最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい 作:時長凜祢@二次創作主力垢
その姿を見た貝の女王は、不意に竹刀を手にしろと雨の守護者に告げて・・・・・・?
ディーノさんの言葉を聞き、表情を曇らせた武を見て、わたしは少しだけ考え込む。
流派を超えること・・・・・・確かにそれは必要かも知れないが、もう一つ、わたしは武に教えなくてはならないことがある。
「よし。武。ちょっと竹刀を持ってくれる?実は、わたしもスクアーロさんに関して教えないといけないことがあるんだよね。」
「へ?」
「スクアーロに関して、ナツは何か知ってんのか?」
「知っていると言うよりは、見たからわかったものがあります。まぁ、上手く再現できるかはわからないけど。」
そこまで告げて、わたしはその場で幻術を展開する。触媒である槍や大鎌を使わなくても、武器を有幻覚として出現させることに慣れてしまったことに、少しだけ溜め息を吐きそうになりながらも、手元に有幻覚で作り上げた竹刀を握りしめたわたしは、少しだけその場で目を閉じる。
【骸。少しだけキミのスキルを使わせてもらっていいかな?幻術を使う以上、自分の属性の炎を灯すことができなくてね。】
そして、自身の繋がりを通して骸へと声をかける。
わたしの声に気づいた骸は、すぐにわたしと彼の間にある繋がりを強くしてくれた。
【クフフフ・・・・・・桜奈の方から話しかけてくるのは久しぶりですね。まぁ、世間話のためではないようですから少しだけガッカリしましたが、雨の守護者としての対決で、山本武に教えたいことがあるとなれば仕方ありません。
繋がりを強くし、僕が使う六道輪廻のスキルの任意使用を可能にしておきます。怪我だけはしないように。】
返された言葉と同時に、わたしは自身の右目に確かな力が宿るのを感じ取る。
繋がりを通して骸に教えてもらった方法を元に、能力を解放して静かに目を開ければ、ディーノさん達が息を呑む気配がした。
「ナツ・・・・・・それ・・・・・・。」
「前に見せた、骸と繋がりを持ち合わせていることにより可能になったことです。
一時的に骸が持ち合わせている六道輪廻の力を借りました。」
自身の身に何が起こっているのかを説明したわたしは、右目に宿る黄昏の瞳を六の文字から四の文字へと変化させる。
それにより自身の身体能力が一気に引き上がる気配を感じ取りながら、武を真っ直ぐと見据えた。
「ほら、ぼさっとしてないで竹刀を構えてください、武。スクアーロさんが使っていた技、知りたくはありませんか?」
「!?」
口から紡がれたのは穏やかな敬語。骸のスキルを使用させてもらうために、自身の方からも精神の繋がりを強くするために伸ばしたからか、話し方が彼に寄る。
まぁ、半分同化させているようなものだしな・・・・・・なんて、自身の現状を考えていると、武は静かに竹刀を構えた。
それを見たわたしは口元に小さく笑みを浮かべ、竹刀を片手だけで構える。
「流派などは関係なく、とにかく、わたしから一本を取る、もしくは、竹刀を手放させることを考えてかかってきてください。
どちらかの手から竹刀が弾き飛ばされるまで、少し打ち合いましょう。」
「わかった。」
竹刀を構え、真っ直ぐとこっち側を見てくる武に小さく笑いながら、わたしは床を軽く蹴り上げる。
しかし、六道輪廻のスキルである修羅道を発動させている状態だと、それだけでも一瞬にして武と距離を詰めることができるため、一気に近づいてきたわたしの姿に、武は驚いたような表情を見せた。
その隙を逃すことなく竹刀を振るえば、すかさず彼に防御される。同時に響く竹刀同士がぶつかった乾いた音は、道場全体にこだました。
「重っ!?」
「当たり前でしょう?こっちが使ってるの、身体能力を引き上げるタイプのスキルなのですから。」
反射神経は問題なしと思いながらも、わたしの一撃を重いと言ってきた武に重いのは当然だと返しながら、雨月さんに教えてもらっていた剣技を使用して、武の方に攻撃を放つ。
まぁ、雨月さんが実際に使う剣技は長刀一本、短刀三本の変則四刀だけど、スクアーロさんが使ってくる技を教えるのにそれは必要ないっと。
「武。防戦に徹していてはわたしの手元から竹刀を飛ばすことなんてできませんよ。そちらからも仕掛けてきなさい。
最も、そちら側から仕掛けられたところで、わたしは一本も取らせたりしませんけど。
事実、今の状態の武には片腕だけで事足りますからね。せめて、わたしに両腕を使わせるくらいしてもらわなくては。」
軽く挑発するように武に声をかければ、彼は瞳に鋭い光を宿し、こちら側へと攻撃を仕掛けてくる。
竹刀を弾き飛ばすことが勝敗の基準であると言う言葉を先に告げたからか、竹刀を持っている右手側を執拗に狙ってくるが、放たれる斬撃はそこまで重くなく、全て片手だけでいなせるものだった。
まぁ、これに関してはわたしが初代組とリボーン相手に訓練をさせられているせいでもあるだろうが、それでも少し軽過ぎではないだろうか?
「・・・・・・巫山戯てます?全然重たくありませんが・・・・・・まさか、本気を出していないのですか?」
「!?」
「おや、図星でしたか。わたしの怪我を心配しているのであればご安心を。君の攻撃程度で、怪我を負うことなどありませんから。」
少しの動揺を見せた武に、呆れながらも声をかけ、振り下ろされた竹刀に自身の竹刀を勢いよくぶつける。
それにより大きくバランスを崩した武にすかさず竹刀で殴り掛かれば、持ち前の反射神経でそれを防がれた。
「ぐあ!?お、重っ・・・・・・!?」
「わたしは片手だけですよ?だと言うのに重いと?それは、そっちが本気で切りかかってこないからですよ。
本来ならば、ここまで君が押されるはずはないのですから。それとも、修行期間の中でそこまで強くならなかったのでしょうか?弱い足手纏いのままだと言いたいのですか?」
吐き捨てるように、見下すように、武を見据えながら言葉を紡げば、勢いよく武がこちらを押し返してきた。
弱い足手纏いと言う言葉が彼の中に火をつけたようだ。
強いボンゴレを維持するためならば、弱い人間を切り捨てるし、ボス相手にも容赦しない・・・・・・Dさんはそう言うタイプの人間だった。
幸いなことに、わたしは彼からそのような扱いを受けたことはないが、きっと、彼から今の扱いを受けられる程の能力がなかったら、こんな風に言われたのだろう・・・・・・と、彼の性格から判断して口にしたものだったが、上手くいったらしい。
先程より一撃が遥かに重くなり、片手だけでは耐えきれないものへと変わっている。
ようやく本気で竹刀を振り出したかと少しだけ思いながら、両手で竹刀を持ち直し、その全ての攻撃を捌いていく。
そして、武が竹刀を狙って来たタイミングを見計らって、わたしは竹刀を力強く握りしめ、振り下ろされた竹刀へと渾身の一撃を叩き込んだ。
一際大きく鳴り響く竹刀同士の衝突音。武はその勢いにより、一瞬バランスを崩したが、すぐに立て直し、手にしていた竹刀で再びこちらの竹刀を飛ばそうとして来たが、そのための一撃は放たれることなく、そのまま動きを止める。
すかさずその状態の武に竹刀を振ったわたしは、彼の手元から勢いよく竹刀を弾き飛ばした。
「あ!?」
「・・・・・・どうやら、勝負ありのようですね。」
トン・・・と軽く手にしていた竹刀で武の肩を叩けば、彼は何度か瞬きを繰り返し、苦笑いをこぼした。
同時に、先程まで竹刀を握りしめていた右手を見つめながら、困惑した表情で首を傾げる。
「・・・・・・ナツ。今、何やったんだ?右手がなんか動かしづれーってか、動かねーんだけど。」
何が起こったのかわからないと言わんばかりの様子の武を見ながら、わたしはその腕に強い衝撃を与える。
「うお!?」と武が驚いたような声を上げるが、すぐに腕が動くようになったからか、何度か手を握ったり開いたりして機能するかの確認をする。
同時に、骸に繋がりを通してお礼を伝え、いつもの繋がりの強さへと精神世界を戻した。
「あ、動かせるな。痺れは残ってっけど。」
「まぁ、そうなる技術を使ったからね。」
武が片手を握ったり開いたりを繰り返す中、わたしはその手をそっと握り返し、そのまま軽くマッサージを施していく。
前世で幼馴染みのスイがやってくれたものだが、ここで活用できるとは・・・・・・。
「これは、わたしがスクアーロさんとの戦闘に入った際、度々使われそうになっていた技だよ。
幸いなことに、わたしはそれに当たってはいけないと直感できたし、躱すことができたから食らうことはなかったけど、まともに受けたらこの通り、動きを封じられる。
恐らくだけど、放つ一撃に渾身の力を加え、剣と剣の衝突の際に発生する衝撃波で神経を狂わせるんじゃないかな?
何度か力の込め方を確認してたから、真似をすることができたけど、多分、スクアーロさんが使う本家本元はこれ以上の威力となるよ。
それこそ、かなりの長期間、腕が動かせなくなるかもしれない。」
「!?」
そんなことを思いながら、わたしは使用した技術を武に説明する。
わたしの説明を聞き、武は一瞬目を見開いたが、すぐに真剣な眼差しをして話を聞いてくれた。
「わたしに訓練をつけてくれている人にはすでに連絡を入れているから、少しだけ武に付き合ってあげられる。
どうする?今の技を攻略するための糸口を少し探してみる?」
そのことに安心しながらも、わたしは武に攻略方法を探すかどうかを問いかけた。
「・・・・・・ああ。頼めるか?流派を超えるための考えも探さねーとだけど、流石にオレも、これを連続で食らいたくはねーや。」
「わかった。じゃあ、少しだけ訓練してみよっか。幸いなことに、ここには剣技に詳しい人もいることだし?」
「へ?」
「・・・・・・お嬢。いきなりオレを巻き込まないでくれ。まぁ、別にいいけどね?」
口元に笑みを浮かべながら、ラウルさんへと視線を向けてみれば、彼は苦笑いをこぼしながらも静かにこっちに近寄って来た。
「この人はラウルさん。ディーノさんが率いるキャバッローネファミリーの幹部の人で、日本にいる時はわたしの使用人のようなこともしてくれる人だよ。
趣味でいろんな技術を身につけている人で、いわゆる、わたしによく似た趣味を持ってる人だよ。
まぁ、わたしいろんな技術を身につけたりしてるけど、ラウルさんほど多芸ではないかな。」
「いやいやお嬢。お嬢だって人のこと言えないだろ?そっちも様々な技術を身につけて、更に自分が使いやすくするために改良も重ねて昇華してるんだから。」
少しだけ呆れたような様子を見せながら言葉を紡ぐラウルさん。
彼はやれやれと首を左右に振った後、武の方へと視線を戻した。
「まぁ、でもお嬢の言う通り、オレも様々な技術を持ってるし、剣術も嗜んでいるから、手伝えることはかなりあると思う。
お嬢はこの後帰らないといけないし、ディーノも恭弥君の様子を見にいくだろうから席を外すと思うけど、オレは争奪戦の時間が来るまで残ることができる。どう?オレからの訓練も受けてみるかい?」
ラウルさんの問いかけに、武は一瞬目を丸くする。
しかし、すぐにその口元には笑みが浮かび、彼の提案を承諾するように頷いた。
「はい!よろしくお願いします!」
ハッキリとした声音で言葉を紡いだ武に、ラウルさんは笑顔輪を見せる。
そして、少し待っててくれと一言告げたのち、携帯電話でどこかへと連絡をし始めた。
「・・・・・・ところでナツ。ちょっと質問していいか?」
多分、ロマーリオさんにディーノさんの迎えを頼むんだろうなぁ・・・・・・なんてラウルさんの連絡先を想像していると、ディーノさんがそっとわたしに近寄って質問があると言って来た。
首を傾げながらディーノさんに視線を向けてみると、彼はどことなく困惑した表情を見せている。
「・・・・・・なんでナツ、スクアーロが使ってる技を模倣できてんだ?」
「言われてみれば・・・・・・」
ディーノさんの質問に、同意するように言葉を紡いだ武。
2人の反応を見て、一時的に顔を見合わせたわたしとリボーンは、何度かその場で瞬きを繰り返す。
そう言えば、この2人はわたしの能力知らなかったな。
「実は、自身の修行をしてる時、少し変わった能力が開花しちゃってね。」
「ナツは、対峙した相手の技術を見て盗む上、それを自分流に扱いやすいものへと瞬時に作り変える才能があるんだ。
だから、今のナツは、オレの戦闘技術の他、ヒバリの戦闘技術も自分流に扱えるように身につけている。
恐らくだが、骸が使用する槍術と棒術を組み合わせた戦い方もできるし、ボムを持たせたら獄寺の技術も見て盗んだ上で更に改良し、確実に相手にダメージを与えることもできるようになるだろうな。
それと、ナツはスクアーロと一度対峙したことにより、全てとはいかねーが、スクアーロが使った剣術も今のように盗んでいる可能性があるし、ベルフェゴールの動きも見ていたから、やろうと思えばアイツの戦い方も身につけることができると思うぞ。」
「「え゛!?」」
「・・・・・・引かないでもらえます?」
わたしの能力を聞き、ドン引きした様子のディーノさん達にツッコミを入れながらも、わたしは少しだけその場で考え込む。
・・・・・・ベルが使うナイフとワイヤーを合わせた戦闘技術か。
─────・・・・・・少しだけ、視野に入れてみようかな?あの戦い方、結構汎用性ありそうだったし。
沢田 奈月
友人と兄弟子に自身の能力を明かしたらドン引きされてしまい、なんだか解せない貝の女王。
スクアーロが使った
この度、汎用性がありそうと言う理由から、ベルフェゴールの技術を身につけれないかと画策し始めた。
リボーン
相変わらずオレの最愛の女王は規格外だなんて思いながらも、彼女の成長を見るのが楽しい最強ヒットマン。
ただし、ライバル連中の技だけは真似してくれるなオレだけを真似してろと思っている部分もある。
残念、女王様はベルフェゴールの戦術に興味津々だ。
山本 武
奈月がまさか相手の技を見て盗むことができるとは思わず軽く引いてしまった女王の雨の守護者。
しかし、彼女がスクアーロの技術を知っているおかげで対策を練ることができそうだと考え、素直に感謝している。
ディーノ
奈月がまさかスクアーロの技術を見て盗んでいたとは思わず軽く引いてしまったキャバッローネファミリー10代目。
しかし、これってつまり、オレの技術を教えたらナツがオレの技術も使ってくれて、間接的にも守れるのでは?と考える。
ラウル
何やら巻き込まれてしまったキャバッローネファミリー幹部。
しかし、奈月のファミリーの被害を少しでも少なくすることができるのであれば、と山本の訓練に付き合うつもりでいる。