最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 嵐は静まり、雨が降る。
 長く続く争奪戦は、折り返し地点へと時を進める。



終幕、VS.嵐の守護者

「嵐のリングはベルフェゴールのものとなりましたので、この勝負はベルフェゴールの勝利とします。」

 

 隼人が武にバトンタッチをする中、淡々としたチェルベッロの言葉が辺りに響く。

 その言葉に小さく頷き返せば、チェルベッロは静かに頭を下げた。

 

「今回は、私のワガママも含めて指輪はそちらに渡します。ですが、次の勝負は負けませんよ。私達もそちらの王様に消されたくはありませんからね。」

 

「ちぃ・・・・・・!!何が渡しますだ!!」

 

「まぁ、有利を取られているのは違いないし、あんな風に言われても仕方ないだろうね。

 なんせ、今回の試合でベルはすでに気が触れた状態だった分、試合に勝って勝負に負けているようなものだ。

 もし、あの時ベルがプライドを発揮させていなかったら、間違いなくこちらは負けていた。

 逆に譲ってくれて少しだけ助かったとすら言えると思うよ。もし、彼女が守護者の命を優先して撤退させてなかったら、こちらが追い詰められるところだった。」

 

 チェルベッロが頭を下げたのを確認したわたしは、ヴァリアー側に話しかける。

 わたしの言葉に少しだけ苛立ちを見せるスクアーロさんだが、マーモンは冷静に自分達の状況を分析したのち、むしろ助かった方だと口にする。

 指輪を手に入れると言う試合のルールに沿えば、自分達側の勝利と言えるが、追い詰められ、果てには気が触れた状態で維持を発揮した結果の勝利だったため、勝負にまで勝てたかと言われたら微妙だと思ったらしい。

 

「ところで、今回で試合は3回。晴と雷、嵐と雨・・・・・・君の守護者はこの4人が開示されているわけだけど、雲と霧はまだ現れてないように思うよ。

 まさか、現れることなく不戦勝、なんてことにこっちがなったりしないだろうね?」

 

 予想に反して冷静な分析してるな・・・・・・とマーモンのことを見ていると、不意に、マーモンから雲と霧の守護者について言及された。

 ふむ・・・・・・言われてみれば確かに、雲と霧は見せていないな・・・・・・と思いながら、顎に手を添える。

 だけど、すぐにわたしは口元に笑みを浮かべ、口を動かす。

 

「まぁ、言いたいことはわかります。確かに、私は彼らを開示していませんからね。

 ただ、こればかりは少々理由がありまして。どちらも少し遠征してるのですよ。あなた方を打倒するためにね。

 ですが、安心してください。どちらもちゃんと、その席に座るべき人物を選んであります。

 ここにいる、嵐、雨、晴、そして、今日はお留守番している雷の4人ももちろん伸び代のある花の芽ですが、雲と霧に関しては、彼ら以上に成長速度が凄まじい信頼ある守護者達なので、容赦なくそちらを潰しにかかりますから、ご安心を。」

 

「・・・・・・おい、誰だこいつを一般人扱いしていた奴ぁ?」

 

「完全に思考回路はこっちに染まってるよ、君。」

 

 笑顔で言うことじゃないことを自覚しつつも、ハッキリとそっちを容赦なく潰すメンツが集まっていることを告げれば、スクアーロさんとマーモンからドン引きされてしまった。

 

「ええ。それに関しては自覚がありますよ?だから、最近は元一般人で割り切っています。

 そうでなくては、敵対者は容赦なく潰してこそ・・・・・・なんて思考回路にはなれませんから。」

 

 静かに言葉を紡げば、さらに2人から引かれてしまった。

 リボーンから、そこの霧に染まり過ぎだろと言わんばかりの眼差しを向けられているような気がするが、気づかないフリを貫いた。

 

「・・・・・・それでは、次の対戦カードを発表します。」

 

 チェルベッロが、妙な間を空けながらも、対戦カードの話を口にする。

 すぐにチェルベッロに視線を向ければ、彼女達は静かに口を開いた。

 

「明晩の勝負は、雨の守護者の勝負です。」

 

 静かに告げられた対戦カードを聞き、わたしは視線を武に向けた。

 わたしの視線に気づいたらしい武は、一度わたしに目を向けたあと、口元に笑みを浮かべて頷いた。

 

「・・・・・・そちらの雨は、確かスクアーロさんでしたね。」

 

「ああ。オレが相手になる限り、そっちに有利は取られたりしねーからなぁ!!」

 

 武が頷いたことを確認したあと、静かにスクアーロさんに問いかければ、彼は有利を取らせたりしないと口にする。

 ふむ・・・・・・わたしの発言の影響か、それともこっちの所持するリングが未だに多いからか、彼には警戒心が浮かんでいる。

 武に対しては勝てると思っているようだが、ボスであるわたしが敵対者には容赦するつもりがないことや、わたしの守護者が全体的にわたしの指示を必ず聞くこと、わたしの指示を遂行するためならば、しっかりと命令に従い行動を取ることから、油断だけはしないようにしているらしい。

 

「・・・・・・まぁ、こちらも簡単に負けるつもりなど毛頭もありませんがね。あなた方は確かに強い。それは認めざるを得ませんし、戦闘面で有利性を取られてしまうことに関しても否定はしません。

 ですが、私達は私達で成長途中の大輪の花の芽であり、磨けば磨く程輝く宝石の原石であることをお忘れなく。」

 

 スクアーロさんの反応を冷静に分析しながらも、自分達は成長途中にある存在の集まりであると静かに言い返す。

 それを聞いたスクアーロさんは「最後まで生意気な女だぜ」と吐き捨てて、割れた窓から外に飛び降りるカタチで撤退する。

 それに倣うようにして、他のヴァリアーメンツも窓から外へと飛び降りた。

 最後にモスカと呼ばれていた存在が、完全に気絶をしてしまったベルを小脇に抱えていなくなる。

 その姿に思うところがないと言えば嘘になるが、今は気にする時期じゃない。

 

「・・・・・・随分とぶっ壊されてんなぁ・・・・・・・・・。」

 

 そんなことを思っていると、辺りに第三者の声が響く。

 声の方へと目を向けてみれば、そこにはディーノさんとロマーリオさんの姿があり、広がる大惨事な建物に視線を巡らせていた。

 

「あ、ディーノさん。」

 

「ようやく到着したのかディーノ。」

 

「うお!?ナツの側にいるお前誰だ!?」

 

 ディーノさんに声をかければ、彼はわたしの側にいるリボーンに目を向けては驚いたような表情を見せる。

 しかし、すぐにそれは警戒色の強い表情へと変わり、見定めるように鋭い眼差しを向け始めた。

 

「ん?ああ・・・・・・そう言やディーノはこっちのオレは知らないんだったな。オレはリボーンだ。お前には、アルコバレーノになったあとで会ったからな。わからねーのも無理はねーぞ。」

 

「・・・・・・・・・は?リボーン・・・・・・?マジで言ってんのか・・・・・・?」

 

 ディーノさんの問いかけに、リボーンが素直に自分が誰かを明かせば、きょとんとした。

 同時に混乱したような表情をする中、リボーンは静かに頷き、わたしに視線を向けてくる。

 お前が説明した方がいいだろう・・・・・・そう言われたような気がした。

 

「彼はリボーンで合ってますよ。幻月のアルコバレーノ、メテオライトの協力のもと、現在、自身にかかっていた呪いを外すために研究してるんです。」

 

「呪い・・・・・・?確かに、アルコバレーノは呪われた赤ん坊って話を聞くことがあるけど、マジでリボーンは呪われてたのか?」

 

「ああ。まぁ、どんな経緯であんな情けねー姿になったのかまではややこしい話にもなるし、教えるつもりはねーが、本来のオレはこんなもんだ。

 言っただろ?オレが本気を出せば、ナツの心くらいは簡単に動かせるってな。これがその答えだぞ。」

 

 口元に笑みを浮かべながら自分のことを明かしたリボーンに、ディーノさんは目を丸くする。

 しかし、すぐにその表情はどこか闘争心に火がついた子供のような笑みが浮かぶ。

 

「上等じゃねーか!オレだって負けねーからなリボーン!!」

 

「勝手に言ってろ。で?そっちに任せた暴れ馬はどうなった?」

 

「と、そうだったそうだった。」

 

 張り合うディーノさんと余裕のあるリボーン・・・・・・全くの正反対な反応をする大人達に挟まれて少しだけ困惑していると、一つの疑問がディーノさんに向けられた。

 リボーンが言う暴れ馬・・・・・・うん、たった1人しか思い浮かばない。

 

「恭弥!ナツ達見つけたぜ!」

 

「・・・・・・馴れ馴れしく呼ばないでよ。」

 

 その答え合わせのようにして、この場に新たな人物が現れる。

 随分と久しぶりに見たその姿は、見慣れたもののはずだと言うのに、これまでの彼に比べたら、明らかに洗練された気配がある。

 

「恭弥さん!」

 

 笑顔を見せながら恭弥さんの名前を呼べば、彼はすぐにわたしの方に目を向けては、小さく笑みを浮かべた。

 

「お久しぶりです、恭弥さん!お帰りなさい!」

 

「ただいま、奈月。」

 

 すぐに恭弥さんに近寄れば、彼は小さく笑ったまま、ふわりとわたしを抱きしめた。

 いつもの恭弥さんのにおいの中に、少しだけ汗のにおいが混ざっている様子から、結構ギリギリまで訓練をしていたのだと判断できた。

 

「来てくれると思っていました。ありがとうございます。」

 

「君からのお願いを、僕は聞いてあげただけだよ。それに、君が側で支えてほしいって言ったんじゃないか。

 だから、群れたくもない奴と一緒に行動を取ってあげたんだよ。」

 

 精神的に疲れた・・・・・・と言いながら、恭弥さんはわたしの肩に額を乗せる。

 その姿に苦笑いをこぼしながらも、とりあえず彼の頭を優しく撫でた。恭弥さんの頭を撫でることができる人間って、多分、この世でわたしくらいなのではなかろうか。

 彼の家族の話は聞いたことないからなんとも言えないけど、わたしが知る人間の中でなら、間違いではないはずだ。

 

「お疲れ様です、恭弥さん。」

 

「うん・・・・・・。ところで、そこにいるやけに強そうな奴は誰?」

 

 そんなことを思っていると、恭弥さんが視線をリボーンに向ける。

 そう言えば恭弥さんもリボーンの本来の姿は見てないんだった・・・・・・ディーノさんにしたように、彼はリボーン・・・・・・恭弥さんが興味を示していた赤ん坊の本当の姿であることを伝えると、彼は驚いたような表情を見せる。

 しかし、その表情はすぐに挑戦的な笑みに消え、真っ直ぐな目はリボーンを捉えて逸らさない。

 

「恭弥さん。リボーンはわたしに訓練をつけてくれているので、ボーナスステージにはできませんよ。」

 

 今にも殴りかかりそうな様子の恭弥さんに、冷静にリボーンは貸し出せないことを告げれば、彼はわたしに一度視線を向けたあと、少しだけ不満そうな表情を見せる。

 そんなにリボーンと戦いたいのか・・・・・・と苦笑いをこぼしたくなったのは仕方ない。

 

 なんせ、リボーンと恭弥さんが戦った場合、リボーンが圧勝してしまうのが目に見えてしまっている。

 確かに恭弥さんはディーノさんと、時折様子を見に行ってくれていた父さんの2人に相手をしてもらっていた分、かなり力はついている。

 それは、こうして姿を見るだけでもわかってしまう程だ。間違いなく、この場にいる守護者の中で一番強いと言えるだろう。

 でも、リボーンはそれをさらに上回る。この場にいる者誰1人として手も足も出ない程に。

 

「オレに相手をしてほしいなら、もう少し能力を上げてからにしておく方が無難だぞ。

 聞けばお前は、まだ家光から一本も取れてねーらしいな。アイツに一本だけでなく、十本くらい一気に叩き込めるくらいになってから出直して来い。」

 

 サラッと自分と戦う条件にかなりのものを叩きつけるリボーンに軽く引く。

 まぁ、本気モードのリボーンに挑むのであれば、彼が提示したレベルに行き着くことでようやくスタートラインとなるだろうし、あながち間違いではないような気もする。

 

「家光・・・・・・?ああ、たまに僕のところに来てたあの人か。」

 

「そうですよ。わたしの父です。」

 

「奈月の父親だったんだ、あの人。道理でかなり強かったわけだ。それで?奈月の父親に十本叩き込めるようになったら、本当に相手してくれるの?」

 

「できるもんならな。まぁ、例え家光にそれくらい叩き込めるくらいになれてもオレからは一本も取れないだろうがな。」

 

 不敵な笑みを浮かべながら挑発するリボーンに、恭弥さんも笑みを浮かべ返す。

 その瞳にはギラギラと鋭い光が宿っており、さながら獲物を狙う肉食獣のようだった。

 

「あー・・・・・・恭弥。リボーンに突っかかるのは勝手だが、時間帯的にもナツ達も休まねーといけねーだろうし、今回はそこまでにしとけ。

 家光にはオレも連絡入れておくから、また足を運んでもらおうぜ。」

 

「・・・・・・仕方ないね。奈月がまた倒れたら大変だし、今日はこれくらいにしてあげるよ。」

 

 相変わらずのバトルジャンキー・・・・・・と思っていると、恭弥さんがわたしから離れる。

 それを確認したリボーンは、すぐにわたしの側に近寄り、そのまま軽々と抱き上げてきた。

 

「おわ!?」

 

 急なことに驚くと、リボーンはそのままわたしを抱えて割れた窓に近寄る。同時に縁に足をかけては、地面めがけて飛び降りる。

 まさかの事態に驚き、慌てて彼に抱きつく形で身を寄せると、小さな笑い声が聞こえてきた。

 

「いきなりジェットコースター体験はどうかと思うんだけど!?」

 

 思わず素に戻ってリボーンを怒鳴りつけると、くつくつと喉を鳴らすような笑い声。

 だけど、すぐに肩に担がれた状態から横抱きに体勢を変えられる。

 

「ヒバリとの距離が近過ぎだったからな。攫って帰ることにした。」

 

「だからって急に窓から飛び降りないでよ。」

 

「こっちの方が早いから楽だった。」

 

「もう・・・・・・」

 

 急なリボーンの行動に少しだけ呆れながら視線を向けると、彼は小さく笑ったまま、暗い夜道を歩き始める。

 その姿を静かに見上げながら、仕方なく大人しくしていると、リボーンはわたしの体を抱え直した。

 自身の体がリボーンの体に押しつけられ、服越しにその温もりを感じていると、少しずつ眠気が引き出される。

 

「・・・・・・今日も疲れただろ。屋敷に戻るまで眠っとけ。ついたら起こしてやる。」

 

「ん・・・・・・でも、定期的連絡しないと・・・・・・。」

 

「連絡に関してはオレが済ませておいてやる。獄寺の怪我も治さねーといけねーしな。だから、今は休むことを優先しろ。」

 

 低く心地良い穏やかな声音に眠気を誘発され、その言葉に従うように小さく頷けば、リボーンは小さく笑ってわたしの額に軽く唇を触れさせてくる。

 

「良い子だ。ゆっくりと休め。」

 

 休めと言うリボーンの言葉に従うように、彼に寄りかかりながら目を閉じれば、次第に意識は遠くなる。

 どうやら、Dさんに精神の制御をしてもらっていながらも、かなり精神的な疲労が溜まっていたようだ。

 そんなことぼんやりと思いながらも、そのままわたしは眠りに落ちる。

 

 ・・・・・・目を覚ました時、首から「オレ達が奈月を怖がらせました」と言う首掛け看板をかけて正座して項垂れているプリーモファミリーと顔を合わすことになるとは思わずに。

 

 

 

 




 沢田 奈月
 実はかなり疲れていた貝の女王。
 自身を抱えたまま移動するリボーンの体温を感じながら眠っていたが、のちに首掛け看板をかけたプリーモファミリーに土下座されて硬直することになる。

 リボーン
 女王様が疲れていることに気づいていた最強ヒットマン。最近、一番警戒しないといけない始まりの霧に似てきている彼女を心配している。
 このあと屋敷に戻ったら、土下座するプリーモファミリーを見て堪え爆笑をすることになる。

 山本 武
 次の対戦カードに選ばれた女王の雨の守護者。
 獄寺に応援として彼女がキスしたのを見て、自分もしてもらえるだろうかとちょっと期待している。

 雲雀 恭弥
 女王様と合流した女王の雲の守護者。
 ディーノに案内されてたどり着いた場所で最愛と再会したら何やら明らかに強者である呪解姿のリボーンを見て闘争心を見せる。
 まずは奈月の父親である家光から十本くらい一気に取れるようになれと言われ、それをこなそうとするが、取れるようになるまでかなりの年月がかかることになることに気づいていない。

 ディーノ
 リボーンに呼ばれたので戦闘の舞台になってる建物に行ったら、呪いがない状態のかつての家庭教師を見てかなりびっくりしたキャバッローネの10代目。
 最愛が同じ女性である者同士、張り合うように言葉を紡いだ。

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