最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 女王の嵐の攻撃を喰らった憤怒の王の嵐。
 このまま決着がつけばと周りは望むが、現実が上手くいくはずもなく・・・・・・



VS.嵐の守護者 Ⅲ

 爆煙によりベルの姿は見えなくなり、辺りに緊張が走る。

 

「・・・・・・やったのか?」

 

「見た感じ、直撃はしていたし、大ダメージはまぬがれねーとは思いますけど・・・・・・」

 

 相変わらず強風が吹き抜け、物も度々飛ばされていく中、武と了平さんの2人は、ベルのダメージは軽くないはずだと話し合う。

 わたしもそれには同意できるし、あれ程の爆発を一身に受けたのだから、気絶してもおかしくないと考えているところもある。

 しかし、どうやらわたしの超直感・・・・・・プリーモの声だけは警告を出しており、争いはまだ終わっていないと告げてくるようだった。

 

 自身に発生する嫌な予感。一体何がそれを感じさせるのか確かめるために、モニターを食い入るように見つめていると複数の裂傷が見えなくなったベルの付近に発生する。

 

「うしししししし!!」

 

 驚いてベルが確認できるモニターに視線を向ければ、同時に消える笑い声。

 しかし、それは明らかに普段のベルとは違う寒気を感じさせるようなもので、いつものからかい混じりの声ではなく、純粋さが表に出たような声音だった。

 

「あぁあ゛〜〜っ!!流しちゃったよ〜・・・・・・王族の血を〜〜〜!!!」

 

 煙が晴れた瞬間、モニターに映り込んだのは、どこか狂乱し、同時に狂喜している様子のベルの姿だった。

 思わず、「ベル・・・・・・?」と小さく呟くが、様々な音により賑やかになっている戦場にいる彼の耳にわたしの声が届くはずもなく、彼は自身の血を見て無邪気に笑っている。

 

「何が起こって・・・・・・奈月ちゃん。何かアイツのこと聞いてねーのか?」

 

「・・・・・・それが、私にもわからず・・・・・・。確かに、ベルは度々こっちにちょっかいをかけてきていましたし、話しかけたりもしてきましたが、詳しいことは・・・・・・」

 

 そこまで口にして、わたしはふとあることを思い出す。

 それは、ベルがヴァリアーに入る前に引き起こした一つの殺人。彼は、自身の双子の兄を、ゴキブリと間違えて殺してしまった・・・・・・と言っていたが・・・・・・

 

「いや・・・・・・まさか、そんなこと・・・・・・でも、可能性としては・・・・・・」

 

 一瞬だけ脳裏に過った答えを、わたしはすぐに否定する。しかし、一度過った可能性は、そう簡単に消えてはくれず、そんなはずはないと口にする。

 

「奈月ちゃん?」

 

「どうした、ナツ。まさか、何か知ってるのか?」

 

 そんなわたしの呟きを聞いた、シャマル先生と武が静かに反応し、何があったと聞いてきた。

 了平さんもわたしが何かを知っていると思ったのか、自然と視線を向けてくる。

 リボーンだけは、何かを考え込むようにベルが映るモニターを見つめていた。

 

「・・・・・・ベルフェゴールはかつて、自身の身内である双子の兄を殺害しています。

 当本人は、ゴキブリがいたと思って間違えて殺したと言っていましたが、正直、少しだけ怪しいと思っていて・・・・・・。

 だって、実の兄をゴキブリと間違えると思いますか?人とゴキブリは見た目は全く違いますし、サイズだって違います。

 それに、ベルフェゴールの髪は金髪です。双子であるならば、その兄も金髪だった可能性が大いにありますし、色合いも全然違いますよね?

 ・・・・・・もしかしたらベルフェゴールは、何らかの要因で双子の兄を自らの手で殺害したのかもしれません。」

 

「「「!!?」」」

 

 とりあえず、わたしは自身がベルから聞いた話を口をしながら、怪しい点があることを口にする。

 初めて話を聞いた時は、あまり深く言及しない方がいいと判断した上、ベル自身も本当の話をする様子はなかったためスルーしたが、話としてはあまりにもおかし過ぎるのは明確だった。

 

「・・・・・・なるほどな。それなら、一つの仮説を挙げることができる。」

 

 一体、親族殺しの原因となったものは何なのか・・・・・・少しだけ考え込むように思考を巡らせていると、リボーンが静かな声で言葉を紡いだ。

 リボーンの方に視線を向けてみると、彼は真っ直ぐとモニターを見つめたままで、こちらに視線は向けてこない。

 だが、口元は休むことなく動きを見せる。

 

「一度、ヴァリアーを神谷と一緒に少し調べたんだが、その際、ベルフェゴールとその兄弟だったラジエルと言う男は仲が悪かったと言う話が複数出てきた。

 深掘りしていくと、相当関係は悪かったようでな。王族であり、尚且つほぼ同時に生まれたと言う現状から、王位の継承権問題や、意見の食い違い、ほぼ同時に生まれたからこそ発生する諸々の衝突要因がかなりあったらしい。

 この話からして、双子の兄であるラジエルを自らの手で殺害した可能性は十分あるし、ベルフェゴールの親族がそれを責め立て、鬱陶しいと言う理由から、ベルフェゴールがさらに手をかけた可能性がある。

 そして、自らの手で邪魔な兄を葬った結果、一つの達成感や、鬱陶しい存在を消すことができた悦びにより快感を得たのだとしたら、その衝動を忘れられず、暗殺部隊に入ることを考えるに至る・・・・・・と言う流れがあってもおかしくない。」

 

 リボーンがあげた可能性の話に、武と了平さんが目を丸くして固まる。

 シャマル先生は、「だとしたらとんでもねーイカれ野郎だな・・・・・・」と小さく呟き、その表情を歪めた。

 

「あくまで仮説ではあるが、血を流した自身にかつて自らの手で葬った双子の兄の姿を幻視し、普段は抑えられている衝動のタガが外れ、今の狂乱状態に陥る・・・・・・と言う説を挙げることができる。

 まぁ、真実はあの暴走王族しかわからねーと思うが、話を聞きたいとは思えねーな。」

 

 リボーンの言葉に同意しながら、わたしは静かにモニターを見る。

 そこにいるベルは、未だに楽しげに笑っており、隼人は無邪気に笑っているベルの姿に困惑した様子を見せていた。

 

「あはあ゛ぁ〜〜〜!ドクドクが止まんないよぉ〜〜〜っ」

 

 度々聞こえてくるベルの声に、少しだけ表情を歪める。

 本当に、今の彼の声は無邪気な子供のそれで、いつもの飄々としていながらもどことなく落ち着いているものではなくなっているようだ。

 そんなことを思いながら、わたしは隼人に目を向ける。彼は、ベルの異常性に冷や汗をかきながらも、自身の手元にあるロケットボムをベルに投げつけた。

 しかし、ベルは自身に向かってくるボムを見ても目立つような回避行動を取ろうとしない。

 何を考えている?その疑問は、すぐにベル本人が答えとして出してきた。

 

 プリーモファミリーと呪解状態のリボーンにより訓練をつけられたせいか、自身の動体視力はすでに、一般の人間を超えていた。

 それによりモニター越しで見えたものは、ベルが自身に当たりそうになっていた内側のロケットボムの導火線を切ることによりその火を消し、外側にあったロケットボムを小さい動きだけで躱して、背後で起こった爆発により発生した爆風を利用して素早く隼人に距離を詰める姿だった。

 

「内側のボムの導火線を素早く切断して鎮火・・・・・・同時に外側のボムが着弾することにより発生する爆風を利用して前進ですか・・・・・・。」

 

「な!?あれが見えたのかナツ!?」

 

「極限にわからなかったぞ!?」

 

「・・・・・・奈月ちゃんが言ったのは正解だが、この子、元は一般人だよな?リボーン?」

 

「CHAOSだな。誰がナツに訓練をつけてると思ってんだ?オレだぞ?」

 

「正確にはリボーンと私の秘密の友人ですがね。まぁ、友人はリボーンにしか会わせてませんけど。

 ・・・・・・リボーンに訓練をつけられた結果、彼の合図に合わせれば彼の早撃ちに合わせて自分も早撃ちができると言う特技を得てしまったのですが、これってこれから先活用する場面はあるのでしょうか?

 マフィアランドの一件の時は使用することで相手側の撹乱を図ることができましたが・・・・・・」

 

「・・・・・・リボーン・・・・・・なんつーもん奈月ちゃんに教えてんだよ。」

 

「羨ましいだろ。やろうと思えば、ナツと一緒に天下を取れるぞ、オレは。」

 

 わたしのすぐ側で軽く自慢話をするリボーンを横目に、先程のベルの回避技術を脳内で反芻する。

 瞬時にボムの軌道を読み抜き、内側のボムの導火線の鎮火を行った上で、残りのボムの爆風を利用し、機動力の底上げに使う・・・・・・瞬時に行動に移ることを可能にする分析力と判断力に、短くなっているはずの導火線の切断するための反射神経と、切る必要がないボムの軌道を最小限の動きで回避する反射神経をフルに活用しながら、複数の行動を一瞬にして行わなくてはならないこの回避技術はかなりの技量が必要になる。

 しかし、それが成功してしまえばあとは一気に攻めに転じることができるため、隙はかなり少ない。

 あれだけのダメージを負っていても、この身のこなしができるとは・・・・・・やはり、ベルは戦闘においてかなりの才覚を持ち合わせているようだ。

 流石は天才と言うべきか・・・・・・そんなことを思いながら、モニターを見つめる。

 

 自身が投げたボムにより発生した爆風を利用され、距離を一気に詰められた隼人は、すかさずその場で後退する。

 そんな隼人に対してベルは、自身の手元に持ち合わせていたナイフを勢いよく投擲した。

 投げられたナイフはハリケーンタービンによる風に煽られ、その場で曲がり、隼人自身に掠りはしなかった。

 だが、程なくして隼人の顔に複数の裂傷が発生する。

 

「「!!?」」

 

「どーなってやがんだ!?ナイフは当たってねーはずぞ!?」

 

 回避したはずなのに発生した裂傷に、隼人が軽くパニックになる。

 しかし、すぐに自身にナイフを届かせることができる距離にまで来たベルに気づいては、指で弾くことができるサイズの小さなボムを自分とベルの間にあるわずかな距離に挟み込むことで、自身が爆発に巻き込まれようとも御構い無しの迎撃を行う。

 

「・・・・・・今のは・・・・・・・・・。」

 

 そんな中わたしは、一瞬だけ見えたあるものに気づき、小さく言葉を漏らす。

 

「!?ナツ!まさか相手が何をして獄寺にダメージ与えたのか気づいたのか!?」

 

「何が起こったんだ!?オレ達では極限にわからんぞ!?」

 

 すると、武と了平さんの2人がすかさず反応を示した。

 今の攻撃が見えたのか・・・・・・その質問に対し、わたしは少しだけ考え込む。

 ベルが使用するのはナイフとワイヤー・・・・・・それさえわかっていれば、辿り着ける答えだし、実際に使われているのは今脳裏にあるこの技術で間違いないだろう。

 

「ベルフェゴールが持ち合わせている武器が、ナイフとワイヤーの2つで全部だというのであれば、使用可能な技術が一つあります。多分、ほぼ答えはこれで間違い無いでしょう。」

 

 武と了平さんの言葉に、ほぼこの技術で間違いないといえるものが一つあることを告げる。

 ただ、一瞬だけ見えただけに過ぎず、本当にこれであっているのかまではわからない。

 しかし、考えられる技術はこれだけで、他の技術までは思いつかない。

 

「一体どんな技術が使われてんだ!?」

 

「ほぼ間違いないというのであれば教えてくれ!!」

 

 2人の疑問に対し、考え込むように黙り込む。

 考えられる技術は一つしかない。ならば、教えてもいいと思うのだが・・・・・・。

 そこまで考えて、わたしはリボーンに視線を向ける。これは、話してもいい内容であるか聞くために。

 

「・・・・・・ヒントはベルフェゴールの武器だ。あとは自分で考えろ。いつまでもボスばっか頼ってんじゃねーぞ。」

 

「「!?」」

 

「・・・・・・まぁ、リボーンの言う通りだわな。確かに、奈月ちゃんは能力が高いし、頼りたくなる気持ちはわかるけどな?

 自分達でもこれくらいの判断や分析はできるようになっとかねーと、奈月ちゃんの指示ばかりに頼りっきりのファミリーにしかならねーぞ。」

 

「お前らはナツに負担をかけることしかできねー部下に成り下がる気か?だったら指輪をさっさとナツに返してファミリーから出ていけ。

 ナツにばかり何もかもやらせるような部下は、ナツのファミリーにはいらねーからな。」

 

「「っ・・・・・・」」

 

 すると、リボーンは武と了平さんに吐き捨てるように突き放す言葉を返す。

 シャマル先生もリボーンと同じ意見だったらしく、これ以上わたしを頼るのはやめるように咎めた。

 いつのまにか頼り切りになっている・・・・・・2人の指摘を聞いたからか、武と了平さんは黙り込んだ。

 

「ナツも、これ以上質問をされても少し考えればわかることならば無視していい。

 いつまでも教えてやるような優しさは必要ねーからな。時には厳しく突き放すことも大事だと頭に入れておけ。

 ライオンの親が、自分の子供を崖の下に突き落とすのと同じことだ。いつまでも甘やかしていたら、甘っちょろい考えを持ち合わせている部下にしか育たねーからな。わかったか?」

 

「・・・・・・わかりました。これ以上の質問には答えないことにします。ベルフェゴールが使う攻撃のギミックは、武器さえ分かっていれば簡単に辿り着ける答えですからね。」

 

「良い子だ。また、新たな学びを得たな。」

 

 わたしの言葉を聞き、リボーンは小さく笑みを浮かべ、わたしの頭を優しく撫でる。

 大人しく頭を撫でられながら、モニターに視線を向け、ベルから距離を取るために見えにくい武器による裂傷を受けながらも移動する隼人の姿を見つめた。

 

 吹き荒れる風の中、残り時間は6分であることを知らせる無機質なアナウンスだけがハッキリと聞こえていた。

 

 

 

 

 




 沢田 奈月
 リボーンとプリーモファミリーの手により、動体視力も分析能力も引き上げられてしまった貝の女王。
 時には答えず自ら考えさせることもボスのやるべきことであるとリボーンに教えられ、素直にその話を聞き入れる。

 リボーン
 実は貝の女王が自分と同じ早撃ちができるようになったことはかなりの自慢であり、彼女となら天下も取れそうだと思っている最強ヒットマン。
 沢山の疑問を次々と教えてしまう彼女を見て、時にはファミリーを突き放す厳しさも必要であることを告げ、その行動を少しだけ咎めた。

 Dr.シャマル
 もはや女王様の成長が止まらねーと軽く呆れていたトライデント。
 リボーンと同じく、何もかも教えるだけではファミリーの成長に繋がらないと考えているため、少し考えればわかることくらいは自分で考えろと女王の守護者を咎めた。

 獄寺 隼人
 暴走したベルフェゴール相手にかなり焦りを抱いている女王の嵐の守護者。
 攻撃に使われているギミックを紐解くため回避しながら思考を回す。

 ベルフェゴール
 ボムの直撃により出血し、暴走状態に陥る憤怒の王の嵐の守護者。
 この状態の彼に、女王の声は届かない。

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