

「いいや。お前ならなれるぞ。その身のこなしと、鋭い直感があれば十分な。足りない部分はオレが教えてやるし、オレがお前を立派なマフィアのボスにしてやる。」

 

「私は一般人のまま生きたいんだけど。」

 

「その能力で一般人は無理な話だぞ。見事なまでにボンゴレの血をしっかり継いでるからな。」

 

「断りたいんだけど。」

 

「無理な話だな。お前以外にボスの候補者がいねーし。そもそもが、今のボンゴレファミリー……いわゆる、お前の先祖が作ったマフィアファミリーの9代目ボスから依頼されちまった身だからな。一度受けちまったもんは断れねーし、諦めてくれ。」

 

「…………。」

 

 ああ言えばこう言うのやり取りに、思わずジトりと湿気のある視線をリボーンに向ける。

 しかし、彼は私の睨め付けなど気にしていないようで、平然とした様子を見せていた。

 思わず溜息を吐きたくなるが、それはなんとか飲み込んだ。

 

「なっちゃーん。リボーンくーん。ごはんできたわよー。」

 

 なんとか断りを入れるため、ぐるぐると思考を巡らせる。

 だけど、不意に聞こえて来た母さんの声により、巡らせていた思考を止めてしまった。

 

「……リボーンも食べるんでしょ?」

 

「ああ。」

 

「ならさっさと行くよ。母さんもお腹空いてるだろうし。」

 

「わかった。」

 

 とりあえず夕飯を食べることを考えた私は、リボーンに夕飯を食べに行くことを告げる。

 すると、リボーンはすぐに承諾するように頷いたのち、私の方へと跳躍して来た。

 すぐにそれを受け止めた私は、リボーンを自身の前で抱っこして、一階へと続く階段を下りる。

 

「……なんで自分の足で歩かないの?」

 

「自分で歩くより早いからな。楽ちん楽ちん。」

 

「そりゃ楽でしょうね。」

 

 我慢していた溜息を吐き出す。これから、この赤ん坊の姿をした殺し屋と一つの屋根の下で暮らさなくてはいけないのかと思うと、意識が遠くなりそうだ。

 そんなことを考えながら、いつも食事を摂っている台所へと向かう。

 

「あら。もうリボーン君と仲良くなったのね。」

 

「おう。仲良くしてるぞ。」

 

「……まーねー………。」

 

 そこにいた母さんは、リボーンと私を交互に見ては、ニコニコと笑顔で仲良しだと言ってきた。

 それを聞いたリボーンは、なぜか得意気様子で仲良くしていると母さんに告げる。

 対する私はと言うと、引きつった笑みを浮かべながら、棒読みの返事を返すだけだった。

 

 

 




 沢田 奈月
 一般人じゃないリボーンから、本来の立場や目的を聞き出すため、自室へと招き入れた転生少女。
 これから殺し屋と一緒に暮らさなくちゃならないのかとかなり気分が沈んでいる。
 一般人で終わりたいと言う望みが増えた。

 リボーン
 奈月があまりにも自分の想像を遥かに超える行動を見せてくることにめちゃくちゃ驚いている。
 そんな能力持ちが一般人で終われるわけねーだろ、諦めろのスタンスで、みっちりとマフィアのボスになるためのお勉強をするつもりでいる。
 自身の寝床はベッドで眠る奈月の腕の中になった。

 沢田 奈々
 リボーンを抱っこして行動をとっている奈月に、もう仲良くなったのねとにっこにこ。
 奈月が引きつった笑みを浮かべていることに気づいていない。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。