最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
ビアンキさんが静岡県の方までママチャリで行ってしまうと言う珍事件が起こり、一時的な静けさを迎えた日常生活。
しかし、その静かな日常は、そう長続きしないままに、私は新たな騒動に巻き込まれることとなってしまった。
「ヨッ ホァッ」
「ええ……?」
それは、なんの変哲もない一日の始まりになるはずだったある日の朝のこと。
いつものように、学校へ向かうための通学路を歩いていた時に、ちょっと不思議な女の子を見かける。
その女の子は制服姿のまま、なぜかすぐ横にある住宅の塀の上を歩き、隣を歩いていたリボーンの前に現れた。
「こんにちは─────っ」
「ちゃおっス。」
リボーンの前まで歩いてきた女の子は、何気ない会話をするような流れで彼に挨拶をする。
挨拶されたリボーンは、すぐに彼が使う独特な挨拶を返し、女の子のことを見上げている。
「私……三浦 ハルと申します。」
「知ってるぞ。ここんちの奴だろ?」
リボーンに話しかけてきた女の子、三浦 ハルと名乗った彼女は、どうやらすぐ真横にあるご自宅のお嬢さんだったらしい。
無断で他人の住居の塀を上っていないようで安心した。かと言って、そこに立っているのはあまりよろしくない。
「えーと……三浦さん……だっけ?」
「はひ?あ、はい、三浦 ハルですよ。」
「この場にいたのが私だからよかったものの、自宅だからと言って、スカートのまま塀に上るのはどうかと思うよ。下手したら下着が見えちゃうからね。」
「はひ!?言われてみれば!!」
こっちの注意を聞いた女の子、三浦さんは、すぐに塀の上から地面に降りた。
うん。これでよし。同性だから、流石に見過ごすことはできなかったし。
「あの、えっと……」
「ん?ああ、リボーン?」
「はい!あの、リボーンちゃん!私とお友達になってくれませんか?」
「いいぞ。」
「はひ─────っ!!」
なんてことを思っていると、三浦さんは、リボーンに友達になってほしいことを伝えた。
それを聞いたリボーンは、すぐにそれを承諾する。……本業殺し屋な存在に、お友達になってほしいって頼むとは……。
まぁ、側から見たら可愛らしい赤ん坊……いや、赤ん坊が二足歩行で話すのは流石におかしいな。違和感がヤバすぎる。
でも、この、なんか友達になることをリボーンに承諾されて、謎のヘヴン状態に陥ってる子は、それすら気にしていないように見える。
え?私がおかしいの?私だけがそう思っちゃうの?まぁ、すでにこの謎状態に順応してはいるけどさ。
実際はかなりおかしい状況だよ……?
「やったぁーっ!!」
常識ってなんだっけ?立ってしゃべる赤ん坊がいるのは常識だっけ?と、忘れかけていたそれに遠い目をして混乱していると、三浦さんが頬を赤らめながらリボーンに目を向ける。
「あ……あの……さっそくなんですが……こう……ぎゅ……っってさせてもらえませんか?」
そして、自身の体を抱き締めるような仕草を見せて、リボーンに抱きしめてもいいかと問いかける。
それを聞いた私は、すぐにこのあと起こりそうなことを予見して、いつでも対処できるように警戒心をわずかに宿す。
すると、リボーンはやはりと言うか、私が予見していた通りのことを引き起こす引き金になりうる言葉を口にした。
「気安くさわるな。オレは、殺し屋だからな。」
その瞬間、空を切るような気配を感じ取る。すかさず片手を自身の左頬に位置する方へと移動させれば、程なくしてそこまで強くない衝撃が片手を伝ってきた。
「はひ!?」
「……危ないな。手で妨害しなかったら、間違いなく頬にクリティカルヒットだよ。スカートの中身、見えるかもしれないよって、君のためを思って言った人間に対して、この対応はちょっとないんじゃない?」
リボーンに対する呆れを内心に宿しながら、三浦さんの手を軽く押し返せば、彼女は少しだけバランスを崩す。
しかし、すぐに立て直すように踏ん張って、私の方を睨みつけてきた。
「確かに、それに関してはもっともな忠告でしたけど!!それとこれとは話しが別です!!最っ低です!!」
「最低って言われてもね……。」
「だって赤ちゃんは真っ白なハートをもった天使なんですよ!?あなたはそんないたいけな純情が穢される前に止めなかったんです……か……?」
「あ、ごめん。胸ぐら掴まれそうになったから反射的に……」
「な、何なんですかこれ─────!?」
「何って……トンファー?」
「ト……トン……?」
「一種の護身用の武器だよ。女でも扱いやすいから、身を守るのにおすすめ。」
「そ、そうなんですね……って違う!!違います!!話をうやむやにしないでくれません!?あなたは!!私が何を言いたいかわかってますよね!?」
不良を叩きのめす癖の影響で、胸ぐらを掴まれそうになった瞬間、トンファーをちらつかせたからか、三浦さんはこちらに近寄らなくなった。
しかし、私を睨みつけるのはやめることなく、私に何かを追求するような様子を見せる。
まぁ、何となく予想はついている。子供が使っていいようなものじゃない言葉を、リボーンは口にしたわけだから。
でも、これは私のせいじゃない。リボーンが元から口にしていた言葉だ。
だけど、激昂してる状態の人に、何を言っても通用しないのは、ビアンキさんを見て理解しているわけで……。
「殺し屋って言葉に関してだろうけど、リボーンは元から使っていたよ。だから止めろって言われても、既に遅かった。」
「だったらその言葉を使わないようにするのがお姉ちゃんのやることでしょう!?自分の弟の純情が穢されてるんですよ!?」
「いや、何で私をリボーンの姉と思ったのさ。」
「いつも一緒にいるところを見てるんです!!しらばっくれてもハルにはお見通しです!!」
「んなわけないでしょ。私には弟なんていないし、この子は預かってるだけだから。」
「だったらそんな言葉を教えたご家族に合わせないようにして悪い言葉は使っちゃダメだって教えるべきでしょう!?」
ムキーッと言うような様子を見せながら、怒鳴る三浦さんに、めんどくさいのに捕まったな、と言うように、溜息を吐く。
さて、どうやって怒りでファイヤーしてるこの女の子を止めるべきか……。ビアンキさんはアンダーグラウンド側にいる人だから、多少手荒な真似をしても問題なかったけど、目の前にいる彼女は、紛れもない一般人だ。
さっきは風紀委員としての生活を送っていたゆえに、反射的にトンファーをちらつかせてしまったけど、実際は、一般人相手にチラつかせるだけでもアウトだ。
恭弥さんなら、敵意を向けられた時点で一般や不良関係なくトンファーで殴り飛ばしてしまいそうだけど、私はそこまで過激なことはしない。
不良とアンダーグラウンドに属する人間相手なら、敵意を見せてきた際、1回目の注意と、2回目の警告を無視した時点で殴り飛ばせるんだけどね……。
「オレに家族なんてものはいねーぞ。マフィアになってから連絡すら取ってねーからな。」
三浦さんに対する対処方法を考えているとリボーンが再び余計なことを言う。
同時に感じた気配に片手を出せば、再び軽い衝撃を手のひらに受ける。
「うあ─────!!なんで止めるんですか─────!!」
「だって当たったら痛いじゃん。ていうか、女の子ってやっぱパワーが少ないんだね……。不良の攻撃に比べたら全然軽い。」
「不良の攻撃って何ですか!?意味がわかりません!!」
そりゃ意味はわからないでしょーとも。だって、それ、風紀委員として行動を取ってる時の話だし。
まぁ、不良の攻撃も大したもんじゃないんだけどね。我らが風紀委員長の攻撃力を知っていたら……だけど。
「ああ、安心して。今言った話……と言うか、不良とのやり取りはリボーンの前ではやってないから。」
「当たり前です!!って言うか、本当に何なんですかその不良って─────!!」
並盛中学校風紀委員会による取り締まりの話です☆……ってね。
言わないけど。
さて……
「じゃあ、リボーンと仲良くしたい三浦さんに、彼のことを知ることができるとっておきのヒントをあげるよ。
リボーンが口にしているものが、誰かに吹き込まれたことなのか、それとも最初から理解しているものか……。
答えがわかって、まだ、何か言いたいことがあったらいつでも言いに来るといいよ。その時はちゃんと……相手してあげるから。」
「!?リボーンちゃんに関することが知れるとっておきのヒント?」
「そ。まぁ、詳しい内容は聞かせてもらえるかわからないけど、私よりリボーンのことを知ってる人がいるから、その人に話を聞いてごらん。
その人の名前はビアンキ。とても綺麗な長い髪をしている女性で、私の家を出入りしてる大人のお姉さんだよ。
つい最近、うなぎをとりに静岡まで行ってたんだけど、そろそろ戻ってくるはずだから、まぁ、見かけたら声をかけてみて。
リボーンのことに関して語り合いたいって言ったら、まぁ、余程目に余るような好意を見せなければ、話してくれると思うからさ。
でも、明確な好意を見せてしまった時は気をつけて。ちょっと嫉妬深いお姉さんだからね。」
「は……はひ〜〜〜〜……!?」
混乱した様子を見せる三浦さんの横を通り抜けて、学校に向かうための通学路を歩く。
すると、塀に上っていたはずのリボーンが、ぴょいっと私の肩に乗っかってきた。
「ったく……あまり一般人に本来の立場を言いふらさないでよね。それのせいで毎回私にツケが回ってくるんだから。」
「事実しか言ってないもん。」
「もんとか可愛く言っても許しません。ハァ……これは、また一波乱ありそうだな……」
「溜息を吐いてると幸せが逃げるぞ。」
「誰のせいで溜息を吐いてると思ってんのかな?」
そんなリボーンに、あまり一般人にはマフィアのことや殺し屋のことを話すなと注意するが、事実しか言ってないと返された。
確かに、リボーンからしたら事実を言ってるだけなんだろうけど、この事実を知った人間は、一般人と言う生活から、かけ離れた生活を送らなくてはならない可能性が出てくる。
漫画や小説でもちらほらとあるしね。一般人だけどアンダーグラウンドの世界を知ってしまったから、そこに属する人間と関わりがあると言うだけで、悲惨な目に遭ってしまうキャラクターを。
だから、なるべく一般人には口外しないでもらいたいものである。
「必要な時以外は、本来のことは言わなくていいんだよ。そうすることで、守られる穏やかな生活もあるんだから。
だから、あまりこっちの世界の話を一般の人にはしないでくれない?こっちのいざこざに巻き込んで、辛い思いはさせたくないからさ。」
「………努力はしてやる。」
「努力だけね……。できれば約束してもらいたかったんだけど、まぁ、今はそれでいいや。」
空を見上げながらポツリと呟いた言葉は、風にさらわれて消えていく。
これ以上……こっちの話を知る人は増やしたくないな。
沢田 奈月
登校中に不思議な女の子に怒鳴られていたが、ことごとく攻撃を防いでいた転生者な10代目。
無闇矢鱈にマフィアや殺し屋のことは口外するなとリボーンに注意するが、約束はしてもらえなかったため、溜息を吐く。
リボーン
奈月から本職を口外するなと言われたが、努力して黙るつもりではいるが、約束するつもりはない家庭教師なヒットマン。
奈月が不良や、雲雀 恭弥とやり合ってるのを何度も見ているため、もう一般人じゃ、こいつには手も足も出ねーだろーなと思っている。
三浦 ハル
可愛い赤ちゃんと仲良くしたいと思って話しかけてみたら、まさかのデンジャラス発言をしてきたため、大ショックを受けた女の子。
ことごとく攻撃を防がれてプンスカ怒っていたが、奈月からリボーンに詳しい人がいると聞き、真実を突き止めるため話すことを決意する。