最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
女王の質問を聞いた彼が口にした答えは・・・・・・
「それでは、戦闘フィールドの説明に移ります。」
「今宵のフィールドはこの屋敷の3階全てとなります。」
「もちろん、3階から繋がる別棟も含まれ、廊下だけでなく、全ての部屋も含みます。」
隼人の合流を確認するなり、チェルベッロがフィールドの説明を行う。
その話を聞きながら、わたしは自身がいる建物を見渡した。
今思えば、彼女達がこの施設を選択したのは、並中によく似た建物だったからかと考える。
まぁ、どんな場所でマフィアって戦闘になるかわからないから、コンクリート製の施設や木造製の施設、マンション程ではないが、ヤの付く自由業の方々が居座ってそうな事務所風の施設だったり、屋敷のような建物だったりと想定したものを作っていたからね。
いつか隼人達にこう言った施設内戦闘を想定した訓練をしてもらおうかとリボーン達と企んでいたから、こんな風にお披露目することになるとは思いもよらなかったな・・・・・・。
「・・・・・・ところで、度々機械のような音が聞こえているような気がするのですが、気のせいでしょうか?」
それはそれとして、隼人が合流すると同時に何かしらのモーター音にも似たような音が聞こえ始めたことが気になり、わたしはチェルベッロに問いかける。
隼人達はわたしが言ってる音が聞こえていないのか、不思議そうな表情を見せていた。
「・・・・・・確かになんか聞こえるな・・・・・・なんの音だ?」
『・・・・・・聞こえる場所も複数あるな。』
『だな。どうも全体的に音があるみてーだ。』
『ギミックなのは確かでしょうが、音からではなんのギミックか判別が難しいですね・・・・・・』
しかし、五感が普通とは違うリボーンやプリーモファミリーはわたしと同じ音が聞こえているようで、音の正体を思案しては首を傾げる。
「やっぱ姫に一般人無理じゃね?」
「リボーンと同じ感覚を持ち合わせている時点でわかりきってることだよ。」
「奈月の奴、どんだけ訓練積まされたんだぁ?」
「さぁね・・・・・・。ただ、リボーンが呪いを浴びていない時と全く同様の感覚を会得した状態に一時的になれると言うことは、彼女はリボーンに訓練をつけられている可能性が高いから、あっちのメンバーの中で、最も警戒するべき相手なのは間違いないよ。」
“一体、アイツはどうやって呪いを弱めたんだ・・・・・・!!”と恨めしそうに呟くマーモンからスッとわたしは目線を逸らす。
リボーンに訓練つけてもらってることバレてる・・・・・・。
─────・・・・・・まぁ、感覚のズレに関しては、リボーンだけが原因じゃないんだけどさ・・・・・・。
そんなことを思いながら、プリーモファミリーに視線を向ければ、今度は彼らがわたしから目を逸らした。
・・・・・・どうやら自分達にも一因がある自覚は持ち合わせていたらしい。
「流石は奈月様とアルコバレーノ、リボーンですね。」
「その通り。此度のフィールドは、遮蔽物が多いだけではありません。」
プリーモファミリーとリボーンの教育により完全に一般人から逸脱していることに肩をすくめていると、チェルベッロから遮蔽物が多いだけのフィールドではないと告げられる。
同時に何やら辺りにはガタガタと言う音が広がり、大きな音を立てて目の前を強風と同時に室内にあったはずの机などが横切る。
「・・・・・・これ、一応争奪戦終ったあと直してもらえますよね?」
「いや、姫が気にすんのそっち?」
「そこそこ建設に金銭がかかったもので。」
「金銭がかかってるのなら気にするのも仕方ないね。僕だって気にするよ。」
「ゔお゛ぉい!!テメェらの会話聞いてると力抜けるからやめろ!!」
ボソッと気になってしまったことを口にすると同時に、辺りにはツッコミと同意と呆れが交錯する。
プリーモファミリーから相変わらずなことしてると言わんばかりの眼差しを向けられるが、気にすることなくチェルベッロに視線を向けてみれば、彼女達は静かに頷いた。
「ご安心ください、奈月様。こちらの建物の名義はキャバッローネファミリーに属するラウル様の物でしたので、争奪戦が終了した後は我々が責任をもって修繕いたします。」
「金銭の方も全てこちらの方で持ちますので、此度のフィールド改装をご了承ください。」
「あ、ここラウルさんの名義なんだ・・・・・・。何人もの人がいろんなところに名義貸してくれてるから把握できてなかった・・・・・・。」
「だから、テメェの人脈どうなってんだぁ!?」
スクアーロさんのツッコミを聞き、わたしは少しだけ無言になる。
えーっと、わたしの人脈は・・・・・・うん・・・・・・。
「・・・・・・マフィアの関係者である人脈は、正直言って説明が難しいくらいにはあります。
どうも私は、マフィアの人に好かれやすいみたいなので。リボーンの仲介で巡り合わせたものもあれば、いつの間にか繋がりを得ることになってしまったものもありますね。」
「・・・・・・お前、逆に生きにくくねーか、それ?」
「・・・・・・言わないでもらえません?」
ていうか、好かれやすいって言葉にはおたくんところの王子様も含まれているからね?と思わず愚痴りそうになりながらも、チェルベッロに視線を戻す。
わたしの視線に気づいたチェルベッロは、わたしの視線の意味に気づくなり、小さく頷いて口を開いた。
「此度の争奪戦のフィールドには、ハリケーンタービンが仕掛けらております。実物はこちらにあります。」
そう言って1人のチェルベッロが台車に乗せた台形の機械を持ってくる。
随分と大きな機械だと思いながら見つめていると、隼人がハリケーンタービンと言う言葉を復唱した。
「ハリケーンタービンには噴き出し口が4つあり、四方向にランダムに超強力な突風を発生させる嵐の装置です。」
「・・・・・・まともに食らっていいような風ではありませんね。」
「ああ・・・・・・。あのような風を受けてしまったら、誰であっても外に吹き飛ばされるぞ!!」
「メチャクチャだぜ・・・・・・」
わたしの言葉を聞き、武と了平さんが声音に少しの焦りを混ぜる。
わたしはと言うと、先程の突風に関しては何も感じていない・・・・・・が、別の嫌な予感が胸をよぎっていた。
おそらく、今回の争奪戦・・・・・・1番警戒しなくてはいけないのは風じゃない。
『・・・・・・ナツキ。お前も気づいているんじゃないか?今回、何を1番警戒しなくてはならないのかを。』
そう思っていると、ジョットさんがわたしの側に歩み寄り、静かに質問を口にしてきた。
その質問に対し、わたしは静かに頷き返す。
「・・・・・・今回、1番の問題は風じゃない。」
「「「!!?」」」
わたしの言葉を聞き、隼人達が驚いたような表情を見せてこちら側へと視線を向ける。
一体何を警戒しなくてはならないのか・・・・・・3人の表情から、その疑問を感じ取りながらも、わたしはチェルベッロに視線を向ける。
「・・・・・・今回のフィールド。風だけが問題ではありませんね?一体、何を仕掛けたのですか、チェルベッロ?」
静かに問いかけた言葉に、チェルベッロは少しの間無言になる。
しかし、その無言をしばらく続けた彼女達は、程なくして口を開いた。
「流石です。はい。此度の争奪戦には、時間制限を設けてあります。」
「試合開始から15分後に、嵐の守護者のどちらかが嵐のリングを完成し、所持しなければ、ハリケーンタービンに仕掛けられた時限爆弾が順次爆発し、この階を全壊にします。」
「な!?」
「それでは勝負がつかなければ・・・・・・!!」
「・・・・・・どちらも死ぬことが確定する・・・・・・と言うことですかね。守護者諸共指輪を破壊するとは・・・・・・この流れを考えた大元は、一体何を考えているのやら・・・・・・」
あまりにも酷い流れを作り上げたであろうXANXUSさんを脳裏に浮かべながら、わたしはその場で溜め息を吐く。
同時に感じ取る背後の複数の殺気に、少しだけ気分を悪くしながらも、片手でジョットさんのマントを掴んだ。
「・・・・・・気持ちはわかりますが、皆さんの殺気はわたしとリボーンにしかわかりませんし、この流れを見守るくらいしかできませんよ・・・・・・。だから、殺気を抑えてください。」
『・・・・・・すまない、ナツキ。』
わたしの言葉を聞き、ジョットさん達の殺気が緩くなる。そのことに軽くホッとしていると、ふらりと体がふらついた。
「!?ナツ!!」
「「「「!!?」」」」
ふらついたわたしに気づいたリボーンが、わたしの体を抱き止める。
そのまま彼に寄りかかりながら、体に走る寒気に体を震わせた。
流石に・・・・・・プリーモファミリーの殺気を一身に感じ取る状況に置かれると言うのは、わたしであっても厳しいようだ・・・・・・。
「・・・・・・お前ら・・・・・・殺気立つのはわかるが状況を考えろ・・・・・・!!」
ドスの利いた声で、リボーンがプリーモファミリーに声をかける。
プリーモファミリーもわたしの様子が自分達の殺気に当てられたことにより発生したものであることを自覚しているのか、その表情を歪めたのち、口々に謝罪をして姿を消した。
・・・・・・Dさんだけはわたしの側に残したままで。
『・・・・・・ナツキ。すぐに気分を楽にしてあげます。・・・・・・早めに、精神をリンクさせておいた方がよかったですね。申し訳ありません。』
「・・・・・・・・・。」
謝罪の言葉を口にするDさんに、小さく頷き返せば、彼はその表情を歪めながらもわたしの精神に自身の精神をリンクさせる。
隼人達から心配するような眼差しを受ける中、静かに顔を上げれば、チェルベッロがいつの間にか近寄ってきていた。
「・・・・・・大丈夫ですか、奈月様。」
「気分がすぐれないようでしたらいつでも言ってください。すぐに休めるように準備します。」
「・・・・・・・・・ありがとう・・・・・・ございます・・・・・・。」
覆面のせいで感情が読み取りにくくはなっているが、声音からして純粋に心配されていることは把握できたために、わたしは静かに言葉を返す。
体調がすぐれない・・・・・・確かに、状況としては間違いない。始まりの大空達の確かな怒りと確かな殺気は、かなり体の負担となり、その疲労がわたしを押し潰すかのように降り注ぐ。
彼らの性格からして、このような状況にファミリーを立たされていると言うのは、我慢ならないものであろうとわかっていたし、殺気立つ気持ちもわかっていた。
それに、彼らはわたしのことを大切にしてくれると同時に、わたしのファミリーも大切にしてくれている。
わたしにとって必要な人達が誰かを理解しているからこそ、わたしを想ってくれると同時に彼らのことも想ってくれている。
それゆえのさっきの反応であることを知っているため、不快感はない。ない・・・・・・けれど・・・・・・
─────・・・・・・流石に、最強と謳われたプリーモファミリーの殺気は、わたしもかなり怖かったかな・・・・・・。
そんなことを思いながら、ゆっくりとわたしは姿勢を戻す。
Dさんの精神状態がリンクされると同時に流れ込み、わたしの感覚を塗りつぶしてくれたおかげで、先程の底冷えするような恐怖心は失われていた。
「・・・・・・もう、大丈夫です。話を進めてください。」
「・・・・・・わかりました。」
わたしの言葉を聞き、チェルベッロは小さく頷き持ち場へと戻る。
それと入れ替わるようにして、いつの間にか近寄ってきていたベルが、わたしの目の前にやってきた。
「な!?」
「・・・・・・何の用だ、ベルフェゴール。」
隼人の隣をすり抜けるようにやってきたベルに隼人が驚いたような声を漏らし、リボーンが冷静に、だけどわずかな殺気を滲ませながら、わたしのことを庇うように抱き寄せた。
「・・・・・・本当に大丈夫なわけ?姫。さっき、明らかにフラついてたじゃん。」
ベルはそんなリボーンのことなど気にすることなく、わたしの方へと手を伸ばす。
彼が触れたのはわたしの額で、続けるように首元にも手の甲を触れさせる。
「熱・・・・・・はないっぽい?顔色は・・・・・・あー・・・・・・なんかいつもより悪いっぽい?結構真っ青じゃん。」
こっちの顔を覗きこむようにして、ベルがわたしの視線を合わせる。
その際、前髪の隙間から見えた瞳は、どことなく涼やかで、だけど、わたしに対する確かな心配が宿っていた。
「勝敗諸々は今置いとくとして、姫。やばいんならちゃんとチェルベッロに言った方がいいぜ?流石に王子も姫がぶっ倒れる姿見たら動揺する自信しかねーし、姫の守護者もかなり焦るっしょ?
こっちのボスも見にきてねーし、場合によっては帰ることも考えた方がいいと思うぜ?」
「・・・・・・・・・」
「無言・・・・・・ね。まぁ、別にいいけど。今回の争奪戦、見るんだったらせめてなんかに座らせてもらったら?
多分、チェルベッロならすぐに椅子とか用意してくれるぜ?」
「椅子ならばこちらにあります。もし、残るようでしたら言ってください。」
「だとさ。」
いつもの調子で言葉を紡いでくるベルと、ベルの言葉に反応するように椅子を持ってきているチェルベッロ。
2人の様子を交互に見たあと、ベルに固定するように目を向ければ、彼はこっちを見ながら小さく笑って首を傾げた。
「・・・・・・なんで、敵を心配するの、ベル。」
「!」
そんなベルを見つめながら、わたしは静かに問いかけた。
弱い奴は殺すが信条で、敵対者にも容赦しない・・・・・・そんなヴァリアーに属しているくせに、わたしに対して心配したり、気遣おうとするベルには疑問しか残らない。
わたしの言葉を聞いたベルが驚いたような様子を見せる。だけど彼はすぐに笑い、わたしの耳に何かをつける。
「・・・・・・姫のことが気に入ったし、姫のことが好きになったから。まぁ、残るなら大人しく座ってろって。ぜーんぶ終わらせて、王子が姫のこと迎えに行ってやるから。」
そう言って彼はわたしの耳から手を離し、先程までいた場所に戻っていく。
同時にわたしは、自身の耳元で何かが揺れたことに気づく。指で触れて、それを確認してみれば、何かをモチーフにしたらしいイヤリングが取り付けられていた。
沢田 奈月
プリーモファミリーの殺気にフラついてしまった貝の女王。
そんな自分を心配するベルフェゴールに、どうしてそこまで気にするのかと問いかけたら、彼から一つの言葉を告げられた。
リボーン
プリーモファミリーの殺気に当てられ、ふらついた奈月を咄嗟にに受け止め、状況を考えろと彼らにキレた最強のヒットマン。
倒れそうになった奈月に声をかけたベルフェゴールが告げた言葉に、やっぱり引っかけたのかと溜め息を吐きたくなる。
ベルフェゴール
何らかの原因でフラついた奈月を純粋に心配して近寄った嵐の王子。
どうしてそこまで心配するんだと彼女に問われ、一つの答えをその場で紡ぐ。