最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 嵐の守護者の戦いは佳境に向かう。
 最後に継承の証をその手に収めるのは・・・・・・


 次回の話から試験的に予約投稿を利用していきます。
 次回の話は、木曜日20:00に。それから先は、月曜日と木曜日の週2回、20:00に更新されます。
 一次創作と言う新しい試みに少しだけ挑戦するので、その分更新頻度を落とすことをお知らせいたします。


VS.嵐の守護者 Ⅳ

 武と了平さんに思考に必要なヒントだけを与え、あとは自らの頭で考えさせる・・・・・・リボーンに言われたことを一つの反省とし、頭の中に入れたわたしは、争いが激化するモニターの先を見つめた。

 

 小型のボムに巻き込まれたベルは、大量に出血する中無邪気に笑ったまま、次々と見えにくい刃で隼人に攻撃を行い続ける。

 対する隼人は一本の廊下に入り込み、その先にある出入口が一つしかない部屋に入り込んだ。

 その部屋は、資料室のような作りとなっている部屋で、並盛中学校の図書室を参考に作った部屋。

 もしも、一箇所しか出入口がない場所があり、そこで戦闘をすることになったらと言う想定の元用意したものである。

 大量の本棚が存在し、かなり入り組んだ構造となっているそこで、隼人は出入口を真っ直ぐと見据えていた。

 

「・・・・・・隼人、どうやら勝負に出ようとしているようですね。」

 

「ああ。さて、アイツはどうやって攻略するだろうな。自分を襲ってくる、見えない刃を・・・・・・」

 

 リボーンの言葉に小さく頷きながら、隼人が映るモニターを見つめる。

 すると、ベルの笑い声と同時に、複数のナイフが部屋の中に入り込む。

同時に、廊下の方にいたベルが部屋にあった窓から飛び込むようにして姿を現した。

 

「飛んだな!!食いやがれ!!」

 

 それを見計らったように、隼人がロケットボムを取り出し、ベルの方へと投擲する。

 しかし、飛んできたボムを見るなり、ベルは口元に笑みを浮かべ、その手を素早く動かす。

 同時に隼人が投げつけたロケットボムは、不自然な切り口を作りながら失速した。

 

「・・・・・・ああ、やっぱりそう言うことですか。」

 

「だな。仮説としてあげておいた技術がどうやら当たったらしい。」

 

 それによりようやく、わたしは今回の見えない斬撃についての答えを得る。

 予想通り・・・・・・と言えるが、やはり、ベルの武器はナイフとワイヤーの二種類で間違いないようだ。

 リボーンも考えていたことは同じだったようで、肩をすくめる。あとは、隼人がこの答えに気づくかどうかだ。

 モニターに映る隼人に目を向けながら、わたしは少しだけ目を細める。モニター越しに見える隼人は、違和感に気づいているようで、状況を見極めようと頭を回しているようだった。

 

「反撃開始ぃ〜〜っ!!」

 

 しかし、答えを把握する前に、ベルがナイフを投げてきたせいで、彼はダメージを受けてしまう。

 すぐに遮蔽物となる本棚などを利用して少しでも狙いを崩そうとしているようだが、ベルの攻撃のギミックは、的確に隼人を狙っている。

 そんな中、隼人は一瞬何かに気づいたような表情を見せては、斬られて火薬が漏れ出すボムを持ち、資料室を走り回る。

 ベルはと言うと、その間もナイフの投擲を繰り返しながら、まるで狩りをする狡猾な獣のように、隼人を追い詰めるため画策しているようだ。

 

「・・・・・・どうやら、隼人も気づいたみたいですね。自分の周りに張り巡らされていた策の数々に。」

 

「え!?」

 

「何だと!?」

 

 小さく呟いたわたしに、武と了平さんが反応を示した。彼らはまだベルがどのようなものを武器として扱っていたのか、どのようにして、ナイフが当たってないのに裂傷を作り上げていたのかに気づいてないようだ。

 

「・・・・・・私は教えませんよ?リボーンにも止められていますしね。それにしても、あのように策を張り巡らせるとは・・・・・・。

 様々な計算が施されている罠の数々や、見え難い攻撃による初見殺し・・・・・・あのように負傷していながらも罠を張り巡らせ、遊ぶように追い詰めていけることができるとなると、ベルがヴァリアーの中でも戦闘能力が高い天才だと言われる理由も納得ができます。

 ボムとはまた別の枠で厄介と言いましょうか・・・・・・彼もまた、地理を利用して狩場を有利に運べるタイプのようですね。」

 

「確かにな。タネさえわかっちまえば躱すことも可能だが、洗練された攻撃の数々の中でさらに頭を使わされるとなると、まぁ、一筋縄にはならねーだろうな。」

 

「まぁ、それでもリボーンは余裕で先手を打つどころか、そもそも罠すら張り巡らせることなくサクッと終わらしているでしょうけど。」

 

「CHAOSだな。何当たり前なことを言ってやがる。むしろ、姿すら見せることなく先手を打って始末することくらいできるぞオレは。」

 

「流石は最強の凄腕ヒットマンですね。」

 

 ギミックを知りたいと言わんばかりの様子を見せる2人に、答えを教えることなくリボーンと言葉を交わす。

 わたしだと・・・・・・まぁ、超直感をフルで使えばすぐに罠を見抜けるとは思うが、多少なりとも時間はかかりそうだ。

 

 そんなことを考えていると、出来上がりと言う無邪気で残虐な言葉が聞こえてくる。

 すぐに視線をモニターへと向けてみると、そこには足を止めて自身の視線を動かす隼人の姿が映り込んだ。

 

「獄寺!?」

 

「立ち止まっていては極限に危ないではないか!!何をしている獄寺!?」

 

 モニターに映る隼人の姿に、武と了平さんが慌てたように声を漏らす。

 そんな2人に視線を向けたわたしは、静かにリボーンに視線を移動させる。

 わたしの視線の意図に気づいたらしいリボーンは、溜め息を一つだけ吐き、モニターを指差した。

 

「・・・・・・これくらいは見抜けるようになっとけ。今回は特別に教えてやるが、次からはちゃんと自分で戦況や戦術を見抜けるようになるんだな。

 ベルフェゴールの武器は、ナイフとワイヤーだとナツが言っただろ。それを組み合わせれば今回の戦略が可能なる。

 まず、ベルフェゴールが狂乱状態に陥った時、ナイフが獄寺に触れてないのに獄寺がダメージを受けただろ?

 それは、投擲されたナイフの柄の部分に括り付けていたワイヤーが、風による軌道修正が入り、獄寺側に寄ったことで発生したものだ。

 ナイフと自分のいる場所の間にある鋭利なワイヤーが、軌道の変化で切断機になった・・・・・・それがナイフが当たってないのに裂傷を受けた原因だ。」

 

「次に、壁にワイヤーが後ろについたナイフを投げつけ、突き刺すことによりワイヤーが張り巡らされたら、今度はそれが切断機となります。

 書類室に入る時、ベルフェゴールが外側からナイフを投げましたよね?それは、こちらの設置型ワイヤートラップを設置するためのものだった。

 書類室に入ってベルフェゴールを迎え撃とうとした隼人の手元にあるボムが切り刻まれたのはこちらの方になりますね。」

 

「「!?」」

 

 わたしとリボーンの言葉に、武と了平さんが目を見開く。一部始終を聞いていたシャマル先生は、それらを全て聞いたのち、深い溜め息を吐くと同時に、表情を曇らせた。

 

「イコール、“プリンス・ザ・リッパー”が使用する武器はナイフではなく、ナイフとワイヤーの二刀流。

 ワイヤーがあまりにも見え難いため、長期間耐え抜けば見抜けるギミックではあるが、初見だと完全な初見殺しになる武器ってこった。」

 

「隼人が動けなくなったのは、自身の周りにワイヤーが大量に張り巡らされていることがわかったため、動こうにも動けない状態に陥っている・・・・・・と言うことになりますね。

 隼人の頭であれば、早い段階でワイヤーも切断武器であると見抜くことができていたでしょうし、あそこまでダメージを受けることもなかったと思いますが、狂乱状態に陥っているベルフェゴールや、当たっていないはずなのに裂傷が入ったことに対する動揺により、その判断が鈍った。

 結果、今回のかなりのダメージに繋がってしまったとも言えるかもしれませんね。

 まぁ、誰だってまさか自分の血を見て狂乱状態になり、攻撃力や戦略戦が強化されるとは思いませんからね。隼人に落ち度はありません。」

 

 そこまで告げたわたしは、モニターに視線を向ける。わたし達の説明に、武と了平さんが明確に焦りを見せる様子があったが、わたしは冷静なままだった。

 Dさんの影響・・・・・・も、もちろんあると思うが、それ以上に、隼人がすでに敷いている戦略により、今の状況を覆すと信じていたために。

 

「ししししっ!おっしまーい!」

 

 ベルがモニターの向こうで楽しげに笑い、隼人にとどめを刺そうと動く。

 しかし、絶体絶命と言う状況でありながらも、隼人の目には鋭い光が宿っていた。

 

「・・・・・・お前がな。」

 

 同時に呟かれたのは冷静でありながらも頼もしい声音の言葉で、彼は自身の手元から何かを地面に落とした。

 よく見るとそれは、隼人がタバコを吸っていた時に使っていたと思わしきジッポーで、揺らめく炎を灯しながら地面に落下すると同時に、地面に落ちている火薬に火を灯していた。

 

「床に火薬だと!?」

 

「獄寺のヤツ!!相手の攻撃の秘密に気づいたのか!!」

 

「それくらいできなくては意味がないでしょうに・・・・・・。自分の大切な家族や友人が窮地に陥った時、お二人は自分で判断を出せないまま手遅れにするつもりですか?」

 

「「ゔ・・・・・・」」

 

「・・・・・・まぁ、今回は答えを教え過ぎていた私にも非はありますから強く咎めませんが、少しは自分で考えてください。

 ずっと、私が側で指示を出すことができるとは限らないのですから。」

 

 少しだけ気まずそうな様子を見せる武と了平さんに軽く注意をしたわたしは、再びモニターに視線を向ける。

 床に広がる火薬を導火線の代わりとし、近場にあった書棚へと灯された火を届けた瞬間、その場で大きな爆発音が響き渡る。

 

「たわんだ糸じゃ切れねーぜ。そして、このボムの行き先は・・・・・・!!」

 

 手元に取り出したロケットボムに、フックのようなものを取り付けた隼人が、残っているワイヤーにそれを引っ掛け、勢いよくベルへと投げつける。

 最初のベルが使っていた、ワイヤーをレールの代わりにして攻撃を当てる方法と全く同じ方法で放たれたそれは、推進用火薬の助けもあってか、かなりのスピードでベルへと飛んでいく。

 血を流した状態で戦っていたベルは、それを躱すまでの気力は残っていないのか、動けぬままボムをまともに食らう。

 

「これが、嵐の守護者の怒涛の攻めだぜ。」

 

 煙が目の前で立ち上る中、隼人は新たなロケットボムにも火を灯し、それをベルに向かって投擲する。

 追い討ちに飛ばされたボムはしっかりとベルを捉え、そのまま彼に直撃した。

 ひときわ大きな爆発が発生し、隼人はその身で爆風を浴びる。

 

「す、すげー・・・・・・!!」

 

「極限に決まったな!!」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 モニターを見た武と了平さんが喜びを含んだ声を漏らす中、わたしは無言だけを返した。

 これだけの爆発をその身に浴びては、きっとベルも無事では済まない。命までは奪われてなくても、かなりのダメージを受けているのは確実だ。

 それに対して、思わないことがない・・・・・・と言えば嘘になる。彼とは短い付き合いではあるが、一緒に過ごすことや、話すことに対しては抵抗がなくなるくらいには、心を許せた人だった。

 ・・・・・・なんとも複雑な気分である。

 

「・・・・・・奈月ちゃん・・・。」

 

「・・・・・・今は少しだけそっとしてやれ。それなりに、ナツはあいつに思うところがあるがあるみてーだからな。」

 

「・・・・・・そうだな。」

 

 リボーンとシャマル先生の話し声が聞こえる中、わたしは静かにモニターを見つめた。

 爆発による黒煙が晴れると同時に見えたベルは、完全に気絶しているのか、仰向けになってて動かない。

 

 

 




嵐の守護者同士の対決を最後まで見届けた貝の女王。
 ベルに対して思うところはあるが、自身についてこようとしている獄寺を側に置くことを決めているため、リングをベルに渡して戻ってくるように命じる。
 ベルと獄寺を天秤にかけらた場合、迷うことなく獄寺を優先する。

 獄寺 隼人
 もつれ合いのリングの取り合いになったが、奈月との約束を選び取り、リングをベルに投げつけて撤退した女王の嵐の守護者。
 訓練をつけてもらえるのはありがたいと思っているが、それはそれとして、明らかに鋭い感情をリボーンに向けられたことはわかっているため冷や汗を流す。

 山本 武
 撤退した獄寺に託される形で、奈月に勝利を掴ませることを約束した女王の雨の守護者。
 まさか、獄寺からそんなエールを受け取ることになるとは思わなかった。

 リボーン
 獄寺の大胆告白に軽くイラッとしたので、訓練ついでに厳しいちょっかいを出すことにした最強ヒットマン。
 強くはしてやるさ。強くはな。だが、訓練が厳しくなっても別に構わねーよな?強くなるのは決まってるからな。

 Dr.シャマル
 リボーンの嫉妬に内心ドン引きしていた元殺し屋の医者。
 あー・・・・・・隼人、がんばれ。

 笹川 了平
 勝ったことは極限に嬉しいが、こいつらは何の話をしておるのだ?

 ベルフェゴール
 戦闘不能にまで追い詰められたが、リングだけは意地で入手することができた憤怒の王の嵐の守護者。
 後日、目を覚ましてリングが手に入ったことに喜ぶが、マーモンから試合には勝ったけど勝負には負けてるよと冷静にツッコまれることになる。
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