最強の愛され系ボンゴレ♀は、今を全力で楽しみたい   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 憤怒の嵐からの誘いを承諾し、同じイヤリングを片耳につけて並盛を歩く貝の女王。
 しかし、やはりと言うか、女王の予想通り、憤怒の嵐との並盛散策は、恋人がするようなデートでしかないのだった。

 ※ベルフェゴールと主人公のデート話



まぁ、やっぱ口実にしか使ってないよね

 ベルからのデートの誘いを本格的に引き受けたわたしは、もはや完全に慣れてしまったエスコートをされるがままに並盛町を歩いていた。

 念の為に彼が見せてくれた手帳に記されていた、特徴の通りの殺し屋を探そうと思っているが、どうもそれはできないらしい。

 

「お?姫。ちょっとあっち寄ってこうぜ?」

 

 なぜならベルがひたすらどこかしらの店を見つけては、寄り道しようと言ってくるのだ。

 殺し屋を探すつもりが全くないことがわかってしまう程に。

 

「・・・・・・まぁ、やっぱ口実にしか使ってないよね。探し人なんて。」

 

「当たり前じゃん。まぁ、たまたま見つけたらそれでいいくらいだし?王子のメインの目的は姫とでかけることだもん。」

 

 思ったことを口にすれば、ベルは殺し屋探しなんてたまたま見つけたらいいだけだと笑いながら返してきた。

 その言葉にやれやれと首を左右に振れば、いつもの笑い声を漏らす。

 

「そんなことより、姫。ちょっとあの店寄ろうぜ?」

 

「あの店?・・・・・・フレグランスショップ?」

 

「そ。ほら行こうぜ。」

 

 ベルが指差した方角に視線を向けてみれば、フレグランスが売ってある店。

 なんで急に?と首を傾げるが、ベルから行こうと促されたため、とりあえず一緒にフレグランスショップへと足を運ぶ。

 

「お?作ってもらえんじゃん。」

 

「ん?」

 

「ほら、フレグランスのオーダーを引き受けるって書いてあるじゃん。折角だから作ってもらおうぜ。」

 

 ベルに手を引かれるままに、その場で作ってもらえる場所に向かえば、調香師さんが笑顔で出迎えてくれる。

 そんな調香師さんにベルは一つ挨拶をしては、香料の種類に視線を向けた。

 そして、慣れた様子で香料を選択しては、それを混ぜてほしいと告げている。必要個数は二つで、どれくらいでできるかを聞いていた。

 ベルの話を聞いた調香師は、60〜90分程で作ることができることを伝える。

 

「それならちょっと店内見とくからすぐ作ってもらえる?」

 

「かしこまりました。少々お時間をいただきますね。」

 

 それならとフレグランスの作成を調香師さんにお願いしたベル。

 調香師さんはすぐに承諾し、調香作業に入った。

 

「・・・・・・なんでフレグランスを?」

 

「ん〜?姫ってたまにつけてるっしょ?香りからしてウッディ寄りの奴?割とバニラとかの甘さもある奴。」

 

「ああ、リボーンからもらったロールオンフレグランスだね。」

 

「へぇ。姫んとこのアルコバレーノのやつなんだ。」

 

「うん。自分がよく使ってる香りをロールオンタイプにしたんだって言ってた。」

 

 ベルの質問に答えれば、少しだけ不機嫌そうな相槌が返ってくる。視線を彼に向けてみると、口元がへの字になっていた。

 あ、拗ねてる・・・・・・と思いながらも、店内を見渡す。前世ではフレグランスなんてものを手に取ることなんてほとんどなかったけど、こんなに沢山の種類があるんだ。

 

「スイートウッディにオリエンタル・・・・・・ホワイトフローラルにアロマウッディ・・・・・・聞き馴染みのないフレグランスばっかだな・・・・・・」

 

「姫ってアルコバレーノから香水もらう前はフレグランスに興味なかったわけ?」

 

「うん。そもそもがまだ学生だからね。フレグランスは学生を卒業してからだと思ってたんだ。

 そんな中リボーンが虫除けと称してユニセックスだけどちょっと男性寄りのロールオンフレグランスを渡してきてね。それから使うようになった感じ。」

 

「なるほどねぇ。アルコバレーノが姫に渡したのはスイートウッディ系のフレグランスな。

 多分だけど、バニラビーンズとかサンダルウッドとかがベースになっていて、ユーカリやジンジャーを含めたトップから、少しずつフローラル系も出てくる奴。

 ベースがバニラビーンズやサンダルウッドだと、割と甘めな印象になるんだけど、姫に渡された奴は多分、タバックも混ざってる。」

 

「タバック?」

 

「タバコだよタバコ。まぁ、基本的に天然のタバコの葉や花が使われることは滅多にねーし、匂い的に合成香料で作られただろうけど。んで、姫のフレグランスにはそのタバックが入ってる分、くどい甘さにはならねーってわけ。」

 

「なるほど・・・・・・」

 

 “ベルフェゴールの豆知識コーナーかな?”・・・なんて少しだけ思いながらも、リボーンから渡されたロールオンフレグランスを思い浮かべる。

 まさか、今世を生きる中でフレグランスの知識を入れることになるとは思いもよらなかったな。

 

「そう言えば・・・・・・リボーンは他にもフレグランスを持ってるっぽいんだよね。甘さはあるけど苦味も混ざってるような、大人の男性って感じの匂いがして、それもまた結構落ち着く香りなんだよね・・・・・・」

 

「苦味も混ざってるような匂い?あー・・・・・・多分それスモーキー系の奴かもな。

 姫が渡されたフレグランスはユニセックスで甘さが割と目立つ奴だけど、タバックが使われて抑えられてる。

 んで、アルコバレーノが使うもう一つの奴は、タバコアブソリュートとか使われてる奴かもな。」

 

「またタバコ・・・・・・」

 

「スモーキー系には割と使われてるモンだぜ?まぁ、王子はあんまり好きじゃねーけど。

 だって王子がタバコの臭い強目とかなんか嫌じゃん?」

 

「気持ちはわからなくもない。王子様・・・・・・と言うよりは、王族とかはどちらかと言うと上品でいい匂いがする印象があるし。」

 

 “ベルの場合は血の臭いも混ざってそうだけど”・・・と少しだけ失礼なことを考えながらも、偏見ではあると思うが、王族ややんごとなき御身分の人はどちらかと言うと上品な匂いを想像することを伝えれば、「だろ?」と小さく笑って短く答える。

 

「まぁ、女でも余裕で使えるフレグランスだとは思うけど、姫にそれ早いと思うぜ?」

 

 スラスラとフレグランスに関しての知識を披露しながら、色々と教えてくれるベルに相槌を打ちながらも、並べられているフレグランスに視線を戻す。

 そう言えば、ベルが依頼したフレグランスってどんな匂いなんだろう?

 

 

 

 

 

 

           ❀

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・あれからしばらくの間、わたしはベルと一緒にフレグランスショップの店内を歩き回っていた。

 時折「姫ってこんな匂いとか好きなんじゃね?」とベルが進めて来るルームフレグランスなどを試しに嗅いでみたり、ベルからフレグランスの種類によって発生する香りの持続性の違いを教えてもらったり、完全に女物としか言いようのないフレグランスや、男物の中でもガッツリと濃いめの匂いがあるようなフレグランスに2人して表情を歪めては、「こう言うフレグランスつけるような奴とは絶対無理。側にいたくない。」なんて言ったりしながらも、時間を潰していた。

 すると、ベルが依頼したフレグランスが完成したこと知らせるように、持たされていた番号札の番号を呼ばれる。

 ベルと一度顔を見合わせたわたしは、すぐにオーダーフレグランスの場所へ、彼と並んで向かった。

 

「お待たせしました。依頼されたお品が完成しましたよ。こちら、アトマイザーに入れたお試し用のものです。試香してみてください。」

 

 そう言って笑顔でベルに液体が8割程入っている小さめの小瓶を手渡す調香師の女性。

 差し出されたお試し用のアトマイザーを手に取ったベルは、数回フレグランスの噴出口を吹かし、少しだけ霧状になったのを確認したのち、その場で手首に噴きかけ、鼻を近づける。

 

「・・・・・・よくできてんじゃん。組み合わせの香料の量も完璧。姫。手首出して。」

 

「手首?」

 

 ベルに言われた通り手首を出せば、彼は手元にあるアトマイザーのフレグランスをわたしの手首に噴きかけた。

 

「フレグランスを振ったところに鼻を近づけてみろよ。」

 

「う、うん?」

 

 ベルがしていたように、フレグランスがかかったところに鼻を近づけてみると、ふわりと柑橘系の爽やかさと、花のものと思わしき甘い香りが鼻腔を通り抜けた。

 どことなくハーブ感もあるが、どうも花や果実が混ざったような優しくて上品な甘さがあるようだ。

 

「すごくいい匂い・・・・・・」

 

「だろ?これ、王子のおすすめの組み合わせ。トップはシトラスとかハーブ感がちょい強めに出るけど、次第にそれは落ち着いて、フローラルやフルーティーの強過ぎない甘さになって、最後にウッディ系とラズベリーが混ざった穏やかな甘さのある香りになんの。

 普段は別のところで作ってもらってんだけど、今回、こっちの店にも全部香料あったから頼めてよかったわ。」

 

 そう言ってベルは、フレグランス入りの瓶を手に取り、わたしの方に差し出してくる。

 その瓶はとてもオシャレなもので、インテリアとしても飾れそうな綺麗なものだった。

 何度か瞬きをしたあと、それを受け取れば、ベルは小さく笑い声を漏らしたのち、スタッフに視線を向ける。

 

「カード使える?使えんならさっさと支払い済ませてーんだけど。」

 

「かしこまりました。こちらへどうぞ。」

 

 ブラックカードをちらつかせながら、支払いに進みたいと口にするベルに、調香師さんはベルをレジに案内した。

 彼の様子から、一瞬わたし自身も財布を出そうとしたが、ふと、これはベルがわたしに贈ろうとしていることを悟り、カバンに手をかけていた手を放した。

 

「こっちの意図を汲んでくれてサンキュー、姫。んじゃこれで。」

 

 提示された金額を見たベルは、すぐにブラックカードで支払うことを店員さんに告げる。

 調香師さんではなく、レジの担当をしていた店員さんは、どう見ても学生くらいの青年が、ブラックカードを提示してきたことに最初は驚いていたが、すぐに然るべき手続きをその場で行った。

 それを見たベルは、すぐにブラックカードによる一括払いを済ませ、わたしの手元にあったフレグランスの瓶をひょいと取り上げる。

 

「姫ようになんかいい感じにプレゼント梱包してもらえる?あと紙袋も用意して。王子のも忘れんなよ。」

 

 わたしの手元から取り上げたフレグランスの瓶を店員さんに手渡し、ラッピングするように指示を出すベル。

 店員さんはすぐに頷いたのち、手際良くフレグランスをラッピングして、紙袋も用意してくれた。

 

「あ、持ち運びやすいようにアトマイザーあった方がいいか。ん〜・・・・・・じゃ、そこにあるアトマイザー追加で購入するから一緒に入れて。

 あとロールオンタイプのアトマイザーと、アトマイザーに移し替えやすいように専用の道具も。」

 

「かしこまりました。」

 

 テキパキとベルが出した指示に従う店員さん。

 ・・・・・・あの、明らかにおかしな桁の値段がブラックカード支払いされた気がするのですが!?

 

「ベ、ベル?今、46万とか言う数字出た気がするんだけど気のせい・・・・・・?」

 

「たかが9万のアトマイザー4本だけじゃん。こっちが姫ね。こっちは王子。」

 

 ベルが購入したアトマイザーは、パステル寄りのコーラルレッドの本体に、ティアラモチーフのつまみが装飾として使用されているシルバーの蓋が特徴的なアトマイザーと、黒猫が夜空に向かって跳んでいるイラストがポイントが特徴的なロールオンフレグランス型のアトマイザーだった。

 どちらも、かなりガラスの部分にも凝っているのか、キラキラとホロ仕様となっており、幻想的なものだった。

 

「これで、いつでも王子のおすすめフレグランスを持ち運べるぜ?使い勝手いい香りだと思うし、よかったら普段も使えよ、姫。」

 

「ありがとう、ベル。これなら、寝香水としても、普段使いとしても使い勝手が良いよ。」

 

「ん。気にすんなって。王子が好きで贈ってるわけだし?あ、一応、今回の組み合わせはちゃんと記録しとけよ。

 なくなった時とかに同じ奴姫に用意して買えるしさ。つーわけで、よろしく〜」

 

「かしこまりました。こちらの組み合わせはしっかりと、お客様のオーダーメニューとして登録しておきます。」

 

 “こちらの店への連絡用にお使いください”と言って、店員さんはわたしとベルにこの店のパンフレットを手渡してきた。

 すぐにそれを受け取れば、店員さんは笑顔を見せて頷く。

 

「お揃いのフレグランスで気分を変えながら、穏やかなお時間をお楽しみください。」

 

 店から出る前に告げられた言葉に、一度だけ頷いたわたしは、フレグランスが入っている紙袋を腕にかけ、ベルと寄り添いながら店を出るのであった。

 

 

 




 沢田 奈月
 ベルとデートをしていたら、サラッとフレグランスを贈られた貝の女王。
 手渡されたフレグランスには、これから先度々彼女はこのフレグランスにお世話になることに。

 ベルフェゴール
 リボーンからフレグランスをもらったと言ってきた奈月に少しだけイラッとしたので自分からもフレグランスを贈った憤怒の嵐。
 自分が気に入っている匂いだったのだが、奈月も気に入った様子だったので上機嫌。






 作者も気に入ってる香りです。めっちゃいい匂い。流石は王子。お上品な甘さでした。

ハルのハルハルインタビューや、犬のケンケンぱぁ〜、ルッスーリア3丁目、怪物使いツナのネタは・・・・・・

  • 骸「奈月ありで番外に書きましょうよ。」
  • リ「別にいらねーんじゃねーか?」
  • 雲「どっちでもいい。」
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